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果樹の仕事|技術をもって樹と向き合い、豊かな食卓を支える


果樹の仕事をご紹介。果樹栽培の歴史や、栽培されている作物、気になる収入、1年間の作業スケジュール、そして課題ややりがいまで、詳しくお伝えします。1年を通じて樹と向き合い、果実を作っている農家の努力がわかります!

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神山 朋香

大学卒業後、地方公務員として消費者教育や労働福祉の普及事業に従事した後、AGRI PICK編集部に。AGRI PICKでは、新規就農に役立つ情報などを執筆しています。…続きを読む

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みかんの木

出典:写真AC
日本における果実の摂取量は減少傾向にあります。その理由には、価格の問題のほか、買い置きできないことや、皮をむく手間などがあるといわれています。でも、朝食にフレッシュな果実を摂ったときの爽快感、夕食後にほっとして食べる果物などは、私たちの生活を豊かに彩ってくれるものですよね。

ここではそんな果物を生産する果樹農家の仕事についてご案内します。

果樹とは?

栗
出典:写真AC
果樹とは、概ね2年以上栽培する草本植物および木本植物であって、果実を食用とするもののことをいいます。一般的にはくだものと呼ばれていないクリやウメなども果樹とされています。
参考:農林水産省ホームページ

果樹栽培の歴史|縄文時代に始まり明治以降に発展

竪穴式住居
出典:写真AC
日本の果樹栽培は縄文時代前期から始まったと考えられています。その代表的なものはクリであり、同時期に日本なしも栽培されていました。弥生時代になると、中国大陸からモモ、スモモ、ウメが、奈良時代以降はかんきつ類やブドウ、アンズ、クルミ、ザクロ、カキなどが伝来し、各地に広まっていきました。

明治維新とともに欧米からリンゴ、オウトウなどが伝わり、北海道開拓使が欧米から顧問として迎え入れた米国農務長官が日本の気候風土が果樹栽培に適していると栽培を勧めたため、全国での果樹栽培が奨励され、近代的な果樹園が作られるようになりました。

日本で栽培されている果樹|ツートップはミカンとリンゴ

箱詰めみかん
出典:写真AC
日本では、全国各地で気候や立地に応じたさまざまな果樹が栽培されています。東北地方を中心としたリンゴ、西日本を中心としたミカンなどのかんきつ類、山梨県のモモやブドウ、沖縄県のパインアップルなど、季節ごとに食卓を彩る果実があります。
日本で最も栽培されている果樹はミカンで、栽培面積、収穫量ともに最大となっています。次に多いのはりんごです。

<果樹の収穫量ランキング>
順位品目収穫量(t)
1ミカン741,300
2リンゴ735,200
3日本ナシ245,400
4カキ224,900
5ブドウ176,100

果樹の栽培農家数や気になる所得は?

りんご畑
出典:写真AC


果樹の栽培農家数は約21万戸(平成27年)で、平成22年からの5年間で13%減少し、経営者の高齢化も進んでいます。果樹作経営を営む1経営体あたりの農業粗利益の全国平均は594万円。他の業種と比べると、露地野菜栽培が602万円、施設野菜栽培が1,250万円となっていますので、やや少ないといえるでしょう。

しかし、果樹植栽面積規模3.0ha以上では、農業粗利益は2,017万円となります。所得の向上には、生産性を上げる必要があるため、農業経営規模の拡大やわい化栽培(木をコンパクト化することにより多くの木を植える)、スピードスプレーヤー(薬剤噴霧機)の使用などによる省力化が目指されています。
参考:農林水産省「2015年農業センサス報告書」
参考:「農業経営統計調査平成29年個別経営の営農類型別経営統計」


果実の生産動向|減少傾向の一方でブランド果実は伸びている!

シャインマスカット
出典:写真AC
果樹の栽培面積や生産量は、近年、緩やかに減少しています。一方、食味の良いかんきつの「紅まどんな」「甘平」、高糖度リンゴの「シナノスイート」など、生産が拡大している品目もあります。ブドウのシャインマスカットは国内外での需要が拡大し、出荷額が増加するとともに、市場価格も上がってきています。

また、近年、ブドウやモモの輸出額は伸びが続いています。国も日本産果実の輸出を後押ししているため、今後、果実の輸出はより促進していく可能性があります。

果樹の仕事の年間スケジュール|リンゴの場合

りんごの摘果
出典:PIXTA
1年を通して、いろいろな作業がある果樹の仕事。忙しい時期と余裕のある時期があり、まとまった休みを取ることが可能な場合もあります。ここでは、リンゴ栽培の年間スケジュールを見てみましょう。
時期仕事内容
4月施肥雪が消えて根が活動し始めるころに肥料を与えます。6月に追肥することもあります。
4月受粉開花2~3日前から開花後4、5日の間に受粉させます。
5~6月摘花・摘果花摘み、実すぐりともいいます。果実を大きく育て品質を良くすることと、来年の花芽の量と質を良くするために行います。
4~8月病害虫防除雨が多く気温が高い日本では病害虫の発生が多いため、農薬を使用します。
6~7月袋掛けサビ(癒合組織)を防ぎ、着色を良くする、貯蔵力を高めることが主目的。品種によっては途中で袋をかけ替えることも。
5~8月草生管理園地に牧草などを生やすと、土壌の団粒構造となり、水と空気を保つ能力が高まります。刈り取った草は有機物として土に還元します。
6~8月徒長枝整理6月ごろになると、新しい枝が伸びてくるため、不要な枝(徒長枝)を剪去します。
7~10月支柱入れ葉や果実の重さで枝が下がらないよう、支柱を入れます。
8~10月除袋袋を取ります。品種により時期が異なります。
8~10月反射シート敷果実の着色向上のため、地上にアルミ箔を処理したシートを敷き、反射光を利用します。
8~11月摘葉果実に光を当て、着色をよくするために果実を日蔭にする葉を摘み取ります。最近では見た目よりも味を重視した「葉とらずりんご」も出回っています。
9~11月実まわしツルまわし。陽光面だけでなく、反対側の陰光面にも光を当てるために実を回します。
9~11月収穫熟度の進み具合を見て、収穫時期を決定します。
9~11月選果収穫の際、箱に詰める際に等級別に選別します。
1~3月剪定枝切り。リンゴのなる枝に光を当てるために剪定します。作業の高さ、枝の配置、樹勢の調整のために最も重要な作業。
3~4月粗皮削りカビ削り。皮の外側は古く病害虫の絶好の越冬場所となるため、古い皮を削り取ります。

果樹の仕事の課題|安定した収入の確保

柑橘類のジュース
出典:写真AC
果樹栽培を仕事にするには、農業専門の求人サイトなどで就職先を探すか、農地を探して就農する方法があります。新規就農の場合には、苗木などの初期投資が必要であるのはもちろんですが、果実特有の問題として、収穫までの期間が長いという問題があります。苗木を植えてから果実を収穫するまで、何年もかかるケースがあるため、親から引き継いだり、事業継承したりすることが一般的です。

また、果樹には、いわゆる表年、裏年という実の付く年と実の付きにくい年があるものがあります。生産者は枝の剪定や花摘みなどでコントロールを試みますが、それでも収穫量の増減はあるので、複数の果樹を手がけることや、果実をジャムやジュースなどの加工品にして販売する六次産業化など、収入を安定させるための工夫が必要になります。また、観光客に入園料を払ってもらい、収穫を体験させる観光農園化も一つの方法です。


果樹の仕事のやりがい|機械化できない部分があるからこそ、人の技が必要

りんごを持つ手
出典:PIXTA
果樹の仕事は1年間、樹木と向き合い根気のいる作業が続きます。1年に1度しか収穫できない果樹の場合には、作業を覚えられるタイミングが限られているため、必要な技術の習得に時間がかかることがありますが、身に着けた技術が財産となります。

また、収穫や剪定など、機械化が難しい面があるため、体を動かすことが不可欠です。体を動かすことが好きな人や、花摘みや受粉などの細かい作業が得意な人には向いている仕事といえるでしょう。

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