かわいくておいしい野菜づくり #01


「発芽してくれて、ありがとう——。失敗が多いからこそ、芽が出た瞬間がいちばんうれしい。」と話すのは、和歌山県で有機農業をしているAyaさん。そのAyaさんが家庭菜園者向けに、自分の経験、失敗や成功、家庭菜園者に活かせるノウハウをこのシリーズではお伝えしたいと思います。第一回は、Ayaさんが有機農業を始めたころのお話を伺いました。

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AGRI PICK 編集部

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理想の食卓を求めて有機野菜づくりを始めたAyaさん。苦難を乗り越え、今では販売するほどの収穫も。そのAyaさんの体験ストーリーを紹介します。今回は、その第一回。

🌱 理想の食卓を、自分の手で作りたい

理想の食卓を、自分の手で作りたい
Ayaさんが野菜づくりを始めたきっかけは、とってもシンプルでした。市販の野菜では実現できない「理想の食卓」を、自分の手で作りたい。

子どもに本当に安心できるものを食べさせたい——多くのママが一度は抱く思いを、彼女は実際に行動に移したんです。

でも、理想と現実のギャップは、想像以上に大きかったそうです。


😅 種まきは、季節に一度きりのチャレンジ!

失敗したら、次は来年なんです

春失敗したら次は秋
「種から始めてるので、種まきのチャンスはシーズン毎に一回きり。何回もやり直しはきかない。失敗したら、その季節の野菜は育てられないんですね」

多くの家庭菜園初心者さんが苗から始めるのに対して、Ayaさんは最初から種まきを選びました。

春まきの小松菜を失敗したら、次のチャンスは秋。トマトなら来年の夏まで待たなければならないんです。

この「待つ」時間が、野菜づくりの厳しさであり、同時に収穫の喜びを何倍にも増幅させるんですよね

失敗には、段階があるんです

失敗には段階がある
「まずは発芽しない。発芽しても大きく成長しない。天候の関係で最後まで育ちきらない——何段階にも分かれて”失敗”があるんです」

発芽、生育、結実。野菜づくりには幾つもの関門があります。水分が多すぎれば種は腐っちゃうし、少なければ発芽しません。芽が出ても、肥料不足で成長が止まることもあれば、病害虫にやられることも。最後の最後で台風に倒されることだってあるんです。


🐜 まさか!アリが種を全部持っていった日

小松菜事件の真相

「小松菜は直播きでも育つはずなんですけど、直播きにしたらうまくいかなかった。…アリが全部、種を持っていっちゃったこともあって」

まさかアリが犯人だったとは!実は、アブラナ科の種には、アリを引き寄せる物質が付着していることがあるんです。

自然界の不思議な仕組みですが、菜園では困った現象ですよね。

種を蒔いた翌朝、きれいさっぱり無くなっていた時の衝撃を、Ayaさんは今でも覚えているそうです。

アリ事件

それでも「ありがとう」って言いたくなる

「発芽してくれて”ありがとう”っていう気持ちでいっぱいになります。喜びでいっぱいになるんです」

失敗続きだからこそ、小さな双葉を見つけた時の感動は大きいんですよね。当たり前のことが当たり前じゃない。

その実感が、「ありがとう」という言葉になって溢れ出るんです。

ありがとうといいたくなる

💪 有機へのこだわりは、絶対に譲れない!

妥協という選択肢はなかったんです

「挫折しそうになっても、やり方を妥協はしなかったです。あくまでも有機でっていうスタンスは崩したくなかった」

化学肥料を使えば、収量は確実に安定します。農薬を使えば、虫食いのない綺麗な野菜ができます。

周りからは「最初は簡単な方法で」という助言もあったそうです。でも、Ayaさんは頑なに有機を貫きました。

なぜそこまでこだわるのか。答えは最初の動機に戻ります。「理想の食卓」を作るという原点。妥協したら、そもそも始めた意味がなくなってしまいますもんね。


🌿 菌ちゃん農法という素敵な出会い

落ち葉と枝があれば、どこでもできるんです♪

「気候って土地によって違うけど、落ち葉とか木の枝さえ拾えればできるってところがあって。環境にそこまで左右されず、どこでも拾えるものでできると思ったんです」

菌ちゃん農法——土中の微生物の力を最大限に活かす有機農法なんです

特別な資材は要りません。公園の落ち葉、剪定された枝、それらを土に混ぜ込むだけ。都市部でも、田舎でも、材料は身近にあるんですよ。

この「どこでもできる」という発想が、Ayaさんの背中を押したそうです。環境のせいにできない。言い訳ができない。だからこそ、真剣に向き合えるんですね。


🍠 初めての収穫、そして味の大発見!

サツマイモから始まった収穫ライフ

さつまいも収穫の喜び
「最初に収穫したのはサツマイモ。そのあと大根とかも。収穫がゼロってことはなくて、多少小さくても”取れる”って感じでした

土を掘り返すと、ゴロゴロと出てくるサツマイモ。形は不揃いで、サイズもまちまちです。

でも、確かにそこにあるんです。自分が芋づるを植えて、水をやって、草を取って育てた野菜が、確かにそこにある——この実感は、お金では買えませんよね♪

えっ!豆が、すごく豆みたいな味がする!?

「有機だからといって、なんでも美味しくなるわけじゃなくて、天候や水の量にも左右されます。…でも、うま味成分が凝縮される感じがあって、豆やったら”豆みたいな”濃い味になるんですよね」

「豆が豆みたいな味」——当たり前のようで、実は深い言葉なんです。

現代の野菜は万人受けする味に改良されて、個性が薄れていますよね。でも有機で育てた野菜は違うんです。人参は土臭く、トマトは青臭く、豆は豆らしい。それぞれの野菜が持つ本来の味が、はっきりと主張してくるんですよ。

人参は土臭く、トマトは青臭く、豆は豆らしい
 


😊 畑が教えてくれた、大切なこと

体の声を聞くようになりました

身体の声を聞くようになりました。
「畑仕事ってきりがないんですよね。『もうちょっとやりたい』って思っても、今日はここでやめようって区切る。体を大事にするようになりました

雑草は抜いても抜いても生えてきます。やることは山ほどあるんです。

でも、無理は続きません。明日も、明後日も、来月も畑に立つために、今日はここまで。この「ほどほど」の感覚は、畑仕事だけでなく、日々の暮らしにも活きているそうです。

諦めない心と、感謝の気持ちが育ちました

それでも諦めずに続ける
「諦めない心は染みついて、メンタルは鍛えられたと思います。…野菜のありがたみはすごく増えます。天候ひとつで左右される世界ですから」

種を蒔いても芽が出ない。芽が出ても虫に食われる。それでも諦めずに続ける——この繰り返しが、いつしか強い心を育てていたんです。

同時に、スーパーに並ぶ野菜への見方も変わったそうです。あの整った形の裏に、どれだけの苦労があるのか。

今では、野菜を見るたびに農家さんへの感謝が湧いてくるんですって。


💕 おしゃれは、楽しく続ける秘訣なんです

かわいいものがあれば、テンションが上がるじゃないですか♪

「目の保養というか、かわいいものがあったらテンションが上がるじゃないですか。ミニトマトひとつでも、見方が変わってくると思うんです。気持ちの”明るさ”があると、なおのこと楽しく農業ができる」

農作業は地味、という固定観念を捨てちゃいましょう!

 

カラフルな野菜を選び、素敵な道具を使い、収穫物は可愛い籠に入れる。

インスタ映えを意識するのも悪くないですよね。楽しくなければ続かない——

これは、Ayaさんが失敗を重ねて辿り着いた一つの答えなんです。

おしゃれに野菜づくり

🛠 道具とタネのこだわり

軽くて、よく切れる鎌が一番!

「鎌は切れ味にこだわります。私は女性なので、重くないもの、使い勝手がいいもの。長いこと作業ができる感じ。ほぼ実用性重視ですね

道具選びに浮かれている場合じゃないんです。

実際に使うのは自分ですから。重いクワでは30分で腕が上がらなくなっちゃいます。

切れ味の悪い鎌では、作業効率が落ちてストレスも溜まりますよね。

見た目より実用性——これも経験から学んだことだそうです。

重いクワでは30分で腕があがらなくなってしまう

固定種という選択をしています

固定種を使うっていうのはこだわってます。固定種は昔ながらの種で、採種して次につなげられる。F1は掛け合わせなので、もともとの姿じゃない。続けて同じようには作りにくいと思っています」

F1種なら形も揃い、収穫時期も一定です。

でもAyaさんは固定種を選びます。

理由は「つながり」。今年採った種を来年蒔く。その種がまた次の年へとつながっていく——この循環の中に身を置くことが、野菜づくりの本質だと感じているんですって。


🥕 皮まで食べられる野菜たちが自慢です!

自家消費から、販売へステップアップ♪

「いろんな種類を作り込めてるわけではないけれど、極力、自分の野菜を使うようにしてます。お店に卸すこともあるので、販売分も欲しいんです」

最初は家族のためだけだった野菜づくりが、今では少しずつ外へ広がり始めているんです。

自分が作った野菜を、誰かが美味しいと言って食べてくれる。この喜びが、新たなモチベーションになっているそうですよ。

皮を剥かない贅沢、知ってますか?

「皮のまま食べられるし、大根も皮を剥かずに食べられる。そういう”できあがるもの”になっていくのがうれしい」

農薬を使っていないから、皮まで安心なんです。栄養が詰まった皮を捨てる必要がありません

これこそが、Ayaさんが目指していた「理想の食卓」の一つの形なんですね。


🥬 次の挑戦は、サニーレタス!

「サニーレタス、ですね」

次は何を作ろうか。この問いかけに、Ayaさんは即答でした。柔らかくて、サラダに最適なサニーレタス。失敗するかもしれません。でも、もう怖くないんですって。失敗は成長の糧だと、今なら分かるから。


🌟 最後に…あなたも始めてみませんか?

季節に一度のチャンスに挑み、アリに種を盗られ、それでも諦めずに続ける。発芽した双葉に「ありがとう」と語りかける——。

Ayaさんの野菜づくりは、効率や生産性とは違う価値観で成り立っています。

有機という手間のかかる方法を選び、おしゃれという一見すると農業とは無関係な要素を大切にし、失敗を楽しみながら理想を追求する。

これは単なる野菜づくりの話じゃありません。自然と向き合い、家族を思い、自分自身と対話する。そんな豊かな時間の過ごし方の提案でもあるんです。

完璧でなくていい。失敗してもいい。大切なのは、楽しみながら続けること。Ayaさんの姿は、そう教えてくれます。

きっと、あなたにもできますよ♪


📖 次回予告

連載第2回では、菌ちゃん農法の具体的な実践方法を詳しく紹介します。アリに種を取られない対策も、Ayaさんの経験をもとにお伝えしますね!お楽しみに〜♪

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