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トンネル栽培は地域によってタイミングと張り方がまったく違う
地域により気温や風の強さなどが違うので、トンネル栽培に使うビニールや張るタイミングなどはさまざま。ただ、飛ばされないトンネルの張り方には共通したポイントもあります。いろいろな張り方を知ることは自分のやり方を磨くことにもつながります。ここでは、千葉県北西部の無農栽培の畑で行われている方法をご紹介します、ぜひ最適な張り方を見つける参考にしてみてください。
トンネル栽培に必要な資材についてはこちらをチェック。
トンネルを張るタイミング【千葉編】
トンネル栽培は一気に完成させず、9〜11月にかけて段階的に進めていきます。防寒用のトンネルを早く完成させてしまうと、逆にトンネル内部が暑くなり過ぎて徒長し、病気や霜に弱くなってしまうので注意が必要です。定植直後|防風トンネル
9月半ばから秋作の定植が始まります。定植後にトンネル支柱を挿して、防虫ネットを張りトンネルを作ります。この時期は虫が多く、台風も上陸しやすい時期です。定植後の虫や風対策としてトンネルを作ります。最低気温が10℃を下回るころ|防寒トンネル
関東北西部では10月末から最低気温が10℃を下回るようになります。このころから防寒用のビニールを、先に作った防風トンネルの上に被せて、張っていきます。初霜が降りるころ|さらに防寒を高める
11月半ばには初霜が降り出します。このころにはビニールトンネルの防寒をさらに一段階上げるようにします。具体的にはビニールトンネルのサイドから寒気が入らないように土あげを行ったり、ビニールトンネルに不織布をかけて二重にしたり…。ただし、暖冬の場合は、過剰に防寒し過ぎないように気を付けましょう。実践!!トンネルを張る!
ここからは、実際にトンネルの張り方を説明していきます。1. 防虫ネットのトンネル張り
トンネル支柱を1.2〜1.5m間隔で挿して、その上から防虫ネットをかぶせます。防虫ネットの端に結び目を作り、U字杭で留めます。できる限りネットに張りのある状態で留めるようにしてください。最後に防虫ネットのサイドも支柱1本おきにU字杭で留めていきます。
2. ダンポールを使って防寒用資材を張る
防寒資材を被せる
11月ごろ、防寒用資材(ここではベタロンを使用)を先の防虫ネットトンネルにかけ、樹脂製の支柱(ここではダンポールを使用)を使って張っていきます。ベタロンの片側の端から1mくらいの位置にダンポールを上下2本ではさみ、ベタロンを挟んだ状態でダンポール2本を回転させ、ベタロンを巻き込ませます。ダンポールのトンネルの両端に挿し、ベタロンの短い端をU字杭で留めていきます。
これで片側が留められました。次はトンネルの反対の端を留めていきます。
できる限り強く引っ張りながらダンポールを両端に挿します。
端を結んで、U字杭で留めます。
トンネル支柱のアーチの中央にビニール資材のベタロンの中央がきて、まっすぐになっていれば、ここまでの作業は成功です。もし、これがずれていたり、ベタロンに張りがない場合はやり直しです。
3. 防寒資材を留める
ここからはトンネルに被せたベタロンをダンポールで留めていきます。まず、片側にダンポールを挿します。ダンポールを挿す位置はトンネル支柱の真横です。
片側が終わったら、残っているもう一方を逆側に挿していきます。
この時、ダンポールをできる限り深く挿しこむのがポイント。トンネル支柱よりもダンポールの高さが下になっていると、ベタロンをしっかり固定できます。
全てのダンポールを差し込んだら完了です。
ベタロンを張る作業にかかる時間は、1名で行った場合、30m畝1本で10分程度です。
土寄せと収穫作業
ビニールトンネルを張った後、風が強い場合は管理機でトンネルのサイドに土を寄せ、横風にあおられないようにします。ただ、トンネル内の野菜を収穫する際は、ダンポールを外してビニールのサイドを持ち上げるので、収穫頻度が高い作物の場合は土寄せをしない方がよいでしょう。ダンポールとベタロンを使うメリット・デメリット
ここで紹介した方法以外にも、ユーラックとマイカー線を使った張り方もあります。ここで紹介した張り方のメリットは、ほかの方法より資材の管理・収穫作業が楽で、一人でもトンネルを張れるということです。デメリットは、マイカー線を使った張り方よりもやや強度が弱いことで、畝の長さが50m近い場合はおすすめしません。
トンネル作りの3つの方法と資材選びのポイントはこちら。