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東京農業アカデミー第5期生インタビュー|「自分の作物で人を笑顔にしたい」田中 慎吾さん


東京農業の担い手を育てるために、東京都が設立した東京アカデミーで学ぶ、田中慎吾さんは「家庭菜園をやっていて、自分が作った野菜に喜んでくれる家族を見ているうちに本格的に農業を目指したいと思うようになった」といいます。

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小林 由弥

フリーの編集・ライター。 カントリースタイルの暮らしを楽しむ、という主旨のムックで主にガーデニングやDIYの記事を担当していました。 現在は集合住宅住まいで土のない生活を送っているため、花や紅葉を追っての小旅行が楽しみです。…続きを読む

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田中慎吾さん

撮影:上溝恭香
東京の農業の担い手を育成するため、2020年に誕生した東京農業アカデミー。第5期生として学ぶ田中慎吾さんに、就農を目指す理由、研修の印象、将来のビジョンなどを伺いました。

きっかけは家庭菜園で育てたトマト

田中慎吾さん
撮影:上溝恭香
直近の職業はタクシードライバー。コロナ禍で乗客が減り、タクシー業界で仕事を続けられるのか、この先どうするべきなのかを考える時間ができました。熟考した結果、たどり着いたのが「農家になろう」というところでした。
田中慎吾さん
田中慎吾さん
母方の祖父の家庭菜園を手伝っていました。自分で育てた野菜を家族が食べて笑顔になってくれるのがうれしくて、漠然と農家になりたいという気持ちはいつからかもっていたんです。

「プチぷよ」との出会い

八王子出身の田中さんは、故郷での就農を目指しています。出荷先も八王子近辺が希望。その理由は2008年に品種登録された「プチぷよ」という品種のトマトを育てて多くの人に味わってほしいからです。
田中慎吾さん
田中慎吾さん
プチぷよは、甘くておいしいのですが、皮が薄くて流通が難しいのでスーパーでは売れないんです。
八王子で就農して、近くに住んでいる人たちを中心に味わってほしいと思っています。

栽培は本やインターネットだけでは学べない

田中慎吾さん
撮影:上溝恭香
家庭菜園で野菜を育てていると、虫や病気にやられてしまうことがたびたびありました。葉物野菜を全部虫に食べられてしまったときには、農薬について自分なりに学びました。
田中慎吾さん
田中慎吾さん
自分で勉強するのは限界がありました。
正解がわからないんです。それで、ちゃんと学びたいと思って学校を探し始めました。

アカデミーを見学して就農を決意

栽培技術をきちんと学びたいと思ってはいたものの、まだ農家になりたい!という気持ちまでは固まっていなかったという田中さん。変化が生じたのは、アカデミーを見学したときからでした。
田中慎吾さん
田中慎吾さん
アカデミーのほ場を回り、農場長に話を聞いているうちに、なんとなく抱いていた就農への希望がはっきりしたビジョンとして見えてきました。
ここで学べば自分でもできるかな、と思ったんです。

思っていたより身体の負担が少ない?

東京農業アカデミーのほ場
撮影:上溝恭香
アカデミー入講前に抱いていたイメージと、実際に入ってからの研修にギャップがあるかを尋ねたところ「思っていたよりも身体が楽です」と意外な答えが返ってきました。ネギやジャガイモなどの栽培では土寄せという作業を行います。周囲の土を株元に寄せ集め、株が倒れないようにするものです。
田中慎吾さん
田中慎吾さん
家庭菜園では、鍬(くわ)を使って土寄せしていたので大変でした。今は農耕機械を使うので数十メートルでもあっという間に作業できます。疲れが残るということがありません。

わからなかったことの答えが…

家庭菜園でうまくいかなかったこと、インターネットで調べてもわからなかった作物の病気。それがパズルのピースを一つずつはめていくように、講義を通して完成形が見えていきます。
田中慎吾さん
田中慎吾さん
わかりやすい資料をいただいて作物の状態と照らし合わせてみたり、ほ場で指導員にていねいに教えてもらったりして、今までわからなかったことが理解できました。
毎日大きな学びを得ています。


獣害対策も、おもしろいと感じた講義のひとつです。
田中慎吾さん
田中慎吾さん
イノシシって、作物に向かってまっすぐ走ってくるんじゃないんですよ。まずほ場の周りに落ちている野菜から食い荒らすんです。だからほ場内だけじゃなくて、その周りもきれいにしておかなきゃいけない。そんなことをアカデミーに来てから知りました。

作業中は無心になれる

朝礼を終えたらほ場に出て、収穫や作物の世話をします。虫はついていないか、病気は出ていないか。伸び過ぎた芽はないか。確認しながら芽かきなどの作業を行います。
田中慎吾さん
田中慎吾さん
細かい作業が多いんですけれど、それが楽しいんですよね。無心になってやっています。

同期はそれぞれのビジョンが

同期も先輩も就農を目指しているというところは同じ。でも、話してみるとそれぞれに思い描いているビジョンが異なり、刺激を受けることや自分への気づきになることもたくさんあります。
田中慎吾さん
田中慎吾さん
年は離れていますが、みんな個性豊かで話していて楽しいですし、お互いに刺激になります。

先輩農家の研修では厳しさも感じた

研修の一環で、就農した先輩のほ場を訪ねることがありました。目の前には広々としたキャベツ畑。頼もしいと感じる反面、厳しさも実感しました。
田中慎吾さん
田中慎吾さん
広い畑だけれど、できたキャベツを全部売った場合の金額を聞いたときに、農家として食べていくのは楽なことではないと気を引き締めました。

ミニトマト農家としてやっていく!

田中慎吾さん
撮影:上溝恭香
研修は難しいことも大変なこともあります。農薬の配合でこんなに計算が必要だとは思ってもいませんでした。
田中慎吾さん
田中慎吾さん
もともと計算ってあまり得意じゃなかったんで、時間かかることもあります。
でも、スマホを使えば簡単だし、農機具を含め、道具をうまく使っていくこともアカデミーにいる間に覚えたいと思っています。

就農したら、「プチぷよ」をはじめとしたミニトマトを中心に栽培していきたいと計画しています。
田中慎吾さん
田中慎吾さん
ハウス栽培を考えているので、初期投資もかかります。
最低限から始めて、徐々に拡大していければと考えています。

田中さんの思いが詰まったトマトは、多くの人に笑顔を届けることでしょう。

Sponsored by 公益財団法人 東京都農林水産振興財団 東京農業アカデミー

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