東京農業アカデミー第1期生インタビュー|「人が交流できる農業を」赤塚功太郎さん

東京農業の担い手を育てるために、東京都が設立した「東京農業アカデミー」。年齢もさまざまで個性豊かな第1期生にインタビューしてきました。
今回は一番の若手、赤塚功太郎さん。なぜ東京で農業を志したのか、どんな授業が印象的だったかなど、たっぷり答えていただきました。


赤塚功太郎さん

撮影:AGRI PICK編集部
東京の農業の担い手を育成するため、2020年に誕生した東京農業アカデミー。その第1期生として学ぶ赤塚功太郎さんに、東京で就農を目指す理由、研修の印象、将来のビジョンなどを伺いました。

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きっかけは父の紹介で始めた農業のアルバイト

作物を触る赤塚さん
撮影:AGRI PICK編集部

近隣の農家で農業と出会う

赤塚功太郎さんは、東京都練馬区出身の24歳。東京農業アカデミーに入学する前は、父の紹介で近隣の農家で半年ほどアルバイトをしていました。

アルバイト先は、ブルーベリー、キャベツ、ブロッコリー、ダイコン、ミカン、レモンなどを栽培している農家。果樹の剪定や野菜の荷造りなどが主な作業でした。そのほか、定植の位置を縄で決める縄ずりなど二人でする作業の手伝いや、ブルーベリー摘み取り体験の案内スタッフ、種まきもしました。このときの経験が本当によかったと赤塚さんは振り返ります。
赤塚功太郎さん
赤塚功太郎さん
以前は昼夜逆転のような生活をして、体調を崩していたこともあったのですが、朝から働くことで健康的になり、自然に触れていくうちにどんどん元気になっていきました。アルバイトのときの経験があるから、東京農業アカデミーに入学したといっても過言ではありません。

身近な場所に畑があることが大切

アルバイト以前は農業に興味を持っていなかった赤塚さん。アルバイトを始めてから自分が元気になったこともあって、身近な場所に畑があることの重要性気づき、東京に農地を残していきたいと考えるようになりました。
赤塚功太郎さん
赤塚功太郎さん
アルバイト先の農園には、ブルーベリーの摘み取りに訪れる人や市民農園で作物を育てる人、収穫体験に来る幼稚園児など、いろいろな人が来ていたのですが、みんな楽しそうなんです。自分もそういう場所を作りたいという思いがあります。

ちょうどそのころ、父の友人から東京農業アカデミーが設立されるという話を聞き、赤塚さんは入学を決意しました。

同世代の人に同じことを感じてもらいたい

自分がアルバイト先で感じたことを都会で暮らす人に感じてもらいたい、特に自分と同世代の人に畑に来てもらいたいと赤塚さんはいいます。そこには、自分たちの世代がこれからの社会を作っていくという強い自負がありました。
赤塚功太郎さん
赤塚功太郎さん
今、畑に来ている人は高齢者や中高年で、若い人はあまりいません。でも、自分たちは、子どもを産んだりして、これからの社会を作っていく世代。子どもに畑に来てもらうには、まず親世代に興味を持ってもらわないといけないと思います。だから、親になる同世代に畑に来てもらいたいという気持ちがあります。


あらゆる世代に、生活の一部として気軽に畑に来てもらいたい。その手段として、自分で新規就農して環境を作る必要があると考えた赤塚さん。東京農業アカデミーへの入学は、その夢を実現するための第一歩となりました。

東京農業アカデミーの研修を受けて感じたこと

トラクターにのる赤塚さん
撮影:AGRI PICK編集部

受講生同士の交流が学びになる

東京農業アカデミーの第1期生は5名。それぞれ性格は違うけれど、全員気さくでやる気と向上心がある人たちです。赤塚さんは、参加するまで受講生同士はあまり交流がないのではないかと思っていましたが、実際には講義の中でみんなで話し合うことがたくさんあるのだそう。世代はさまざまですが、作業をしながら徐々に仲良くなり、とても励みになっていると感じています。
赤塚功太郎さん
赤塚功太郎さん
自分の考えだけではなく、人の考えを知り、勉強になることが多いです。受講生同士、交流する中で学ばせてもらっている面があります。違う世代の人とも仲良くなれるのが、畑のいいところだと思います。

印象的だった農業機械や労働安全の講習

印象に残っている授業について伺うと、赤塚さんは農業機械と労働安全の講習を挙げてくれました。
赤塚功太郎さん
赤塚功太郎さん
農業機械の講習で、トラクター、耕運機、草刈り機などを実際に使ったことが印象的でした。メーカーの方も来てくれて、構造や管理の仕方などを教えてもらうことができました。また、労働安全講習では事故の事例や写真を見せてもらって、農業は危険を伴う仕事であることを再認識しました。

指導員の先生は優しく、初心者にもわかるように説明してくれるほか、質問もしやすい環境です。現在、農地を探し始めていますが、東京農業アカデミーの農場長が農業委員会に同行してくれたことも心強かったそうです。

就農後の将来のビジョンは?

トラクター前の赤塚さん
撮影:AGRI PICK編集部

人が集まってくれるような農業を

赤塚さんは、東京農業アカデミー修了後、地元の練馬で人が集まってくるような農業をやりたいと考えています。まず栽培したいのは、枝豆。枝豆が好きなことはもちろんですが、収穫期間が短く、失敗が少なく、肥料や手間もそれほどかからないところに魅力を感じるそうです。

畑が成功した後には、どのようなビジョンがあるのでしょうか。
赤塚功太郎さん
赤塚功太郎さん
音楽が好きなので、畑で音楽をかけてみんなが集まってくれたらと。近所の人たちや集まった人たちに栽培方法を教えたいと思っています。交流の場があって、地域の雰囲気がよければ、子育ての環境もよくなると思っています。

新型コロナウイルスで人との交流が希薄になったことで、人と交流した方が、自分が元気になっていくと気づいた赤塚さん。交流のきっかけに集まってもらう場にするためにも、まずは自分が安全な野菜を作る必要があると考えています。

農業と出会って元気になり、将来の夢も見つかった赤塚さんは、まだ20代ながら次世代のことも考えていて、東京農場アカデミーの八王子研修農場でトラクターに乗る姿がとても頼もしく見えました。数年後、赤塚さんの農場は、人が集まるにぎやかな交流の場になっているかもしれません。

東京農業アカデミー八王子研修農場
概要:就農希望者を都市農業の担い手として育成することを目的として東京都が開設した研修農場
対象:18歳以上で都内で就農を目指す人(毎年5名程度を受入れ)
研修農場 : 八王子市大谷町(約20,000㎡)
研修期間 : 2年間(年間約220日)
問い合わせ:東京農業アカデミー八王子研修農場 042-686-1077、東京都産業労働局農林水産部農業振興課 03-5320-4814(直通)

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神山 朋香
神山 朋香

大学卒業後、地方公務員として消費者教育や労働福祉の普及事業に従事した後、AGRI PICK編集部に。AGRI PICKでは、新規就農に役立つ情報などを執筆しています。

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