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春に植えるおすすめの球根10選|植え方や育て方も紹介!水耕栽培や球根の選び方も解説


人気のベゴニアやチューリップなど、春に植えるおすすめの球根を10種類厳選しました!各品種で育て方や植え方のポイントや栽培時期・栽培適温などを紹介しています。意外と知られていない植えっぱなしできる種類まで、手軽に始められる球根の花の魅力をご紹介します♪

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山田 富美

都会と田舎の中間地に住んでいます。名前の通り「山」と「田」が自分にとって一番大切!花畑の中で昼寝したり、夏には川に浸かって涼んだりが好き。…続きを読む

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出典:PIXTA
球根植物には毎年魅力的な新品種が登場し、人気が高まっています。種類を選べば植えっぱなしで毎年楽しめる種類が多いのも魅力です。ここでは春植えの球根花の代表的な種類のほか、楽しい水栽培や植えっぱなしで育てられる種類を紹介します。

球根の花について

出典:写真AC
球根植物とは地下組織の一部が肥大化し、生育に必要な養分を蓄える植物です。地上部が枯れても地下に球根を形成することにより、乾燥や暑さ、寒さなどの厳しい環境に耐え、再び生育できる期間まで生存することができます。
球根植物は個性的な株姿や魅力的な花を咲かせる種類が多く、コレクションする楽しみもあります。また世界には球根協会がいくつかあり、最新の詳細な情報を得ることができます。

球根の種類

鱗茎

非常に短くなった茎に、鱗片と呼ばれる肥大した葉が何重にも重なったものです。チューリップやスイセンのように皮に覆われる有皮鱗茎と、ユリなどのように皮に覆われない無皮鱗茎に分かれます。

球茎

短縮した茎が肥大し、球状になったものです。肥大部分を覆う茎は、葉の基部に由来します。フリージアやグラジオラスなどがあります。

塊茎

地中の茎が肥大し、球状または塊状になったものです。球根ベゴニアやシクラメンのように年々肥大する種類と、アネモネなどのように分球していく種類があります。

塊根

ダリアやラナンキュラスは、肥大した根に多くの養分を蓄えます。塊根の上にある茎の基部(クラウン)から芽が出ます。

根茎(地下茎)

地中で横に伸びる地下茎が球状にならず、全体的に肥大したものです。カンナやジンジャーなどがあります。

植える時期

種類によって植える時期が異なるので、植える前に必ずチェックするようにしてください。
球根植物は、寒さに弱い春植え球根と、寒さに強い夏植え・秋植え球根に、大きく分けることができます。春に花を楽しめるのは秋植え球根で、夏から秋に開花するのは春植え球根、秋から冬にかけて咲くのは夏植え球根です。植える時期が異なる、3つのタイプの球根植物を植えれば、年中花を楽しむことができます。

球根の保存方法

地上部の3分の2くらいが枯れたら、球根を掘り上げる適期です。球根を掘り上げた後、付いた土を乾燥させてよく落とし、オーソサイド殺菌剤800倍液に30分ほど浸して殺菌します。保存方法は種類によって違い、乾燥させたほうが良い種類と乾燥を嫌う種類に大きく分かれます。

乾燥させる種類

通気の良いネットなどに球根を入れます。冬は凍らない場所に置き、夏は日陰で雨が当たらず、風通しの良い場所に置きます。
種類:チューリップ、ヒヤシンス、グラジオラス

乾燥を嫌う種類

ビニール袋などに湿らせたバーミキュライトを入れ、その中に球根を埋めるように入れます。ビニールには密閉しないよう穴を数か所空け、冷暗所に置きます。また冬は凍らない室内などに置いてください。
種類:ダリア、カンナ、ジンジャー

オーソサイド 水和剤(50g)

苗立ち枯れ病や芝生のブラウンパッチ、種子、球根などの消毒に適した殺菌剤です。

・成分:キャプタン
・容量:50g

春植えの球根花の栽培方法|注意するポイントや育て方のコツは?

ダリア
出典:写真AC
春植えの球根植物の代表的なものには、アマリリスやダリア、サンダーソニアなどがあります。初夏から秋に花を咲かせ、葉で作った栄養分を球根に蓄え、発芽には高い温度を必要とするのが特徴です。耐寒性に弱い種類が多く、特にカンナやグロキニシアなどは寒さに当たると根が腐ってしまうので注意が必要です。
ガーデニングを思いきり楽しめる地植えや、管理のしやすい鉢植えにするのが基本ですが、秋植え球根などは水栽培で育てるのも◎ 色々な栽培方法を紹介するので、ぜひチャレンジしてみてください。

地植え

ほとんどの種類が日当りの良い場所を好みます。地植えの場合は一度植えると簡単には移動できないので、植える場所はよく検討しましょう。水はけがよい土であることも大切です。
植え付けは、球根の高さの2~3倍の深さに、球根の幅の2~3個分の間隔をとって植えるのが基本の目安です。ただ、カンナなど根茎の植物は大株になるので、さらに間隔を広くとって植え付けてください。
地植えの場合は基本的に水やりは必要ありませんが、乾燥がひどい時は朝や夕方にたっぷりと水やりをしましょう。

プランターや鉢植え

スペースが限られるため、地植えよりも球根をやや浅植えにします。また、間隔も地植えの時より狭めて植えることが多いですが、この方が花が開いたときに見栄えが良くなります。
寄せ植えをする場合、日当たりなどの生育条件が同じ植物を選び、開花時のサイズを想定して植えるようにします。土が乾いてから水を与えるのが基本ですが、種類や時期によって水やりの頻度は変わります。
鉢の色や素材を花色に合うように選んだり、自分で自由に鉢にペイントをするのも、より華やかになっておすすめです。

水栽培・水耕栽培

出典:写真AC
水耕栽培は土を使わないので汚れにくく、室内で手軽に栽培を楽しむのに適しています。土に植える栽培方法では見ることができない、根が伸びる様子を楽しめるのも魅力です。一般的に、春植えの球根は水栽培にはあまり向いていないとされています。水栽培は11月以降の寒い時期が適期とされ、温かい時期では水温が上昇して球根が腐ることがあるためです。水栽培の球根は発芽するまでは暗く涼しい場所に置き、発芽してからは徐々に風通しの良い、日の当たる場所に置きます。

春植えにおすすめの球根10選

春植え球根は、熱帯地方が原産の種類が多いです。トロピカルムードの演出に最適な種類もあり、夏のガーデニングの主役になることでしょう。寒さには弱く、地域や種類によって、球根を掘り上げないと冬越しできない種類もあるので注意してください。

グラジオラス|小ぶりで鮮やかな花が印象的

出典:写真AC

特徴

剣のような形の葉に鮮やかな大輪の花が穂状に咲く、夏花壇を代表する球根植物です。3月下旬から7月まで植え付けることができ、3~4カ月後に開花します。秋植え春咲きの系統もあり、秋植えは小輪で可憐なイメージの花が咲きます。根元をバークチップなどでマルチングして乾燥を防ぐと良いでしょう。
最低半日以上日光が当たる、日当たりの良い場所が適地です。

栽培適温:15~30℃前後
栽培歴(一般地基準)
植え付け:3~7月
開花:7~8月
休眠期:12~3月

グラジオラス ジローナ 球根

・内容量:10球
・カラー:桃

植え方・育て方のコツ

球根の高さの3倍程度の深さの穴を掘り、球根を底に置いて植え付けます。地植えでは植え付け時と花後の2回、リン酸とカリが多めに配合された緩効性化成肥料を与えて下さい。鉢植えでは葉が茂っている間、規定量の肥料を与えてください。花茎が伸びてきたら支柱を立てるか、根元に土寄せして倒れるのを防いで下さい。

使用するおすすめのプランター:8号以上の大きな鉢
地植えの場合の感覚:30cm

注意すべき病害虫

5月ごろに赤ダニ、蕾が出るとアザミウマ(スリップス)に注意してください。植え付けをする前に、浸透移行性殺虫剤を土に混ぜておくと防ぐことができます。そのほかカタツムリやナメクジの食害もあるため、駆除剤などで大切な葉や花が食べられないようにしてください。
病気はフザリウム腐敗病が最も多く、菌を抑制する土壌改良剤の使用がおすすめです。連作を避けるのも効果的です。

チューベローズ|芳香花

出典:写真AC

特徴

夏から秋ごろに花茎が60cmから1mほどに伸び、先端に乳白色の花を穂状に付けます。花後に小さな球根が多くできますが、分けて植えても翌年花は咲かないことがほとんどです。花を毎年楽しみたい場合は、球根を新たに購入した方が良いでしょう。
日当たりが良い場所を好み、乾燥を嫌います。

栽培適温:15~30℃前後
栽培歴(一般地基準)
植え付け:3~4月
開花:7~10月
休眠期:12~4月

チューベローズ 八重咲 球根

・内容量:3球
・カラー:白

植え方・育て方のコツ

植える時期は春ですが、5月のゴールデンウィーク以降など、温度が上がってから植え付けると良いでしょう。鉢土の表面が乾き始めたら水やりし、夏は水切れに注意してください。花茎が伸びてきたら倒れやすいので、株元に土を寄せるか、支柱を立てます。

使用するおすすめのプランター:6~7号鉢
地植えの場合の間隔:15~20cm

注意すべき病害虫

茎や葉、柔らかい新芽などにアブラムシが群がって汁を吸います。被害を受けると、葉や茎などが委縮して変形するので注意します。また、汁を吸うときにウイルス性の病気を媒介することもあります。アブラムシを見つけたら、歯ブラシなどでこすり落とすか、園芸用の殺虫剤などを散布して駆除しましょう。薬剤の散布は、葉から30cmほど離れたところから、細かい霧状の薬液が均等にかかるようにすると良いです。

球根ベゴニア|鉢栽培で楽しむボリューム満点の花

出典:写真AC

特徴

種類の多いベゴニアの中で、最も花が大きく美しい系統が球根ベゴニアです。開花期間は春から秋ですが、気温が30℃以上になると株が弱って花が咲かなくなります。12月になると球根の成長が早くなり、徐々に休眠します。ただし冬に最低温度を15℃以上に保ち、夜は電灯などで光を補って明るい場所に12時間以上置くようにすると、花が咲き続けます。栽培はやや上級者向きですが、手間をかけると豪華で美しい花を長期間楽しむことができます。
春と秋は日光がよく当たる場所が適しますが、夏は日陰の風通しの良い場所で管理します。

栽培適温:15~25℃前後
栽培歴(一般地基準)
植え付け:3~4月
開花:5~7月
休眠期:12~4月

ベレコニア(八重咲きベゴニア)


植え方・育て方のコツ

ガーデン用の品種もありますが、鉢植えで育てる方が良いでしょう。5号鉢に球根の上部が少し出る程度に浅く植え付けます。用土の例としては、赤玉土4:バーミキュライト3:ピートモス3などがあります。
雨は当てない方が良いので、室内の窓際か、5月以降は雨の当たらない軒下のような場所に置いてください。ガーデン用の丈夫な品種は、10月頃は雨風が当たる戸外でも管理できます。ただし11月以降は室内で管理した方が、失敗がなく安心でしょう。冬に地上部が枯れたら、鉢のまま凍らない場所で越冬させます。

使用するおすすめのプランター:5~6号鉢
地植えの場合の間隔:20~25cm

注意すべき病害虫

梅雨時期に入って湿度が高い日や低温の日が続くときに、灰色かび病が発生することがあります。梅雨に入る前に、葉が傷んでいる場合は傷んだ部分、花がらや枯れ落ちた葉を鉢から取り除いておきましょう。
また気温が20℃以上になった時に、うどんこ病がよく発生します。うどんこ病は、白色の粉状の斑点が葉や全体に現れ、葉の光合成が阻害されたり、生育不良で花が咲かなくなったり、ひどい場合は葉が黄化して枯死することもあります。対策は日照不足に注意して、適正に肥料を与え、葉などが過剰に茂らないように管理することが大切です。発病した葉は、取り除き、鉢やガーデンに残さないようにしましょう。
乾燥する時期には、葉の裏にハダニがいないか注意します。ハダニは肉眼でも見える大きさです。薬剤を散布して駆除してください。

カラー|シンプルな立ち姿がエレガント

カラー2
出典:Pixabay

特徴

鉢花や切り花としても人気で、花のように見える漏斗状の部分は、苞(ほう)が変形したもので、細長い形のものなど幅広くあります。苞の中の穂状のものが花で、花が終わると苞も枯れます。生育気温は20℃前後で、気温が低下するとともに地上部が枯れていきます。
湿地性のカラーは、エチオピカ(オランダカイウ)という原種のみで、日なたから半日陰が適し、水もちが良い土を好みます。
畑地性のカラーは、尖った葉に白い斑が入ったシラホシカイウ、黄色の苞が鮮やかなキバナカイウなど、多くの園芸種があります。畑地性種は、花が終わると苞は褐色などに退色しても形は一時残ります。

栽培適温:20~25℃前後
栽培歴(一般地基準)
植え付け:3~4月
開花:5~7月
休眠期:11~3月

畑地性 カラー 球根

・内容量:5球
・カラー:ミックス(無選別)

植え方・育て方のコツ

植えつけは日当りが良く、水はけの良い土が適しています。
湿地性のエチオピカは水辺など、水もちの良い土で育てます。地植えに向いており、関東より西では庭に植えっぱなしにできます。夏の水切れには注意をしてください。
畑地性は、水はけが良く過湿にならない日当りの良い場所で、乾きすぎない粘土質の土に植えます。肥沃な土を好むので、植えつける土は深く耕し、原肥に緩効性化成肥料をよく入れて混ぜます。畑地性は霜が降りる前には堀りあげて、ポットに仮植えして室内で冬越しさせてください。
地植え、鉢植えともに植えつけてからは、敷きわらなどを活用すると乾燥を防げるので良いでしょう。

使用するおすすめのプランター:5~10号鉢
地植えの場合の間隔:20~30cm

注意すべき病害虫

湿地性、畑地性ともに軟腐病には注意します。軟腐病にかかると球根が溶けて腐り、土壌にも伝染するので、かかった株をまわりの土ごと取り除いて捨てます。予防としては、畑地性では、水はけを良くして地湿が上がらないようにします。
アブラムシやアザミウマなどの虫がついたら、薬剤で駆除しましょう。

クロコスミア|植えっぱなしにできて和洋の庭に合う

クロコスミア
出典:写真AC

特徴

旧名のモントブレチアとしても親しまれ、強健なので初心者にも育てやすいです。春植え球根ですが耐寒性があり、数年は植えっぱなしにしても花数も増えて株も大きくなり、しばしば半野生状態になります。剣のような長い葉が群生し、オレンジや赤、黄色の色鮮やかな小型花を穂状に咲かせます。代表的な種類には、深紅色が美しいルシファー、オレンジ色に赤のリング状の模様が入るエミリー・マッケンジー、鮮やかな黄色のコロンブスなどがあります。

栽培適温:15~30℃前後
栽培歴(一般地基準)
植え付け:3~4月
開花:6~8月
休眠期:11~3月

クロコスミア 放植タイプ

・内容量:10球
・カラー:混合

植え方・育て方のコツ

耐寒性と耐暑性がともに強く、土質もあまり選ばずによく育ちます。半日陰でも育ちますが、日当たりと水はけの良い土壌の方が、より花数も多くなります。関東から西の地域では庭に植えっぱなしが普通で、混み合うほどに見栄えも良くなります。ただ混み合いによって花数が少なくなってきたら、3年に1度ほど掘り上げて球根を分け、ほかの場所に植え替えましょう。
地植えでは極端に乾燥したとき以外、水やりの必要はありません。鉢植えは、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。秋に葉が黄変して枯れてきたら、だんだんと水やりを控えていき、完全に地上部が枯れたら休眠に入ったということなので水を断ちます。

使用するおすすめのプランター:6~7号鉢
地植えの場合の間隔:20~30cm

注意すべき病害虫

高温乾燥が長く続くとハダニが繁殖して、葉がすすけたように白っぽくなり生育が衰えることがあります。ハダニはとても小さく肉眼で見つけることは難しいですが、薬剤で防除したり、水を嫌うためこまめに葉に水をかけてハダニを吹き飛ばしたり、クモ類などの天敵を使うなどして被害を予防します。

グロリオサ|炎のような形で切り花に人気

グロリオサ
出典:写真AC

特徴

炎のように波打つ花弁、下向きに反り返った形が独特で美しい春植えの球根花です。半つる性で、葉の先端の巻きひげを使って周囲のものに絡みつきながら成長します。原産地はアフリカおよび熱帯アジアなので、高温を好み、地植え、鉢植えともに楽しめます。
代表的な品種には、赤に黄色の覆輪が鮮やかなロスチャイルディアナ、レモンイエロー色の爽やかなスパーバ・ルテアなどがあり、切り花としても人気が高いです。
球根にはコルヒチンという痛風の薬としても使われる、毒性の強い成分が含まれており、ヤマイモと間違えて誤って食べると中毒を起こすので気を付けましょう。

栽培適温:20~30℃前後
栽培歴(一般地基準)
植え付け:4~6月
開花:7~9月
休眠期:11~5月

グロリオサ アフリカーナ

・内容量:1球
・カラー:橙

植え方・育て方のコツ

植え付け適期は5~6月の暖かくなった頃で、日当りと水はけの良い場所を選びます。
鉢植えの場合は、球根の芽を折らないように注意して、水平に植え付けます。その後、ビニールなどで覆って保温し、日当りの良い場所で管理します。発芽したら覆っていたビニールを取り、固形肥料を置き肥します。
地植えの場合は、深さ30cmほど耕して、そこに堆肥と化成肥料を入れて混ぜ、球根を横にして浅植えにしましょう。
鉢植え、地植えともに植え付け後芽が出たら、緩効性化成肥料を8月いっぱいまで置き肥します。
第一花が終わったら花がらを摘み、あんどん仕立てにして不要な枝を整理して風通しを良くすれば、花が長く楽しめます。
秋に球根を堀り上げる場合は、10月頃に葉が黄変したら堀り上げ、おがくずや綿などで包んで、10℃以上を保てる所で春まで保存します。

使用するおすすめのプランター:7~8号鉢
地植えの場合の間隔:20~30cm

注意すべき病害虫

5~11月頃にアブラムシやハダニが付くことがあります。ウイルス病を媒介することもあるので、見つけたら薬剤散布で早めに防除しましょう。
梅雨時期に日当りなどが悪い場所では、葉枯れ病が発生することもあります。殺菌剤が効かないので、日当りと風通しの良い場所を選んで先に予防しておくことが大切です。

クルクマ|夏を彩るエキゾチックな花姿

クルクマ2
出典:Pixabay

特徴

クルクマの仲間には、カレー粉の原料としてお馴染みのウコンや、切り花や鉢花として人気の高いアリスマティフォリア、矮性でラベンダーがかったピンク色のペティオラータなど多数あります。
重なった花びらのようにみえるのは苞(ほう)で、本来の花は苞の間に隠れるように小さく咲き、開花から1週間ほどで咲き終わります。
熱帯アジアなどが原産地で、暑さには強いですが寒さに弱く、多年草ですが春植え球根として扱われます。高温の環境でよく生育するので、日当りの良い場所で、水はけと水もちの良い肥沃な用土に植えましょう。

栽培適温:15~30℃前後
栽培歴(一般地基準)
植え付け:5~6月
開花:8~10月
休眠期:11~4月

クルクマ

・内容量:2球
・カラー:ロータスピンク

植え方・育て方のコツ

植え付けは暖かくなってきた5~6月頃に行います。それよりも早く植えると、夜の寒さで芽が伸びるのが遅れます。発芽に1カ月ほどかかるため、その間は土を乾かさないように注意してください。
地植えの場合は20×20cmに1球植え、5~7cmの深さで覆土し、植えつけ後しばらくは保温するためにビニール袋などで覆い、時々水やりします。
鉢植えの場合は6号鉢に1球を植え、表面すれすれの深さに植えて覆土し、日当りの良い暖かい室内で管理しましょう。
夏は生育が盛んになるので土の乾燥を避け、水を切らさないようにしてください。特に高温で乾燥が強い時は、1日2回朝と夕方に水やりします。

使用するおすすめのプランター:6~8号のやや深い鉢
地植えの場合の間隔:20~40cm

注意すべき病害虫

病気の心配は特にありませんが、花の内側にアブラムシが発生します。発見したら、スプレーやエアゾール式の殺虫剤で駆除してください。ナメクジやカタツムリ、ヨトウムシに葉を食べられてしまった時も、早期発見で防除しましょう。

サンダーソニア|ベル形の花が上品に咲いてかわいい

サンダーソニア2
出典:写真AC

特徴

下向きのベルのような形の花を咲かせ、可愛らしくて人気がある花で、クリスマスベルとも呼ばれます。花色には、金色がかった橙やレモンイエローがあり、花もちが良く開花から10日ほど咲き続けます。
南アフリカの明るい森林地帯や岩山の丘陵地帯に自生し、乾燥に強く過湿に弱い性質を持ちます。葉の先がまきひげ状で、地中には塊茎を作ります。
春に芽を出し、初夏に花を咲かせる春植え球根花ですが、冷蔵処理などをして開花時期を調節したものも流通しており、切り花は時期を問わず手に入れることができます。

栽培適温:15~25℃前後
栽培歴(一般地基準)
植え付け:3~5月
開花:6~7月
休眠期:10~3月

サンダーソニア オーランチカ

・内容量:1球
・カラー:オレンジ

植え方・育て方のコツ

暖かくて日当たりの良い、雨の当たらない軒下などが栽培に適しています。植え付けは3~5月頃の暖かくなった頃で、適期を逃さずに植えて暑くなる前に花を咲かせるようにするのがポイントです。
水やりは控え目にして、地植えでは水やりの必要はほとんどありません。鉢植えでは、土の表面が乾いてきたらたっぷり水を与えます。草丈が伸びてきたら支柱を立てて支えましょう。
花後に葉が黄変してきたら、水やりをやめて土を乾燥させます。8月下旬から9月上旬に球根を堀り上げたら、少し湿らせたピートモスに包んで貯蔵すると良いでしょう。

使用するおすすめのプランター:5~6号の標準鉢
地植えの場合の間隔:10~15cm

注意すべき病害虫

植え付けから40日前後に開花するので生育期間が短く、病害虫の発生は少ない方です。
発芽後から蕾が出るまでの間は、新芽などにアブラムシが発生することがあるのでよく観察しておき、見つけたら早めにエアゾール式の殺虫剤などで防除しましょう。
また同じ頃、ナメクジに新芽を食べられることもあるので、鉢の下などに潜んでいないか、チェックしておきましょう。

アマクリナム|甘い香りと強健さをもつ華やかな花

アマクリナム

特徴

アマクリナムはアマリリス・ベラドンナとクリナム・ムーレイの交配種です。アマリリスの花色と甘い香り、クリナムの丈夫さと多花性を併せ持つことが特長で、きれいな淡いピンク色の花を咲かせます。
春植えの球根で、夏の終わりから秋にかけて花を咲かせ、冬に葉を枯らせて休眠します。開花後も株が成長を続け、球根を掘り上げなくても、4~5年は植えっぱなしでOKであることも特長です。

栽培適温:15~30℃前後
栽培歴(一般地基準)
植え付け:3~4月
開花:6~7月
休眠期:12~2月

アマクリナム ドロシーハンニバル

・内容量:1球
・カラー:桃

植え方・育て方のコツ

大きく育つので、地植えか8号以上の大鉢に植え付けするのがおすすめです。特に霜が降りる地域では、鉢植えの方が温度の管理をしやすくて良いでしょう。
植え付け適期は4月頃です。鉢植えの場合は赤玉土7、腐葉土やピートモス3の割合で混ぜた水はけの良い土を使い、球根の肩が隠れる程度に植え付けます。固定肥料を置くか、月に2回ほど液肥を与え、肥料切れしないようにします。
地植えの場合は、日当たりと水はけの良い場所で、緩効性化成肥料を庭土とよく混ぜてから植え付けてください。秋に追肥として、緩効性化成肥料を与えます。翌年以降も春と秋に、同じように追肥します。

使用するおすすめのプランター:8~10号以上の大鉢
地植えの場合の間隔:30~40cm

注意すべき病害虫

ハマオモトヨトウという蛾の幼虫が、葉などを食べることがあります。幼虫の外見は縞模様で見つけやすいので、見つけたらピンセットなどで取り除くか、オルトラン粒剤などヨトウムシに効く殺虫剤をまいて防除すると良いです。

ミニアマリリス|コーヒーカップに植えて部屋のアクセントに

特徴

品種改良によってうまれた、草丈が20~30cmほどの小さなアマリリスです。主な品種に、明るい赤色と内側の白のコントラストが華やかな赤だるまがあり、コーヒーカップや器などに植えるとおしゃれなインテリアとしても楽しめることも人気の理由です。ほかに、白地にピンクの縞模様が入ったエイセア・ブルメナビア、斑入り葉のリトルバリエガータなどがあります。耐寒性はやや弱いため、冬は室内で保護するのが良いでしょう。

栽培適温:15~25℃前後
栽培歴(一般地基準)
植え付け:3~4月
開花:4~6月
休眠期:11~3月

耐寒性ミニアマリリス アラスカ

・内容量:1球
・カラー:白

植え方・育て方のコツ

鉢植えでは、赤玉土7:腐葉土3の割合の用土がおすすめです。球根は肩が見えるくらいの浅植えにします。明るい窓辺に置くのがおすすめで、夏は直射日光の当たらない涼しい環境を好み、冬は凍らせないように注意します。水は土の表面が乾いたらたっぷりとやり、肥料は3カ月に1度、緩効性肥料を1つまみ与えます。夏の直射日光による葉焼けを防ぐためには、寒冷紗などを使って遮光するとよいです。
種類によっては耐寒性が弱いので、地植えにしたい場合は先にポットに植えておいて、遅霜の心配がなくなった頃に、水はけの良い場所に植え直すのがおすすめです。
球根を購入する際は、根がたくさんついているものを選ぶのもポイントです。

使用するおすすめのプランター:4~5号鉢
地植えの場合の感覚:20cm


注意すべき病害虫

真夏を除く4~10月に赤斑病にかかることがあります。葉や茎、球根にまで発生するので、見つけたら発病した葉などを摘除してください。風通しをよくして水はけの良い土で育てることが予防になります。また、高温で乾燥している時期には、葉裏にダニ類が発生していないか注意します。もし見つけたら、早めに薬剤や水を吹き付けて取り除きましょう。

球根の植え方って?

いろいろな球根
出典:Pixabay
<咲かせてみたい花の球根が手に入ったら、地植えにするか鉢植えにするかなど栽培方法を決めましょう。地植えにするなら植え床を作り、鉢植えにするなら植える球根に合った用土を配合して、植え付けの準備をします。
ここでは春植え球根の植え付けの深さや、どんな土を使えば良いかをご紹介します。

球根を植え付ける深さは?

一般的に地植えの場合は、球根の高さの2~3倍ほどの厚さの土をかぶせるのが基本です。ダリアは、芽の先端から地面が5cmほどの深さになるように植えると良いでしょう。
寒冷地などで秋植えの球根を植える場合は、やや深めに植えます。特にユリやカタクリなどは球根の高さの4~5倍の深さに植えるのが適当です。
鉢植えの場合は、用土の量が限られており根が生育するスペースが少ないため、できるだけ根が多く伸びるように、球根の頭が隠れるくらいの浅植えにします。球根ベゴニアやアマリリスなどはそれよりも浅く、球根の肩が見えるくらいに植え付けましょう。
複数の球根をあまり間隔をとらずにぎっしりと植え付けた寄せ植えは、花がめいっぱい咲く豪華な鉢になります。とても華やかな寄せ植えでも、春植え球根花を楽しく咲かせてください。

どんな土を使えばいい?

有機物をたくさん含む、中性か弱アルカリ性の肥沃な土が球根の栽培に適しています。
地植えでは、植え付けに必要な深さよりも10cm以上深く耕し、腐葉土や乾燥牛ふんなどを入れて土によく混ぜます。さらに苦土石灰をうっすら白くなる程度まいて混ぜることで、土壌の酸性が改良されます。元肥には、緩効性化成肥料を1m×1m当たり200gほど混ぜ込むと良いでしょう。
鉢植えは、赤玉土6、パーライト1~2、腐葉土かピートモス2~3の割合の用土を使うと、水もち、肥もちと通気性が良くなっておすすめです。元肥の緩効性化成肥料は入れすぎると球根が腐るので、加える量には注意してください。

球根を水(水耕)栽培するときのコツ

出典:写真AC

水(水耕)栽培で育てるには

用意するもの

透明なプラスチック製の水耕栽培容器などは、100均などで容易に手に入れることができます。またペットボトルやコップなどにワイヤーを組み合わせて容器とすることもできます。

フロンティアガラス ガラスポット

ヒヤシンスなどの水耕栽培にピッタリな、ガラスポットです。しっかりとした造りで安定感があり、倒れてしまう心配も少ないのが魅力です。

育て方・手入れ方法

水(水耕)栽培に適している球根は?

すべての種類が水栽培できるわけではありません。冬越えのために球根に栄養を多く蓄えている種類が、水栽培に適します。夏は水温が上がって球根が腐りやすく、暖かい季節は水栽培に不向きです。春に花を咲かせるヒヤシンスやクロッカスなどが、よく水栽培されます。

水耕栽培を成功させるポイント

ヒヤシンスやクロッカス、スイセン、チューリップなどの秋植え球根を確実に開花させるには、一定の低温期間が必要です。室内の暖かい場所でずっと栽培すると、花が咲きません。12月までは戸外に置き、寒さに充分あてるようにしてください。また球根を購入するときは球根に多くの栄養を蓄えている大きめのものを選ぶようにしてください。ヒアシンスは、水栽培用の球根が販売されています。
芽が出るまでは、容器の上に箱などをかぶせて暗い状態にしてください。芽が出たら外して日光に当てるようにします。

丈夫で強い球根は、植えっぱなしがおすすめ!

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紹介したクロコスミアなどのほか、植えっぱなしでもよく咲く種類が多くあります。秋植え球根のユリなどのように球根が乾燥を嫌うものは、植えっぱなしにした方が失敗がありません。一度植えれば労力がかからず、季節の到来を告げる美しい花を毎年楽しむことができます。

植えっぱなしで育てられる春植え球根花の種類

アガパンサス:常緑性の品種はグランドカバーにも。
カンナ:斑入り葉や矮性など多彩で豊富な品種です。
クロスコミア:環境適応性が強く、世界各地で野生化する種類も。
ジンジャー:芳香のある花はトロピカルムードの演出に最適。
ゼフィランサス:野生化するほど丈夫で、開花期間も長いです。

植えっぱなしでいろいろ育てたい方に

多くの種類の植えっぱなし球根がセットになったものは、どんな花が咲くか期待できる楽しみがあります。種類を選ぶ労力が省けて気軽に植えることができ、毎年花を楽しむことができます。いろいろな種類を手間いらずで毎年楽しめるので、お財布にも優しいでしょう。
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植えっぱなしで増やすには?

日なたから日陰、湿り気のある土壌から排水の良い土壌を好むものまで、植物の種類によって生育に適する条件はさまざまです。種類ごとの栽培条件にあった場所に植えることが重要です。誤った場所に植えると生育不良になり、いずれは枯れてしまいます。
増えすぎて窮屈になった場合は掘り上げ、球根をバラして植えなおしてください。再び生育が活発になり、さらに増えていきます。

球根を販売店で選ぶ時のポイント

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大型のガーデニング専門ショップは、商品知識も豊富で失敗が少ないですよ。小規模でも知識が豊富なこだわりの花屋さんなども、アドバイスなどが聞けておすすめ。傷んだ株を値下げせずに売っているような販売店は、避けたほうが安心です。インターネットでの購入は、レビューを参考にすれば失敗が少ないでしょう。

春植えの球根花で夏のガーデニングを華やかに

球根花は見た目のインパクトが強いので、庭やベランダでのガーデニングのマンネリ化に悩んでいる方におすすめです!手間があまりかからないので、初心者の方も積極的に栽培にチャレンジしてみてください。

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