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ライター - AGRI PICK 編集部
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出典:写真AC
土作りや苗の植え付けなどに使う「移植ゴテ」は、園芸作業には欠かせない基本の道具。使用頻度が高いため、持ちやすく、長時間使っても疲れにくいものを選びたいですよね。
そこでこの記事では、形や素材など、いろいろな種類がある移植ゴテの中から、自分に合ったものを選ぶためのポイントを解説。さらに、おすすめの移植ゴテや使い方、お手入れ方法も紹介します!
家庭菜園やベランダ菜園に必要な道具については、こちらの記事で!
野菜を育てるための土作りについてはこちらをチェック!
移植ゴテとは?

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移植ゴテとは、長さ30cm前後の片手で使える小型スコップのこと。「ハンドスコップ 」や「ガーデンスコップ 」などの別名でも呼ばれます。主に野菜や花の苗を植える穴を掘ったり、土をすくって移したりするときに使います。また、花壇など狭い範囲の土を耕すときや、培養土を混ぜる際などにも活躍。移植ゴテの長さを覚えておけば、ちょっとしたメジャー代わりにも使えます。
スコップ・シャベル・移植ゴテの違い

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移植ゴテは、「スコップ」や「シャベル」と呼ばれることも。また、スコップとシャベルは大型のものを指す場合もありますが、どう呼び分けたら良いのでしょうか?そこでここでは、それぞれの名称や特徴について解説します!
スコップ・シャベルとは

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スコップ(シャベル)は長さ1m前後で、家庭菜園では主に庭や畑の土を大きく掘り起こしたり、土の中に残った植物の根を切ったりするときに使う道具です。先端が尖った剣先スコップ(剣スコ)と、先端が直線で四角い形の角型スコップ(角スコ)があり、土を深く掘り返すのに適しているのは剣先スコップのほうです。角型スコップは、土や砂利などをすくい取る作業に適していて、雪かきに使うのもこのタイプです。
また、ちょっと複雑ですが、製品の形によって呼び分ける場合もあります。JIS規格では、刃の上部が平らで足をかけられるものを「シャベル」、刃の上部が丸く足をかけられないものを「スコップ」と定めています。しかし、実際には、その区別は地域や人によってバラつきがあり、メーカーによって呼び方が違うケースもあります。
地域によって呼び方が違う?

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移植ゴテとスコップは、地域によって呼び方に違いがあり、東日本では大型のものを「スコップ」、小型の移植ゴテを「シャベル」と呼ぶ人が多いようです。西日本では反対に、大型のものを「シャベル」、小型のものを「スコップ」と呼ぶのが多数派だといわれています。
英語表記について

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「移植ゴテ」は、英語では“trowel“と表記します。「シャベル」と「ショベル」は、英語ではどちらも“shovel”ですが、日本では、「ショベル」はショベルカーのように動力によって土や砂をすくい取る土木工事用の機械を指す場合が多く、手で使う「シャベル」とは区別されています。ちなみに、「スコップ」はオランダ語の“schop”が語源になります。
移植ゴテの選び方

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形や素材など、幅広いバリエーションがある移植ゴテ。「どれを選べば良いのかわからない…」という人もいるかもしれませんね。そこでここでは、移植ゴテを選ぶ際にチェックしておきたいポイントを紹介します!
握りやすさを確認
グリップ部分が握りやすい太さのものや、滑り止め加工がしてあるものなど、手にしっくりなじむものを選びましょう。長時間作業をしても疲れにくくなります。
重さを確認
片手で使う移植ゴテは、できるだけ軽いものがベターです。購入する際は、重さも確認するようにしましょう。また、同じような大きさの移植ゴテでも、素材によって重さは変わります。軽量タイプであれば、プラスチック製やアルミ製のものがおすすめです。
素材を確認
移植ゴテの素材は、ステンレス、アルミ、プラスチック、鉄製など実にさまざま。素材により、重さだけでなく耐久性も変わってきます。用途に合わせて違う素材のものを使い分けるのもおすすめです。
ステンレス製
軽さと強度を兼ね備えているのが、ステンレス製の移植ゴテ。鉄製のものに比べて錆びにくいのも魅力ですが、ステンレスは完全に錆びないというわけではありません。使用後は、付着した土や汚れなどを拭き取ってからしまうようにしましょう。
アルミ製
ステンレス製のものより、さらに軽いのがアルミ製の移植ゴテです。錆に強く、買い求めやすい価格も魅力ですが、あまり強度がないのがネック。硬い土に無理に挿したり、石などにあたったりすると、曲がってしまうことがあるため注意が必要です。
プラスチック製
軽さを追求するのであれば、プラスチック製の移植ゴテがベスト。価格が安いのもうれしいポイントです。プラスチックは、ほかの素材に比べると耐久性が劣りますが、錆びることがなく、ケガの心配も少ないため、子ども用としてもおすすめです。
鉄製
最も強度があるのが、鉄製の移植ゴテです。硬い土を掘っても、割れたり曲がったりしにくいため、ハードな使用に適しています。ただし、鉄製のものは錆びやすく、重いのがマイナスポイント。
幅などの大きさも重要!

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移植ゴテには、土をすくうスコップ部分の幅が広いタイプと狭いタイプがあります。
幅の広いタイプ
幅広タイプは、土をすくったり、移動させたりするのに適しています。柔らかい土であれば、掘り起こす作業にも使用可能。
幅の狭いタイプ
幅が狭いタイプは、硬い土を掘り返す作業におすすめです。狭い場所の作業にも適しています。
先端部分の形状は用途に合わせて

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移植ゴテには、先端がとがったものや、丸いもの、四角い形をしたものなどがあります。形状によって土をすくう、掘るといった作業に特化しているため、用途に合わせて使い分けると便利です。
先端がとがっているタイプ
剣先のように先端がとがっている移植ゴテは、土に穴を開けたり、掘り返したりするのに適しています。雑草などの根切りができる、ギザ刃が付いているものも販売されています。
先端が角ばっているタイプ
先端が直線的で角ばっている移植ゴテは、土をすくったり、運んだりする場面で活躍します。
先端が丸くなっているタイプ
先端がカーブして丸くなっているタイプも、土をすくって移動させる用途に最適。スコップ部分が筒状のものは、より多くの土を一度に運ぶことができます。
おすすめのおしゃれな移植ゴテ10選
ここからは、編集部が厳選したおすすめの移植ゴテを紹介します。
移植ゴテは耐久性の高さや軽い使い心地はもちろん大事ですが、よく使う道具であるだけに、デザインにもこだわりたいところ。ぜひ自分好みのものをつけてみてくださいね!
中川政七商店監修!鍛治職人が手掛けた本格派
近藤製作所 移植ゴテ 大
全国の伝統工芸品をプロデュースする中川政七商店監修の元、燕三条の若手鍛治職人が製作した、本格派の移植ゴテ。槌目と呼ばれる表面の凹凸や独特の光沢感に、手仕事ならではの暖かみが感じられます。見た目だけでなく、土にささりやすい二重構造刃や、手の力を効率よく伝える木柄など、機能面にもさまざまなこだわりが。
・サイズ:全長28×幅7.2cm
・素材:刃/刃物鋼、柄/天然木
・重量:約220g
軽くて錆びにくいオールステンレス製
昔ながらのスコップ
オールステンレス製で錆に強く、丸ごと洗えるのでお手入れも簡単!シンプルなデザインが、どこか懐かしさを感じさせる移植ゴテです。土の深さを測れる目盛り付きなので、苗の植え付けや種まきなどにも便利。
・サイズ:全長28×幅7.2cm、ハンドル(最大)/直径28mm
・素材:ステンレス
・重量:186g
ウォールナット製のハンドルがおしゃれ
ベアボーンズリビング 移植ゴテ
アウトドア用品メーカー「ベアボーンズ社」の耐久性に優れた移植ゴテです。素材には熱処理されたステンレス鋼を使用し、先端部分にはブレードを施すことで、硬い土にも楽々対応。ウォールナット製のハンドルも手にしっくりと馴染みます。
・サイズ:全長36.5×幅7.6cm
・素材:ステンレス、ウォールナット
コンパクトに持ち運べる折りたたみ式!
アマブロ スコップ
持ち運びにも便利な、折りたたみ式の移植ゴテ。錆びにくいステンレス製で、ハンドル部分には滑り止めのラバー加工を施しています。ポップなカラー展開もうれしいポイント!ベルトに装着できる、ループ付きのポーチもセットになっています。
・サイズ:全長23×幅6.4cm
・素材:ステンレス、ゴム
・重量:約112g
植え替えに便利な根切用のギザ刃付
ガーデンヘルパー
先端部分に根切り用のギザ刃が付いているので、植え替えをしたり、雑草を抜いたりする際にとっても便利!土の深さを確認できる目盛りや、手にしっかりとフィットするハンドルなど機能性の高さが魅力の移植ゴテです。
・サイズ:全長27.5×幅8cm
・素材:ステンレス特殊鋼、木
・重量:145g
イギリスの老舗ツールメーカー発!人気の移植ゴテ
Spear&Jackson ソイルスコップ
250年以上の歴史を誇る、イギリスのツールメーカー「Spear&Jackson」の移植ゴテです。スコップ部分は錆に強いステンレス製。深さがあるので、たっぷり土をすくえます。ナチュラルな天然木のハンドルは手にしっくりと馴染み、ガーデニングも楽しくなりそう!
・サイズ:全長32.5cm×幅9cm
・素材:ステンレス、木
・重量:約210g
軽くて丈夫なファイバーグラス製
オウル ファイバーグラス ハンドスコップ
ファイバーグラス製で、軽量ながら長く使える丈夫さが魅力の移植ゴテ。握りやすいグリップハンドルで、スコップ部分には便利な目盛りが付いています。
・サイズ:全長29×幅8.5cm
・重量:100 g
ポップなカラーと丸い形がキュート!
パステルカラー共柄移植ゴテ
ポップな色合いがキュートな移植ゴテ。先が丸く安全なので、子ども用としてもおすすめです。
・サイズ:全長18.5×幅8cm
・重量:100g
人体工学に基づいたデザインで疲れにくい
グリップハンドル式 Flower Trowel
ドイツのガーデニングツールメーカー「ウルフガルテン」の、実用性にこだわった移植ゴテ。人間工学に基づいてデザインされた一体型のグリップハンドルで、長時間の作業も楽々!頑丈なつくりで長く愛用できます。
・サイズ:全長32×幅7.5cm
・素材:スチール、ステンレス、樹脂
・重量:約265g
狭い場所にも使えるスリム設計
みきかじや村 ガーデンスコップ グリーン
華やかなカラーが目を引く移植ゴテ。幅が細いため、小さな鉢や狭いすき間にも楽々入ります。グリップには天然のブナの木を使用し、長く使うほどに手になじんでいきます。
・サイズ:全長29.5×幅6cm
・素材:55C鋼、天然ブナ、合皮革、天然ブナ
・重量:130g
・カラー:グリーン、バイオレット、サクラ
移植ゴテの使い方

出典:写真AC
移植ゴテは、土に穴を掘る、土をすくって運ぶ、硬い土を耕してならす、などさまざまな使い方ができます。
穴を掘る
移植ゴテで土を掘るときは、テコの原理を利用するのがコツです。スコップ部分を斜めに土に挿し込んだら、持ち手を倒すようにして堀り進めましょう。力をあまりかけずに土を掘ることができます。
土をすくって運ぶ
スコップ部分を前に押し出すようにして土をすくったら、手前に少し傾けるようにし、土がこぼれないように運びましょう。深型タイプのものなら一度に多くの土をすくって移動させることができます。
土を耕す
土にスコップ部分を突き刺し、耕します。硬い土をほぐすときは、プラスチックやステンレス製の移植ゴテを無理に使うと、スコップ部分が割れてしまったり、ハンドルの付け根から曲がってしまったりするので注意しましょう。
土を押し固める
スコップ部分の裏面を土に押し当てるようにすると、土を固めることができます。
移植ゴテの保管・お手入れ方法

出典:PIXTA
手にしっくりなじむ移植ゴテを見つけたら、できるだけ長く使いたいですよね。錆や傷みを防いで長もちさせるには、使い終わったあと、土をしっかり落として水洗いし、きちんと乾かしておきましょう。特に金属製の場合は、水分が残っていると錆の原因になるので、乾いた布で水気をよく拭き取ってください。定期的に錆止めオイルやスプレーでコーティングしておくのもおすすめです。
スプレーするだけで錆を長期間防ぐ
AZ 長期防錆スプレー216h
機械類、バイクや自転車、各種金属に幅広く使えるサビ止めスプレー。超強力な防錆力で、長期にわたり金属を守ります。
・内容量:420ml
おまけ|100均の移植ゴテを調査!

撮影:AGRI PICK編集部
100均ストアでも移植ゴテは販売されているのでしょうか?今回は、おしゃれなアイテムがそろうセリアと、品ぞろえの豊富さが魅力のダイソーを調査してみました。
両者とも、園芸コーナーに移植ゴテを発見!特にセリアはバリエーションが豊富で、カラフルなものや木製ハンドルのおしゃれなものもあり、選ぶのに迷ってしまいそう。素材をチェックしたところ、セリア、ダイソー共に、鉄製もしくはプラスチック製となっていました。素材違いで購入し、使用場面によって使い分けるのも良いかもしれませんね。
おしゃれな移植ゴテで庭仕事を楽しく

出典:写真AC
園芸作業には欠かせない移植ゴテ。使いやすいお気に入りのものが見つかれば、毎日の作業も楽しくなることうけあい!形や素材などをチェックして、自分に合ったものをぜひ手に入れましょう。