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- YasuhiroOgawa
植物園に勤務していた経験を活かして、正確でわかりやすい記事を書いていきたいです。好きな花はハイビスカス。現在は、トロピカルフルーツの新しい栽培に取り組んでます!…続きを読む
一般によく流通している洋ランは、実はコツをつかめば意外と育てるのが簡単です。通常の鉢花より水やりの労力がかからない種類が多いので、忙しい人や手間をかけたくない人におすすめです。
洋ランの置き場は?
春から秋の成長期は、風通しのよい戸外で育てた方がよいでしょう。ただし直射日光を当てるとほとんどの種類は葉焼けするので、種類によって日光の量を遮光ネットなどで調節してください。いずれの種類も暗すぎる場所に置くと株が弱り、花も咲かなくなるので注意してください。
冬は室内に置いて管理します。ただし暖房機器の風が当たる場所や近くには、置かないでください。
洋ランの水やりや肥料は?
洋ランの管理で大切なポイントは水やりです。ほとんどの種類は、生育期は植え込み材料をあまり乾かさないようたっぷりと水を与えます。それ以外の季節は、ミズゴケなどの植え込み材料が乾いてから与え、休眠期は乾燥気味に管理します。初心者が枯らす原因の多くは水の与えすぎなので、注意してください。
肥料を多く与えると根が傷みやすい種類が多く、通常の鉢花と比較すると肥料は少なめです。ラン用の肥料も販売されているので、専用の肥料のほうが安心です。肥料を与える際は、必ず説明書をよく読んで、規定量を守るようにしてください。肥料を与える時期や量などを間違えると、かえって花が咲かなくなったり、根を傷める原因になります。
ハイポネックス キュート 洋ラン用
洋ランなど水苔に植えつけられている植物に適した、うすめずそのまま株元へひと押しするだけの肥料。浸透剤の働きで植物に必要な成分をすばやく根に行きわたらせ、目に見えて鮮やかな効果を発揮します。
口コミ・レビュー
昨年購入のミニ胡蝶蘭の鉢植えに使用。 園芸初心者の私には薄めずにそのまま使用できるのでとっても便利。今年の一月下旬頃一輪花が咲き始め、肥料を定期的に追肥したところ、5月現在沢山の綺麗な花が咲いています。
出典:Yahoo!
内容量 | 150ml |
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洋ランの植え方や、植え替えの時期は?
洋ランの植え方
最も一般的な洋ランの植え方は、通気性のよい素焼き鉢にミズゴケで植えることです。ただし水を好む種類や丈夫な種類は、プラスチックなどの鉢にバークや軽石などを混ぜた用土で栽培することができます。根の通気を特に好む種類は、ヘゴ板などに着生させて栽培します。また比較的よく流通しているバンダは、植え込み材料を使わず、根を露出させた状態で栽培します。プロトリーフ 洋ランの土 5L
口コミ・レビュー
手軽さに、水苔から洋蘭の土に変更しました
胡蝶蘭を育てています。 今迄は、水苔&素焼き鉢で植えてました。 水苔だと、2年に一回の植え替えが必要! 洋蘭の土で植えた場合は、枯れるまで、若しくは根っこがはみ出すまで植え替え不要!
出典:Yahoo!
内容量 | 5L |
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植え替えの時期は?
花が咲き終わったら、2~3年に一回、植え替えを行いましょう。植え替えの時期は4~6月が最適です。手間がかからず育てやすい洋ランの種類8選と育て方
1. コチョウラン(ファレノプシス)
学名のファレノプシスの名でも一般に知られ、祝い事などの高級ギフトなどでもお馴染みのコチョウランは、洋ランの中でも最もよく親しまれています。東南アジアが原産で、花色は主に白やピンクなどですが、他に黄色や紫などがあります。ギフトでよく使われる大輪系の品種の他、小型のミディタイプも可愛らしい魅力で人気があり、家庭でも育てやすくおすすめです。育て方
直射日光に当てると葉焼けするので、年間を通して50パーセント程度の遮光下か、明るい日陰に置きます。5月から10月の生育期は、直射日光や雨が当たらない戸外が適します。水やりは、春から秋の成長期は植え込み材料の表面が乾いてから与え、冬は植え込み材料が完全に乾いてから次の水やりをしてください。特にミズゴケの場合は常に湿っている状態は、枯らしてしまう一番の原因になるので注意してください。
20℃以下の低温に2週間ほど当たると、花芽が付きます。一般には秋ごろに花茎が出てくるので、支柱で固定して湿度を保つように管理してください。
植える時は5月にズゴケで植えてください。株の生長に伴い、鉢は一~二回りづつ大きな鉢を使うとよいでしょう。贈答品などの大鉢仕立てのものは寄せ植えしてあるので、分解して1株ずつミズゴケで植えつけてください。
2. シンビジューム
東南アジア原産の大型の花を咲かせる原種から改良され、冬の豪華な贈答花として有名です。近年は日本のシュランなどの小型種との交配により作られたコンパクトな品種も人気があり、寒さに強く家庭でも育てやすいのでおすすめです。旺盛に生育する地生のランなので、よく開花させるには多くの水分と肥料を必要とします。
寒さに強く暖地では戸外でも越冬し、豪華な花が2か月ほどの長期間咲き続けるので、一般家庭で育てている愛好家が多いようです。
育て方
5月から9月は葉焼けを防ぐため、30パーセント程度の弱い遮光下に置きます。それ以外の季節は出来るだけ日光に当てるようにしてください。5月から9月の成長期は、植え込み材料を乾かさないよう、毎日水を与えてください。10月以降は植え込み材料が乾いてから水を与えますが、蕾がついたら植え込み材料の表面が乾き始めたら水を与えてください。
肥料は4月から9月までの期間に、ラン用の肥料などを規定量与えるようにしてください。
しんびすとのテーブルシンビ 森の精 ふっこ
石田蘭園オリジナル品種、森の精シリーズの新品種「ふっこ」。わらかいピンク色の花とふっくらとしたかわいらしい花弁が特徴的。その形にちなんで「ふっくらかわいいこ」で、「ふっこ」と名付けられたそう。コンパクトで置き場を選ばず、寒さにも強いので育てやすい品種です。
サイズ | 高さ45cm×幅45cm(株の大きさ) |
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3. オンシジューム
枝先にたくさん咲く黄色い花が美しいオンシジュームは、洋ランの代表的存在です。非常に丈夫で育てやすく、よく開花するので、初心者にも特にお勧めです。また、冬頃に流通する、芳香のよいトゥインクルなどの小型のオンシジュームも、丈夫で育てやすいです。
育て方
置き場は、強光線を避けた30パーセントの遮光下か、午前中だけ日光が当たるような半日陰が適します。できるだけ日光に当てたほうがよく開花するので、葉焼けの心配がない冬は、室内の窓際で日光によく当てて下さい。水やりは、植えこみ材料の表面が乾いたら与えます。
肥料は4月から9月に、緩効性の化成肥料を与えてください。
植えるときは、素焼き鉢にミズゴケで植えるか、通常のプラスチック鉢はバークやヤシの実チップなどで植えてください。
4. カトレア
やや肉質の葉と太い茎(バルブ)を持つ株姿が個性的なカトレアは、中南米が原産です。大輪で豪華な花を咲かせる品種が多く、鉢花や式典等の装飾、ブーケなど様々に使われます。小型で小輪のタイプは寒さに強く育てやすいので、家庭で育てるにはお勧めです。育て方
7月~9月は直射日光を避け、遮光下で育てます。それ以外の季節は日光によく当てた方が、株が引き締まって育ち、花付きがよくなります。水やりは、5月から8月は植えこみ材料の表面が乾き始めたら与えますが、それ以外の季節は植えこみ材料が乾いてから与え、やや乾燥気味に管理します。ただし蕾が出たら、冬でも水をあまりきらさないようにしてください。
冬越しは室内のカーテン超しの場所に置き、10℃以上保つようにしてください。
5. デンドロビューム
デンドロビュームは非常に多くの種類があり、愛好家に栽培される魅力的な原種も多くあります。一般に流通しているのは、コチョウランのような花が咲くデンファレ系、枝先の咲く白い花が美しいフォーミデブル系などがありますが、入手しやすいノビル系とキンギアナム系が初心者でも栽培が簡単でお勧めです。デンドロビューム・ノビル系の育て方
日本で品種改良が盛んなノビル系は、丈夫で寒さに強く、太い茎状のバルブの各節に花を付ける姿が豪華で美しいです。日本原産のセッコクと交配された小型の品種もあり、人気があります。置き場は春から秋は30%の弱遮光下に置き、冬は窓越しの日光によく当ててください。花付きとよくするには、できるだけ日光によく当てることが大切です。
水やりは、5月から9月は植え込み材料の表面が乾いたら与えますが、盛んに成長し乾燥の激しい7~9月の晴れた日は毎日水やりしてもよいでしょう。また秋からは植え込み材料が完全に乾いてから水やりし、乾燥気味に管理することが花芽を付けるためにも大切です。ただし秋から冬頃に蕾が出来たら、植え込み材料の表面が乾いたら水を与え、霧吹きなどして湿度を保ってください。
デンドロビューム・キンギアナム系の育て方
オーストラリア原産のキンギアナムから育成された品種で、枝先に白やピンク色の花が咲きます。置き場は日当たりのよい場所が適します。ただし暑さの厳しい場所や風通しの悪い場所では、遮光しないと葉焼けすることがあるので注意してください。
水やりはノビル系に準じます。
6. パフィオペディラム
袋状になった花弁がユニークなパフィオペディラムは、渋い魅力で熱心なファンがいる個性的なランです。東南アジア原産のバルブを持たない地生ランで、乾燥には弱いです。直射日光の当たらない日陰で育つので、室内で楽しむには最適です。また開花期間も長いのが魅力で、2カ月ほど咲き続けることもあります。育て方
直射日光を避けた、明るい日陰が適します。戸外で長雨に当たると枯れることがあるので、室内に置いて楽しむとよいでしょう。乾燥を嫌うので、5月から9月の成長期は毎日水やりしてください。それ以外の季節は、植え込み材料の表面が乾いたら水を与えてください。
洋ラン パフィオペディラ
7. エピデンドラム
カトレアに近縁で、中南米に非常に多くの種類があります。一般に多く出回るのは、細い茎の先に半ボール状につく花が美しい交配種です。花色は赤やオレンジ、ピンク、黄色、白色など、多くあります。不定期に開花しますが、日光と肥料が十分な管理で育てると長く花を楽しむことができます。
育て方
日光によく当てて育てると花付きがよくなります。ただし、暑さの厳しい時は葉焼けすることがあるので、30%程度の軽い遮光下に移した方が安全です。水やりは、植えこみ材料が乾いてから与えますが、夏の晴れた日は毎日与えてください。
肥料は好むほうで、春から秋の成長期は液体肥料を週1回与えるとよいでしょう。
植えるときは、素焼き鉢にミズゴケで植えるか、通常のプラスチックや陶器などの鉢を使う場合は粒の小さめのバークで植えてください。
8. セロジネ
東南アジアに約120種が知られ、ヒマラヤの寒い地域から熱帯地域まで広く分布する着生のランです。北方タイプと呼ばれる原種のクリスタタと交配種のインターメディアは、寒さに強く育てやすいので、家庭で育てるには最適です。冬から春に、香りのよい白い花が開花します。セロジネ・北方タイプの育て方
5月から9月は30%程度の弱遮光下に置きますが、それ以外の季節は直射日光によく当てるようにします。水やりは、5月から9月の成長期は毎日水を与え、夏の乾燥が激しい時は夕方も水やりするとよいでしょう。それ以外の季節は、植え込み材料の表面が乾いたら水やりしてください。また温度の低下する冬は、水やりは1週間に1回程度の乾かし気味の管理でよいでしょう。
冬越しは、最低温度が5℃を下回る前に室内に取り込み、南側の窓際でよく日光に当てるようにしてください。