- AGRI PICK 編集部
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ボウフラの防除について「フマキラー」さんに聞きました!
この記事は数多くの殺虫剤や園芸用品を手掛ける「フマキラー株式会社」に記事監修を依頼!ボウフラの防除方法について詳しく解説していただきました。
フマキラー株式会社
株式会社フマキラー公式HP「日用品質~フマキラー株式会社」
フマキラー公式オンラインショップ「フマキラーオンラインショップ」
ボウフラとは
水中に住んでいてクネクネとよく動くボウフラ。ボウフラとはいったいどんな生き物なのかを詳しくご紹介します。ボウフラは蚊の子ども
ボウフラとは蚊の幼虫のこと。細長い紐状の見た目で、体長は1〜6mmほど。成虫(蚊)になると4.5~5.5mmの大きさになります。ボウフラのしっぽは呼吸器官となっていて、空気を取り入れることができるので、しっぽが上の状態で水中にいます。ボウフラは水中の微生物や細菌類、生物の死骸などを食べて成長します。ボウフラを漢字で書くと「孑孑」
ボウフラとは漢字で書くと「孑孑」。この「孑」という字は、子供の「子」と似ていますが、別の漢字。水中でクネクネとよく動き、棒を振っているように見えることから「ボウフラ」と呼ばれるようになったといわれています。ボウフラ(蚊)の生態と特徴
ボウフラはどのように蚊に成長するのでしょうか。ここでは、卵から蚊に成長するまでの蚊の一生を解説します。またボウフラの親となる蚊の種類や、ボウフラが発生しやすい季節や気温もご紹介します。ボウフラの種類
ボウフラの親となる蚊の種類は、世界には3,520種類以上いると言われており、日本には130種類ほどの蚊が生息しています。わたしたちが普段の生活でよく見かける蚊は、家の中で見かける「イエカ」と屋外の藪などで見かける「ヤブカ」の2種類。「イエカ」の種類は、アカイエカ、チカイエカ、コガタアカイエカなど。人の血を吸う、私たちの身の回りにいる身近な蚊は、アカイエカ。ビルの浄水槽や地下鉄の側溝などでも繁殖して、季節を問わず年中発生するのがチカイエカです。
「ヤブカ」には、デング熱のウイルスを媒介するヒトスジシマカや、サイズが大きめのオオクロヤブカなどがいます。
ボウフラが発生する季節と気温
ボウフラは、25℃以上ぐらいの暖かい季節に発生しやすいです。主な発生時期は、4~9月。暖かく雨が降りやすい時期で、雨水が蒸発する前にまた雨が降り、水がたまっているところがあれば、蚊が卵を産んで繁殖してしまう可能性があります。蚊の発生を抑えるには、発生初期である春先(3月~5月)にボウフラの発生を抑制できるとそれ以降の増加が鈍ります。最初の増殖を叩くのが効果的です!
ボウフラとオニボウフラ
ボウフラは脱皮を繰り返して大きくなり、1週間ほどするとサナギに成長します。サナギは「オニボウフラ」と言われ、水中で2日から3日経つと羽化します。サナギの間はエサはとらず、胸にある器官を水面に出して呼吸しています。蚊は一度に200個の卵を産む
蚊にはオスとメスがあり、メスだけが水面に固まった状態で卵を産み付けます。この卵の塊は「卵舟(らんしゅう)」と呼ばれ、成虫したメスの蚊は一度に水面に約200個の卵を産み落とします。産み付けられた卵は2~5日で孵化してボウフラになります。ボウフラになると脱皮するようになり、4回ほど脱皮を繰り返して大きくなります。
1週間ほどすると「オニボウフラ」というサナギに成長。その後サナギから成虫になるのは、早ければ3日ほど。オニボウフラになってからは成長が早く、成虫になるまでの時間が短いのが特徴です。特に気候条件がそろう夏には要注意です。
サナギから成虫になった蚊は、長ければ1カ月ほど生きます。
ボウフラが発生する原因
水場があればどこでも発生するボウフラ。「流れのない水」「25度以上の温度環境」「オスとメスの蚊がいる」という3つの条件がそろうと発生しやすいと言われています。ここではボウフラが発生する原因をご紹介します。水たまりの放置
水たまりや雨の水が溜まる場所を放置していると、蚊の発生場所になります。古いタイヤや普段使っていないバケツ、ブルーシートなどを屋外に放置している人は要注意!蚊は、流れのない水があるところに卵を産みつけます。ボウフラの生息場所は、池や下水溝、浄化槽、水田、古タイヤ、墓の花立、空き缶、水たまり、鉢植えの水受けなど、水の量を問わずさまざま。
ボウフラはほんの少しの水でも繁殖することができ、また日陰で天敵が居ないような場所は繁殖に絶好な場所になります。ボウフラの餌は、小さな微生物(プランクトン)や生物の死骸や排泄物(デトリタス)など。そのような餌が発生するような水源を作らないことが大切です。
ボウフラの発生を防ぐには、水がたまる場所を作らないことが大切です。とくに人家周りでは、「鉢植えの水受け」や「外に出しっぱなしのバケツ」のように意図せずに水がたまってしまう場所があります。水と有機物があればボウフラは発生しますので、発生源となる場所をなくす(作らない)ようにしましょう
食虫植物
最近人気になっている食虫植物。食虫植物は、虫を捕まえて消化し、養分にして生きる植物のこと。食虫植物の中でも溶解液を貯めておくタイプのウツボカズラやサラセニアなどは、ボウフラが生息している場合があるので注意が必要です。ボウフラは、消化液の中に溜まっている栄養分を横取りし、蚊に成長していきます。気温が高くなったら注意
ボウフラは、25℃以上の暖かい気温になると発生しやすいと言われています。暖かく雨が降りやすい時期は、特に注意が必要です。雨上がりの次の日に気温が上がると、ボウフラが大量発生しやすいので気をつけましょう。ボウフラの防除方法
大量の蚊が発生しないためには、根源となるボウフラを発生させないようにすることが最も有効です。ボウフラの防除方法をご紹介します。水が溜まらないようにする
ボウフラを発生させないためには、水が溜まる環境を作らないこと。特に日陰でじめじめした場所に水が溜まらないようし、草木が茂っているような風通りの悪い場所を作らないようにしましょう。蚊は、じめじめした場所を好みます。鉢植えの水受けやお墓の花立は、水が溜まっていないかをこまめに確認し、水を捨てましょう。
古タイヤやバケツ、もう使わないブルーシートは思い切って処分。もしくはきちんと乾燥させて、雨風が避けられる倉庫などに収納することをおすすめします。
水たまりや車輪のくぼみなどは、面倒でも平らに整地して、雨が降るたびに水が溜まらないように対策をしましょう。
雨水タンクの設置
雨水を再利用できる雨水タンクを設置すると、ボウフラの発生が軽減される効果があります。ボウフラ発生の原因である雨水がタンクに流れ込むため、水たまりが少なくなるからです。雨水タンクは、タンクの蓋も密閉型のものを使用し、タンク内に蚊を進入させないようにします。さらに中に銅繊維を入れておくと、もし虫が入ってもボウフラの孵化を防ぎます。雨水タンクに関する記事はこちら
排水溝や雨どいの定期的な掃除
排水溝や雨どいは、水が溜まりやすく、ボウフラが発生するスポットになりやすいです。そうならないためにも、定期的に掃除をするようにしましょう。雨どいに入った落ち葉やゴミを取り除くことで、詰まりがなくなり、水が循環して水が溜まりにくくなります。ボウフラの駆除方法
ボウフラを見つけたらすぐに退治しないと、あっという間に成長してしまいます。ボウフラを駆除する方法はいろいろありますが、主な具体的な方法をそれぞれ詳しくご紹介します。殺虫剤を使う
ボウフラがわきやすい場所や、わいてしまった水に錠剤や粉・スプレータイプの薬剤を使用するだけの、お手軽な対策グッズがあります。対象外中に「ボウフラ(蚊幼虫)」と記載のある製品を使用すれば、水がたまったところに使うだけなのでとても簡単!市販のIGR剤(昆虫成長制御剤)は、すぐに死なないからと大量に使用しても効果は早くならないので注意が必要です。IGR剤はボウフラが脱皮するのを失敗させる薬剤で、いわゆるプロ向けの仕様です。ボウフラは脱皮するまで死なないため、効果が無くても薬剤使用から数日程度は様子を見るようにしましょう。
水がたまったところにスプレーするだけ!
ボウフラ&ハエ幼虫 (ウジ)が駆除できる
水量100~200L対して、1錠投入するだけ!
幼虫の発生を抑制する、昆虫成長制御剤
広範囲の駆除に最適!殺虫剤と噴霧器のセット
魚を飼育する
金魚やメダカなどの魚は、ボウフラの天敵と言われています。庭の池など、水をためている場所にメダカや金魚を放つと、ボウフラを捕食してくれます。メダカの稚魚はボウフラに食べられてしまう恐れがあるので、必ず大きくなったメダカを放ちましょう。また、水槽などで観賞用に魚を飼っているなら、水槽に目の細かい網などでふたをしておくことで、蚊が水面に産卵するのを物理的に防ぐことができます。万が一孵化しても、天敵が水槽のなかに居れば蚊が発生することはないでしょう。
数種類のメダカのセット
国産金魚のセット
睡蓮鉢に関する記事はこちら
10円玉などの銅を利用
10円玉は銅でできているので、ボウフラが発生しそうな場所に10円玉を入れておくと、銅イオンが水中に溶け込み、ボウフラはさなぎに進化できず死んでしまいます。さなぎになってしまってからでは遅いので、まだ成長していないボウフラのうちに入れましょう。表面がコーティングされていない銅板や銅線でも同じ効果があります。
10円玉だと、1Lの水に対して20枚も必要。水量が多い時は結構な枚数になるので、銅板や銅線がおすすめです。ホームセンターなどで、コーティングされていない銅板や銅線を購入して使用しましょう。
ボウフラ駆除メタル
蚊が発生してしまったら
ボウフラが成長し、蚊が発生してしまった場合は、まず家の中に入れないことが第一です。蚊の被害でかゆみよりももっと恐ろしいのは、蚊を媒介して感染症にかかってしまうこと。蚊を媒介して感染症にかかる、日本脳炎やデング熱、黄熱、マラリアなどは、適切な治療を受けないと死に至ることもある危険な病気です。
蚊による吸血被害は人間だけに限ったことではなく、家畜など動物にも当てはまります。
蚊を媒介しての感染症や吸血被害を減らすためにも、蚊対策はしっかり行いましょう。
虫除けで対策
虫除けスプレーには、さまざまな種類やタイプのものがあります。室内に入った蚊の対策には、空間にワンプッシュするだけで蚊を退治する効果が長時間あるものがおすすめ。屋外での蚊の対策には、お庭や茂みに多くいるヤブ蚊に効く、屋外用スプレーがおすすめです。広いお部屋にも効く!1プッシュで効きめが24時間も
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虫よけグッズに関する詳しい記事はこちら
殺虫剤で駆除
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