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- SMART AGRI
「SMART AGRI」はスマート農業に関する情報をお届けするウェブメディアです。 スマート農業の技術や事例を中心に、いま日本の農業関係者、農家が必要としている情報をわかりやすくお伝えしていきます。…続きを読む
ICTやロボット、AIなどを活用した次世代型の農業などの幅広い情報を紹介している「SMART AGRI」。先進的な情報や専門的なコラムなど、豊富なコンテンツが魅力的なサイトです。
今回は「SMART AGRI」との連携企画第5弾として、「農業WeekでSMART AGRI編集部が見つけた注目製品&サービス」について教えていただきました!
SMART AGRI(スマートアグリ):農業とITの未来メディア
展示は、次世代農業EXPO、6次産業化EXPO、畜産資材EXPO、農業資材EXPOなどに分かれており、さらに道工具・作業用品EXPO、ガーデンEXPOも含めて、6つのホールがいっぱいになるほどの盛況だ。
今回はそんな「農業Week」でSMART AGRI編集部が注目した、興味深い製品やサービスをご紹介しよう。
病害虫情報をQ&Aで解決できるアプリ「アグリDr.」
農作物を作っていて、病害や害虫の類いには誰もが一度は直面したことがあるだろう。先人が残した書籍や普及指導員のアドバイスだけでなく、最近ではインターネットで症例を探せるようにもなってきている。とはいえ、自分の作物の状態をピンポイントで診断してくれるわけではないため、最終的には目で見て状態を判断し、農薬を使ったり株を取り除いたりするしかない。
そんなときに便利なスマホアプリが、福岡県の農業資材流通会社、株式会社ニチリウ永瀬から2020年に登場する予定だ。その名も「アグリDr.」。
使い方は簡単で、アプリを立ち上げて品目を選ぶと、それぞれの品目ごとによくある病害虫の状況の写真などが現れるので、自分の作物の状態に合致しそうなものを探すだけ。質問自体も多数用意されている。
病害虫は主に品目ごとに同じような状態を示すことが多い。対話形式のアプリを使って不安を解消できるというのは心強い。
リリースは来年とのこと。楽しみに待ちたい。
参考:アグリDr.(株式会社ニチリウ永瀬)
アスパラガスを1本ずつ丁寧に収穫するロボット「inaho」
すでに新聞や雑誌などでもたびたび話題となっているのが、「inaho」というアスパラガス収穫に特化したロボットだ。その特徴は、露地栽培でも使えるということ。アスパラガスの植え方には多少工夫が必要になるが、根元をアームでつまみ、専用カッターで切るというシンプルさながら確実に収穫し、そのアスパラガスをていねいにカゴに入れてくれる。工業製品としてではなく、人間の代わりを担っているという開発者の思いが伝わる。
もう一つは、製品は無料で貸与し、収穫量に応じて料金を支払う方式を採っていること。高額な農機具をローンで購入する必要がないため、中小規模の農家から大規模農家まで幅広い層が利用できそうだ。
参考:Inaho
人間と同じペースで栗を拾うロボット「アーミィ」
今回参考出品されていたAI栗拾いロボット「アーミィ」は、人間に代わって栗を拾うというもの。試しに、イガグリと中身を両方置いてみると、カメラが対象の場所やサイズを認識して、アームの力加減を調整し、どちらも確実に拾っていく。2秒間に1個拾うというペースは、一般的な栗拾いのスピードとほぼ同じだ。地面に落ちた栗を拾う作業は、今でも背中にカゴを背負ってハサミで拾っていくことが多いのだという。ほぼ同様の作業を疲れを知らないロボットで実現できるという意味では、非常にシンプルに効果が上がりそうだ。
参考:S-Techno Factory(アーミィ)
女性向け農作業ブランド「あぐるみ」
会場の中でひときわ華やかな雰囲気を醸し出していたのが、「あぐるみ」というアパレルブランドだ。花柄やチェック、これからの秋に合いそうなアースカラーのパーカーなど、これまでの“農家”というイメージを払拭し、若い女性でも明るく華やかな気持ちになれるような作業着が提案されている。これまでのホームセンターなどに売っていた農作業着とは印象がかなり違う。
開発元は、新潟県三条市の農具・刃物ブランド「蔵一」などを手がける株式会社佐野利。地域に即した農機具などを販売するECサイト「あぐりの蔵」でも販売されている。
実際、会場で少しお話を伺っている間も、ひっきりなしに女性がもんぺやフードを手にとっていた。ガーゼ生地で肌触りもよく、普通の洋服のようなデザインが好評だ。
参考:あぐるみブランド|あぐりの蔵
農業Weekには家庭菜園や小規模農家向け製品・サービスも!
「農業Week」のメイン展示は次世代農業、いわゆるスマート農業の類いや、6次産業化といったテーマのサービスが大半ではあった。しかし、家庭菜園や日々の農作業を少しだけ便利にしたり、楽しくしたりするサービス、製品も多数展示されている。大規模農家でなければ予算がかけられないようなドローンやロボットではなく、コストはかけずにちょっとしたアイデアで農作業を省力化したり楽しく作業できるようにしたりしてくれる。
「農業Week」は関東と関西で毎年開催されている。興味がある方はぜひ、会場に足を運んでみてほしい。