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自作育苗器を使って苗作り|ホームセンターの苗にサヨナラ!


苗作りに便利な加温(発芽)育苗器。買うとお高い育苗器をお手頃価格で手に入れるべく、発泡スチロールとヒーターを使った自作に挑戦!材料や作り方、そして実際に使ってみた様子をレポートします。

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murasaki

DIYなどのものつくりや植物系のガジェットが好き。 屋上で菜園をしたり、自作器具で水耕栽培をしたりしています。…続きを読む

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発泡スチロールを使った自作育苗器

撮影:murasaki
使った人の口コミが軒並み高く「もっと早く買えばよかった!」という感想の多いアイテム、育苗器。でも、安いものでも1万円以上、大きいものでは2万円以上と価格がネックになって躊躇してしまいます。こういうときこそDIY。自作することで安く済ませましょう。市販品の半額以下での加温育苗器作りにチャレンジします!

加温育苗器とは

寒い時期の芽出しに活躍するのが加温育苗器(発芽育苗器)。発芽に適度な温度を保ち、発芽の日数を早めるとともに発芽率を高めてくれます。ビニールハウスでの栽培や室内での水耕栽培、熱帯性の植物などの発芽温度が高い植物の発芽率を高めたいとき、育苗による空期間を防ぎたいとき、他の人より少し早く露地栽培を始めたいときなどに活躍します。

自作育苗器を作ってみる【工作編】

全体の構想を練る

自作育苗器イメージ
図:murasaki
市販の加温育苗器を見てみると、基本的な要素はこの3つ。

・本体の箱(上部は光が通るように透明なもの)
・ヒーター
・温度コントローラー

では、これを真似て作っていきます。箱は温度を保ちやすいように発泡スチロール箱を使い、光が通るようにアクリルの窓を付けることに。

肝心のヒーターとコントローラーは熱帯魚用のものを使い、底に水タンクを作ってそこから熱が伝わるようにします。熱帯魚用品は手に入りやすく比較的安価なものも多いです。そして万一ヒーターが壊れたときにも、サーモスタット(温度調整機)と水の層によって失火につながりにくいため、このような構造にしました。

材料をそろえよう

用意するものイメージ
撮影:murasaki
<用意した材料>
・熱帯魚用ヒーター
・サーモスタット(不要な場合あり。詳細は後ほど解説します)
・発泡スチロール箱
発泡スチロール
撮影:murasaki
・耐熱トレイ2個(電子レンジOKのタッパーでも)
・アクリル板0.5mm
※後に曲がってしまったので1mm以上が良さそうです。なければラップで代用してもOK。
・割り箸

家にあるものを寄せ集めたので、材料費はサーモスタットの約2,000円のみ!

アクリル窓の取り付け

アクリル窓を発泡スチロール箱のふたに取り付けます。所要時間は15分ほど。

アクリル板をカットする様子
撮影:murasaki
発泡スチロールのふたの大きさに合わせてアクリル板をカットします。薄いものならカッターでも切れますが、写真のアクリルカッターを使うとスムーズです。

アクリル板 カット後
撮影:murasaki
ふたの大きさより一回り小さい長方形にカットしました。

発泡スチロールに穴をあける様子
撮影:murasaki
次は発泡スチロールに穴を開けていきます。まずはカッターの刃を入れる穴を開けます。切りたい線より内側に開けるのがポイント。

発泡スチロールをカットする様子
撮影:murasaki
発泡スチロールカッターで切っていきます。最近は簡易なカッターを100円ショップでも売っていますね。私はプロクソンのものを使っています。

発泡スチロール カット後
撮影:murasaki
切り抜きました。きれいに切るのは難しいです。

アクリル板を発泡スチロールに貼る様子
撮影:murasaki
先ほど切ったアクリルを貼ります。穴になっている部分はふさぎます。

セット

サーモスタットとヒーターの接続
撮影:murasaki
まず、サーモスタットとヒーターを接続します。次にタッパーの中に水を入れてヒーターと、サーモスタットのセンサーを入れます。センサーはヒーターとくっつかないように注意。

サーモスタットとヒーターの接続
撮影:murasaki
タッパーの上に割り箸を置き、トレイを入れます。この時点でいったん実験してみましょう。

ヒーターの温度の確認
撮影:murasaki
ヒーターを入れて10分ほど経つと、箱の中の温度は30℃に。十分にあったまっていますね。

アクリル板を持ち上げて隙間を作る
撮影:murasaki
サーモスタットのコントローラーを使って温度を調整します。温度が熱くなり過ぎるときにはアクリル窓を持ち上げて隙間を作ってやることで調整することもできます。

使った道具をご紹介

アクリル専用のカッター

アクリサンデーカッター

カッターでは大変なアクリルのカット。専用カッターを使えば素早くきれいにカットできます。刃で削りとるように溝を入れていきます。


ハンドスチロールカッター

プロンクソン No.27185

発泡スチロールカッターは一般のカッターと違い、線の部分を好きな形に曲げることができるので、曲線やくりぬくようなカットも自由自在。また、懐が深いのでくりぬき加工もしやすいです。

自作育苗器を作ってみる【実験編】

育苗器のあるなしで種まき実験

青汁ケール
撮影:murasaki
作った育苗器、その効果を試してみたい!ということで、さっそく発芽実験。おうちで眠っていた青汁ケールの種を、育苗器の中と屋外で発芽させてみます。

育苗ポット
撮影:murasaki
育苗ポットに種をまき、育苗器にIN。日光で温度が上がり過ぎないよう、室内に置いています。

ヒーターを25℃にセット
撮影:murasaki
発芽適温は地温20~25℃ということなので、ヒーターを25℃にセット。これで土に近い水タンクの温度は25℃に。内部の温度はヒーターより1~3℃低くなりました。

育苗ポット
撮影:murasaki
比較のために外にも同じようにまいた種を。気温はおおよそ最高10度、最低2度前後。芽は出るのでしょうか…?

3日後

発芽の様子
撮影:murasaki
育苗器では3日目には過半数の種が発芽。早いものは2日目から芽を出していました。これは春の露地よりも速いのでは?DIY加温育苗器、効果アリです!

一方外の育苗トレイは…

現在のところ芽が出る気配はありません。やはり季節的に厳しかったようですね。春にも比べてみたいところです。

アレンジしてみよう!自作のヒント

加温育苗器、ぜひこれを読んだ皆さんのスタイルに合わせてアレンジして作ってみてください。

大きいサイズにしよう

たくさんの苗を一気に育てるなら大きい発泡スチロールで。鮮魚店などで使うサイズなら、育苗トレイもたくさん並べられます。その場合、水タンクも大きくし、ヒーターもそれに合わせた出力の高いものを使いましょう。

ヒーター色々

熱帯魚用のヒーターにはサーモスタットがなくても使えるものもあります。温度調整は利きませんが、より安価に作ることができます。育苗用ヒーターマットやペット用ヒーターを使ってみてもいいかもしれません。ただし、防水・防滴のものを使いましょう。

熱帯魚用ヒーター

GEX オートヒーターミニ SH10

サーモスタット不要の10Wヒーター。温度調整はできませんが、24~28℃に水温を保ってくれます。4L程度までの水槽用。

サイズ12.5×6.5×3cm
電力100W
電圧110V/220~240V
温度範囲20~34°C

育苗用のヒーターマット

Hyindoor ヒートマット

手入れしやすい防水タイプ。温度センサーとの併用がおすすめです。

サイズ25.4×53cm
電圧100-110V
温度範囲10~15°C

市販品を買うならこちら

昭和精機工業 愛菜花(あいさいか)PG-10

市販のヒーター付き育苗器。ヒーターを砂に埋め、まんべんなく育苗器内を温めます。

サイズW540×D405×H190mm(ダイヤル、コードの突出部含む)
電源AC100V
消費電力50W


昭和精機工業 育苗器 菜友器(さいゆうき) サーモ付き PG-30G

「愛菜花」より面積が1.3倍にアップし、育苗トレイをそのまま入れられる大きさになったモデル。5~40℃と幅広い温度に調節可能。

サイズW705×D400×H168mm(コード突出部含まず)
電源AC100V
消費電力60W

一足先に苗作り!育苗器を作ってみよう

発芽を短期間できれいに行える発芽育苗器。今年は苗を買うのではなく、自分で育てた苗を育ててみませんか?寒いうちに育苗器をDIYして、一歩早めに春の準備をスタートしましょう!

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