ミニキャベツなら小さなスペースでも育てやすい
ミニキャベツは、通常のキャベツの約半分ほどの重さ
ミニキャベツは1玉あたり500〜800gほどの小型品種で、通常のキャベツの約半分ほどの重さです。そのため、家庭菜園のちょっとした一角はもちろん、ベランダでのプランター栽培にもぴったり。
省スペースで手軽に育てられるのが魅力です。
ミニキャベツ、おいしさは通常のキャベツに引けを取らない
見た目は小ぶりでも、葉がしっかりと巻いていて、おいしさは通常のキャベツに引けを取りません。切らずに丸ごと調理しやすいサイズ感は、ミニキャベツならではの強み。
シチューやスープ、ポトフなどに丸ごと入れて煮込んだり、芯をくり抜いてひき肉などを詰めてロールキャベツ風にしたりと、アイデア次第で料理の幅がぐっと広がります。
家庭菜園で育てやすいおすすめのミニキャベツ
ミニキャベツはコンパクトなサイズで育てやすく、家庭菜園やプランター栽培にもぴったりです。ここでは、味や育てやすさに定評があり、家庭菜園で人気の高いおすすめ品種を3つご紹介します。
このみ姫|極早生・40日で収穫・巻きやすい
定植から約40日で収穫できる超極早生品種。玉の重さは600〜800gほどで、小ぶりながら巻きがしっかりしています。
葉はやわらかく甘みがあり、生育期間が短い分、病害虫の被害も受けにくいのが魅力です。短期間で収穫を楽しみたい方におすすめです。
おてがる|結球が早く、やわらかくて甘い
500〜800g程度の玉が育ち、早生品種。葉はやわらかく甘みが強いため、サラダや炒め物など幅広い料理に使えます。
比較的暑さにも強く、家庭菜園でも安定して育ちやすい点が人気です。
甘乙女|500g前後で扱いやすく育てやすい
500g前後のコンパクトな玉ができ、扱いやすいサイズ感が特徴。株間をやや狭めにして植えられるため、省スペースでの栽培にも向いています。
外葉が広がりすぎず、プランターや小さな畑でも育てやすい品種です。
追肥は2回!タイミングと量を守ればよく巻く
キャベツは結球が始まる前の外葉が育つ時期に、多くの養分を必要とします。この時期に肥料が不足すると、玉が巻かず食味が低下してしまいます。
追肥は結球前の初期生育期に2回程度を目安に行いましょう。
1回目は「植え付けから2〜3週間後」が目安
ポイント1
定植後、本葉が6〜8枚になった頃が最初の追肥タイミングです。ポイント2
葉色が淡く、生育が悪いと感じる場合は、数日〜1週間ほど早めても構いません。ポイント3
化成肥料(8-8-8)を10〜15g、株のまわりに均一にまくか、液体肥料を500倍に薄めて1週間おきに与えます。2回目は「巻き始める少し前」に
ポイント1:結球の始まり
外葉が広がり、中心が立ち上がってきたら結球の始まりです。ポイント2:最も養分を吸収する時期
定植からおよそ6週間後が目安で、この時期はキャベツが最も養分を吸収します。ポイント3:肥料切れになると成長が止まります
外葉をしっかり張らせるとよく肥大しますが、養分不足になると結球せず収量も低下します。このタイミングで肥料切れになると成長が止まり、玉が巻かないまま終わってしまうため、必ず追肥しましょう。
追肥のポイントは「少なめ・株元を避ける」
ポイント1:株元には肥料が直接触れないように注意
追肥を行う際は、根が広がっている範囲に均一にまくようにし、株元には肥料が直接触れないように注意しましょう。ポイント2:肥料を与えすぎると「葉ボケ」や病気の原因に
肥料を与えすぎると、葉ばかりが茂って玉が巻かなくなる「葉ボケ」や、病気の原因になることがあります。ポイント3:株の状態を観察しながら量を調節
葉の色が薄い場合は規定量を、葉の色が濃く良い状態の場合はやや控えめにするなど、株の状態を観察しながら量を調節することが大切です。市販の「野菜用の肥料」は、初心者にも量の目安が分かりやすいため、肥料の与えすぎによる失敗を防ぎやすく、おすすめです。
家庭菜園におすすめの追肥肥料
家庭菜園でのミニキャベツの追肥には、次の肥料がおすすめです。- 化成肥料(8-8-8):粒状で扱いやすく、ゆっくりと長く効く
- 有機配合肥料(8-8-8):有機成分が土壌環境を整え、健康な生育をサポート
- 液肥:即効性があり、生育が遅れた株の回復を早める
- マイガーデンベジフル:有機成分入りで、野菜本来の風味を引き出してくれる
肥料過多は葉ボケや病気の原因になるため、適量を心がけましょう。
キャベツ栽培で大切なのは「日当たり」
ここでは、日照不足が与える影響と、限られたスペースでも日当たりを確保するための工夫をご紹介します。
日照が足りないと巻かない・徒長しやすい
結球が進まなくなる
ミニキャベツは十分な日光がないと、光合成が不十分になり、外側の葉が育ちにくいため結球が進まなくなります。「徒長」が起こりやすくなる
また、茎だけがひょろひょろと長く伸びる「徒長」が起こりやすくなり、株が不安定になって風で倒れやすくなることも。徒長した株は根の張りが悪くなり、葉の数も減ってしまうため、収穫量や品質が低下します。
食味にも悪影響を及ぼす
さらに、甘みや風味も弱くなってしまうなど、食味にも悪影響を及ぼします。健康的でしっかりと巻いたミニキャベツを育てるためには、できるだけ長時間、日光が当たる場所で栽培することが大切です。
理想は1日5時間以上!置き場所も工夫しよう
1日5時間以上の直射日光
キャベツが元気に育つには1日5時間以上の直射日光が理想です。特に結球期に外葉全体に光が当てる
特に結球期には外葉全体に光が当たることで玉が締まり、甘みが増します。南向きで風通しの良い場所が最適
南向きで風通しの良い場所が最適ですが、日当たりが十分でない場合でも、工夫次第で改善できます。工夫ポイント
- プランターを日当たりの良い場所へ移動
- 木製ラックや棚で高さを出して育てる
- ベランダの外側は避け、部屋側に置く
- 近くにある大きな植物や物を移動・剪定するなど周囲の障害物を見直す
- 株間を広めにとりぞれの株に光が当たりやすくする
こうした方法を組み合わせれば、日当たりが限られる場所でも、結球の良いミニキャベツが育てられます。
よくある質問
ミニキャベツを育てる際によく寄せられる疑問をまとめました。日当たりや追肥の加減、プランターのサイズ選び、収穫の目安など、栽培中に迷いやすいポイントを押さえておきましょう。
Q. 日当たりが足りない場所では育てられませんか?
- 日照不足は巻きが甘くなったり、生育不良の原因になりますが、まったく育たないわけではありません。
Q. 追肥しすぎるとどうなりますか?
- 肥料を与えすぎると、葉ばかり茂って玉が巻かなくなる「葉ボケ」や、軟腐病などの病気が発生しやすくなります。
追肥はパッケージの規定量を守り、株の状態を見ながら加減することが大切です。
Q. プランターは何号サイズがおすすめ?
1株なら深さ30cm以上の10〜12号鉢が目安です。60cm幅の長方形プランターなら2株まで植えられますが、株間が狭いと成長が悪くなるため、ゆとりをもたせて植えるほうが育ちが良くなります。
Q. ミニキャベツの収穫時期はいつごろ?
ミニキャベツの収穫時期は、品種や植え付け時期によって異なりますが、一般的には植え付けから50〜60日後が目安です。収穫のタイミングは、玉を手で押してみて、ソフトボールくらいの大きさで、しっかりと固く締まっていれば適期です。
収穫が遅れると玉が割れてしまう「裂球」の原因になるため、タイミングを逃さずに収穫しましょう。
まとめ
ミニキャベツは通常のキャベツより小ぶりなため、省スペースでも育てやすく庭やプランターでも楽しめます。
元気に巻いたおいしい玉を収穫するためには、結球前の2回の追肥と1日5時間以上の日当たり確保がポイントです。
品種の特性に合わせた管理を心がけ、肥料は少なめ・株元を避けて施すことで、葉ボケや病気を防げます。
省スペースでも工夫次第で育てられるので、ぜひ気軽にチャレンジしてみてください。