つややかでシックな赤紫の葉と、すらりとした佇まいが特徴の黒法師。茎の先端にバラ咲きのような葉を付け、まるで花が咲いているようなユニークな多肉植物です。春夏秋冬の基本の育て方はもちろん、黒法師の仲間であるアエオニウム属の人気の種類もご紹介!
黒法師とはどんな植物?
黒法師の特徴は?
黒法師はベンケイソウ科アエオニウム属に分類される多肉植物一種です。カナリア諸島やモロッコ、アフリカ東部などの亜熱帯に広く分布しています。棒のような茎が伸びて、バラの花のようにロゼット状の葉が展開します。光沢のある葉とスタイリッシュな樹形が特徴で、最大で高さ1mくらいに生長します。
どんな花が咲くの?花言葉は?
生長すると春に小さな黄色い花をたくさん咲かせることがあります。花はとても健気で美しいのですが、開花後は株ごと枯れてしまいます。花言葉は「永遠」や「永久」。属名のアエオニウムがギリシア語で永久を意味するアイオニオスに由来することから、この花言葉が付けられたようです。
どこで販売されているの?
通年、園芸店やホームセンター、フラワーショップで販売されています。大きさはミニポットサイズから1m近い大鉢までさまざま。近くのお店にない場合や好みのサイズがない場合は、ネット通販で気軽に見つけることができます。黒法師の仲間|人気の高いアエオニウムの種類をご紹介!
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黒法師の育て方
鉢植えの置き場所や日当たりは?
一年を通して、日当たりと風通しの良い場所で育てましょう。黒法師は強光を好みます。環境が良いとツヤのある濃い黒紫色の葉になります。高温多湿には弱いので、梅雨の時期は雨の当たらない場所で管理しましょう。また、最低気温は5℃まで耐えられますが、10℃を下回ったら室内に取り込んだ方が無難です。
水やりは?
春と秋の生育期は、土の表面がしっかりと乾いてから水を与えます。鉢の底から水が出るまでたっぷりとあげてください。乾燥には強い植物ですが、加湿に弱いので水のあげ過ぎは禁物です。屋外で育てる場合、1~2日は雨ざらしでも大丈夫ですが、梅雨や秋の長雨の時期は雨の当たらない場所で育てましょう。また、夏場は休眠しますので水やりは月に1回程度で大丈夫です。早朝から午前中の涼しい時間帯がおすすめです。
気温が15℃を下回ると生長が止まるので、冬は水やりの回数を少なくします。目安は土の表面が乾いて4~5日後になります。
地植えはできるの?
冬に最低気温が5℃を下回らない地域なら地植えが可能です。関東でも暖地なら冬越しできることがありますが、雪避けが必須になります。黒法師の増やし方|挿し木で増やす
黒法師は挿し木で増やすことができます。3〜5月、または10~11月の生育期が適期です。枝を10cmの長さに切り、切り口が乾いたら清潔な用土に挿します。枝がぐらつかないようすると根付きやすくなります。支柱や割りばしを使ってしっかり固定してあげましょう。根が出るまで明るい日陰で管理します。水やりは不要です。根が出る目安は2~3週間です。
切り戻しのやり方は?
切り戻しには消毒したはさみやナイフ、カッターを使いましょう。挿し木には10cmほどの長さが必要ですが、株からは適当な長さでカットして構いません。葉の落ちた箇所から芽が出てきます。寄せ植えにも大活躍
挿し木は寄せ植えにも活躍します。切り口がしっかりと乾いていれば、切り花のアレンジメントのように用土に挿すことができます。挿し木の根が出ないときは?
時期や環境によりますが、挿し木が小さい場合や強い日差しに当たり続けてしまう場合は、発根する前に枝が乾燥して枯れてしまう場合があります。できるだけ元気で大きめの葉が付いた枝を選び、明るい日陰で管理することがポイントです。
葉挿しはできるの?
黒法師は一般の多肉植物の葉に比べて薄く、水分を蓄えていないので、葉から子株が出る前に枯れてしまいます。まれに成功することもあるようですが、挿し木で増やすのが一般的です。黒法師の植え替え方法
植え替え時期
植え替えの目安は1〜2年に1回。鉢の中が根でいっぱいになると、根詰まりを起こしてしまうので、適宜、一回り大きな鉢に植え替えましょう。最適期は9〜11月ですが、3~4月も可能です。土づくり
黒法師は乾燥した環境を好むので、水はけの良い土に植えましょう。市販の多肉植物用の用土が手軽です。一般的な培養土を使用する場合は、赤玉土を半分ほどブレンドすると水はけが良くなります。観葉植物用の用土でも育ちますが、土がフカフカと柔らか過ぎる場合は株が倒れやすくなるので、赤玉をブレンドして調整します。鉢底の目詰まりを防ぐためにも鉢底石を使いましょう。
植え替えのやり方は?
下準備
根が傷むのを防ぐために、植え替えは用土が乾いた状態で行います。植え替え前の1〜2週間は水やりを控えた方が良いでしょう。植え替え方法
鉢から株を抜いたら、傷んだ根や古い土はできる範囲で取り除きます。無理に除く必要はありません。細く白い根は、生長に欠かせない水分や養分を吸収する働きがありますが、繊細で乾燥に弱いので手早く植え替えましょう。もし、土が湿っていたためにたくさんの根が切れてしまった場合は、雑菌の侵入を防ぐため、1〜2日は日陰で根の傷口を乾かしてから植え付けましょう。
植え替え後の管理は?
植え付け直後の株は、根の環境の変化によりストレスがたまっている状態です。すぐに日当たりの良い場所に置くと株が疲れてしまうので、数日は明るい日陰で管理して、少しずつ日当たりの良い場所に移してあげると良いでしょう。また、1週間は水やりを控えましょう。植え付け直後は、どうしても根に傷が付いています。すぐに水やりをしてしまうと根の傷から菌が入って株が弱ってしまいます。
トラブルの対処法
葉がしおれる、葉が落ちる
水不足が一番の原因です。週に1度は土の乾き具合をチェックしてあげましょう。水やりは鉢の底から水が出るくらいたっぷりと。ただし、きちんと水やりをしているのに葉がしおれたり、落ちたりする場合は、根腐れの可能性があります。その際は思い切って鉢から抜いて、元気な茎や根だけ残して植え替えます。
葉の色が悪い
日当たりが悪いと葉の色がくすんだり、ツヤがなくなったりします。最低気温が10℃を下回る時期は、寒さで傷んでしまう場合もあります。季節に応じて適切な環境で育てましょう。また、葉の色が黒ずんでいるようなら腐敗の可能性があります。そのままにしておくと茎や株全体も傷んでしまうので、疑わしい部位は取り除きましょう。
枝に十分な日が当たらないと枯れてしまうことがあります。特に室内で日当たりにムラがあると、一部分だけ枯れてしまうケースがよくあります。週に1度は鉢の向きを変えて、株全体に日が当たるように調整しましょう。枯れた茎は元に戻らないので、元気な茎を残してカットしましょう。
徒長する
日照不足が原因です。日当たりの良い場所に移しましょう。一度、茎が細くなってしまうと回復に日数が必要になります。見栄えが悪いようでしたら、思い切ってカットして挿し木にしましょう。