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竹垣とは
竹垣とは、日本庭園や和風庭園などに用いられる竹で編んだ垣根のことです。寺社仏閣や古民家、料亭などの外構でよく見かけますよね。一口に竹垣といっても、天然木で作られたものや、人工のもの、視線を遮れるタイプや向こう側が透けて見えるタイプなど、さまざまな種類があり、それぞれのシーンで使い分けられています。竹垣に合う和風な庭木をチェック!
竹垣の種類
竹垣にはさまざまな種類があります。用途の面では、視界を遮る遮蔽垣と、竹垣越しに向こう側が見える透かし垣の2種類に分けられます。そして、これらの2種類のなかで、竹の使い方や並べ方によって細かく名称が異なるんです。竹垣の種類を知れば、理想の竹垣選びが捗ること間違いなしですよ!遮蔽垣(しゃへいがき)|外から中の様子が見えない!目隠し用のフェンスに◎
遮蔽垣は外から内側が透けて見えない竹垣です。ご家庭のプライバシーをしっかりと守ることができます。目隠し効果が高いので、お風呂場の生け垣としてもおすすめです。建仁寺垣(けんにんじがき)
遮蔽垣の代表的な形です。京都の建仁寺で最初に使われたのが名前の由来といわれています。四つ割竹を縦にすき間なく並べ、竹の皮を外側に向けた作りが特徴。横に4~5本の竹を寝かせるのが基本デザインです。御簾垣(みすがき)
細くて細かい竹を密に並べた風通しの良い竹垣です。割らずに丸竹のまま使用する上品なデザインです。竹を割らずに作られていることから、裏表がないのが特徴です。すだれに似ていることから、御簾垣と呼ばれるようになりました。網代垣(あじろがき)
割った竹や細かい竹を編むことで作られた竹垣です。竹を互い違いにくぐらせて編んだものを網代といい、これと同様の造りで形成されていることから、網代垣と呼ばれています。高級旅館や老舗料亭のような、格調高い雰囲気を演出します。透かし垣(すかしがき)|風情ある仕切りで雰囲気づくりにおすすめ
対する透かし垣は、読んで字のごとく向こう側が透けて見える竹垣です。遮蔽垣よりもざっくりしており、目隠しというよりも空間を広く見せながらも仕切りを設けたい場所におすすめ。四つ目垣(よつめがき)
民家や神社で見かけることが多い、比較的簡単な作りの竹垣です。一定間隔で立てた竹に、寝かせた竹を十字にクロスさせ、マス目状に仕上げます。材料も少なく特別な作りではないので、専門的な知識がなくても手作りできますよ!DIYの方法や縄の縛り方は、記事の最後の方に紹介しています。金閣寺垣(きんかくじがき)
金閣寺で使われている竹垣です。高さ50cmほどの低い竹垣で、極めて太い竹を使うのが特徴です。垣根の上部分には割竹が被せてあるのが特徴です。金閣寺垣は格調高い造りであるとされ、どっしりしており、威厳や落ち着きを感じさせます。龍安寺垣(りょうあんじがき)
高さは大人の腰程度と低く、太く分厚い竹を格子状にクロスさせた形状が特徴です。龍安寺で最初に用いられたことから、龍安寺垣という名前が付いています。金閣寺垣とは異なり、竹が斜めにクロスしています。竹垣フェンスの作り方
既製品の竹垣を買っても、そのままポンと設置できるわけではありません。杭打ちや固定などの作業が必要です。いっそバラバラのパーツを購入して、自分で好きに組み立ててみてはいかがですか?自分でサイズやデザインを決められるのが魅力です!ここでは一番シンプルな四つ目垣の作り方を簡単にご紹介します。
竹垣フェンス(四つ目垣)をDIYで自作!
材料(完成サイズH90×W300cm)
・焼杭5尺×3本・竹(胴緑)3m×4本
・竹(立子)90cm×21本
・染縄(ひも)2把(水につけて湿らせておく)
準備するもの
・掛矢(焼杭を打ち込むもの)・水平器
・スケール
・のこぎり
・キリまたはドリル
・ビス
・かなづち
・ペンチ
竹垣の作り方
- 地面に埋めて竹垣を支える焼杭(支柱)を用意。焼杭がなければ、防腐剤を塗った木材の先を削り、地面に刺さるようにすればOK。
- 竹垣が倒れない間隔で、竹垣の設置場所に焼杭を打ち込みます。
- 焼杭に胴緑を止める位置を測り、印をつけます。
- 竹の向きを確認しながら長さを調整し、電動ドリルで胴緑を止めます。
- 焼杭の間隔から計算し、立子の位置を決めます。
- 竹の芽を正面にし立子と胴緑を、染縄で男結び(いぼ結び)で結びます。
男結び(いぼ結び)は、下の動画で紹介しています。 - 胴緑の奥側も男結びで、竹の芽を正面にして結び、マス目状に組み立てていきます。
四つ目垣の作り方動画
焼杭
ほかにも簡単なDIY方法も!
次のような竹垣用のパーツを利用すれば、四つ目垣以外のデザインにもチャレンジできますよ。簡単!ボードを立てるだけ
エバーバンブーボード EV-141
目隠し効果の高い竹垣作りにおすすめ!樹脂製の人工竹ボードです。好きな大きさにカットできます。
サイズ | 幅90×高さ180cm |
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素材 | 樹脂 |
竹垣の結び方と種類
結び方の種類
竹垣の結び方の種類には、支柱を結ぶときや四ツ目垣の立子と胴縁が交差する部分を結束するときに使う「男結び(いぼ結び)」や、建仁寺垣や金閣寺垣の玉縁に使われている「うの首結び(とっくり結び・巻き結び)」などがあります。男結び(いぼ結び)の結び方
竹と竹を結び付けるときは、組んだ竹の後ろへ斜めにひもを通しクロスさせる「男結び(いぼ結び)」で!結び方はこちらの動画がとてもわかりやすいです!結ぶ前に、ひもは水で濡らしておきましょう。何かと便利!染縄(しゅろ縄)
自然作 しゅろ縄 2本出し
竹と竹を結ぶ紐はこれ!「しゅろ縄」と言います。名前の通りシュロから作られており、黒いのは染色してあるから。竹垣以外にも使えて何かと便利です。
長さ | 3mm×80m |
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縄が結べなくてもOK!
竹垣(天然と人工の違い)|メリット・デメリット
多くの種類がある竹垣の中から、自宅の庭に適したものを選ぶのは大変ですよね。庭の竹垣を選ぶ際、まずは素材を確認しましょう。天然竹垣と人工竹垣の違いについて解説します。設置してから後悔することがないように、それぞれのメリットとデメリットを事前にチェックしてみてください。天然竹
メリット
何といっても自然な風合いが感じられることが天然の竹垣のメリットでしょう。竹の香りや手触りも、本物の竹ならでは。時間経過によってだんだん茶色く枯れていく、見た目の変化や雰囲気を楽しみたい人向けです。デメリット
月日と共に土台や垣根自体が腐るなどすると、倒壊やけがの恐れなどがあって危険です。その場合には補修や新調が必要。自分で防腐剤や防蟻剤を塗ると長持ちします!人工竹
メリット
本物の竹に似せて作られたのが人工竹です。雨や日光に強く、「いずれ腐ってしまう」という天然竹最大のデメリットを克服しています。見た目の劣化が少ないので、長く美しさをキープしたいならおすすめです。デメリット
人工とはいえかなりリアルですが、それでもやはり近付いたり触ったりすると、本物との差が感じられます。一方で、人工竹垣は均一な美しさが魅力の一つであり、天然竹の不揃いな形状や老朽化を好まない人にとってはメリットともいえます。通販で買える!おしゃれな竹垣フェンス10選
1. 和モダンで粋な建仁寺垣!洋風のお庭にも◎
竹垣風フェンス T80
ブロック建て用で、補助柱付です。縄掛け位置にもこだわりがあり、和でありながらモダンですっきりとした雰囲気が魅力!
サイズ | 幅198×高さ80cm |
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素材 | アルミ |
2. 天然竹と渋剤の組み合わせがおしゃれな御簾垣
仕切り竹垣 目かくし竹フェンス
風格のある天然竹と、渋く仕上げた渋材を組み合わせて作った竹垣です。目隠し効果が高く、リーズナブル!
サイズ | 幅165×奥行3.8×高さ120cm |
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素材 | 天然竹 |
3. ギザギザ模様が古風すぎない網代垣
タカショー エバー 24型
お庭にアクセントを添える、デザイン性に優れた竹垣です。高品質で耐久性があり、設置当初の外見を長くキープします。
サイズ | 幅180×高さ90cm |
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素材 | 特殊強化ASA樹脂 |
4. お庭のちょっとしたスペースに スリムな天然竹垣
天然竹垣2連縦型
スリムで背の高い竹垣は、庭のちょっとした狭いスペースにも。天然竹と焼杉を使用しています。玄関脇や間仕切りにおすすめです!幅110×高さ120cmの横型もあります。
サイズ | 幅60×高さ180cm、幅110×高さ120cm |
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素材 | 天然竹 |
5. シンプルで使いやすい四つ目垣
プラスチック四つ目垣
杭を使って固定します。プラスチック製なので劣化が少なく、泥はねが付いてもタオルで拭けばOK!サイズは3種類から選べます。
口コミ・レビュー
実際の竹製だと経年劣化するのに対し、こちらの商品は樹脂製でメンテナンスも楽です。それに単品使用であれば専用具がなくても設置に手こずることがなく気分よく和風を醸し出してくれる一品でリピートオーダーしました。
出典:Yahoo!
サイズ | 幅60×高さ45cm(小)、幅90×高さ60cm(中)、幅90×高さ115cm(大) |
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素材 | プラスチック |
6. 本格派におすすめ!金閣寺垣
金閣寺フェンスL型
太い竹による重厚感がたまらない!屋外用の特殊強化樹脂を使用しているので、雨や紫外線への耐性があります。
サイズ | 幅194×高さ60cm |
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素材 | 特殊強化樹脂 |
7. 盆栽や植木を引き立たせる竜安寺垣
新ゴマ竹竜安寺垣フェンスL型
落ち着きある和風庭園にぴったり。竜安寺垣は、日本の盆栽や植木をより引き立ててくれます!
サイズ | 幅194×高さ60cm |
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素材 | 特殊強化樹脂 |
8. 玄関先のアクセントに 天然竹玉袖垣
天然竹玉袖垣
庭の目隠しや、アクセントにおすすめ!ひとつ置いただけでぐっと和の風情に。玄関脇や室外機横などに最適です。
サイズ | 幅55×奥行8×高さ160cm |
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素材 | 天然竹 |
9. アルミと樹脂でリアルに再現した竹垣フェンス
三協アルミ 樹脂竹垣 紗更
三協アルミの、日本の伝統美が織りなす安らぎと調和をアルミと樹脂でリアルに再現した竹垣フェンス。天然竹と違って、雨や日光に強く、長く美しさをキープしてくます。
サイズ | 幅824× 高さ1180 |
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素材 | アルミ |
10. 侘び寂びな風合いのミニ虎玉袖垣
YATSUYA ミニ虎玉袖垣
小さなサイズの玉袖垣です。天然竹ならではの不揃いなデザインがおしゃれ。和風建築の玄関先などに設置すれば、ガーデニングのクオリティがアップしますよ。
サイズ | 高さ120×幅45cm |
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素材 | 虎竹 |
竹垣を使った庭作りのアイデア
竹垣は、外と家を仕切るためだけでなく、庭の中を和風に演出するグッズとしても優秀なアイテムです。それぞれの竹垣が持つ特徴を活かし、理想のお庭作りを楽しみましょう。真似できそうな竹垣の活用例を3つ紹介するので、参考にしてみてください。竹垣でお庭の一角を日本庭園風に
御簾垣のフェンスをL字型に配置し、お庭の一角を日本庭園風に演出したスタイル。御簾垣の目隠し効果を上手く利用し、空間の仕切りとして使用することで、小規模ながら本格的な和風アレンジが可能です。砂利や石材、和風の植物などと合わせれば、庭のスペースが小さくても十分に庭作りを楽しめるでしょう。四つ目垣を植込みと通路の仕切りに
四つ目垣はお庭の植込み部分の仕切りにぴったりです!花壇や植木の周りに物足りなさを感じるときはありませんか?大きな格子状の四つ目垣なら、植木の周りに設置しても視界の妨げになりにくいため、丁度よくお庭を仕切ることができますよ。お庭にさりげなく和モダンテイストをプラスしたいときにもおすすめです。家と庭の外観を邪魔しない低めの竹垣アレンジ
日本庭園のような大きな庭付きの家なら、低めの竹垣を使ったアレンジがよいでしょう。透かし垣を使えば、美しく手入れされた庭を目隠しすることなく、通路との仕切りを作れます。また、手前に低い竹垣を設置することで遠近感が生まれ、お庭の奥行きを演出する効果もあります。竹垣のメンテナンス方法
天然の竹を使用した竹垣は、長く使用しているうちに段々と劣化していきます。安全に美しく使い続けるために、竹垣のメンテナンス方法を確認しましょう。老朽化した竹垣は、新品の美しさとは異なる「侘び寂び」の風情を醸し出すところも魅力の一つなので、メンテナンスをしてできるだけ長く使いたいものですね。竹が割れたときの直し方
竹が割れてしまったら、割れた部分木工ボンドや接着剤を流し込んで修復することができます。また、ひもやバンドなどを用いて割れた部分の亀裂が広がらないように固定する方法もあります。透明のテグス糸を使えば目立たなくていいですね。ひもを取り替える頻度
竹垣のひもに使われるしゅろ縄の交換頻度は7年です。そのため、普段のメンテナンスではそれほど意識しなくでも大丈夫です。丈夫な材質なので、一度結ぶとかなり長期間使用できます。目安は7年ですが、使っていて傷んできたと感じたら交換する程度でよいでしょう。竹垣を長持ちさせるには
竹垣を長持ちさせるには、定期的に竹垣に付着した汚れを取り除くとよいでしょう。ほこりや砂などの汚れをそのままにしていると、竹の劣化の原因になります。また、掃除をしたあとに撥水剤を塗布すると、水や汚れを弾ききれいな状態を持続できます。竹垣で簡単に「和」の雰囲気を実現
竹垣は、カインズなどのホームセンターでも販売されていますが、Amazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングなどのネット通販なら種類も豊富!天然の竹垣にこだわるか、手入れしやすい人工竹を選ぶか…。悩ましいところですが、自分のお庭に合った、あなたならではの素敵な和の空間を作ってみてくださいね!