目次
ナスは本当に肥料食い?
次々と実をつけるナスは、その分、土壌中の養分を盛んに吸収します。
特に窒素やカリウムが不足すると、落花や実の肥大不良といった生育トラブルにつながります。
長く収穫を楽しむためには、肥料の量だけでなく、与えるタイミングと方法も大切です。
ナスの追肥はいつ?タイミングの目安
長く収穫を楽しむには、適切なタイミングで追肥をする必要があります。
ここでは、追肥の基本タイミングを3段階に分けてご紹介します。
1回目|定植から3週間後
ナスの1回目の追肥は「根がしっかり活着したあと」が最初のタイミングです。定植(植え付け)からおよそ3週間が目安で、この頃になると根が広がり、花が咲き始める株も見られます。
この時期に一度追肥をすることで、その後の実つきがよくなります。
ただし、最初から多く与えすぎると根が弱ったり、葉ばかり茂ってしまうこともあるので既定の量を守りましょう。
2回目以降|2~3週間ごと
ナスの生育が本格化すると、養分の消費が一気に進みます。そのため、2回目以降の追肥は2~3週間ごとが基本。株の状態や天候を見ながら調整します。
葉の色が薄くなってきたり、花つきが悪くなったときは、次の追肥サインと考えてよいでしょう。
こまめに追肥を続けることで、丈夫な株に育ち、実の生育も順調になります。
収穫期|2週間おき
収穫が始まったら、追肥は「2週間おき」が基本です。ナスは実をつけるたびに栄養を使うため、追肥を怠ると実が大きくならなかったり、株が弱ってしまいます。
収穫と合わせて追肥するクセをつけると、無理なく続けられます。
追肥の期間
追肥の期間は、収穫が始まる6月下旬〜7月から、10月初旬までが目安。秋に向けて株を切り戻す場合は、そのあとも追肥を忘れずにしてください。
追肥は、最後の収穫の1〜2週間前までを目安に切り上げましょう。
どれを選べば正解?ナスにおすすめの肥料
園芸店にはさまざまな肥料が並んでいて迷ってしまいますよね。ここでは、家庭菜園で使いやすい、ナスの肥料をご紹介します。
油カス+化成肥料のブレンドが効果的
ナスはたくさん実をつけるぶん、多くの栄養を必要とします。そこでおすすめなのが、「油カス(有機肥料)」と「化成肥料(無機肥料)」を組み合わせる方法。
- 油カス:ゆっくり効いて、土づくりにも効果的
- 化成肥料:速効性があり、早く効果を実感しやすい
この2つをブレンドすれば、即効性と持続力を両立しつつ土の状態も良くなるので、ナスにぴったりの追肥になります。
目安は、1株あたり化成肥料15g+油カス40gの割合で混ぜて使うのがおすすめです。
市販の「野菜用肥料」も使いやすい
肥料の種類や配合に迷ったときは、市販の「野菜用肥料」を選ぶのもひとつの方法です。特に次のようなメリットがあります。
- パッケージの表記どおりに使えば過不足が起きにくい
- 固形タイプなら、土にまくだけで手間がかからない
- 初めての栽培でも扱いやすく、失敗しにくい
液体肥料はサポート用として活用
うっかり追肥を忘れてしまった…そんなときに頼りになるのが液体肥料です。化成肥料よりも即効性が高く、水やりと一緒に与えられる手軽さが魅力です。
ただし、効果は長く続かないため、基本の肥料に加えるサポート役として使うのがベスト。
追肥のタイミングがずれたときや、株の元気がないときに補助的に使えば、ナスの回復をしっかり助けてくれます。
家庭菜園で失敗しない追肥のやり方と量
せっかく適切な肥料を選んでも、場所や量を間違えると効果が薄れたり、逆に株を傷めてしまうことも。
ここでは、追肥の基本的なやり方と、地植え・プランターでの施肥のコツを解説します。
肥料の量と与え方のコツ
肥料は「株元から少し離れた場所に、適量を与える」のがコツです。根に直接触れると根が傷んでしまうことがあるので、株元から10〜15cmほど離した場所にまきましょう。
目安は1株あたり、化成肥料15g+油カス40gを混ぜて使うと効果的です。
市販の野菜用肥料を使う場合は、表示どおりの量を守りましょう。
毎回スプーンやカップで量を測って施すと、与えすぎを防げます。
地植え・プランター別の施肥ポイント
地植えの場合
マルチ(黒いビニール)を使っているなら、施肥のときはマルチを少しめくってまくと効果的です。プランターの場合
水やりで栄養分が流れやすいため、少量をこまめに与えるのがコツです。固形肥料だけでなく液体肥料を補助的に使えば、追肥の間隔をうまくカバーできます。
ナスの様子でわかる!肥料不足と肥料過剰のサイン
追肥は、足りなくても多すぎてもトラブルのもとになります。ここでは、ナスの様子からわかる肥料不足と肥料過剰のサインを、見分け方とあわせてご紹介します。
肥料不足のサイン
ナスは肥料が足りないと、目に見えて元気がなくなります。
以下のような症状が見られたら、追肥を検討しましょう。
- 葉の色が薄く、黄色っぽくなる
- 花が落ちる、実がならない・大きくならない
- 新芽や茎の伸びが鈍くなる
肥料過剰のサイン
一方で、肥料を与えすぎると、かえって実がつきにくくなることもあります。
以下のような状態は、肥料過多を疑いましょう。
- 葉ばかり茂って実がならない
- 葉が内側に巻く
- 葉先が茶色や黄色に変色する(肥料焼け)
なすの追肥に関するよくある質問
鶏ふんや油かすだけで追肥は大丈夫?
鶏ふんや油かすはナスの肥料として使えますが、追肥には少し頼りない面もあります。油かすはじっくり効いて土づくりに役立ちますが、即効性がなく、リン酸やカリウムも不足しがちです。
鶏ふんは即効性がありますが、成分が強いため、与えすぎると根を傷めたりアンモニア障害の原因になることも。
収穫量や品質を安定させるためには、化成肥料を基本に、有機肥料を補助的に使うのがおすすめです。
追肥をしないとどうなるの?
追肥をしないままでいると、ナスの元気がなくなり、次のような影響が出てきます。- 花が咲いても実がつかない
- 実がついても育たず小さいまま
- 育ってもかたく、味が落ちる
ナスの追肥はいつまで続ければいい?
追肥の終わりの目安は、最後の収穫予定の1〜2週間前です。ナスは夏のあいだ収穫が続くため、7月〜9月ごろまで定期的に追肥を行いましょう。
秋ナスも楽しみたい場合は、8月中旬に切り戻しをして追肥をすれば、10月ごろまで収穫が続けられます。
液体肥料だけでも追肥になる?
液体肥料は即効性がありますが、効果が長続きしないため、固形肥料との併用がおすすめです。うっかり追肥を忘れたときや、天候不順で施肥ができないときの応急処置として使うのがベスト。
定期的な追肥には固形肥料、補助的に液体肥料を使い分けると、肥料切れを起こしにくくなります。
肥料の与えすぎを防ぐにはどうしたらいい?
肥料の与えすぎは「肥料焼け」を起こす原因になります。失敗を防ぐためには、次の2点を意識しましょう。
- 計量スプーンなどで毎回きちんと計る
- 一度にまとめて与えず、少量ずつ定期的に施す
株の様子を見ながら、必要に応じて量を調整しましょう。
通販で購入できるナスの肥料
トマト・なす・きゅうりの肥料
実物野菜に大切なリンサン成分を多めにブレンドしています。美味しさを引き出す有機アミノ酸肥料を配合しています。有機質肥料に含まれる微量要素や栄養分が野菜の旨味を引き出します。
とまと なす きゅうりの肥料
商品情報成分比N:4・P:8・K:3・Mg:1.1特徴野菜のうま味を高めるアミノ酸を添加してります。アミノ酸は化学肥料を与えたときに比べ、植物体内の糖消費量が減り、使用されなかった糖は、うま味や成長への栄養として使われます。天然原料が主体の肥料ですので、肥料成分が根にやさしく作用し根傷みを軽減します。
まとめ
ナスはたくさんの栄養を必要とする「肥料食い」の野菜。
長くおいしい実を収穫するためには、タイミングと方法を押さえた追肥がポイントです。
◆ 追肥のタイミング
- 1回目の追肥: 定植から3週間後が目安
- 2回目以降: 2〜3週間ごとに実施
- 収穫が始まったら: 2週間おきに追肥
◆ 追肥のやり方とポイント
- 施肥場所: 株元から10〜15cm離れた場所にまく
- おすすめの肥料: 1株あたり化成肥料15g+油かす40gをブレンド
- 株の様子を観察: 葉色や花つきで肥料不足・過多を判断
追肥はちょっとした工夫と観察がカギ。
コツをつかめば、ナスはしっかり応えてくれます。
元気な株に育てて、たくさん収穫を楽しみましょう。