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夏を涼しくする緑のカーテン
暑さをしのぎながら、栽培も楽しめる緑のカーテン。夏に育つゴーヤやアサガオといったつる性植物を、窓辺や壁面などに立体的にはわせることで、室内や建物への直射日光をカットするとともに熱伝導を抑えることもできる生活の知恵です。近年の猛暑によっても注目度が高まっていて、チャレンジしたことがあるという人も多いのではないでしょうか?横浜市環境科学研究所の実験によると、緑のカーテンを設置すると、窓では約4℃、壁では約11℃表面温度が下がったそう。また、設置した部屋としない部屋とでは、室温に1.4℃の差があることもわかりました。しかも、普通の日よけは熱を吸収して熱くなってしまうのに対し、生きた植物で作る緑のカーテンは、植物が水分を蓄えて葉の表面から蒸散しているため、打ち水のように周りの温度を下げる効果も。花咲く植物や実がなるものを育てれば、葉の緑陰だけでなく花姿や収穫も楽しめますよ!
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夏に緑の涼を演出しよう!「グリーンカーテン」を美しく仕立てるトレリス
緑のカーテンの作り方
お住いの地域や育てる植物の種類にもよりますが、緑のカーテンをスタートする時期は5~6月ごろ。用意するものは、育てたい植物の苗と、鉢栽培をする場合はプランターとネットや支柱、トレリスなど植物のつるを絡ませるための資材です。ネットが強風にあおられて飛ばされないよう、しっかりと固定できる場所があることを確認してからスタートしましょう。栽培する植物を決めたら植え付けを。緑のカーテンに活用する植物は、夏もよく生育するものが多く、また直射日光の当たる場所で育てるため、鉢植えの場合は水がすぐに乾きがちです。水切れを予防するためにも、大きめの鉢に植え付けるようにしましょう。また、密なカーテンを作らせようと間隔を詰めて植えてしまいがちですが、それぞれの植物に応じた株間を取るようにご注意を。ゴーヤやアサガオは30cm程度、ヘチマは40cm程度の間隔が必要です。
緑のカーテンを作る際には、植物を絡ませるネットが必要です。ネットの設置には、軒下などで上からネットをつるす方法や、支柱を使ってネットを自立させる方法などがあるので、緑のカーテンを設置したい場所に合った方法を選びましょう。ネットをつるす場合は強度に注意し、上階のベランダの手すりや、強度が十分な雨どい用の金具などを利用しましょう。
ネットを固定できるような場所がない場合は、軒下などにフックを設置して取り付けます。下部はプランターの重みなどを利用して固定すると簡単です。支柱を使う場合は、地面に支柱をしっかり固定してからネットを取り付けましょう。ネットを利用するのが一般的ですが、場所によってはトレリスなどに植物を絡ませても緑のカーテンを作ることができますよ。
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夏を涼しく乗り切るために、緑のカーテンをつくろう!
緑のカーテンを作るコツ
苗を植え付けたら、ネットを張ってつるを絡ませながら生長させます。緑のカーテンを作るコツは、つるが伸びてきたら、つるの先端部分を切り取る摘心(てきしん)の作業をすること。この摘心を繰り返すことで脇芽が増え、ネット全体を広く覆うように生長させられます。土が乾いていたら、しっかりと水やりをしましょう。直射日光の当たる場所で育てるので、特に夏場は水が切れやすく、朝だけでなく朝夕2回与えたほうがよい場合もあります。また、生育が旺盛なので、植物の状態を見ながら、随時追肥を行いましょう。2カ月ほどで緑のカーテンが完成します。
緑のカーテンにおすすめの植物4選
ゴーヤ(ニガウリ)
緑のカーテンの定番といえば、チャンプルーなどでおなじみの実も楽しめるゴーヤ。特に沖縄で親しまれていて、暑さに強く、生育が旺盛なので、緑のカーテンに広く利用されています。実つきもよく、たくさんの収穫を楽しめるのもうれしいところ。病害虫にも強く、丈夫で育てやすいので、ガーデニング初心者にもおすすめです。台風など強風が予想される時には、事前に実を収穫しておきましょう。アサガオ
夏に咲く花として古くから親しまれているアサガオも、緑のカーテンに仕立てやすい植物。朝早くに咲き、昼にはしぼんでしまうと思われがちですが、昼過ぎまで花が咲くものや、変わった花や葉を持つもの、大輪品種から小輪品種までバリエーション豊かです。短日植物なので夜に光が当たらない場所で育て、暑さが厳しい日は乾かないよう朝夕2回水を与えましょう。日本アサガオにはない花色を持ち、やや晩生の西洋アサガオや、より強健で宿根性の琉球アサガオも緑のカーテン作りにおすすめです。Garden Storyのこちらの記事もチェック!
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フウセンカズラ
ぷっくりと膨れて風に揺れる淡緑色の実が涼しげなフウセンカズラ。丈夫で栽培方法も簡単、初夏から秋口にかけてぐんぐん伸び、細い巻きひげで周囲のものに絡みつく特性を生かして、緑のカーテンに仕立てるにもぴったりのつる性植物です。実の中にできる黒い種も、白いハート模様が入ってかわいらしく、クラフトなどにも人気。種からでも簡単に育てられます。Garden Storyのこちらの記事もチェック!
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ツンベルギア・アラタ
ツンベルギアの中でも、緑のカーテンによく使われるのがツンベルギア・アラタ。本来は多年草ですが、日本では春まき一年草として扱われることが多く、中央に黒い目が入る、白やオレンジ、黄色のかわいらしい花をたくさん咲かせます。熱帯から亜熱帯を原産としているため、夏の暑さにも負けずにぐんぐん生長してくれます。コンパクトサイズの緑のカーテンにおすすめです。緑のカーテンで、夏を涼しく乗り切ろう!
日よけや蒸散の効果で夏の暑さを和らげ、見た目も涼しい緑のカーテン。ここで紹介したのは、どれも夏の暑さに耐えられるだけの丈夫で育てやすい植物なので、誰でも簡単に緑のカーテン作りに挑戦できます。今年は窓辺に緑のカーテンを仕立てて、暑い夏を涼しく快適に乗り切ってみませんか?「Garden Story」には、日々を彩る花や植物の育て方、初心者から通まで楽しめるガーデニング情報がたくさん掲載されています。ぜひそちらもチェックしてみてくださいね。