耕運機の選び方ポイント
畑作りは土づくり!作物が呼吸しやすく、「水はけの良いふかふかの柔らかい土づくり」が畑づくりの基本です。手軽に良い土を作るには、畑と作業内容に合った耕運機を選ぶことが大切。耕運機選びの3つのポイント「農園の面積」「価格」「使用環境」をおさえていきましょう!
農園の面積
馬力と耕幅
様々な機種が販売されている耕運機ですが、スペックの中で最も大事なのは耕せる幅(耕幅)とエンジンのパワー(馬力)です。耕幅が広ければ広いほど、1回で耕せる面積が広くなりますし、エンジンのパワーが大きければ大きいほど、耕運作業の速度も上がり時間も労力も節約できます。
連続運転時間
耕運機はガスやガソリンを使って動きますが、1回に注入できる燃料の量と燃費効率も機種によって違います。連続運転時間が長ければ長いほど、燃料補充の手間が省けて一気に作業ができます。一気に作業か、こまめに作業か
農園は開けた平地ですか?それとも起伏が多いですか?畝幅はどのくらいですか?農園の土地の状況によって、一気に耕運機を掛けることもできれば、こまめに耕運機を移動させながら作業しなければいけない時もあります。耕幅が長く、パワーの大きい耕運機ほど大型で重くなります。一つひとつの畑が小さい場合だと取り回しが難しくなりますので、作業の仕方に応じて最適な機種を選びましょう。まずは耕幅と馬力から検討してみてはいかがでしょうか?
耕運機の対応する面積の目安一覧
~100㎡程度 | 100~500㎡程度 | 500~1,000㎡程度 | |
連続運転時間(h) | 1 | 2~2.5 | 2~3 |
最大耕幅(cm) | 35~45 | 45~55 | 55~65 |
最大出力(馬力) | 1.5~2.5 | 2~3.5 | 3.5~5 |
価格
耕運機っていくらで買えるの?
「ミニ耕運機」と言われる家庭菜園や貸し農園用機種はおおよそ5万~10万円、本格的な中規模農園用だと10万~30万円前後になります。更に作業目的に応じて様々なアタッチメントの用意も必要です。アタッチメントの価格帯は1万~4万円程度です。ランニングコスト
耕運機は燃料代もコストとしてかかります。燃料はガソリンが一般的ですが、かさばるガソリンを購入、保管しておくのが面倒な方向けには、手軽なカセットガスボンベタイプも出てきています。ただし若干割高なので、面積の広い農園はガソリンタイプがベターです。使用環境
運びやすさ
アタッチメントを付けた状態の耕運機の重さは、軽いものでも約20kg、ハイスペックの機体だと約70~100kg近くになります。トラックなどを使って農園までどう運ぶかも検討しましょう。保管のしやすさ
耕運機の大きさもピンきりですが、機体の長さは1~1.5m前後のものが多いです。屋内での保管スペースも確保しましょう。もちろん火気から離れた場所である必要があります。小型耕運機との違い
小型耕運機(ミニ耕運機)とは
小型耕運機(ミニ耕運機)は家庭菜園向け
耕運機の中でも、取り回ししやすく、操作が簡単な軽量タイプが小型耕運機(ミニ耕運機)と呼ばれる機種です。パワーよりも使い勝手と価格重視。主に家庭菜園や小規模農園向けです。軽くて小さく、女性でも使いやすい
土を耕すのは女性やお年寄りにとっては労力のかかる作業。そのような方を小型耕運機はがっちりサポート!軽いだけでなく、操作やアタッチメント脱着も簡単、更に運搬・保管に優れた折り畳みタイプもあります。小型耕運機の詳細はこちらの記事をチェック!
耕運機と小型耕運機(ミニ耕運機)の違い
パワーと作業の幅が違います
普通の耕運機と小型耕運機の違い、それはなんと言ってもパワーが違います!小型耕運機は確かに使いやすいですが、広い畑には不向きで、付けられるアタッチメントの種類とサイズも限定されます。耕運機と小型耕運機(ミニ耕運機)の選び分けを!
耕運機と小型耕運機は、言わば自動車と自転車のようなもの。どんな畑でどんな風に使うのか、今後畑を拡大する予定も含めて後悔の少ない耕運機選びをしたいですね。おすすめの耕運機とメーカー比較
パワー重視
大規模農園を目指す方に!パワーに優れた耕運機をご紹介します。イセキ IR70V
クボタ FTR90
ヤンマー YK650MR-Z2L
ホンダ FU755-L
スペック比較表
イセキ IR70V | クボタ FTR90 | ヤンマー YK650MR-Z2L | ホンダ FU755(L) | |
参考価格 | 189,800円 | 316,774円 | 255,744円 | 238,900円 |
寸法(mm) | 1,460×610×1,060 | 1,570×680×1,150 | 1,500×610×1,110 | 1,480×660×1,025 |
機体質量(kg) | 81 | 140 | 86 | 100 |
定格出力(kW[PS]) 回転速度(rpm) | – | 4.4[6.0] 1,600 | 3.0[4.1] 1,600 | 3.7[5.0] 3,600 |
最大出力(PS) | 6.0 | 6.6 [9.0] | 4.6[6.3] | 4.1[5.6] |
耕幅(mm) | 500 | 600 | 550 | 600 |
コストパフォーマンス重視
作業も価格もバランスよく!コストパフォーマンス重視の耕運機をご紹介します。イセキ KGR705HX
クボタ FTR70
ヤンマー YK450MR-Z
ホンダ FF500
スペック比較表
イセキ KGR705HX | クボタ FTR70 | ヤンマー YK450MR-Z | ホンダ FF500 | |
参考価格 | 225,000円 | 272,548 円 | 169,800円 | 190,000 円 |
寸法(mm) | 1,460×600×1,100 | 1,630×680×1,070 | 1,470×610×1,130 | 1,765×585×1,045 |
機体質量(kg) | 99 | 125 | 80 | 79 |
定格出力(kW[PS]) 回転速度(rpm) | 3.2[4.4] 1,800 | 3.0[4.1] 1,600 | 3.0[4.2] 1,600 | 2.1[2.9] 3,000 |
最大出力(PS) | 4.0[5.4] | 4.6 [6.3] | 3.0[4.2] | 3.3[4.5] |
耕幅(mm) | 550 | 600 | 500 | 550 |
耕運機の使い方
使い方の基本
初めて耕運機をご検討の方に、耕運機の基本的な使い方をご紹介します。慣れてしまえば操作は簡単!エンジンをかける
エンジンをかける際の基本手順は下記の通りです。- 燃料コックをオン
- アクセルレバーを低速から少し引いた位置(始動位置)にセット
- クラッチレバーを切る
- チョークレバーを閉じる
- エンジンキーを始動位置にセット
- スターターを引いてエンジンを始動
- エンジンが始動したら、2〜3分間低速で暖機運転
- チョークレバーを戻す
耕運作業をする
耕運する際はアクセルレバーを上げ、クラッチを入れると耕運が始まります。クラッチを離せばストップできます。エンジンの回転速度、耕運する深さを調節します。畑の土が硬い場合、急加速しないよう抵抗棒を調節し抵抗を掛けます。耕運のコツ
畑の端に来たらエンジンの回転を下げます。ハンドルを持ち上げ機体をUターンさせ、開始位置が定まればエンジン回転を戻し作業を続けます。土が硬い場合、最初は表面を軽く耕し、複数回分けて耕した方が土も細かく砕けるようになります!エンジンを止める
クラッチレバーを離し、アクセルを下げます。エンジンスイッチをオフにするとエンジンが停止します。保管とメンテナンス
せっかく買った耕運機は、上手に長く使いたい。自分でできる保管とメンテナンスのポイントを抑えましょう。保管のポイント
長期間使いわない時は燃料タンクを空にしましょう。燃料が古くなるとエンジンが動かないことがあります。点検
エンジンオイル、エアクリーナーは規定量入っていますか?汚れはありませんか?アタッチメントの耕運爪に傷、曲がり、ガタつきはありませんか?爪が摩耗すると作業性能が落ち、燃費の悪化に繋がります。レバー類の動きも確認しましょう。メンテナンス
エンジンオイルは年に1回の交換をおすすめします。エアクリーナーやアタッチメントの水洗い、更にレバー部の支点、ワイヤー部分への潤滑油の注油も欠かさずにやりましょう。アタッチメントで広がる作業の幅
耕運機でできる作業は沢山あります!メーカーごと作業目的に合ったアタッチメントを上手に使いこなしましょう。耕運
土に空気を入れ、通気性と水はけを良くします。更に日光による病原菌の殺菌効果も期待できます。「ローター」呼ばれる回転しながら耕す爪を使用します。畝立て
水はけを良くし、通路と栽培場所を分けることで圃場管理がしやすくなります。中耕・培土
「畝立器」「培土器」というアタッチメントを使用すれば、固くなった土を耕し、寄せることで土の通気性と水はけを良くし、株元を安定させることが可能。除草
除草により病害虫の繁殖を防ぎ、作物の栄養を奪われないようにします。表土を薄く削り取り、草丈の低い雑草を除草する「除草用ローター」を使用します。作付けの準備として土をならし、圃場の状態を整えます。ヘラの状の「レーキ」「レベラー」というアタッチメントを使用します。
マルチ張り
マルチシートをかけることで土中温度と湿度を保ち、更に雑草の繁殖を防ぎます。「マルチ作業機」というトイレットペーパーのホルダー状のアタッチメントを使います。畝立てと同時マルチ張りも行うことができます。購入 or レンタル、どっちがお得?
耕運機もだいぶ手頃な値段になっているとは言え、出費は出費。農園の手入れをしたい!でもできればお金は掛けたくない…そんな時はレンタルもおすすめです。こういう時はレンタルがおすすめ!
短い時間しか使わない時
「土を耕したいけれど、そこまで広い農園でもないから、買うのはちょっと…」と考えるかたもいらっしゃるかもしれません。小さい畑ならば、確かに買うのはもったいないですよね。たまにしか使わない時
作物によっては年に1、2回しか耕運作業が必要ない場合もあります。農園が広かったり、年間にわたり多品種を作付けしたりするのでなければ、出費に見合うほどの耕運機の活躍の場はないかもしれません。どうやってレンタルするの?
JAや農機具レンタル業者
お近くのJAや農機具販売店でレンタルサービスを行っている時もあります。また農機具レンタル専門の業者もありますので、借りたい耕運機はあるか問い合わせてみましょう。農業仲間とシェアする方法も
もし友人や農業仲間で耕運機を持っている方がいたら、借りるのも一つの手です。使用料も含めて確認しましょう。またお金を出し合って共用の耕運機を購入する方法もありです。中古耕運機の情報をチェック!
中古を買うワケ
ずばり「価格」と「使用回数」ですね。畑は狭いけれど、色んな野菜を植えているから年中ちょくちょく使う。そしてできる限り出費も抑えたい。そんな時は新品購入の前に中古機を検討されても良いかもしれません。中古って大丈夫なの?
メリット
一番はやっぱり価格の安さ。使用感はあるものの、しっかり修理、メンテナンスされた耕運機ならば新品でなくても間に合うでしょう。デメリット
使用年数が長いほど、性能が落ちたり、寿命が短くなったりします。手入れの数も必要になってきます。購入前はできれば実際に動かし、作動状況を確認されるのがベストです。おすすめの中古サイト
農機具ねっと
2001年オープンの日本初の農業機械老舗ポータルサイト。登録農機具店は200店舗!豊富な品ぞろえが特徴です。サイト:農機具ねっと
農キング
実店舗も経営する中古農機買取センター。ご希望の農機を探して貰える「農機リクエスト」サービスを実施中。サイト:農キング