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秋まき小松菜の種まきは9月〜10月がベスト
小松菜の秋まきは9月〜10月が適期です。
気温が下がることで虫の被害も少なくなるため、防虫ネットなどの手間も最小限で済み、家庭菜園でも育てやすいです。
収穫までは約50〜80日。
秋は気温が下がるぶん成長はゆっくりですが、葉に甘みがのってやわらかく美味しく育ちます。
たとえば9月中旬に種をまけば、11月末〜12月初旬には収穫が可能。
何度かにかけて種をまけば、収穫期間も長く楽しめますよ。
小松菜の土作りの基本|畑とプランターで違う?
小松菜を元気に育てるためには、土づくりがとても大切です。畑とプランター、それぞれに合った方法で進めましょう。
畑で育てる場合の土作り
畑で育てるときは、まず「土の酸度調整」から始めます。小松菜は弱酸性の土を好むため、pH6.0〜6.5を目安に、種まきの2週間前に苦土石灰(1㎡あたり100g)をまいて耕しておきましょう。
次に、1㎡あたり完熟堆肥を2〜3kg、化成肥料(NPK各10%程度)を100g(いずれも1㎡あたりの目安)ほど加え、よく混ぜてすき込みます。
種に直接触れないよう、土とよくまぜるのがポイントです。
最後にふかふかで水はけのよい状態になるよう丁寧に耕しておくと、根張りがよくなり元気に育ちます。
プランター栽培の土作りと準備
プランターで育てる場合は、市販の野菜用培養土を使うのが手軽でおすすめです。すでに排水性と保水性のバランスが整っていて、小松菜にも適した配合になっています。
プランターの底には鉢底石を2〜3cm程度敷き、通気性と水はけを確保してください。
また、プランターのサイズは深さ15〜20cm以上、幅20cm・長さ65cm以上があると、間引きや収穫の作業がしやすいです。
小松菜は連作障害に注意!
小松菜は「連作障害」を起こしやすい野菜です。連作障害とは同じ野菜を同じ土で育て続けることで、病害虫や栄養バランスの乱れが起こり、生育不良や病気につながる現象です。
小松菜はアブラナ科の野菜なので、同じ仲間であるチンゲンサイやキャベツなどとの連作も避けましょう。
畑で育てる場合は、2〜3年は別の場所に変えて栽培するのが理想的です。
プランター栽培なら使い終わった土は再利用せず、新しい培養土にするか土の再生材で改良して使います。
小松菜の種まき手順と失敗しないコツ
ここでは、畑・プランター共通の基本的な種まき手順と、よくある失敗を防ぐコツをご紹介します。
種まきの手順
小松菜は「すじまき」という方法で種をまくのが一般的です。すじに沿ってまくことで、発芽後の間引きや管理もしやすくなります。
種まきの手順
- まき溝作り:深さ1cm、条間15cmほどのすじ(まき溝)を作る
- 種まき:すじに沿って、1cm間隔で種をまく
- 覆土:種の上に5mmほど、ごく薄く土をかぶせる
- 鎮圧:上から手のひらで軽く押さえて、土と種をしっかり密着させる
- 水やり:ジョウロなどでやさしく、たっぷりと水を与える
慌てずに、ひと粒ずつていねいにまきましょう。
種まきで失敗しないコツ3つ
小松菜の種まきでつまずかないために、押さえておきたいコツを3つご紹介します。
種を一か所に密集させない
密集させてまくと間引きの手間が増えるうえ、苗が徒長しやすくなります。できるだけ種が重ならないよう、間隔を意識してまきましょう。
発芽までは乾燥させない
土の表面が乾いてしまうと発芽率が下がるので、乾燥させないようにこまめに水やりを行いましょう。また、発芽までのあいだは新聞紙をふんわりとかぶせておくと、乾燥防止に効果的です。
芽が出たら、すぐに取り外してください。
水やりはやさしく、丁寧に
水やりのときは、ジョウロやシャワーノズルを使って、土や種が動かないようにやさしくかけましょう。勢いよくかけてしまうと、種が流れて発芽にムラが出てしまうことがあるので気を付けてください。
小松菜の間引きのタイミング
小松菜は、成長に合わせて2回ほど間引きを行います。
間引きをすることで、日光や栄養が行きわたり、株が元気に育ちます。
密集したままだと徒長や病気の原因になるため、適度な間引きが大切です。
1回目:双葉が開いたら
混み合っている部分の芽を抜いて、株間が3cmほどになるようにしましょう。
芽が小さいうちは根も浅く、簡単に抜けます。
まわりの芽を傷つけないように、根元を軽く押さえながら抜くのがポイントです。
ピンセットや竹串を使うと、細かい芽の間引きもしやすくなります。
2回目:本葉3~4枚で成長に応じて
種まきから15日ほどして本葉が3〜4枚に育ってきたら、2回目の間引きを行います。育ちのよい株を残しながら、株間が5〜6cmになるようにしましょう。
株元を揺らしながらそっと抜くと、まわりの株を傷つけにくくなります。
このタイミングで残す株が、最終的に収穫する小松菜になります。
小松菜の間引き方のポイント
間引きは、生育の良い株を残すための大切な作業です。
以下のポイントを意識して行いましょう。
間引きのポイント
- 徒長している株や、葉が変形している株を優先的に抜く
- 葉と葉が触れ合う前に間引いて、風通しを良くする
- 株元を軽く押さえながら、やさしく引き抜く
間引き菜も美味しく食卓へ!おすすめの食べ方
間引いた小松菜はやわらかく、クセが少ないので料理に使いやすいです。
- サラダに加えてベビーリーフ風に
- さっと茹でておひたしや和え物に
- ごま油で炒めて副菜やパスタに
- 味噌汁やスープの具として彩りに
秋まきにおすすめの小松菜品種3選
小松菜には、春・夏・秋と季節ごとに適した品種があります。中でも秋は、気温が安定し栽培しやすいタイミング。
ここでは、秋まきにぴったりで家庭菜園でも育てやすい品種を厳選して3つご紹介します。
コマツナ|バランスの取れた定番品種
クセがなく食べやすい、昔ながらの小松菜。葉も茎もやわらかく、炒め物から汁物まで幅広く使える万能タイプです。
ちぢみこまつ菜|寒さに当たると甘くなる
葉にちぢみがあるのが特徴で、歯ざわりの良さと強い甘みが魅力です。炒め物やおひたしにぴったりで、秋まきに適した品種として人気があります。
神楽坂|トウ立ちしにくく家庭菜園向き
トウ立ち※しにくいため、秋まきでも安心して育てられる小松菜です。葉はつやのある鮮やかな緑で、見た目が美しく、葉肉が厚くボリュームもたっぷり。
病気にも比較的強く、家庭菜園でも扱いやすい品種です。
※トウ立ちとは:花芽が伸びて葉がかたくなり、味が落ちてしまう状態のことです。
よくある疑問Q&A
発芽しないのはなぜ?
覆土が厚すぎたり、土が乾燥していたり、気温が高すぎ・低すぎると発芽しにくくなります。古い種を使った場合も芽が出ないことがあるので要注意。
発芽適温(15〜25℃)を意識して、管理するのがポイントです。
間引きを忘れるとどうなる?
苗が混み合ったままだと日光や風が届きにくくなって徒長し、病気にかかりやすくなります。さらに葉がかたくなり、大きく育たないことも。
しっかり間引きして、成長するスペースを確保してあげましょう。
日当たりが悪いけど育つ?
半日ほど日が当たる場所なら育てられますが、成長のスピードはややゆっくりになります。プランターで育てている場合は台に乗せて高さを出したり、日当たりの良い場所に移動させたりして、光を少しでも多く確保できる工夫をしてみましょう。
小松菜の収穫タイミングは?
葉の長さが20〜25cmほどになった頃が収穫の目安です。あまり大きくなりすぎると、葉がかたくなって食べにくくなることもあるので、タイミングを見て早めに収穫しましょう。
通販で買える小松菜の種や土
まとめ
小松菜は、家庭菜園でも育てやすく、人気の高い葉もの野菜です。
なかでも秋は、気温が下がることで虫の活動が落ち着き、害虫対策の手間がぐっと少なくなります。
また、ゆっくりと育つことで葉がやわらかくなり、風味も良く仕上がるのが秋まきならではの魅力です。
土づくりや種まき、間引きなど、基本のポイントを押さえておけば、しっかりと育てられます。
間引き菜もやわらかくて美味しく、サラダやおひたしなどに活用できるのもうれしいところ。
ぜひ、おうちの畑やプランターで、小松菜づくりに挑戦してみてください。
資料:秋まき小松菜の作業カレンダー(中間地基準)
作業内容 | 9月上旬 | 9月中旬 | 9月下旬 | 10月上旬 | 10月中旬 | 10月下旬 | 11月 | 12月 |
種まき | 〇 | 〇 | 〇 | △ | ✖ | ✖ | ✖ | ✖ |
発芽期間 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ✖ | ✖ | ✖ |
間引き1回目 | ✖ | 〇 | 〇 | 〇 | △ | ✖ | ✖ | ✖ |
間引き2回目 | ✖ | ✖ | 〇 | 〇 | 〇 | △ | ✖ | ✖ |
追肥 | ✖ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ✖ | ✖ | ✖ |
収穫 | ✖ | ✖ | ✖ | ✖ | △ | 〇 | 〇 | △ |