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中古農機市場は危険が伴う宝の山
どんな農業を始めるにも、トラクター、管理機から鍬・鎌まで必要な農機具を一式そろえるのは大変です。しかし中古農機を買ったら馬力が小さすぎた、買ってすぐに壊れた、修理代が高くついた、詐欺に遭った…など、実際はリスクもあります。なぜリスクが高いのか
中古農機具購入の盲点は、車と違い車検がないこと、そして同じ農機でも地域により仕様が違うことです。中古車は車検さえついていればまず乗れるものですが、中古農機にはスクラップも含まれます。また、地域によっては土が粘土質でトラクターには高い馬力が求められるといったケースもあります。新品の10分の1にも!?中古農機具は宝の山
離農する人が急増している今、新品同然やしっかり働ける農機具が中古でも出てきています。私の場合、新品の5分の1から10分の1程度で購入した中古農機は5年経った今でも現役です。購入方法を決める前に自分の中古購入力をチェック!
リスクの高い中古農機をうまく買うにはそれなりのスキルが必要です。下の表にある3つのスキルのレベルに合わせて自分のレベルをチェックしてみましょう。知識 | 使用・運転経験 | 人脈 | |
初級者 | △ | × | × |
中級者 | ◯ | ◯ | ◯ |
上級者 | ◎ | ◯ | ◎ |
スキル1:仕様に関する知識
トラクターであれば作業に必要な馬力、ロータリー幅、アタッチメントについてわかっていれば◯。メンテナンスや軽い修理も自分でできる場合は◎です。スキル2:使用・運転経験
農機は型が変わっても操縦の仕方は大きく変わりません。数回でも使用経験があれば◯、1年以上使ったことがあれば◎です。農機の使用・運転経験があると実物を見ただけで操作性やエンジンの調子がわかります。スキル3:人脈
中古農機を購入する際は、実は信用できる購入先を持っているかがものをいいます。ひいきにしている地元中古農機屋、スクラップ屋、農家さんなどの信用できるつてが2人いれば◯、それ以上なら◎。その人脈の中で購入すると失敗するリスクが低く抑えられます。お店の場合は店主と顔見知りになること、農家さんなら忘年会、勉強会、あるいは消防団に参加することでコネが太くなります。中古農機の目利きになろう!
まだ農業を始めたばかりで知識も経験も人脈もない!という人もいると思います。今後のためにも、素人でも今日からできる農機の目利きになるステップをご紹介します。メーカー代理店・農機屋の展示会で試乗体験!
冬から早春にかけて、ヤンマー、クボタ、ヰセキなどのメーカー代理店、または農機屋さんで展示会が開催されます。積極的に最新機種の購入を勧められますが、中古販売や型落ち品のセールもあります。試乗もできますし、普段は工場勤務の修理担当も参加していることが多いので、良質の体験と情報を仕入れることができます。信用度が高い!地元の農家さんなじみの農機屋に行ってみよう!
まず、不良品を売るような店は農家さんから敬遠されます。地元農家さんがひいきにしている農機具屋さんは、信用が高く、その地域に合った農機を取りそろえています。顔なじみになって店員さんと話していると、いい中古農機を紹介してもらえる可能性も。いつでも見れる!農機に強くなる動画!
ここまでは他力本願ですが、農機についてもっと自分で勉強したいという方はこちらをチェック!・唐沢農機 YouTube
草刈り機のアタッチメントから大型コンバインまでいろいろな農機を紹介しています。運転シーンも多いので勉強になります。
・中田機械
とにかく農機の紹介の仕方が面白い!楽しく農機について知識を集めたい人におすすめ!
自分に合った失敗しない購入先を決める
ここからはレベル別の購入先についてご紹介します。初級者はとにかく地元の販売店で!
メーカーの代理店、農協、修理工場付きの農機具屋は、価格はお高めですが、修理工場などで専門のスタッフが修理しているので信頼できることと、万が一壊れた場合でも保証が付いていたり、修理工場でメンテナンスしてもらえるたりするので初級者にはおすすめです。中級者は地元の農家かリサイクルショップから!
中級者には地元の農家さんから安く譲ってもらう、またはリサイクル屋で実働を確認して中古農機を買うのがおすすめ。相対なのでネット売買より信頼性が高く、激安の掘り出し物が多いのも特徴。上級者はネットオークションもあり!
農機の購入方法でもっともリスクの高いネットでの購入ですが、営農5年目以上であればネット通販やネットオークションの商品でも見極めができる力がついているはずです。地元のコネだけでなく、下記のサイトなどでも探してみるとよいでしょう。・ Yahoo!オークション
・農機具ネット
・ノウキナビ
信用できる?ネット販売店の見極め方!
農機のネット販売サイトには農機屋さんが運営しているものとそれ以外の2つがあります。信用できる農機屋さんは、一定の基準をクリアしてる農機メーカー特約店、または修理専門スタッフがいる修理工場を持つお店です。サイトを運営する農機屋さんの詳細をチェックしておきましょう。農機屋さん以外の会社が運営しているサイトに関しては詐欺被害なども出ているので注意が必要です。Yahoo!オークションの場合は出展者が地元に近い、実店舗を持っている、仕様について詳しく書いてある、破損や欠損についても画像などでしっかり説明しているなどを評価ポイントとして、信用できる販売者か見極め、できれば実際に現物を確かめることをおすすめします。
実際に買う時に何を見ればいい?
いざ、農機を買う場合には、中級者以上の方ならエンジンオイルの漏れとエンジン音を確認するようにしましょう。エンジン回りのトラブルは農機にとっては致命的、最悪の場合まるごと買い替えになります。一方、バッテリー、刃、カバーなど付属部品は消耗品として交換可能なので大きな問題にはなりづらいと見て良いでしょう。初級者の方は、農家や機械に詳しい人にお願いして一緒に来てもらいましょう。売る側にとっては侮れない相手がいると下手な商品は出しづらくなりますし、判断基準や交渉の勉強にもなります。
トラクターの場合はこちらを参考にしてみてください。
パーツは通販でも購入できる
ECサイト「タガヤス」には、農機メーカーの純正パーツ取り寄せサービスがあります。Yahoo!、Amazon、楽天市場と、いつも使っているECサイトから必要な部品を必要な数だけ購入できます。中古でスキルUP!
故障リスクのある中古農機ですが、私の知り合いには中古農機をあえて購入、修理・メンテナンスする中で修理屋並みのスキルを身につけた農家もいます。メンテナンスや保証付きの新品購入だけでは管理は他人任せになってしまいます。故障しない・劣化しない農機は一つもありませんが、一生ものの農機を診る力・治す力はいくらでも身に着けられます。ご紹介した情報とともに、臆さず中古農機の世界を楽しんでもらえればと思います。