スプレーマムの多くは秋に咲く品種ですが、初夏や夏、冬に咲いてくれる品種もあります。
仏花などに使われる落ち着いた印象の菊とは一味違った、華やかな咲き方をするスプレーマムもたくさん栽培されているので選ぶのが楽しくなります。
スプレーマムを育てたくなる5つのポイント
ガーデニングを始めたばかりの方にもおすすめしたいスプレーマムを紹介します。1.日本の気候に合っているので育てやすい
スプレーマムの元となった菊は、江戸時代から広く親しまれ、今でも人気がある草花です。越冬できれば、翌年も花を咲かせてくれます。2.多様な花弁
イギリスをはじめとするヨーロッパ各国でスプレーマムの品種改良が行われたことにより、従来の菊と比べて明るく多彩な花色が増え、菊の一般的なイメージを覆すほどの多様な花弁に思わずワクワクしてしまいます。3.季節それぞれの花期
夏、秋、冬など、それぞれの季節に咲く品種があるので、開花のタイミングに合わせた苗選びが可能です。4.挿し木で増せる
わき芽や冬至芽(とうじめ)を切り取って挿し木で増やすことができます。5.切り花として活躍
花がたくさん咲くので、切り花にして花瓶に生けたり、花束を作る楽しみもあります。品種にこだわる苗選び
スプレーマムのたくさんの品種の中から、今回は開花期が秋、または秋冬のもので、草丈は全て60〜90cmほどに育つ8種類を紹介します。1.メイン:冬に咲く菊
寒さに強い品種です。花の少ない冬に、爽やかな黄色で彩りを与えてくれます。
2.カーネレミー:優しい桃色の花弁
花期は10〜11月。幾重にも重なる花弁が咲き誇る様子は、まるでカーネーションのよう。
優しい桃色が、秋の涼しい季節をほっとさせてくれます。
3.コメットジェミー:印象的な星咲き
花期は10〜11月。一枚一枚の花弁は筒状で、星のような縁取りのスプレーマムです。
花房の中心から開く様子はとても印象的で、星が集まっているようにも思えます。
4.パノラマ:ガーデニングのアクセント
花期は10〜11月。白く細い花弁が繊細に開くパノラマ。花の中心から筒状に伸びて先端で丸く開きます。
丸いスプーンのような花弁が、寄せ植えや花束の良いアクセントになります。
5.フェリス:打ち上げ花火のような華やかさ
花期は10〜11月。ストローのような筒状の花弁の先に開いたスプーン状の弁の形は、まるで夜空に打ち上げられた花火のようです。
ガーデニングや寄せ植え、花束にしても一際目立つスプレーマムです。
6.エルロンド:紅葉の秋色を際立たせる上品な白
花期は10〜11月。花芯がふっくらとしたアネモネ咲き。淡いグリーンと、パールホワイトの花弁が上質な美しさを演出します。
紅葉の秋色を際立たせる白いスプレーマムです。
7.コメットシェリー:華やかなボリューム感
花期は10〜11月。鮮やかなピンクがヒラヒラと咲く誇る、とても華やかな印象のコメットシェリー。
花束にボリュームと華やかさを添えてくれるでしょう。
8.スターマイン:次々咲き誇る花火のよう
花期は10〜11月。一房に、細く筒状の花弁がたくさん付き、ボリュームがあります。
次々に花が開く様子は、花火大会のクライマックスを飾るスターマインそのものです。
植え付けからのスプレーマムの育て方
スプレーマムは、2カ月ほどの間にたくさん花を咲かせるので、開花までの間にコンスタントに肥料を与えて株の力を蓄えるのがポイントです。植え付け
開花期の違いによって植え付ける時期は違います。8〜9月に咲く品種は、4月いっぱい。10月に咲く品種は、4〜5月中旬まで。11月に咲く品種は4〜6月上旬まで。12月〜翌年1月に咲く品種は、4月中旬〜6月下旬までにそれぞれ植え付けるようにします。
追肥
植えつけたあと、最初の肥料は7〜10日後に行いますが、十分に根付いてきたあとの肥料の頻度は、以下のように施していきます。鉢植え
約15日おきに緩効性の肥料を施すのに加えて、週に1回液肥を施します。
地植え
生育状況にもよりますが、あまり肥料を与え過ぎると、過繁茂状態になるので注意します。地植え栽培の追肥は、植え付け後2週間に1度(液体肥料なら1週間に1度)与えていき、開花期前の9月上旬までには追肥をストップします。
水やり
過湿にならないように管理します。真夏は、気温の低い朝のうちに水やりを済ませましょう。
鉢植えの水やり
土が乾いたら、鉢底から流れ出るくらいたっぷり水を与えます。
地植えの水やり
降雨で十分補えますが、7〜10日ほど雨の降らない日が続いて、土が乾燥する場合は適宜水を与えましょう。
病害虫
白さび病や立枯病、灰色かび病に注意します。アブラムシやスリップス、ハダニ、ヨトウムシ、キクスイカミキリなどの被害を受けることがあります。
摘芯
スプレーマムは良く分枝し、たくさんの花を咲かせてくれますが、摘芯を行うかどうかによって、咲き方を調整することができます。たくさん咲かせる
植え付けから2週間ほどして、根がしっかり土に張っていたら、株の頂点にある生長点を指で摘み取り、摘芯を行います。
栄養がわき芽に向かい、分枝してたくさんの花を咲かせてくれます。
大きなひとつの花を咲かせる
植え付けたらそのまま摘芯を行わずに、わき芽を摘み取りながら育てていくと、頂点に大きな花を咲かせることができます。
摘芯の時期
植え付けの時期によって生育の度合いが違うので、摘芯の回数も変わってきます。7月より早い植え付けの場合は2回。7月上旬〜中旬に植え付けた場合は1回。7月下旬〜8月に植え付けた場合は、摘芯を行いません。
花がら摘み
花が枯れてきたら摘み取ることで病気の予防をしましょう。挿し木で増やす
株がしっかり根付いたら、わき芽を挿し木にして苗を増やすことができます。わき芽を10〜15cm切り取って、葉を2〜3枚残したら、吸水させてからポリポットで約20日ほど育苗します。
冬越しで翌年も!
冬を乗り越えることで来年も花が咲きます。日中陽の当たる場所で管理し、霜に当たらないように根元に腐葉土などの堆肥を敷いて防寒しましょう。
▼詳しいスプレーマムの育て方はこちらをご覧ください。
スプレーマムの品種にこだわろう!
パールホワイトや黄色、爽やかなライムグリーンや、多様な暖色系のスプレーマムなど種類が豊富にそろいます。また、花色だけでなく、花弁も星形やスプーン形などさまざまな品種があります。たくさんの花を咲かせてくれるので、切り花にして花瓶に生けたり、花束だって作れます。お気に入りの品種を見つけて育ててみませんか。