- AGRI PICK 編集部
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この記事では、芝生用の除草剤の種類や選び方を詳しく紹介します。ぴったりのものを選んで、雑草のストレスから解放されましょう!
メーカー別おすすめの除草剤は、こちらの記事で紹介しています!
芝生の種類については、こちらをチェック!
芝生に生える雑草の種類
ひと言に雑草といっても、非常に多くの種類があり、性質もさまざま。雑草の種類によって、選ぶべき除草剤も異なります。そこでまずは、芝生に生えている雑草の正体をチェックしておきましょう!メヒシバ
稲のような、ひょろひょろとした細長い茎と葉が特徴の雑草です。メヒシバは、生長すると最大70cmほどの草丈になり、芝生からぴょんぴょんと飛び出すように生えるので、美しい景観を損ないます。一年草ですが、非常に生育が旺盛で、夏になるとあっという間に生い茂るやっかいな雑草です。メヒシバの生長点は地際近くにあり、刈り取ってもすぐまた伸びてくるため、除草剤での駆除が有効。オヒシバ
メヒシバ同様、夏によく見かける雑草で、駆除が難しい強雑草のひとつです。地中にひげ状の根をがっちりと張り、茎も頑丈なことから、引き抜くのは困難。踏みつけにも強く、コンクリートの壁などでもすき間があれば生えてきます。オヒシバを取り除くには、こまめな刈り取りも良いですが、除草剤で根から断つほうが少ない労力で済みます。クローバー(シロツメクサ)
可憐なイメージがあるクローバーですが、芝生にとってはやっかいな雑草でもあります。地下茎を伸ばしてどんどん広がっていくので、放っておくと芝生が台無しになりかねません。抜き取っても地中に根が残り、すぐにまた生えてくることから、完全に取り除くのがむずかしい雑草です。ハマスゲ
光沢のある細長い葉が特徴の雑草です。暑さにも乾燥にも強く、地中の塊茎によりどんどん増えていきます。地上部を刈り取っても、塊茎が残っている限り、あっという間にまた生い茂る生命力の高さから、容易には駆除できません。発生する前に、土壌に除草剤をまいて対策するのがおすすめです。カタバミ
ハート型の葉が特徴の雑草で、地下茎を伸ばして繁殖します。抜き取っても地中に根が残りやすいため、一度生えるとあっという間に広がってしまいます。根絶するには、除草剤で地中の根ごと枯らすのが最も効果的です。コニシキソウ
地面を這うように伸びる雑草です。葉は小ぶりで、中心にエンジ色の模様があるのが特徴。種で増える一年草で、簡単に抜き取ることができます。広範囲に広がってしまった際は、除草剤で駆除するのがおすすめです。スギナ
春になって、芝生からつくしが生えていたら要注意!それはスギナの胞子茎です。このつくしが周囲に胞子を飛ばし、葉(スギナ)を茂らせて繁殖していきます。スギナは強雑草の代表格ともいえるほど、駆除が難しい雑草。地中深くに地下茎を張り巡らせるため、地上部を刈り取っても駆除することはできません。スギナを駆除するには、地下茎までしっかりと枯らすことが肝心です。ツメクサ
葉は細く、3mmほどの白い花を咲かせるツメクサ。繊細な見た目ですが、草丈が低いため刈り取りにくく、小さなすき間からも生えてくるしぶとい雑草です。芝生に生えると密生して、景観を損なってしまいます。オオバコ
道端や畑など、あらゆる場所で見かける雑草。葉が地面に這うように広がり、踏みつけにも非常に強いのが特徴です。オオバコは簡単には抜きにくいため、駆除するには除草剤が有効です。スズメノカタビラ
先の尖った細長い葉が特徴の雑草。茎は株元で分岐して株になり、放置していると大株になったり、群生したりすることも。大きくなると抜きにくく、刈り取ってもすぐにまた再生します。また、一定の気温があればひんぱんに開花し、種によってどんどん繁殖するため、とてもやっかいな雑草です。チドメグサ
丸みのある小さな葉が特徴のチドメグサ。湿ったところに生え、這うようにして繁殖します。群生したチドメグサによって光が遮れ、芝生が弱ってしまうことも。上に伸びないため刈り取りにくく、抜いても根が残ってしまうため、すぐまた生えてきます。タンポポ
春の風物詩として知られるタンポポですが、芝生に生えるとやっかいな雑草になります。根を地中深くまで伸ばすため、抜き取りにくく、根が残るとすぐに再生します。駆除する際は、根まで枯らす除草剤の使用がおすすめです。コケ類
芝生を張っている土壌の水はけが悪かったり、養分が少なくなったりするとコケ類が発生しやすくなります。芝生によく生える種類としては、ゼニゴケやイシクラゲなど。コケ類は芝生の景観を損なうだけでなく、ナメクジやダンゴムシなど虫が発生する原因にもなります。取り除くには、手で剥がすのも良いですが、広範囲に生えている場合は除草剤のほうが効率的です。ただし、コケ類には根がないため、雑草用ではなく、コケ専用の除草剤を使いましょう。雑草の種類や防除方法については、こちらの記事でも紹介しています!
芝生の除草剤の種類と散布時期
除草剤を効果的に使うには、それぞれの適性や使用時期を守ることが大事です。また、使い方も異なるため、自分に合っているものをよく見極めてから除草剤を選びましょう。ここでは、除草剤の種類や使用時期について解説します。稀釈タイプや粒剤など|使用方法による種類
除草剤には、原液を水で薄めてから使用する稀釈タイプや、薄めずにそのまま散布できるシャワータイプやスプレータイプ、粒状のものなど多くのバリエーションがあります。希釈タイプは少々手間がかかりますが、枯らしたい雑草の種類によって濃度を調整することができ、コスパが良いのもメリットです。希釈せずに使えるスプレータイプや粒状の除草剤は、稀釈の手間がかからず、近くに水道がない場所に使うときに便利。小スペースに少しだけまきたいというときや、初めて除草剤を使うという人にもおすすめです。「発芽抑制剤」と「茎葉処理剤」|雑草の生育状況によって種類を使い分ける
除草剤には、雑草の生え始めに適した「発芽抑制剤(土壌処理剤)」と、すでに育ってしまった雑草の処理に適した「茎葉処理剤」の2タイプがあります。発芽抑制剤|散布時期は「雑草の発芽前~生育初期」
主に粒状の除草剤が「発芽抑制剤(土壌処理剤)」になります。雑草が生える前や大きく育つ前に土壌にまいて使用し、雑草の根から薬剤を吸収させて枯らします。効果が表れるのは比較的ゆっくりですが、散布してから数カ月もの間持続するのがメリット。できるだけ除草の手間を省きたいという人にはおすすめです。このタイプの除草剤は、雑草の発芽前~生え始めに使うのが基本。使用する時期としては、3月、6月、10月が適しています。
茎葉処理剤|散布時期は「雑草の生育期」
主に液状の除草剤が「茎葉処理剤」になります。雑草に直接散布することで、薬剤が葉や茎から浸透し、根まで枯らします。そのため、雑草がすでに大きく育っていても、しっかり枯らすことができるのがメリット。発芽抑制剤で根絶しきれなかった雑草処理用に、あわせて持っておくと便利です。このタイプの除草剤の使用時期は、5~10月がおすすめです。散布後も雑草が生えてくるのをある程度抑制してくれる製品が多いですが、あくまで雑草が生長してから使用するものなので、シーズン中に何度も散布する必要があります。
おすすめの芝生用除草剤ランキング ベスト10
ここからは、芝生に使えるおすすめの除草剤ランキング形式で紹介します!10位:ガーデンアージラン液剤|生育初期の雑草駆除に
日本芝に対する影響が少ないため、芝生が育っている時期でも使用できます。生育初期のイネ科の雑草や幼齢期のメヒシバ、スズメノカタビラなどに有効です。除草成分は、土壌または植物体内で短期間に分解されます。9位:HCCザイトロンアミンスプレー液剤|ピンポイントで狙えるスプレータイプ
芝生のすき間からチョロチョロ生える雑草に最適!スプレータイプなので、枯らしたい雑草にピンポイントで噴霧できます。夏場であれば、最短1~2日で効果が出始める即効性もおすすめのポイント。1本で5.4坪程度の面積に使えます。8位:シバキープⅢ 粒剤|まきやすく、約4カ月間効果が持続!
日本芝の雑草に効果的な除草剤です。芝生にやさしく、メヒシバやスズメノカタビラなどの雑草は、根までしっかり枯らします。そのまま散布できる粒状で、一度の使用で効果が約4カ月続くのもうれしいところ。雑草が大きくなりすぎる前に使うのがコツです。7位:グリーンアージラン液剤|環境にやさしい芝用除草剤
イネ科の雑草から広葉雑草まで、幅広く使える希釈タイプの除草剤です。散布後は芝生の表面に留まらず、植物内や土の中で比較的速やかに分解されるので、土壌や水を汚染する心配はほとんどありません。日本芝の生育期から休眠期まで、好きなタイミングで使えるのもメリットです。6位: MCPP液剤|スギナやクローバーを徹底駆除!
クローバーなどの広葉雑草とスギナの駆除に最適な除草剤。水で希釈し、雑草の茎葉全体に散布して使用します。有効成分が浸透しつつ、土中における薬剤の分解は速やかに進みます。イネ科の植物には影響しないため、芝生が枯れることもなく安心!MCPP液剤
内容量 | 500ml |
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有効成分 | MCPP(PRTR・1種・108)50.0% |
使用できる芝生の種類 | 日本芝(コウライシバ、ノシバ)、西洋芝(ケンタッキーブルーグラス) |
5位:シバニードシャワー|シャワータイプだからそのままかけるだけ!
原液タイプはいちいち水で薄めるのが面倒…という人におすすめ!そのまますぐに使えるシャワータイプの芝用除草剤です。特にスギナなどの一年生広葉雑草に適しており、散布してから3~7日程度で効果があらわれます。キク科とイネ科の雑草にはあまり効かないため、ほかの除草剤と組み合わせての使用がベターです。4位:シバキーププラスV |肥料・除草・予防のトリプル効果が最長4カ月続く!
雑草の駆除と予防だけでなく、肥料成分も入った一石三鳥の除草剤です。日本芝にのみ使えますが、スギナやタンポポ、スズメノカタビラなど多くの雑草に効果を発揮します。散布は芝生の上にパラパラとまくだけでOK。最長で4カ月も効果が続くため、1回の使用で夏中雑草を防ぐことができます。シバキーププラスV
内容量 | 1kg |
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有効成分 | DBN、メコプロップカリウム塩 |
肥料成分 | チッ素11%、リンサン8%、カリ6%、マグネシウム3% |
使用できる芝生の種類 | 日本芝 |
3位:シバニードアップ粒剤|粒状だから散布が簡単!素早く効いて効果が続く
散布後5~10日で雑草が枯れ始める、即効性のある除草剤。粒状タイプでそのまま散布するだけと使い方は簡単なのに、メヒシバやスズメノカタビラなどのしつこい雑草も駆除できます。そのうえ効果が約3カ月続くので、何度も使用する必要がないのもうれしいポイント。日本芝のみ使用できます。2位:シバキープPro 顆粒水和剤|効果が3カ月持続!日本芝と一部の西洋芝に
日本芝、西洋芝(ケンタッキーブルーグラス、ベントグラス、バーミューダグラス)の両方に対応。ゴルフ場でも使われている、プロ御用達の除草剤です!一度の使用で、効果は約3カ月と長続きするのも魅力。頑固で枯れにくいヒメクグやハマスゲにも効果があります。効果的な使用方法は、生え始めの雑草へ散布すること。2週間ほどで雑草が枯れはじめます。シバキープPro 顆粒水和剤
内容量 | 1.2g×2包 |
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有効成分 | フルセトフルスロン |
使用できる芝生の種類 | 日本芝、西洋芝(ケンタッキーブルーグラス、ベントグラス、バーミューダグラス) |
1位:シバゲンDF|日本芝やバミューダグラスに!生えた雑草だけでなく防止効果も
生え始め~生育初期の雑草には茎葉処理剤として使えるほか、長く続く残効性により、芝生から再び雑草が生えるのを防ぐこともできる除草剤です。幅広い雑草に効果を発揮するので、芝生の雑草対策に備えておくと安心!日本芝と暖地型西洋芝の「バミューダグラス」には安全性が高く、休眠期・生育期を問わず使用することができます。寒地型の西洋芝には薬害が生じてしまうため、使用はできません。人気の芝生用除草剤を比較
今回ランキングで紹介した、芝生用の除草剤を一覧表にまとめました。効果のある雑草や使用できる芝生の種類など、使用する際の参考にしてみてくださいね!順位 | 商品名 | 効果のある雑草 | 使用できる芝生の種類 | 使用時期 | 剤型 | 効果持続期間 |
10位 | ガーデンアージラン液剤 | メヒシバ、スズメノカタビラ、ヒメジョオン、クズなど | 日本芝 | _ | 稀釈 | _ |
9位 | HCCザイトロンアミンスプレー液剤 | クローバー、カタバミ、スギナ、チドメグサ、ヤブガラシなど | 日本芝 | 雑草の生育期 | スプレー | _ |
8位 | シバキープⅡ粒剤 | メヒシバ、スズメノカタビラ、クローバー、スギナなど | 日本芝 | 雑草の生える前~生え始め | 粒 | 約4カ月 |
7位 | グリーンアージラン液剤 | メヒシバ、スズメノカタビラ、アレチノギク、ヒメジョオンなど | 日本芝 | _ | 稀釈 | 約2~3カ月 |
6位 | MCPP液剤 | クローバーなどの広葉雑草、スギナ | 日本芝(コウライシバ、ノシバ)、西洋芝(ケンタッキーブルーグラス) | 雑草の生育期 | 稀釈 | _ |
5位 | シバニードシャワー | 一年生広葉雑草、スギナ | 日本芝、西洋芝(ケンタッキーブルーグラス) | 雑草の生育期 | シャワー | _ |
4位 | シバキーププラスV | メヒシバ、スズメノカタビラ、クローバー、スギナ、タンポポなど | 日本芝 | 雑草の生える前~生え始め | 粒 | 約4カ月 |
3位 | シバニードアップ粒剤 | メヒシバ、スズメノカタビラ、オオアレチノギク、カラスノエンドウなど | 日本芝 | 雑草の生える前~生え始め | 粒 | 約3カ月 |
2位 | シバキープPro 顆粒水和剤 | ヒメクグ、ハマスゲ、各種一年生、多年生広葉雑草 | 日本芝や西洋芝(ベントグラス、バーミューダグラス、ケンタッキーブルーグラス) | 雑草の生える前~生え始め | 稀釈 | 約3カ月 |
1位 | シバゲンDF | メヒシバ、オヒシバ、スズメノカタビラ、シロツメクサ、ツメクサ、コニシキソウ、チドメグサ、カタバミ、スギナ、オオバコなど | 日本芝、西洋芝(バミューダグラス) | 雑草の生える前~生え始め | 稀釈 | _ |
芝生用の除草剤に関するQ&A|安全性や散布方法
雑草を効率よく処理できる除草剤ですが、安全性などが気になる人も多いのではないでしょうか。そこでここからは、芝生用の除草剤に関する疑問についてお答えしていきます!芝生用の除草剤の安全性は?
市販されている除草剤は、周囲の環境への影響など、安全性を考慮して開発されています。そのため、製品ごとに規定されている使用量や使いた方を守れば問題はありません。使用前には必ずパッケージに記載されている注意書きをよく読み、正しい使用方法を守ってください。
また作業時には、長袖や長ズボン、手袋で手肌を守ることを忘れずに。特に液状の除草剤を噴霧するときは、飛沫を吸い込んでしまわないように、メガネやゴーグル、マスクでガードしておくことが大切です。
除草剤をまくのに適切な時間は?
時間帯は特に決まりはありません。ただ、日が落ちてしまうと暗くなり、まく場所や散布量などがわかりにくくなるため、日中に作業することをおすすめします。
芝生の近くの菜園に影響しないか心配
芝生のすぐ近くに菜園がある場合は、雑草に直接散布して根から枯らすタイプ(茎葉処理剤)の除草剤を選ぶと安心です。土壌にまいて薬剤を浸透させ、根から枯らすタイプ(発芽抑制剤)は周辺の植物にも影響が出てしまうため、避けた方が無難です。また、風が強い日は除草剤を散布すると周囲に飛散してしまうので、作業は控えましょう。
除草剤を使わない対策が知りたい!
小範囲に生えた雑草やまだ生え始めなどであれば、根から抜き取ってしまうのが一番です。雑草を繁殖させないためには、早めの段階でこまめに草抜きするようにしましょう。また、手で雑草を抜くよりも、草取り専用の道具を使うと効率良く作業できますよ。