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福岡県の農業の特徴を知りたい!
福岡県ではどのような農業が盛んなのか、生産物とその背景を見ていきましょう。福岡県の主要生産物
福岡県では温暖な気候を活かして、さまざまな作物の栽培が盛んです。県内の耕地面積のうち80%は水田で、気温が高くてもよく育つ「夢つくし」「元気つくし」などの米が栽培されています。また、洋ランなどの花き、いちごやキウイフルーツなども高い全国シェアを誇っています。全国順位が5位以内の主な農産物
全国順位 | 品目 |
1位 | 洋ラン(切花)、種苗・苗木等 |
2位 | 小麦、いちご、みずな、キウイフルーツ、ガーベラ(切花)、い草 |
3位 | 二条大麦、冬春なす、セルリー、こまつな、柿、きく、トルコギキョウ、洋ラン(鉢物)、はかた地どり |
4位 | 大豆、しゅんぎく、ばら |
5位 | 冬春トマト、ぶどう、いちじく、普通せん茶 |
参考:福岡県ウェブサイト「福岡県の産業」
ブランド化が進む福岡県の高品質な農産物
福岡県では、農産物のブランド化に取り組んでいます。全国的に知られている名品もあります。博多あまおう
あまい、まるい、おおきい、うまいの頭文字をとってネーミングされたあまおうは福岡県で育成されたいちご。濃い赤色でつやがあり、大粒で濃厚な味わいです。品質向上とPRの取り組みが進み、2018年度には販売単価が過去最高の1kgあたり1,470円となり、15年連続で日本一を達成しました。とよみつひめ
全国有数のいちじくの産地である福岡県が開発したオリジナルのいちじく。県農林業総合試験場豊前分場の地名の「豊(とよ)」と「蜜(みつ)」のように甘いことから命名されました。とても甘く、肉厚で食感がなめらかな果肉が特徴です。オリジナル品種はまだまだあります!
このほかにも、ラーメン用小麦「ラー麦」や「はかた地どり」のような郷土料理に合う品種や、古い歴史を持つ「八女茶」など、多くの農産物が生産されています。立地条件から見る福岡県
福岡県は九州の北に位置し、福岡市や北九州市という人口の多い消費地があります。気候は温暖で適度な雨量があり、冬には降雪があることもありますが、都市部では積もるほどの雪はほとんど見られません。日本海側に面している地域では、冬季には大陸からの寒気の影響を受けやすい特徴があります。筑後平野を中心とする内陸平野部は、三方を山に囲まれ内陸型気候の特徴を示し、特に筑豊盆地は、日単位、年単位における気温の変化が大きい盆地特有の気候です。
福岡県の農業人口は?
福岡県の農家数、農業就業人口等は減少傾向にあり、65歳以上の割合が高くなっています。一方、毎年200人以上が福岡県で新規に就農しています。県、市町村、JA、民間企業などが新規就農を後押ししているほか、大都市圏に近いので販路開拓のチャンスがあることなども新規就農を後押ししていると考えられます。福岡県の農家数および農業従事者数
2010年 | 2015年 | |
農家数 | 61,981戸 | 52,704戸 |
農業従事者※ | 114,399人 | 86,374人 |
農業従事者のうち65歳以上の割合 | 39.0% | 43.9% |
福岡県の新規就農者数
2015年度 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 | |
新規学卒者 | 36人 | 21人 | 31人 | 32人 |
Uターン | 127人 | 111人 | 111人 | 93人 |
新規参入者 | 72人 | 91人 | 108人 | 104人 |
合計 | 235人 | 223人 | 250人 | 229人 |
福岡県の新規雇用就農者数
2015年度 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 | |
新規雇用就農者 | 106人 | 135人 | 130人 | 157人 |
県庁もバックアップ!「福岡の食」としてのPR
福岡県では、いろいろなかたちで、福岡の農林水産物を「福岡の食」として総合的にPRする施策を進めています。ふくおか農林漁業応援団
福岡県内の農林水産物の地産地消を進めるため、「ふくおか農林漁業応援団」という事業が実施されています。県内在住で福岡の農林水産物を積極的に購入し、ふくおかの農林水産業を元気にしよう!という人が地産地消応援ファミリーに登録すると、農林水産業や農村漁村に触れる体験ツアーやセミナーに参加できるというもの。応援店、応援団体についても募集があり、県ぐるみで県内産品を応援しようという取り組みです。ふくおか農林漁業応援団
外食事業者や旅行会社にPR
外食事業者や旅行会社に向けて、福岡の農林水産物の魅力を積極的に情報提供し、福岡の食を盛り込んだ観光ツアーを企画してもらうなどの取り組みをしています。また、このような取り組みの際に得られたニーズについての情報を生産者にフィードバックすることで、産地の競争力を高めています。アンテナレストラン「福扇華」
2018年11月、東京都千代田区にアンテナレストラン「福扇華」をオープンさせました。ここでは、福岡の郷土料理や福岡の農産物を使った日本料理、八女茶、日本酒などを提供しています。また、福岡県ゆかりの伝統工芸品を紹介したり、名産品を販売して、福岡県の魅力を発信するスポットとなっています。福扇華
海外展開に向けて
福岡県では海外での販路拡大に向けて、海外での販売促進フェアや展示商談会に参加しています。2018年度はアメリカに柿を、タイにみかんを初めて出荷しました。福岡県の農産物の輸出額は増加を続けています。福岡県は大陸にも近く、輸出にも有利な立地条件。さらなる輸出拡大に向けて、バイヤーを産地に招いたり、生産体制の拡大を支援したりするなど、行政の支援も続いています。福岡県で新規就農するには?情報を集めよう!
それでは、福岡県で農業に就くための情報をチェックしましょう。まずは「農業せんね 福岡で」をチェック!
福岡で新規就農を志すときに、まずチェックしたいのが福岡県のウェブサイト「農業せんね! 福岡で」。福岡で農業を始めたい人にとっての入口となるサイトです。就農相談や研修制度など、幅広い情報をカバーしています。農業せんね! 福岡で
就職先を探しているなら「ふくおかで農林漁業!」
福岡県内の農林漁業に正社員などの就職というかたちで携わりたいなら「ふくおかで農林漁業!」というウェブサイトがおすすめ。農林漁業で働きたい人と人材を求めている農林漁業事業者をつなぐ農林漁業求人サイトです。求職登録をすると、県が面談し、就職のあっせんをしてくれます。ふくおかで農林漁業!
動画で新規就農者の生の声を聞く
福岡県が運営する福岡インターネットテレビでは、「農業せんね 福岡で~農業初めてガイド~」と題した動画を配信中です。動画では、農業を志す人が知っておきたい基本的な情報のほか、福岡で新規就農を果たした方の生の声を聞くことができます。「農業せんね 福岡で~農業初めてガイド~」(福岡インターネットテレビ)
福岡で農業を学ぶ!農業大学校への入学
福岡県農業大学校
福岡県筑紫野市にある福岡県農業大学校は、養成科と研修科あり、養成科には九州、山口の農業大学校で唯一、農業技術指導者の養成を目的とした「総合コース」を設置しています。校内や隣接する福岡県農林業総合試験場での実習、1カ月間の農家留学などを行い、最先端の知識や経営技術を習得できるほか、大型特殊やフォークリフトの免許も取得できます。非農家出身の学生も多く、同期とのつながりはかけがえのないものとなるのだとか。卒業後も、県内10ヶ所にある普及指導センターが、経営技術、生産技術両面からサポートしてくれます。福岡県農業大学校
アルバイトやボランティアで農業に触れてみる
本格的に農業を志す前に、一度農業に触れてみたいという場合には、アルバイトやボランティアをしてみる方法もあります。農業専門の求人サイトには、アルバイトの情報もたくさんあります。住み込みのアルバイトはあまりありませんが、宿泊先を確保してもらえる求人はあります。豊富なサポートを活用して福岡県で農業を!
福岡県の農業は県や関係機関のサポートにより、着実に成長しています。品種を開発しブランド化してPRをする、地元のファンを作る、農業に携わる人を育てる。どれも地道な取り組みですが、長く続けることで結果が伴ってきているのでしょう。これからも農業法人の経営規模拡大やIT化による生産性の向上など、目が離せない福岡県の農業。豊富なサポートのある福岡県で、農業をしてみませんか?