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生産性向上に期待!菌根菌資材がエダマメ、水稲、花き、果樹、トウモロコシ、ダイズに効果を発揮


菌根菌には農薬でも肥料でもない植物本来の力を引き出し、リン酸の削減をしながら生育の向上が得られるなどのさまざまな効果があります。菌根菌の具体的な使い方と効果について、エダマメ、水稲、花き、果樹の国内の4事例と、トウモロコシとダイズの海外の2事例を紹介します。
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Rootellaを使用した圃場で稲刈を行う西村さん

画像提供:島貿易株式会社
菌根菌(きんこんきん)は、植物の根に共生する有用微生物です。一般的には、菌根菌によって化学肥料、化学農薬の使用量をともに削減できるといわれています

菌根菌の基本的な情報と利用することで得られる効果はこちら

菌根菌を効果的かつ安定的に増やすには、微生物資材の導入が有用です。
ここでは、実際に高濃度菌根菌「Rootella®」を活用し、菌根菌が植物の本来の力を引き出し、生育がうまくいった具体的な国内事例4つとトウモロコシとダイズの海外事例2つを紹介します。

イスラエルで開発された高濃度アーバスキュラー菌根菌「Rootella®︎」

高濃度アーバスキュラー菌根菌資材「Rootella®」は、施設園芸・農業技術大国として知られるイスラエルの「イスラエル国立農業研究機構(Volcani Center)」で30年におよぶ研究のすえ開発された、独自の高濃度菌根菌製造技術(非遺伝子組換え)を使っています。イスラエルの菌根菌製剤メーカー「Groundwork BioAg Ltd.」によって製品化され、日本総代理店の島貿易株式会社が農業用微生物製剤として販売しているのが、菌根菌資材「Rootella®」です。

島貿易株式会社が2020年から国内で実証試験を進めるなか、国内各地のエダマメ、水稲、マリーゴールド、果樹などを栽培する生産者から効果の報告が相次いでいます。

商品に関するお問い合わせ


国内事例1:エダマメ|菌根菌で気候の変化に対応

枝豆 菌根菌
出典:写真AC
昨今、豪雨や干ばつなどの気候変化が激しい自然環境において、計画通りに栽培できない状況が起こっています。このような気象条件においても、Rootella®の利用によって環境に左右されにくい栽培が実現できました

培土に菌根菌を混ぜ込んで育苗

黒枝豆の播種時に菌根菌資材を使用
写真提供:島貿易株式会社(育苗培土へ混和した播種の様子)
京都府南丹市にある京都丹波 西村farmでは、2021年に実証試験区と比較区を5aずつ設けた黒枝豆の栽培比較試験が実施されました。培土へ顆粒タイプ「Rootella® G」を混ぜ込み、その培土を育苗ポットに入れて播種、育苗しました。

菌根菌と根粒菌との相性もよさそう

豆科のエダマメには、大気中の窒素を固定する役割がある根粒菌が必ず付着します。京都丹波 西村farmの園主西村不二夫さんは、菌根菌と根粒菌が拮抗してしまうことを懸念していたそうですが、実際にはどちらの菌も効果的に作物に作用したそうです。

菌根菌で着さや数が30%以上増加

菌根菌の効果
写真提供:島貿易株式会社(黒枝豆収穫量比較、収穫量調査は5株の平均値)
実証試験の結果、Rootella®実証試験区において着さや数(個)が30%ほど増加し、成熟に関しても向上の傾向が見られました。リン酸が植物に十分に供給できなていないとサヤができても、実が成熟していないこともあるそうですが、実証試験区ではサヤも実もしっかりと生育していたと言います。
園主 西村不二夫さん
園主 西村不二夫さん
作期は雨が多く、売り物にならないエダマメも多かったのですが、菌根菌を入れた実証試験区では、サヤもしっかりしていて販売できました。

国内事例2:水稲|収量、品質ともに向上。菌根菌は耕作放棄地にも

菌根菌 水稲
出典:写真AC
収穫量の増加や品質の向上を目指すことは、農業経営において重要です。収量が上がったことによる品質の低下を懸念する人もいますが、菌根菌の施用によってどちらも向上した事例があります。

新潟、千葉、京都の3地域で菌根菌の実証試験

ドローンを使用した菌根菌の散布
写真提供:島貿易株式会社(中干時にドローンで散布)
水稲の実証試験は、2021年に新潟県、千葉県、京都府の3つのほ場で、それぞれ実証試験区10aと比較区10aを設けて実施され、希釈された微粉末タイプ「Rootella® F」が播種したあとの育苗箱へ散布されました。また、中干時に希釈液をドローンで散布も行いました。

新潟県と京都府はもともと特別栽培(地域の慣行レベルに比べて、節減対象農薬の使用回数が50%以下、化学肥料の窒素成分量が50%以下で栽培)で栽培されているほ場、千葉県は長期にわたる休耕田で実施されました。

収量10〜27%アップかつ品質も同等

菌根菌資材を使用した水稲との外観比較
写真提供:島貿易株式会社(外観の比較)
Rootella®実証試験区では、1株あたりの穂数や玄米重で10〜27%増加しました。試験した品種コシヒカリ、キヌヒカリともに食味値や等級は同等でした。
新潟の生産者
新潟の生産者
収量が上がったので、品質は維持できているのか懸念しましたが、どちらも一等米だったので安心しました。

ジャガイモの実証試験でも収量、品質ともに増加
小規模で実施されたジャガイモの実証試験でも、菌根菌を入れた実証区の収量が比較区の10%増、大玉サイズが20%増と、収量と品質がともに増加しました。また、根量の増加も見られました。


食味コンテスト「京都丹波米おいしいお米コンテスト」で入賞

また、京都府南丹波市の京都丹波 西村farmでは、収量に加えて品質も向上しました。
園主 西村不二夫さん
園主 西村不二夫さん
菌根菌を入れた試験区では、収量が上がりました。また、高い品質を維持できたこともあり、キヌヒカリではじめて「京都丹波米おいしいお米コンテスト」で入賞しました。

耕作放棄地や休耕田にも菌根菌は有用

菌根菌の効果
写真提供:島貿易株式会社(水稲の玄米重の比較・単位kg)
人手不足かつ条件があまりよくないという理由で休耕田となっていた千葉県のほ場での実証試験でも、玄米重が比較区より多くなりました。菌根菌は、酸性土壌や荒地などでも利用されていることから、新規就農などで耕作放棄地や休耕地で新たに栽培する場合にも有用だと考えられます。

国内事例3:マリーゴールド|肥料減でも根張りがよい

マリーゴールド 菌根菌
出典:写真AC
菌根菌は、土壌だけでなく植物工場などの隔離ベッドやポットに入れる培地にも利用できます

植物工場での菌根菌の試験

兵庫県の企業が屋内の植物工場で、マリーゴールドを土が入ったポットで栽培する実証試験を実施しました。播種時とポットに鉢上げする際に、培土へRootella®︎を混和しました。

化学肥料を減らしても根張りがよい

肥料減 菌根菌
写真提供:島貿易株式会社(マリーゴールド肥料減条件比較)
通常の化学肥料の施肥量と化学肥料を25%削減したものを比較すると、後者は植物も小さく、根量も少ないのです。ただ、化学肥料を25%減らした土壌に菌根菌を追加すると、通常施肥量のものと同等もしくは多くなり、菌根菌の施用で根張りがよくなったことがわかりました。

国内事例4:果樹|苗木の移植時の活着がスムーズ

菌根菌果樹
出典:写真AC
植物にとって、栽培環境が変化するとストレスがかかります。たとえば、果樹は苗木を移植すると、根環境が変わることでストレスを感じ、土壌中の栄養素を十分に吸い上げられないといったことが起こります。この期間に、落葉が増えることも見られます。

キウイやブルーベリーの移植時に菌根菌を散布

果樹へのRootella_Fの散布
写真提供:島貿易株式会社(若い根先近くへ散布)
2021年にキウイ、ブルーベリー、スモモ、ユズで実施された実証試験では、微粉末タイプ「Rootella®︎ F」を水で希釈し、移植した穂木の根元に散布しました。

活着がスムーズで落葉が少ない

いずれの事例でも、苗木の移植時に落葉が少なく、菌根菌で活着がスムーズにいったと考えられるそうです。

海外事例:トウモロコシとダイズ|大規模栽培でも収量増加

とうもろこし 菌根菌
出典:Pixabay
海外、主にアメリカ中西部の大規模畑作でトウモロコシとダイズ栽培でも実証試験が実施されています。トウモロコシは、Rootella®︎による種子処理、または希釈液での散布で収量が最大10%、ダイズはRootella®︎による種子処理で10〜26%増加しました。

種子処理で粉衣

ダイズ 菌根菌
写真提供:島貿易株式会社 (引用:Groundwork社Website)(ダイズの収穫量比較)
大規模畑作作物の主な菌根菌の使用方法は種子処理です。微粉末タイプの「Rootella® F」などを噴粉器などで粉衣してから播種します。これはトウモロコシでもダイズでも応用できます。

国内では数少ない、希釈散布可能な大規模栽培向け菌根菌資材

トウモロコシ 菌根菌
写真提供:島貿易株式会社(引用:Groundwork社Website)
トウモロコシの場合、直播(ちょくはん)後に発芽したタイミングで希釈した「Rootella® F」を、ブームスプレーヤ、ドローン、ヘリコプターなどの農薬散布に利用する資材や機械を使って噴霧することも可能です。大規模栽培に適した希釈タイプの菌根菌資材は国内にはあまり多くありません。Rootella®は大規模栽培でも使えることが特徴です。

菌根菌資材「Rootella®」の種類と使い方

菌根菌資材「Rootella」商品画像
写真提供:島貿易株式会社
Rootella®は、作型や栽培方法に合わせて柔軟に利用できます。主な種類は、顆粒タイプと微粉末タイプです。

培土に混ぜ込む「顆粒タイプ(Rootella® G)」

Rootella_G_育苗時にRootella_Gを散布
写真提供:島貿易株式会社
顆粒タイプの「Rootella® G」は、播種や育苗時に培土へ混ぜ込んだり、定植時の植穴と根へ0.3〜0.5g程度直接施用して使用します。

希釈散布も可能な「微粉末タイプ(Rootella® F)」

水稲へのRootella_Fの散布
出典:写真AC(背負い動力噴霧器などでも希釈液の散布可能)
微粉末タイプの「Rootella® F」は、播種や育苗時にほ場の畝へ通常の灌水量にもとづいて希釈して、ジョウロ、動力噴霧器、ドローン、ヘリコプター、ブームスプレーヤーなどさまざまな方法で散布が可能です。施用量は10aあたり30gが目安です。

また、種子に粉衣コーティングなどをしてから播種もできます。
「Rootella®」商品情報

さまざまな効果が期待できるアーバスキュラー菌根菌資材「Rootella®︎」

菌根菌の効果
出典:Pixabay
高濃度アーバスキュラー菌根菌資材「Rootella®」は、収量や品質の向上だけでなく、変動する気候や環境に植物が対応できるようサポートする効果もみられます。また、リン酸の利用効率を上げるなどの効果から、肥料成分の削減しながらも十分な収量や品質を確保できる可能性もあります。
有機JAS別表1適合資材(有機JAS資材評価協議会)に登録されているため、有機農業にも利用できます

菌根菌資材「Rootella®」は、アブラナ科とヒユ科以外の作物、作型にも使用できますが、農薬、特に殺菌剤と菌根菌を使用する場合、菌根菌とともに使用できる農薬の種類や、農薬散布のタイミングなどが作物や資材によって異なるため代理店にお問い合わせください。
「Rootella®」商品情報

「Rootella®」のお問い合わせ・購入先

「Rootella®」に関する相談や購入について、詳しくは島貿易株式会社へお問い合わせください。

販売者

島貿易株式会社
島貿易株式会社ロゴ
1904年(明治37年)に創業した工業原材料の専門商社。安心安全で環境負荷の少ない、長期的に持続可能な食糧供給を目指すため、同社では初めてとなる農業分野での商材として「Rootella®」の取り扱いをスタートしました。日本バイオスティミュラント協会法人賛助会員。全国土壌改良資材協議会会員。

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