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- GardenStory
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日本で流通している主なプリムラ
春の訪れとともに花ひらくプリムラ。学名のPrimula(プリムラ)はラテン語のprimus(最初の)に由来し、春の幕開けを担う花です。プリムラは種類が多く、花色は赤やピンク、白、黄色、オレンジ、紫、ブルーなどに加え、ストライプの模様や絞り模様などバリエーションが豊富にあります。また、花形も一重から八重咲き、フリル咲きなど個性豊か。草丈も15cm程度のものから30cmほどになるものまでいろいろあります。現在、日本で流通している主なプリムラには次の種類があります。
プリムラ・ポリアンサ(ジュリアン)
草丈10〜20cmほどのコンパクトな株で、育てやすく寄せ植えの材料としても人気。本来は多年草ですが日本の高温多湿に弱く夏越しができないので、一年草として取り扱います。この種類の中には食用として生産されているエディブルフラワーもあり、育てて楽しむだけでなくスイーツやサラダなど、料理の彩りとして利用できるものもあります。プリムラ・マラコイデス
小輪品種と大輪品種があり、草丈は10〜50cmほどで、長く茎を伸ばした先に小花が集まって咲くのが特徴。耐寒性が強く、冬から春にかけて開花します。プリムラ・オブコニカ
肉厚の葉は常緑性で半日陰でも花が咲くため、鉢植えで室内の窓辺で栽培する愛好家も多くいます。草丈は30cmほどで、花径5cm以上の大輪の花を咲かせるものもあり、見応えがあります。プリムラ・シネンシス
半日陰を好み、強い光がなくてもよく育つのでシェードガーデンの素材として使われます。白花でサクラのような花形をした清楚な印象のステラタ系と、カラフルなカラーバリエーションがあるフィンブリアタ系とがあります。草丈は10〜20cm程度。プリムラ・オーリキュラ
花弁の中心と外側でくっきり色が分かれる個性的な花です。英国における伝統園芸植物で、花弁の数が6〜8枚で花形が整った円形であることや雌しべが突出しない短柱花であるなど、いくつかの条件をクリアしたものがその名を冠することができます。高温多湿に非常に弱く、日本では山野草栽培と同様に特別なケアを必要とします。Garden Storyのこちらの記事もチェック!
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日本のプリムラ、ニホンサクラソウ
上記のプリムラとは区別して、日本に自生するプリムラ属の仲間をニホンサクラソウと呼びます。ニホンサクラソウはほとんど園芸店で見かけることはありませんが、もともと日本の各地の河川敷や湿原に自生しており、現在は各地で自生地の保護活動が盛んです。江戸時代に武士の間で人気が高まって品種改良が盛んになり、繊細で可憐な品種が多数生まれました。現在、「さくらそう会」の認定品種は300種余り。「枝珊瑚」や「赤蜻蛉」といった風流な名前が多く、植物園などでは春にサクラソウ展をするところも少なくありません。Garden Storyのこちらの記事もチェック!
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プリムラ栽培のポイント
プリムラは本来は春に咲き始める花ですが、早いものでは晩秋ごろから店頭に花苗が並び始めます。そうした苗はハウスで加温されて育っているため、購入後すぐに戸外で栽培すると、葉がしおれたり葉先が焼けたりする場合があります。そうならないように、購入したら昼間は戸外の風の当たらない場所に置き、夜間や気温が下がる日は室内の明るい場所に置きます。1週間〜10日程度して、寒さに慣れたところで庭に移し替えましょう。
肥料は品種によって与え方が異なる
生き生きと元気いっぱいに育てるために、肥料は欠かせません。ジュリアンは4〜6月にかけては、葉の色が薄くなってきたら液体肥料か緩効性肥料を施しますが、マラコイデスやオブコニカはこの時期与えず、秋以降に与えます。このように、品種ごとや鉢植えか庭植えかによっても、肥料を与える量や種類が異なるので、与え方、濃度、タイミングに注意しましょう。与え過ぎは株を傷める原因になるので禁物。少々不足気味でも大丈夫なので、適量を守って株元から離して与えましょう。
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リース型の寄せ植えにも最適なプリムラ・ジュリアン
リース型の寄せ植えは近年人気のスタイル。プリムラ・ジュリアンは、ロゼット状(地表に葉を平らに広げた形状)に育ち、生育しても草丈が変わらないので、リース型寄せ植えに最適の花材です。ブーケのようにたくさんの花を咲かせ、春は華やかさが増します。プリムラは株元が詰まりがちなので、側にはすっきりとしたリーフ類を添えるのがポイントです。Garden Storyのこちらの記事もチェック!
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2種のプリムラを使った寄せ植え
2種類のプリムラを使った春の寄せ植えです。草丈の高いプリムラ・マラコイデスを鉢の後方へ、草丈の低いプリムラ・ジュリアンを手前へ配置しました。2つの間にクリスマスローズとローダンセマムを挟んで高さのバランスを取ります。鉢の縁にはシレネ・ユニフローラや斑入りバコパなど這性の植物を植えます。鉢の縁が隠れることによって、鉢と寄せ植えの一体感が出ます。プリムラは株元が詰まって蒸れやすいので、植え込み前に苗の株元の枯れた葉や表土を1cm程度軽く取り除いておくと、蒸れで花苗を傷めることがありません。
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可憐なプリムラで春の庭を彩って
いろいろな種類のプリムラを見てきましたが、どの品種も優しい色合いで可憐。プリムラで春の庭をかわいらしく彩ってみたいですね。「Garden Story」には、日々を彩る花や植物の育て方、初心者から通まで楽しめるガーデニング情報がたくさん掲載されています。ぜひそちらもチェックしてみてくださいね。