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じつはトロピカルフルーツには、自宅でも栽培しやすいものもあります。基本的には温暖な地域で育てる果樹ですが、鉢植えでも果実が実り、冬は室内に取り込めば冬越しも可能。観葉植物としても魅力的なので、葉の美しさを愛でながら、レアな果実も味わえます。今回は、家庭で育てやすいトロピカルフルーツを4種ご紹介します。
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パッションフルーツ
甘酸っぱい味わいのパッションフルーツは、スムージーやジュースなどに人気のトロピカルフルーツ。クダモノトケイソウという和名の通り、トケイソウ科のつる性常緑多年草なので、自宅で栽培すればエキゾチックな美しい花も楽しめます。日本で栽培するなら、果実は小さいですが耐寒性の強い紫系統がおすすめ。また、1本でも果実が楽しめる自家結実タイプが手軽です。つるをよく伸ばして生育するので、緑のカーテンやフェンスに仕立ててもよいでしょう。パッションフルーツの植え付け適期は4~6月。暑さに強い一方、耐寒温度は3℃程度なので、冬は屋内に取り込んで冬越しさせましょう。生育期に茂り過ぎていれば、適宜剪定を。花が咲いたら人工授粉をするとより確実に結実します。実は約2カ月かけて5~6cmほどの楕円の球形に生長し、濃い赤紫色に変わったら収穫の合図。収穫後に追熟させるとより甘みが増します。
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ストロベリー・グアバ
グアバの仲間で、イチゴに似た香りがあります。タネが多く小さいですが、おいしい実を収穫できます。原産地では周年開花して実をつけますが、日本では4~5月に美しい白い花を咲かせ、8~10月頃に収穫できます。光沢のある葉を持つ常緑樹で、観葉植物としても魅力的。トロピカルフルーツの中では寒さに比較的強く、海沿いの霜がほとんど下りない地域では戸外でも越冬します。ストロベリー・グアバの植え付け適期は3~5月。日当たりのよい、高温多湿の場所を好み、温度が高いほうがよく結実します。開花から2カ月ほどすると徐々に実が色づき始めます。実が黄色くなり、果肉が少し柔らかくなったころが食べごろです。完全に熟すと自然落下するので、完熟の少し手前で収穫して追熟させるとよいでしょう。
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バナナ
トロピカルフルーツの中でも最も身近な存在であるバナナも、じつは自宅で栽培することができます。室内なら意外と簡単に越冬するので、コンパクトに育つ矮性品種を選べば、家庭でも十分に収穫を楽しめます。大きな葉が瑞々しい常緑多年草で、トロピカルムード満点の観葉植物としてもおすすめ。一度実がなった株は枯れてしまいますが、根元の子株をまた育てることで、再び実を収穫できます。春から初夏くらいに苗が出回ります。5~11月は屋外の日当たりのよい場所で育て、寒くなってきたら室内に取り込みましょう。大きく柔らかな葉は強風に当たると破けやすいので、建物のそばなど風当たりの弱い場所に置くとよいでしょう。暑い時期や実がついているときは水切れに注意。また、実が大きくなってくるとバランスを崩して倒れやすいので、丈夫な支柱や柱などにしっかり固定します。耐寒温度は0~3℃程度ですが、葉を美しく保つには8℃以上、実がついている場合は12℃以上を心がけましょう。
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フェイジョア
シルバーがかった常緑の葉に、かわいらしい花を咲かせるフェイジョアは、花木としても人気がありますが、大きく育てれば香りのよい甘酸っぱい実が楽しめます。亜熱帯性果樹に分類されますが、意外と寒さに強く、温暖地では庭植えでも越冬できます。ほとんどの品種が自家不結実性で、1本だけでは実がつかないため、果実を楽しみたい場合は異なる2品種以上を植えましょう。フェイジョアの植え付け適期は3月頃。植え付けから収穫までは3〜5年かかります。株が大きく育って込み合ってきたら、適宜間引き剪定や切り戻し剪定を。冬に枝の先端に花芽がつくため、春に強く切り戻すと花が咲かなくなるので注意しましょう。開花後は人工授粉をするとより確実に結実します。収穫は自然落下を待ち、落ちたものを拾って収穫します。収穫期は敷きわらなどを敷き、果実が傷むのを防ぐとよいでしょう。枝についた実も簡単に取れるようであれば、そのまま収穫できます。15〜20℃の室温で3〜10日ほど追熟させると甘さが増します。
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トロピカルフルーツの育て方の基本
熱帯性のトロピカルフルーツは寒さに弱いため、冬に室内に取り込みやすい鉢植えで育てるのがおすすめです。春から秋の成長期は、できるだけ戸外で直射日光が当たる場所で育てます。ただし、35℃以上の猛暑日など暑さが厳しい時期は、午前中だけ日光が当たる場所に置くか、軽く遮光したほうがよいでしょう。また、特に果実がついている時期に強風に当たると枝葉が傷みやすいので注意しましょう。冬越しの際は、紅葉を目安に鉢植えのまま室内へ移動し、春まで室内で乾かし気味に管理します。特に小さな株は寒さに弱いので注意しましょう。窓のすぐ近くは朝晩に温度が下がりやすいので、厚手のカーテンを引くか、夜は部屋の中央付近に移動すると安心です。暖かい場所といっても、暖房機の近くや風が直接当たる場所は避けましょう。寒さに強い種類を戸外で越冬させる場合は、寒風が当たらない、建物近くの南側に置くとよいでしょう。
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