東京農業アカデミー第1期生インタビュー|「中学時代からの夢を追いかけて」鈴木 茜さん

東京農業の担い手を育てるために、東京都が設立した「東京農業アカデミー」。年齢もさまざまで個性豊かな第1期生にインタビューしてきました。今回は入学前に4年の農業経験を持つ鈴木茜さん。農業高校出身の彼女が東京農業アカデミーに入学した理由とは?研修の印象や今後のビジョンなども聞かせてもらいました!


鈴木茜さん

撮影:AGRI PICK編集部
東京の農業の担い手を育成するため、2020年に誕生した東京農業アカデミー。第1期生として学ぶ鈴木茜さんに、東京で就農を目指す理由、研修の印象、将来のビジョンなどを伺いました。

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中学時代から農業をやりたかった

ナスを見る鈴木茜さん
撮影:AGRI PICK編集部

本で農業の後継者不足を知る

鈴木さんは神奈川県の農業高校出身。中学生のころから農業をやりたいという気持ちを持っていました。実家が農家ではない鈴木さんが、なぜ中学時代に農業を志したのでしょうか?
鈴木 茜さん
鈴木 茜さん
自分自身が悩みを抱えている中学生のときに、本を読んで日本の社会問題の一つに農業の後継者不足があると知りました。そのときに、農業をやりたいと直感的に思いました。

企業や農業法人で経験を重ねて

農業高校卒業後は、社会経験をした方がいいと考え、東京の青果物流通会社に就職。野菜の仕入れや市場の流れを学びます。その後、知人から熊本県で新規に設立される農業法人に誘われて現地へ移り住みましたが、直後に熊本地震が発生し、働いていた農場が閉鎖に追い込まれることに。ちょうどそのころ、東京で新規就農した女性を取り上げている新聞記事を目にしました。
鈴木 茜さん
鈴木 茜さん
東京で農業ができるんだ、すごいなと驚いて。記事を読んで、都市農業にはチャンスがあるのではと思いました。

一般社団法人東京都農業会議に相談に行くと、資金面などの理由から、いきなり独立就農するのではなく一度農家で働いてみることを勧められ、立川市の農家を紹介されます。その農家は、養液栽培のミニトマト事業を立ち上げるタイミングだったため、鈴木さんもその事業に携わり3年間働きました。

やっぱり自分の農場を持ちたい!

農家で働いている間も、鈴木さんから自分の農場を持ちたいという気持ちがなくなることはありませんでした。そして、改めて東京都農業会議に相談に行き、東京農業アカデミーの設立を知って入学を決意します。
鈴木 茜さん
鈴木 茜さん
自分の人生をかけるので、もう一度勉強し直したいという思いがありました。また、人脈づくりや土地探しのために、2年間の準備期間を確保したいと思いました。東京都が開設しているので、授業料も低額ですし、基盤がしっかりしているところも魅力でした。

東京農業アカデミーの研修を受講して感じたこと

鍬を持つ鈴木茜さん
撮影:AGRI PICK編集部

就農経験があっても、まだまだ学ぶことがある

東京農業アカデミーでは、指導員の先生が丁寧に指導し、研修生を全力でサポート。入学前に4年間の就農経験がある鈴木さんですが、研修は大きな学びになっているといいます。
鈴木 茜さん
鈴木 茜さん
指導員の専門性が高く、プロの方の話が聞けるというのはすごいなと思っています。また、作業機械も充実しています。


同期は皆、就農に向け一生懸命頑張っていて切磋琢磨しています。その中で鈴木さんは紅一点ですが、特に問題はなく、いい雰囲気だといいます。

当たり前のことをしっかりと

鈴木さんの印象に残っている研修の一つに、GAPの指導員が来校して行われた安全講習があります。農業が危険を伴う仕事だということや、いかに安全対策が必要かということを学びました。労働時間、労働環境、機械や農薬の使用方法、整理整頓など、多くのことが安全につながっていると改めて認識したそうです。
鈴木 茜さん
鈴木 茜さん
農作業をするとき、休憩時間の取り方が大切なのだと知りました。限界を超えた働き方では続かないし、ミスのもとになってしまいます。また、農薬を使うときには防護をするなど、当たり前のことをしっかりと守ることが重要なのだと思いました。

就農後の将来のビジョンは?

鈴木茜さん
撮影:AGRI PICK編集部

地域で自身の役割を果たしていきたい

卒業後は、三鷹市近辺で就農したいと考えている鈴木さん。地域に根差した農場を目指しています。飲食店が集中している東京だからこそ、需要が見込めるヨーロッパ野菜やハーブなどを栽培したいという想いも。また、農業を通じて社会貢献をしたいとも考えています。
鈴木 茜さん
鈴木 茜さん
農業には精神的なリラックス効果があると思っているので、悩んでいる人や社会になじめない人に農業をする場を提供できる農場でありたいと思っています。自分自身も悩みを抱えていたことがあるので、そういう人たちの役に立ちたいという気持ちがあります。子どもの食育活動や収穫・植え付け体験なども企画していきたいです。

鈴木さんは、人口が集中し、さまざまな思いを抱える人がいる東京において貴重な農地を守りながら、農作物を作るだけではなく農業だからこそできる役割を果たすことを目指しています。今後は、実際の農家の技術や付随する経営力も学びたいと話してくれました。

インタビューにはきはきと答え、自分のことを「やりたいと思ったら迷わず突き進むタイプ」と笑顔を見せてくれた鈴木さん。中学生のころから抱いた夢を一つずつ叶え、常に新しい目標を抱いている姿は輝いていました。

東京農業アカデミー八王子研修農場
概要:就農希望者を都市農業の担い手として育成することを目的として東京都が開設した研修農場
対象:18歳以上で都内で就農を目指す人(毎年5名程度を受入れ)
研修農場 : 八王子市大谷町(約20,000㎡)
研修期間 : 2年間(年間約220日)
問い合わせ:東京農業アカデミー八王子研修農場 042-686-1077、東京都産業労働局農林水産部農業振興課 03-5320-4814(直通)

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神山 朋香
神山 朋香

大学卒業後、地方公務員として消費者教育や労働福祉の普及事業に従事した後、AGRI PICK編集部に。AGRI PICKでは、新規就農に役立つ情報などを執筆しています。

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