東京の農業の担い手を育成するため、2020年に誕生した東京農業アカデミー。第3期生として学ぶ玉川敏弘さんに、就農を目指す理由、研修の印象、将来のビジョンなどを伺いました。
経営者になりたいという思いの実現に向けて
30代になったら違う道に進もうと考えていた
東京農業大学で畜産を学んでいた玉川敏弘さん。大学を卒業したあとは、農業とは関わりのない印刷会社で事務職を務めていました。

新規就農という言葉を知った
どういう業種で経営をしていこうかと考えていたときに「新規就農」という言葉を知りました。大学で農業に接することはあっても、何かを自分の手で栽培したことはありませんでした。それでも農業ならと思ったのには理由があります。

東京での就農を選んだ理由
首都圏での就農を目指そうと決めたのは、人口が多くて販路の選択肢が多いこと、消費者に近いところで新鮮な野菜を提供したいと思ったことでした。
東京近郊で就農するにはどうすればいいのか、ネットでさまざまな情報を集めているうちに東京農業アカデミーのHPにたどりつき、9月の現地説明会に参加。他県の農業大学校とも比較してみましたが、都市農業に挑戦するにはここしかないと思ったそうです。

2年次には自分で就農計画を立てて作付けから段階を踏んで実践できるのもいいですね。
初めての農作業に驚きがたくさん
思ったより頭を使う
慣れない農作業を始めるにあたり、身体を使うことになるのは覚悟していたので体力面での問題は感じません。むしろ、意外と頭を使うことが多いと玉川さん。

農薬を散布するにも希釈率はどれくらいとか、多過ぎても少な過ぎてもだめなのでかなり頭を使います。
農業機械の操作法も学ぶ
最初はエンジンのかけかたもわからなかったトラクターや耕運機などの機械類。どれも操作方法が違うので最初は覚えるのが大変でした。

スーパーの野菜はすごい!
金曜日に作業を終え、土日は休み。月曜の朝畑を見ると、生長の早い野菜は育ち過ぎているのだそう。見たことがないようなお化けキュウリに驚き、スーパーで売られているキュウリやナスを見て、農家のすごさを実感しているのだとか。

スーパーで均一サイズで売られているキュウリは、店頭に並ぶサイズに合わせて収穫や選別作業などをしていて、裏で労力がかけられているんだなとあらためて感じました。
直売所での学び
自分たちで育てて収穫した野菜は、東京農業アカデミーの構内で直売をしています。葉物野菜は泥をとり、トマトは拭いて磨き、お客さまに気持ちよく買ってもらうためにていねいにパッケージングするように指導員からアドバイスを受けています。

野菜は栽培だけでは終わらない、信頼される商品づくりの大切さを学びました。
最高の指導員、先輩、同期に囲まれて
指導員は、農作業の経験がない研修生にもいろいろな実習を通して作業方法やあらゆる知識を、理解できるまで教えてくれます。

とても恵まれた環境で勉強できていると思いますね。
同じ目標に向かう同期たち
同期は同じ目標に向かって切磋琢磨(せっさたくま)しながら高め合う大切な仲間です。

先輩たちは「すごい」の一言
2年次には、就農後の農業経営を踏まえ、作付け計画や生産管理を自分自身で行います。先輩たちの姿を見ていると意識が高く、知識も深くて、1年後に自分が同じレベルに達するのか不安になることも。

小笠原諸島の母島でミニトマトやパッションフルーツを栽培したい
玉川さんは、指導員の五十嵐さんが購入した母島産のミニトマトとパッションフルーツを食べて、その味に驚きました。

農作物を食べてここまで感情を揺さぶられたのは初めてです。
当初は首都圏の消費地に近いところで就農したいと考えていた玉川さん。東京農業アカデミーの指導員からもらった野菜や果物がきっかけとなり、都内の離島での就農にも興味をもつようになりました。まだ実現可能かどうかはわかりませんが、小笠原諸島の母島でミニトマトやパッションフルーツを栽培し、多くの人に感動を伝えたいと考えています。「世界一おいしいんじゃないかと思った」というミニトマトを、玉川さん自身の手でつくりあげ、いずれ多くの人に届ける日がくるでしょう。
東京農業アカデミー八王子研修農場
概要:就農希望者を都市農業の担い手として育成することを目的として東京都が開設した研修農場
対象:18歳以上で都内で就農を目指す人(毎年5名程度を受入れ)
研修農場 : 八王子市大谷町(約20,000m2)
研修期間 : 2年間(年間約220日)
問い合わせ:東京農業アカデミー八王子研修農場 042-649-3444、東京都産業労働局農林水産部農業振興課 03-5320-6221(直通)
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