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テープナー(誘引結束機)とは
誘引は収穫量を上げるほか、日差しを均等にあてる、泥はねから遠ざける、強風から守るなど、植物の健康にとって良いことばかりです。しかしこれを手作業でやるとかなり手間がかかりますし、誤って植物を傷つけかねません。特にぶどうの場合は、上を向いての作業になるため、肩を痛めることもあります。そんな数々の負担を軽減してくれるのがテープナーです。今まで一つひとつ針金や紐類で結んでいた作業がテープナーで留めるだけになります。テープを出したり切ったりを手動でしていたのが、テープナーを握る動作だけで完結するようになります。テープナー(誘引結束機)の仕組み
どのメーカーも基本の仕組みは同じです。テープと針を機械にセットし、一度握ってテープを引き出します。引き出されたテープで支柱と植物を押さえつけ、テープが輪になっていることを確認し、もう一度握りこみます。するとテープが切断・固定されます。テープナー(誘引結束機)の価格
現行テープナー全体の価格帯は3,000円〜10,000円程度です。定番のマックス株式会社製の現行品だと、10,000円前後。販売終了品だと、5,000円〜8,000円ほどです。マックスと同じく定番のニチバン社の「とめたつ」も、9,000円程度で販売されています。メジャーではない製品や海外メーカーのものだと3,000円から6,000円程度です。テープナー(誘引結束機)の選び方
テープナーをいざ買おうと思っても、何を基準に選んだら良いかわからないですよね。テープナーを選ぶ基準は、大きさと能力、テープの留め方の3つです。一つひとつ解説していきます。まずはテープナーの大きさを確認しましょう。各社、大きいサイズと小さいサイズを販売しています。小さいタイプなら、手の小さい方でも握りやすいです。狭いところでの作業にも向いています。2つ目はテープナーの能力です。針づまり回数の低減に特化したモデルがあります。針づまりなくスムーズに作業したい方にはおすすめです。また、疲れにくい工夫が凝らしてある商品や耐久性がアップしているものもあります。3つ目はテープの留め方です。針でテープを留めるタイプ意外に、テープの粘着力で留めるタイプもあります。畑に針のゴミが落ちることもないですし、針で怪我をする恐れもありません。ご自身の使い方に合ったものを選んでくださいね。
マックス・ニチバンなど|おすすめのテープナー(誘引結束機)5選
おすすめのテープナーを5つ紹介します。サイズや重さを意識して見ておきましょう。サイズは使う場所の広さに関係しますし、重さは作業のしやすさに繋がります。握りやすさも大切なポイントです。テープを留めるのに針を使うかどうかも要チェック。針づまり低減に特化した最上位モデル
マックス HT-R45C
標準モデルのHT-Rよりも針づまりが低減されたモデルです。新たに搭載されたドライバ・マガジンシステムが針を詰まりにくくします。針づまりしてしまったときのために、解除工具が本体内部に入っているので、安心です。
・サイズ:H148×L353×W37mm
・重さ:430g
・結束範囲:最大直径45mm
・サイズ:H148×L353×W37mm
・重さ:430g
・結束範囲:最大直径45mm
握りやすいスリムタイプ
マックス HT-R24C
最上位モデルHT-R45Cのスリムタイプです。ハンドルが小さく、手の小さい方でも握りやすいです。アームも小さくなったことにより狭い場所での作業もしやすく。 ・サイズ:140×37×353mm ・重さ:420g ・結束範囲:最大直径24mm
針を使わないテープナー
ニチバン とめたつプラス TMA150
針を使用せずに、粘着力でテープを留めるテープナーです。セロハンテープを作っているニチバンならではの技術が活かされています。針がないので、比較的軽く、少ない力で握れます。針のゴミが出ないので、畑の環境にも優しいです。 ・サイズ:L304×H145×W34mm ・重さ:325g ・結束範囲:最大直径45mm
さらに軽くなったテープナー
テープナー(誘引結束機)はテープも重要
テープナーで使うテープはなんでも良い訳ではありません。作物ごとに厚みや強度保持期間が異なったりします。鳥よけの補助として使えるタイプも販売されています。自分の使う場面や作物に合わせて、選びましょう。ノーマルタイプ
ノーマルテープは耐候性の強いテープを指します。「通常テープ」と呼ばれることもあります。長期間にわたって、誘引力が持続するのが特徴です。取り外すときは、はさみで切断します。自然に風化することはないので、土の上に放置すると、長く残り続けます。鏡面テープ
鏡面テープは虫よけ・鳥よけの補助として使えるテープです。光が当たると、キラキラ光るので、虫や鳥を寄せ付けにくくなります。絶対に植物が傷つかない保証があるわけではないので、あくまで補助アイテムとして使用しましょう。光分解テープ
時間が経つと、光で風化していくので、後片付けが簡単なテープです。光分解テープは光を浴びると、一度耐久性が増します。その後一定期間が過ぎると、劣化し、風化します。誘引期間に合わせて、光分解テープを購入すれば、取り外す際に楽に取り外せますよ。作物による使い分け
厚さ×幅×長さ(mm) | 色 | 保持期間(カ月) | 作物 | |
TAPE-10 | 0.1×11×40,000 | 白 | – | ぶどうの新梢 キュウリ |
TAPE-15 | 0.15×11×26,000 | 青 | – | キュウリ トマト ぶどうの結果母枝 ナス |
TAPE-25 | 0.25×11×16,000 | 赤 | – | トマト ぶどうの結果母枝 |
TAPE-15M | 0.15×11×26,000 | 銀 | – | – |
TAPE 100-R | 0.1×11×38,000 | クリーム | 5~10 | ぶどう(デラ) きゅうり |
TAPE 200-R | 0.2×11×19,000 | ペールグリーン | 3〜6 | トマト |
TAPE 200-L | 0.2×11×19,000 | ピンク | 6〜10 | ぶどう(中・大粒系) キウイフルーツ |
TAPE 250-L | 0.25×11×16,000 | オレンジ | 6〜10 | 大玉トマト(長期多段取り) 梨(新梢・棚付誘引) |
テープナー(誘引結束機)の使い方
テープナーを使うのは初めてという方のために、使い方をステップ形式で解説していきます。例として使うのはマックス社製のテープナーです。動画も紹介するので、参考にしてみてください。使い方
- プッシャを引き出し、針を本体に入れ、プッシャを元に戻します。
- テープを入れていきます。本体のふたをあけて、テープをセットします。
- ふたを閉めたら、テープを本体の先端まで伸ばします。
- テープを先端のテープガイドに通し、テープガイドからテープが少し垂れ下がっている状態にすれば、準備完了です。
- テープナーの下顎に相当する部分のテープ支えユニットがテープを挟める位置までハンドルを握ります。このとき、最後まで握り込まないようにしましょう。
- 挟めたら、ハンドルを緩め、テープを引き出します。
- 結束したいものにテープをあてがい、上顎と下顎で挟み込むようにします。
- ハンドルを最後まで握り込めば、針が打ち込まれ、テープが切断されます。