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- AGRI PICK 編集部
AGRI PICKの運営・編集スタッフ。農業者や家庭菜園・ガーデニングを楽しむ方に向けて、栽培のコツや便利な農作業グッズなどのお役立ち情報を配信しています。これから農業を始めたい・学びたい方に向けた、栽培の基礎知識や、農業の求人・就農に関する情報も。…続きを読む
畑作とは
畑作の歴史
明治以降、政府は欧米の農業技術導入を図って、農事試験場など公的研究機関を設置し、種子、苗、化学肥料、農機具などが輸入され研究が進みました。第二次世界大戦後は、機械化と農業研究の成果で収穫量が飛躍的に向上しました。
畑作の農家数や気になる所得は?
栽培品目 | 経営体数(経営体) | 作付面積(ha) |
大豆 | 70,837 | 119,697 |
ばれいしょ | 66,871 | 62,930 |
小麦 | 37,694 | 207,149 |
かんしょ | 31,366 | 23,192 |
そば | 28,187 | 49,801 |
小豆 | 23,805 | 27,849 |
大麦・はだか麦 | 15,192 | 55,925 |
畑作経営(全国平均)の1経営体あたりの農業粗収益は954万円です。これは、他の業種が水田作経営277万円、露地野菜栽培602万円であることに比べると、やや多いといえるでしょう。なお、畑作作付延べ面積40.0ha 以上(北海道)の階層では、農業粗収益は6,796万円となります。また、畑作経営の農業所得は全体的に増加しています。
参考:「農業経営統計調査平成29年個別経営の営農類型別経営統計」
主な作物の特徴
大豆
国内の大豆需要量は、年間およそ338万tで、そのうち大豆油用が225万t、食品用が約96万tとなっています(平成27年)。食品用は、多い順に豆腐、納豆、煮豆そうざい、みそ、しょうゆに利用されています。大豆の国内自給率は7%ですが、サラダ油などを除いた食品用に限ると自給率は25%になります。用途によって、豆腐用にはタンパク含有量が高いもの、煮豆用やみそ用には糖質含量が高いものが好まれる傾向にあります。また、煮豆納豆など豆の形がそのまま製品になる用途では、成分だけでなく外観も重要になっています。ばれいしょ
国内のばれいしょ需要量は、年間およそ320万t(平成28年)です。用途別にみると、主に青果用、でん粉原料用、加工食品用などに分けられますが、青果用は減少する一方、加工用が増加しています。加工食品用として、最も多く使われるのはポテトチップ用で、次いで多いものは冷凍加工のフライドポテトです。青果用には「男爵薯」「メークイン」の栽培が多く、ポテトチップ用には「トヨシロ」「スノーデン」「きたひめ」、サラダ用には「さやか」「はるか」など用途に応じた品種が選ばれています。小麦
国内の小麦の需要量はおよそ581万tです(平成28年)。主な用途はうどん、パン、中華麺、菓子などですが、用途により求められるタンパク含有量が異なり、タンパク質の含有量の高い強力粉が食パンに、強力粉よりもタンパク質の含有量が少ない中力粉がうどんや即席麺に、より少ない薄力粉がケーキや天ぷら粉に加工されます。北海道の「ゆめちから」、福岡県の「ちくしW2号」など、各産地で新品種が育成されています。
畑の作り方|土づくりがカギ!
連作障害を避けるための輪作
また、畑作では「輪作」が行われています。輪作とは、同じ耕地に違った種類の作物を一定の順序に栽培すること。同じ土地で同じ作物を作り続けると、病気が増えたり、うまく育たなくなったりする「連作障害」という現象が起きてしまうことがあります。これは作物によって好む栄養分が異なるため、同じ土地で同じ作物を植え続けると、土壌のバランスが崩れたり、雑草や病原菌などが増えやすくなったりするからです。この連作障害を避けるために、輪作が行われています。地域によって輪作のパターンは異なり、例えば北海道の十勝では「ジャガイモ→小麦→てん菜→豆類」の4輪作、網走では「ジャガイモ→小麦→てん菜」の3輪作が行われていることが多いです。
シラス台地での畑作
農業機械の導入
畑作の仕事の年間スケジュール|小麦の場合
時期 | 仕事 | 内容 |
11月 | 土づくり | 畑を耕し、土壌改良材や基本となる肥料を散布したり、排水対策を行ったりします。 |
11月~12月 | 種まき | 種をまきます。 |
1月~3月 | 追肥・除草 | 追肥を行います。除草剤を散布します。 |
4月 | 病気の防除 | 収量や品質を低下させる赤かび病などを防除するため、薬剤を散布します。 |
4月 | 追肥 | 穂揃期の追肥を行います。 |
6月 | 収穫 | 機械により収穫します。 |
畑作の課題|天候不順やコスト削減
また、肥料や農薬、農業機械費などの生産コストをどのように低く抑えるかも大きな課題です。農業機械を共同利用することでコストを削減する取り組みも始まっています。