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つるむらさきってこんな野菜!花も食べられる?
健康食ブームで全国各地で栽培されるようになった、熱帯地域が原産のつるむらさき。ぐんぐん育って、茎・葉・花・つる全部食べられます。ゆでると独特のヌメリがあり栄養満点!元々は江戸時代に、観賞用や紫色の染料として栽培されていたようです。「赤茎種」と「緑茎種」の2つのタイプがあり、赤茎種は茎と実が紫色で、緑茎種は全体が緑色。つるむらさきといいながらも、くせもなく食べやすい緑茎種が、食用としては一般的です。
つるむらさきの栽培カレンダー
生育適温と連作期間は?
生育適温:20~30℃連作障害があるため、2~3年は間をあけましょう。
つるむらさきの花の特徴
つるむらさきの花は、薄いピンク色や薄いふじ色をしています。花も食べることができるので、捨てずに調理してみましょう。ほんのりとした甘さがあります。押さえておきたい!失敗しないつるむらさき栽培のコツ
Point1. 発芽率を上げるのが成功のコツ
種の皮が硬いので、発芽しないことが多くあります。種まきを行う前日から一晩水につけておき、発芽率を上げましょう。Point2. 風通しを良くして病気と害虫予防
つるむらさきは、次々につるが延びて生長していきますが、株元から出たつるは、はさみで切り落としてすっきりさせましょう。このつるをそのままにしておくと風通しが悪くなり、病気にかかったり、アブラムシやヨトウムシなどの害虫がつきやすくなります。アブラムシ
体長2〜4mmの小さな昆虫で、野菜だけでなく草花や樹木などあらゆる植物につき、やわらかい新芽の部分などに群がって植物の汁を吸います。また、吸汁のみならず、植物から植物へと移動するときに、すす病やモザイク病などのウィルスを媒介する厄介な害虫です。成虫の飛来を防ぐには、シルバーマルチが有効。「アブラムシ対策」はこちらをチェック!
ヨトウムシ
葉裏に産卵され、孵化したヨトウガの幼虫(ヨトウムシ)が葉を食害します。日中は株元の土中に潜って隠れており、夜間に活動するため、見つけにくい厄介な害虫です。放置すると株全体が食害されてしまうこともあり、早めの対策が必要になります。「ヨトウムシ対策」はこちらをチェック!
Point3. 油断すると根が張るので要注意!
つるが土に触れると、そこから根が生えて一気に地面に広がります。根が張ってしまうと栄養が分散されるだけでなく、撤去時も苦労します。Point2.同様、株元の余分なつるの剪定作業を行い、つるが広がらないように注意しましょう。畑でもプランターでも手軽にできる!つるむらさきの栽培方法
つるむらさきの種を準備しよう
食味が良く食べやすい!緑茎種の種
Step1. 用意するもの
土作りや栽培に必要な道具を用意しましょう。Step2. 土を準備する
畑・地植え栽培の場合
1. 種まきの2週間前までに、1平方メートルあたり200gの苦土石灰をまき、土に混ぜ込みます。2. 種まきの1週間前までに、1平方メートルあたり200gの化成肥料と1kgの堆肥をまき、土に混ぜ込みます。
3. 高さ10~15cm、畝幅60cmの畝を作成しましょう。
4. 雑草の抑止のために、黒マルチを使用します。
マルチシートの目的と張り方のポイントなど、詳しくはこちら!
プランター栽培の場合
1. プランターは深さ20cm、幅65cm、奥行き20cm以上の物を準備しましょう。2. 根腐れを防止するため、鉢底石を底に敷き、野菜用培養土を縁から2cm下の高さまで入れます。
Step3. 種まき
畑・地植え栽培の場合
1. マルチカッターなどで、点まき用の穴をマルチにあけます。2. 深さ1cmのところに3点まきします。
3. 土をかぶせて軽く鎮圧します。
4. 水をたっぷり与えましょう。
条間と株間に注意!
つるむらさきは勢い良く広がって生長するため、近い距離で複数植えてしまうと風通しが悪くなります。地植えの場合、複数箇所に種まきする場合は、株間が40cm、条間45cmをしっかり取るようにします。
プランター栽培の場合
1. 横幅が65cmのプランターなら、2株育てられます。20~30cmあけて、種まきする場所を決めます。2. 深さ1cmのところに3点まきします。
3. 土をかぶせて軽く鎮圧します。
4. 水をたっぷり与えましょう。
Step4. 間引き
1. 発芽には1週間ほどかかります。気温が低い場合は、防虫ネットをかぶせて25℃前後の環境を作りましょう。2. 本葉が3~5枚になったら、生育が悪い株を根元から、はさみでカットして間引きしましょう。
Step5. 支柱設置・誘引・剪定
地植えもプランターも同様に、つるが伸び始めたら合掌式に支柱を立てて、園芸ネットを張りましょう。ネットは風でつるむらさきが揺さぶられないように、できるだけピンと張ります。伸びているつるを誘導してネットに絡めます。
株元のつるはしっかりカット!
つるが伸び始めると、株元が徐々に茂りだします。園芸ネットを設置した初期の段階で株元の剪定をして、風通しを良くしておきましょう。
Step5. 追肥
畑・地植えの場合
誘引を実施してから2週間に1回のペースで、1平方メートルあたり30gの化成肥料を土の上にパラパラとまき、しっかり土に混ぜ込みましょう。プランターの場合
誘引を実施してから2週間に1回のペースで、1株に10gの追肥をします。株元にパラパラと化成肥料をまき、土に混ぜ込むようにしましょう。Step6. 収穫
つるの先端から15cmの部分を、はさみでカットするか手で折って収穫しましょう。茎、葉、花、つる、全て食べられます。伸びてきた脇芽を摘み取ると、またどんどん脇芽が出てきて長く収穫できますよ!花は夏から秋にかけて咲くため、収穫して食べたい場合は開花まで待ってみましょう。つるむらさきを挿し木で栽培する
つるむらさきの種まきの時期は4~6月ですが、種まきの時期を逃してしまっても、もらったり買ったりしたつるむらさきで挿し木栽培ができますよ!1. 茎をカットして、下葉を取る
茎を10~15cmほどの長さにカットし、水に浸けます。定植に必要なのは茎部分のため、水に浸かる下葉はすべて取り除きましょう。2. 植え付け
水に浸けておくと1週間から10日ほどで根が出てくるため、畑やプランターに植え付けしましょう。その際、根はしっかり土の中に埋めて、割り箸や支柱に誘引するといいでしょう。つるむらさきの保存のコツとおすすめレシピ
次々に収穫できてうれしいつるむらさきですが、大量に採れた場合、賢く保存して、おいしく食べたいですよね!つるむらさきの保存のコツと、おすすめのレシピを紹介します。保存のコツ
水揚げして冷蔵庫で保存
水洗いで土やゴミをしっかり落としてから、根本を斜めにカットします。ボウルに水を張り、切り口を浸けた状態で立てて新鮮な水分を吸い上げさせます。その後、湿らせたキッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れます。空気を抜いてから口を閉じ、冷蔵庫内に立てて保存します。ゆで方をチェック!ゆでてから冷凍保存
水洗いしてから、まず葉と茎に切り分けます。鍋の中の沸騰したお湯に塩をひとつまみ入れて、茎を入れた後、30秒後に葉の部分を入れます。さらに30秒後、茎も葉も全て冷水に取ります。手でしっかり水気を絞り、料理に使いやすい大きさにあらかじめカットしてから、1回に使う分ずつ小分けにして、ラップや冷凍用保存袋に入れて冷凍庫へ。おすすめの食べ方とレシピ
和え物やおひたしでネバネバを楽しむ!
ネバネバした食感が好きな方は、さっとゆでて(加熱して)から、好きな具材と和えて食べましょう。つるむらさき本来の味や風味を、十分に楽しめます!花の甘さを味わう!サクサクの天ぷら
つるむらさきの花を食べる場合は、天ぷらがおすすめです。繊細な甘さを味わうために、塩や薄口のつけダレが合いますよ。にんにくやオリーブオイルとの相性も◎
醤油やだし以外でも、にんにくやオリーブオイル、パンなど洋風の素材と合わせてもOK!旨味がつるむらさきに加わってとてもおいしいですよ。参考:サッポロビール「つるむらさきとしらすのカナッペ」