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かわいくておいしい野菜づくり #4|「いい土を作ったのに育たない…」菌ちゃん農法で失敗して気づいたこと


連載「かわいくておいしい野菜づくり」第4回。和歌山県那智勝浦町で、無農薬・無肥料の菌ちゃん農法に取り組むAyaさんが、家庭菜園を楽しむためのコツや、実際の畑で感じたことをお届けします。

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Aya (sanchu farm)

和歌山県那智勝浦町で、無農薬・無肥料の菌ちゃん農法に取り組む。2022年に就農。主婦をしながら、エディブルフラワーや季節の野菜、ハーブなどを栽培。「本物はおいしい」をモットーに、誰でもできる無理のない野菜づくりを発信中。…続きを読む

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「菌ちゃん農法で土づくりをしたのに、思ったように野菜が育たなかった……」。

そんな経験をすると、「やり方が間違っていたのかな」と自信をなくしてしまうこともあります。

でもAyaさんは、「菌ちゃん農法で育てたからといって、100%うまくいくわけではない」と話します。

今年は自身も、何度か育てた経験のあるサツマイモが猪の被害に遭い、全滅するという失敗を経験しました。
イラスト6_猪に荒らされたサツマイモ畑

今回はその経験も踏まえて、菌ちゃん農法で収穫までたどり着くために大切にしたい考え方を教えてもらいました。

🍠「今年もできる」と思っていたサツマイモが全滅

何度か育てた野菜でも、猪の被害で全滅

何度か栽培したことがある野菜は、「今年も同じようにできるだろう」と思ってしまうもの。

Ayaさんも今年、サツマイモを育てながら、そんな気持ちが少しあったそうです。

サツマイモは何回か作ってたので、「まあ今年もできるやろう」って思ってたんです。でも猪に見つかって、全滅してしまって。ほんまにショックでした。

「土ができた=あとは大丈夫」ではない

土づくりから収穫までの道のり。発芽・虫・獣などのポイントがある

土づくりがうまくできても、その先には発芽、虫、獣など、収穫までにいくつものポイントがあります。

今回のサツマイモの経験からAyaさんが改めて感じたのは、「土ができた=あとは大丈夫」ではないということでした。

菌ちゃんプランターでやったからって、100%うまくいくわけではないんですよね。種を植えて、土もしっかりできてたら「これで収穫できる」って期待するけど、そこからもちゃんと見ていくことが大事なんやと思います。

🌱 コツ1|種をまいたところを「ゴール」にしない

菌ちゃん農法では土づくりを大切にしますが、野菜づくりは種をまいたあとも続きます。

種をまいても芽が出ないことがあれば、芽が出たあとに虫の被害に遭うこともあります。

一度にまいても、水菜だけ虫に食べられた

ラディッシュとダイコンは発芽し、水菜は虫に食べられた様子を見るAyaさん

Ayaさん自身、プランターに水菜、ラディッシュ、ダイコンを一度にまいたとき、その違いを実感しました。

ラディッシュとダイコンはちゃんと発芽したんですけど、水菜は全部虫に食べられてしまって(笑)。土を作って種をまいたら終わり、ではないんですよね。

種をまいたあとは、こまめに様子を見る

特にAyaさんの今回の水菜では、芽が出たあとの虫対策が収穫につながるポイントになりました。

種をまいたあとは発芽しているか、葉が食べられていないかなど、こまめに様子を見る。それだけでも、次に何をしたらいいか気づきやすくなります。

🌿 コツ2|野菜によっては「育苗」も考えてみる

セルトレーでの育苗の例セルトレーでの育苗の例

Ayaさんがもう一つ感じたのが、苗の状態の大切さです。

育苗とは?苗を育ててから植える方法

育苗とは、種を畑やプランターへ直接まくのではなく、セルトレーなどで苗をある程度まで育ててから植える方法のこと。

今回の水菜の経験からも、野菜によっては最初からプランターへ種をまく以外の方法を考えることが、収穫につなげるひと工夫になりそうです。

どれだけ菌ちゃんプランターでいい土を作っても、苗がしっかりしてなかったら収穫までいかないこともあるんですよね。物によっては、種を直接まくんじゃなくて、苗をしっかり育てることも考えたいと思って。

セルトレーは洗濯ネットや寒冷紗で虫よけ

セルトレーをネットで覆って苗を虫から守るAyaさん

そして、育苗するときにも油断は禁物。

せっかくセルトレーで苗を育てても、小さいうちに虫に食べられてしまえば、その先につながりません。

セルトレーで育苗するときは、洗濯ネットとか寒冷紗でトレーを覆って、虫よけしておくのもいいと思います。ちょっとしたひと手間やけど、苗を守るためには大事ですね。

高価な道具をそろえなくても、手元にあるものや取り入れやすい資材で対策する。そんな小さな工夫も、収穫できる確率を上げる一歩になります。

🐗 コツ3|畑やプランターの「周りの条件」まで見る

サツマイモを食べた猪も、水菜を食べた虫も、土そのものとは別の問題です。

畑の周りの条件を見渡すAyaさん。虫や猪など土の外にもリスクがある

虫対策・獣対策など、場所の条件も見直す

だからこそ、Ayaさんは土だけを見るのではなく、育てている場所の条件も一緒に見直すことが大切だと感じています。

「菌ちゃん農法やから大丈夫」って油断せずに、虫対策とか獣対策とか、その場所の条件も見たほうがいいと思います。失敗しないようにするというより、収穫できる確率を少しでも上げていく感じですね。

うまくいかなくても、次にできることを一つずつ足す

一度うまくいかなかったとしても、「菌ちゃん農法ができなかった」と考える必要はありません。

どこでつまずいたのかを見て、次は育苗をしてみる、虫対策を考える、園地の条件を見直してみる。できることを一つずつ足していけば、次の栽培につながります。

✅ Ayaさん流・収穫の確率を上げる3つのポイント

  • 種をまいたあとも、発芽や虫の被害を見ておく
  • 野菜によっては育苗を取り入れ、セルトレーもネットなどで虫から守る
  • 虫や獣など、土以外の栽培環境にも目を向ける

🥬 いい土を作ったら、その先も見守ってみる

プランターの苗を見守るAyaさん

菌ちゃん農法を始めると、まず一生懸命になるのが土づくりです。

だからこそ、いい土ができたら「これできっと育つ」と期待したくなります。

でも、Ayaさん自身もサツマイモや水菜で失敗を経験しました。

私も失敗します(笑)。でも、土を作って種をまくだけじゃなくて、そこから収穫までの確率をどうやって上げるかやと思うんです。苗を育ててみるとか、虫から守ってあげるとか、園地の条件を見直すとか。次にできることはあるので。

失敗したら、「土づくりが全部ダメだった」と決めるのではなく、まずは種をまいたあとの様子を一つ見直してみる。

苗を育てるなら虫から守る。畑なら、その場所にどんなリスクがあるのかを見る。

そんな「もうひと手間」を積み重ねることが、かわいくておいしい野菜を収穫するための次の一歩になります。

まずは今育てている野菜を見ながら、「土の次に、何ができるかな?」と考えるところから始めてみてください。

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