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プレクトランサスについて教えてくれたのは?
園芸研究家・山城智洋さん
公式サイト:https://www.aisenen.com/shop.html
『多肉植物 サボテン』(NHK出版)
プレクトランサスとは
中でも葉色や模様が個性的なものは「葉もの」、美しい花を咲かせる種類は「花もの」と呼ばれています。株の伸び方によって主に2種類に分かれ、上に伸びる「立ち性」と、這うように生長する「つる性」とがあります。
暑さや乾燥に強いため比較的育てやすい植物ですが、寒さにはそれほど強くありません。屋外で育てる場合、霜に当たらないよう冬は室内に取り込んで育てます。九州や四国なら防寒すれば屋外での冬越しも可能です。
プレクトランサスの花
プレクトランサスの花言葉
「許し合う恋」「沈静」「広がる希望」沈静という花言葉は、紫の花の落ち着いた雰囲気に由来するそうです。
プレクトランサスの中には多肉植物に近い品種も
寄せ植えに使われることもあり、インテリアとして人気です。育て方は通常の多肉植物と同様、水を控えめにして育てます。
アロマティカスなど香りのよいものはハーブティーや料理に使われることもあります。
プレクトランサスは観葉植物としても人気
プレクトランサスの基本情報
基本情報
学名 | Plectranthus |
科名 | シソ科 |
属名 | ケサヤバナ属(プレクトランサス属) |
園芸分類 | 草花 |
形態 | 多年草、一年草、低木 |
原産地 | アフリカ東部・南部、アジア、オセアニア |
特徴
草丈
5~150cm花の色
紫、白、ピンク開花時期
5~11月耐寒性
弱い~やや弱い耐暑性
普通栽培難易度
初心者でも育てやすいプレクトランサスの種類と品種
ここからはおすすめのディッキアの品種を紹介していきます。それぞれの栽培難易度は、星の数(☆~☆☆☆☆☆)で表示していますので、育てる際の参考にしてください。星の数が少ないほど育てやすい品種になります。※栽培難易度の表記が無いものは難易度が不明のものです。
モナラベンダー
ピンククリッカー
ピンククリッカーは立ち性の品種で、草丈は20~30cmに成長します。小さなピンクの花を咲かせ、開花時期は5~10月と長めです。葉は細かい産毛に覆われており、ベルベットのような柔らかい手触りが特徴です。葉の個性が強いものは寄せ植えに使われます。シルバーシールド(アルゲンタツス)
シルバーシールドはオーストラリア原産で、アルゲンタツスとも呼ばれています。草丈は30~60cmほど。名前の通り銀白色の葉が美しく、7~8月ごろになると茎の先端に穂状の白い花を付けます。アロマティカス(アンボイニクス)
栽培難易度 | ☆☆☆ |
草丈は10~30cm。淡い緑色の葉っぱは柔らかい毛に覆われており肉厚で、室内でも屋外でも育てられます。多肉質な質感から最近はインテリアとしても人気が高まっており、多肉植物の売り場で手に入ることもあるようです。直射日光の当たらない明るい場所に置き、水を控えめにして乾燥気味に育てます。
エルンスティー
栽培難易度 | ☆☆☆ |
ヌンムラリウス
栽培難易度 | ☆☆☆ |
ミントリーフ
栽培難易度 | ☆☆☆ |
プレクトランサスの育て方
栽培カレンダー
日当たり
プレクトランサスは強い日差しを嫌うため、直射日光を当てると葉焼けの原因になります。葉の色をきれいに保ち、花つきをよくするためには、柔らかい日差しの当たる場所がベストです。春と秋は半日陰、夏は明るい日陰、冬は5℃以上の温度が保てる日当たりの良い場所で育てましょう。水やり
プレクトランサスはもともと乾燥に強く、過湿を嫌うので水のやり過ぎには注意が必要です。葉や花に水がかかると株が蒸れやすくなるので、水やりは株元にあげるよう意識しましょう。生育期には土の表面が乾いて白っぽくなったら、鉢底から水が流れるまでたっぷりと水をあげます。生長が鈍る11月~3月下旬ごろまでは、土が乾いて数日たってから水やりをしてください。冬場も生育期と同じ感覚で水やりをしていると、過湿で根腐れを起こす可能性があります。ただし室内に取り込んで15℃くらいの温度を保てるのであれば、生育期と同じくらいの頻度でもOK。地植えにする場合、水やりは不要です。
土
プレクトランサスの栽培には、水はけのよい肥沃な土が適しています。ホームセンターで売られている鉢花用の培養度で十分です。自分で配合する場合、赤玉土(小粒)7:腐葉土3、さらに元肥として緩効性の化成肥料を混ぜておくとよいでしょう。地植えの場合は掘り上げた土に腐葉土を2~3割混ぜておきます。また、多肉質の葉をもつアロマティカスなどには多肉植物用の土を使いましょう。
肥料
植え付け時、元肥として緩効性の化成肥料を土に混ぜておきます。追肥は4~6月、9~10月ごろの生育期に定期的に与えましょう。固形の暖効性肥料を月1ペースで置き肥するか、液体肥料を10~15日に1回のペースで与える方法でもかまいません。株が弱っているときは肥料を避けます。温度
生育適温は20~30℃。南国原産のプレクトランサスは乾燥に強い一方で寒さに弱いため、戸外で育てる場合は霜に当たらないよう注意が必要です。冬は最低でも5℃以上の温度を保つようにします。室内に取り込めるよう鉢植えでの栽培がおすすめです。プレクトランサスの開花時期は11月くらいまでですが、室温が高いと比較的遅くまで花を咲かせます。また、低温で葉が枯れてしまっても、根が生きていれば春になると新芽が伸びてくるでしょう。
プレクトランサスの夏越しと冬越し
問題は冬越しです。プレクトランサスは寒さに弱く、気温が5℃を下回ると枯れてしまいます。鉢植えであれば秋になったら室内に取り込み、地植えの場合も9~10月の秋ごろに鉢に植え替えて室内で育てましょう。どうしても屋外で越冬させる場合は霜に当てないよう囲いなどで防寒対策を。また、冬は休眠状態に入るので水のやり過ぎにも注意しましょう。
プレクトランサスの寄せ植え
プレクトランサスの切り戻し・剪定
プレクトランサスの植え替え
根が鉢内に回りきっていれば切り戻してからひと回り大きな鉢に植えるか、あまり大きく育てたくない場合は根鉢を1/3ほど崩して同じサイズの鉢に植え替えます。用土は植え付けと同じく市販の観葉植物用の土を使いましょう。
プレクトランサスの殖やし方|株分け
- 茎を切り取り、3~4節くらいの挿し穂をつくる。下の方の葉は切り落とす
- 赤玉土など水はけのよい土に挿して半日陰で管理する
- 土が乾かないよう水やりをする
- ある程度株が生長したら芽先を摘む。そこから脇芽が出てバランスの良い株姿になる
- 2~3週間すると根が出る。十分に根が生長したら鉢や地面に定植する
プレクトランサスの病気・害虫
カイガラムシ
カイガラムシは葉や茎にくっついて養分を吸い取り株の生長を阻害する害虫です。幼虫には殺虫剤が効くので見付け次第すぐに駆除し、成虫は硬い殻で体が覆われていて殺虫剤が効きにくいため成虫は歯ブラシなどで擦り落としましょう。ハダニ
ハダニは葉の裏側に寄生して吸汁します。ハダニの被害に遭った場所にはかすり傷や白い斑点がつき、その部分の葉緑素が抜けてしまうため光合成ができなくなり株が弱ってしまいます。発生時期は春から夏の気温が高い時期です。水に弱いので定期的に葉水をすると予防できます。見付けたら早めに殺虫剤で駆除しましょう。プレクトランサスQ&A
Q. 葉が落ちる原因は?
山城さん
葉が落ちる落ちるようであれば、日照不足や風通しの悪さ、多湿(蒸れ)、水切れなどが原因として考えられます。水やりの頻度を見直し、置き場所を工夫してみましょう。
Q. 葉が枯れる原因は?
山城さん
温度の低い冬は休眠状態に入るため葉が枯れてしまいます。
Q. 花が咲かない・花つきが悪いときには?
山城さん
花が咲かない、花の付きが悪い場合にも日照不足が疑われるため、日当たりの良い場所に移して管理しましょう。