コンテナの改造はDIYでもできる?
改造ビフォーアフター!
DIYのメリット
コンテナの改造をプロに依頼するかDIYでやるかを迷われる方は多いのではないでしょうか。これまでコンテナの改造をしてきた私としては、換気扇を付ける、塗装するなど軽微な改造においてはDIYの方がメリットが大きいと考えています。もともとコンテナは、一般的な家屋と違って鉄製でさびや雨漏りなどが起こる可能性がありメンテナンスが必要なうえ、使い方が変われば必然的に改造が必要になります。一度自分でできるようになってしまえばトラブルにもすぐ対応できますし、気分に合わせて改造できるのでコンテナを120%楽しむことができるのです。
改造前に必ず確認!コンテナの種類
一口にコンテナといっても、外壁や内装の素材、その厚みなどは千差万別。加工の仕方はそれらの条件に合った方法を選ぶ必要があります。外壁と塗料がミスマッチだと、数カ月で色あせてしまったり、カットがうまくいかなかったりということがあります。構造の素材はほとんど鉄ですが、外装は鉄かアルミ、内装は鉄、アルミ、木材、カーボンボードなどさまざま。それぞれの厚みも確認するようにしましょう。スタンダードなドライコンテナ
基本的には床以外は鉄製のコンテナで、防さびの塗料などが塗られています。ただ古い中古コンテナや腐食が進んだ海上物流コンテナなどは、劣化している部分をしっかり把握して修繕しなければいけない場合もあるので、事前に確認しておきましょう。鉄製なので、暑さが厳しい夏は中に入れないほど暑く、冬は氷のように冷たくなるという難点があります。物置としては換気扇を付けるくらいでも十分ですが、中で快適に過ごせるようにするには、内側に断熱材を張る、外装にも遮光塗料を塗るといった対策が必要になります。また鉄製なので、さびや水漏れは溶接が必要になります。簡易な溶接機があれば対応できますが、DIYとしては少しハードルが高めです。
断熱効果あり!冷蔵・冷凍コンテナ(外壁アルミ)
さびづらく、断熱効果が高いアルミ製の冷蔵・冷凍コンテナ。私はこのタイプのコンテナを加工しました。アルミコンテナの塗装には鉄用の塗料が使えません。アルミにもしっかりと着くように専用の下塗り剤や二度塗りが必要になるので、鉄性コンテナより塗料が高くつきます。アルミの溶接は鉄よりさらに難易度が高いので、雨漏りなどについてはコーキングで穴を埋めることになります。また、一般的にコンテナの壁が薄いので、サイディングや棚を壁に付けるという場合は釘ではなくリベット固定という特殊な方法を使いますが、壁に加重のかかる改装には不向きと考えた方が良いでしょう。
アルミ製コンテナの改造事例
ここからは、実際に私がアルミ製の冷蔵・冷凍コンテナを改造した事例をご紹介します。窓や換気扇を付けるためのカット
小窓や換気扇を取り付ける場合は、骨格となっている鉄柱を切ると厄介です。できるだけ鉄構造にかからない部分を選んで切断します。コンテナの内部からたたくと鉄柱が入っているところは音が違うので見当をつけることができます。ここでは窓枠の場合に絞って説明します。
取り付けたい窓枠に合わせて、マーカーで切断するラインにマークをいれます。カットにはディスクグラインダーか、鉄切り丸鋸を使用します。
ディスクグラインダーによる切断の場合、使用するタイプとして回転数10,000min前後の高速型で、サイズが150mm以上のグラインダーが適しています。このグレードになるとほぼプロ仕様に近いものがほとんどです。メーカーとしてはマキタやHiKOKI(旧日立工機)がおすすめ。
グラインダーに取り付ける砥石(刃)は20~25mmの金属切断用。
金属切断の際は、保護手袋、保護メガネ、防音イヤーマフなどをして作業しましょう。
窓の取り付け
取り付けた窓は木枠ですが、設置の際は窓枠と壁の間を埋めるようにコーキングをすれば水漏れなどはありません。窓枠はビス止めで固定しました。
コーキング用のシリコンは一般的なもので十分です。
塗装のHOW TO
塗装といってもペンキを塗るだけではなく、実は下処理や、2度塗りなど作業は多岐にわたります。20フィートコンテナを2人で作業しても2~3日はかかりました。段取りを組んで人手を確保しておくと良いでしょう。塗装に最適な時期
真夏、梅雨時期、真冬は避けましょう。夏場ではコンテナが暑くなり過ぎて作業できません。作業後2日は雨が降らない、春や秋などの乾燥した時がおすすめです。塗装面の下処理
塗装する前に、コンテナの外側にペイントされている文字や柄を消します。これは塗装しても後々うっすら文字が浮き出てしまったり、塗料がうまくつかなくなるのを防ぐためです。コンテナの外壁が平面であればサンダーで行いますが、波面だったのでグラインダーにブラシを付けて削り落としました。実際に私が使用した道具を紹介します。グランダーとブラシはコンテナの外壁の文字を消すために使いました。
粉塵の飛散があるので、必ず防護メガネとマスクを着用しましょう。
その後、高圧洗浄機で表面の汚れなどを落として乾かします。
塗らない箇所を養生テープで保護
窓や入口など、塗装しないところには養生テープを貼ります。液垂れしそうなところは新聞紙などを敷いて保護します。塗料(下塗り・上塗り液)を選ぶ
基本的に、塗装の際は防食や耐久性を高めるための下塗り塗料を塗った後に、塗りたい色の上塗り塗料を塗ります。私のコンテナはアルミ製なのでアルミに対応したものを選びましたが、鉄製コンテナの場合は鉄用の下塗り剤と上塗り塗料を選びます。コンテナの色をブルーにしたかったので、カラーバリエーションが豊富な上塗り液の中から探して決めました。ただし、同じ塗料でも汎用性のある白などは安く、特殊な色は高いのが一般的。私が購入したシャニンブルーは白に比べて2倍高い価格でした。
上塗り用の塗料に対応した下塗り液を決めました。下塗り液の色は白にすると遮熱性がでるのでおすすめです。
この上塗り液はシンナーで希釈するタイプなので別途シンナーを用意します。
上塗り液と下塗り液の組み合わせや、外壁との相性が不安な場合は、塗料メーカーやホームセンターで確認することをおすすめします。
塗装の方法
面が乾いたところから、下塗り剤を1回塗り、3時間ほど乾かします。下塗りが乾いたら、上塗りを2回行います。塗料を塗るにはシンナーにも対応しているウールローラー、ローラーハンドル、バケットを使用します。すべてサイズをそろえる必要があるので注意してください。塗料が手につかないようにビニール手袋をし、保護メガネとマスクも着用して作業しましょう。