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- AGRI PICK 編集部
AGRI PICKの運営・編集スタッフ。農業者や家庭菜園・ガーデニングを楽しむ方に向けて、栽培のコツや便利な農作業グッズなどのお役立ち情報を配信しています。これから農業を始めたい・学びたい方に向けた、栽培の基礎知識や、農業の求人・就農に関する情報も。…続きを読む
1. サクラソウとは?どんな植物?
サクラソウはサクラソウ科サクラソウ属の植物で、日本、朝鮮半島、中国東北部などの東アジアが原産です。漢字では「桜草」と書き、ハート型に切れ込みの入った五弁の花が桜に似ていることから、あるいは、桜と同じ時期に咲くことから名付けられたと言われます。清楚で可憐なその姿から、「初恋」「憧れ」「純潔」などの花言葉があります。日本では古くから山地や高原、川辺などに自生していて、江戸時代中期には武士階級を中心に、栽培・鑑賞が流行しました。色や形の珍しい野生種を掛け合わせた品種改良が盛んに行われ、愛好者同士がその美しさを競い合ったと文献に記録されています。現在、サクラソウは300以上の品種があり、江戸期に誕生したものも多く残されています。毎年春には、全国各地でサクラソウ展が開かれ、伝統的な品種から現代の品種まで、さまざまなサクラソウを鑑賞することができます。
2. サクラソウとプリムラの違いは?
サクラソウとプリムラは、どちらも同じサクラソウ科サクラソウ属の植物です。優しい雰囲気のサクラソウと、カラフルで豪華なプリムラは、あまり似ていないようにも思えますが、サクラソウ属の仲間はヨーロッパからアジアまでの広い地域に分布していて、花色や形は品種によってさまざま。改良によって次々と新しい品種が登場しているため、バリエーションはさらに広がっています。プリムラは「サクラソウ」の名前で出回ることもあり、日本生まれの品種を特に区別する場合には、「日本桜草(ニホンサクラソウ)」と呼び分けています。
3. おすすめのサクラソウ品種
サクラソウには300を超える品種があり、しっとり落ち着いた白や薄紫色、明るいピンク色、華やかな八重咲き、花びらに縁取りや模様のあるものなど、色も咲き方もバリエーション豊富です。江戸時代から愛好家によって受け継がれてきた品種も多く、和の趣を感じさせる名前にも注目してみましょう。朝日潟(あさひがた)
紅葉橋(もみじばし)
磯牡丹(いそぼたん)
赤蜻蛉(あかとんぼ)
緑竜(りょくりゅう)
舞紅葉(まいもみじ)
神代冠(かみよのかんむり)
浜千景(はまちかげ)
4. サクラソウの育て方
サクラソウはもともと、川べりや森の木かげなどに自生する植物で、暑さや乾燥に弱いのが特徴です。庭植えする場合、直射日光の当たる場所や乾燥しやすい場所は避けましょう。ただし、直接雨に当たる場所では花が早く傷んでしまうので、適度に日差しの当たる木の下などが適しています。鉢植えで育てる場合も、雨が直接当たらない明るい場所に置き、水切れに注意しながら育てるのがポイントです。植え付け
サクラソウは種や株分けで育てることもできますが、初めて育てるなら、市販の苗を購入すると良いでしょう。苗は時期によって、根だけのもの、葉やつぼみの付いたものなど、状態はさまざまです。植え付けは、冬の寒さがゆるみ始める2月中旬から3月中旬が最適期。庭植えの場合は赤玉土や腐葉土を入れ、水持ちと水はけの良い土になるように改良します。鉢植えの場合は、草花用などの培養土を使うのが手軽です。培養土を入れる前に、水はけを良くするための鉢底石を敷きましょう。庭植えも鉢植えも、深植えし過ぎないように注意し、根を土の上に広げながら植え付け、根茎がしっかり隠れるように土をかぶせます。水やり
鉢植えの場合、土が乾いていたらジョウロでたっぷりと水やりします。特に開花中や乾燥しやすい夏は、水切れさせないように注意してください。冬の間は休眠期に入るため、水やりは控えめにしましょう。庭植えでは基本的に水やりは不要ですが、土が乾き過ぎているようなら、鉢植えの場合と同じように与えます。肥料
開花前の3月ごろから花が咲き終わるまで、草花用の液体肥料を与えると、花が多く付きやすくなります。液体肥料の使用法や与える量・頻度などは製品によって違うので、パッケージの記載を参照してください。増し土
サクラソウは、古い根茎の上に新しい根茎ができ、翌年にそこから新しい芽を伸ばします。そのままにすると、新しい根が地上に露出して乾燥してしまうので、これ防ぐために、株元に新しい土を盛り上げる「増し土」という作業を行います。増し土は開花が終わった頃から、成長に合わせて数回行います。5. サクラソウは自分で増やせる?
サクラソウは種や株分けによって、自分で増やすこともできます。サクラソウをたくさん咲かせたい方は、次の方法を参考に、ぜひ挑戦してみてください。種まき
開花が終わった花をそのままにしておくと、丸い実が付き、6月ごろに種が取れます。湿らせた土や砂の中に種を入れ、乾燥させないように注意しながら冷蔵庫で保管します。種まきは翌春の3月ごろが適期。ポリポットや育苗トレイに種まき用の培養土を入れて水で湿らせ、種をまいて、薄く土をかぶせます。その後は日当たりの良い場所に置き、水やりしながら育てます。花を付けるのは翌年の春以降になります。株分け
株分けは植え付けと同じく2~3月に行います。サクラソウの根茎を掘り上げ、土を落としながら根を軽くほぐすと、自然に株が分かれるので、1芽ずつに分けて枯れ葉や茶色い根を取り除きます。鉢に鉢底石と培養土を入れ、根を土の上に広げるように植え付け、水やりをします。根が乾かないように、株分け後は手早く植え付けるのがポイント。その後の管理は、植え付け後と同様です。6. 和の趣を楽しむサクラソウ
古くから日本人に愛されてきたサクラソウは、派手さはないけれど、可憐で和の風情を感じさせるたたずまいが魅力的です。今年はサクラソウの花を眺めながら。春の訪れを感じてみませんか?
















