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春じゃがと秋じゃが、何が違う?【比較表でチェック】
どちらも育て方の基本は同じですが、気温や品種の選び方、管理方法に違いがあります。まずは、春と秋それぞれの特徴を比べてみましょう。
項目 | 春じゃが | 秋じゃが |
植え付け時期 | 2月下旬~3月中旬 | 8月下旬〜9月下旬 |
収穫時期 | 5月下旬~6月上旬 | 11月〜12月 |
品種 | 男爵・メークインなど | デジマ・ニシユタカなど |
栽培期間 | 約3か月 | 約3か月 |
収穫量 | 比較的多い | やや少ない |
栽培の難易度 | 品種が多く初心者向き | 品種選び・植え付け適期を守れば比較的容易 |
コツ①|秋じゃがの植え付け時期はいつ?
注意ポイント
早く植えすぎると高温と湿気で種イモが腐りやすくなります。逆に遅すぎると、気温が下がってイモが十分に育たないことも。
こうした失敗を防ぐには、適切な時期を見極めて植え付けることが大切です。
地域別の植え付け時期の目安
- 中間地(関東・関西など):8月下旬〜9月上旬
- 暖地(九州・四国など):9月上旬〜9月下旬
生育に適した気温
生育に適した気温は、おおむね15〜20℃前後。日中はまだ暑くても、朝晩の気温が20℃を下回ってきたら植えどきのサインと考えてください。
ポイント
秋じゃがは春よりも植え付け可能な期間が短いため、時期を逃さないことがとても大切です。天気予報や気温をこまめにチェックして、最適なタイミングを狙いましょう。
コツ②|発芽トラブルを防ぐ!種イモ準備の基本
秋は気温も湿度も高いため、種イモの扱い方が春よりずっと重要になります。ここでは、発芽トラブルを防ぐための種イモの選び方・切り方・保存方法を解説します。
切らずに使えるサイズを選ぶのが安心
特にカットしたイモは腐りやすいため、できるだけ50g以下の小ぶりなイモを選び、切らずにそのまま植えましょう。こうすることで、腐敗のリスクを抑えられます。
どうしてもカットする場合の対処法
ただし、切り口から腐敗や病気が入りやすいため、丁寧な下処理が必要です。
以下のポイントを参考に、しっかりと準備しましょう。
カット時のポイント
- 芽がしっかり付いている部分を中心に、縦方向にカットする
- 1片につき必ず1つ以上の芽(目)を残す
- なるべく大きめのサイズにカットする
腐敗防止の処理方法
- 切り口に「じゃがいもシリカ」などの乾燥剤をまぶす
- 風通しの良い日陰で2〜3日間乾燥させる
- 直射日光は避ける(変色やソラニン生成の原因になる)
保存環境も重要|温度と湿気に注意
高温多湿の環境では腐敗やカビが発生しやすいため、以下の3つのポイントを意識しましょう。保管のポイント
- 直射日光を避け、風通しのよい日陰で保管する
- 保管温度は20〜25℃が目安。温度変化にも注意
- 傷みや変色がないかを定期的に確認する
秋じゃがは基本的に芽出し不要
そのため、春じゃがでよく行う「浴光催芽(じゃがいもを日光に当てて発芽を促す方法)」は必要ありません。
ただし、芽が出ない種イモを早めに見分けておきたい場合や収量を安定させたい場合には、芽出しを行うのも一つの方法です。
芽出しする場合
芽出しをする際は、種イモを浅く土に埋めるか、軽く土をかぶせて湿度を保ち、涼しい日陰で2〜3週間ほど管理します。コツ③|秋じゃがは特に品種選びがカギ|おすすめ3選
春に比べて秋のじゃがいも栽培では、品種選びがとくに重要になります。というのも、秋は暑さが残るなかでの栽培になるため、高温に強いタイプを選ばないと失敗しやすいからです。
ここでは、秋植えでも育てやすく、家庭菜園でも人気のある品種を3つご紹介します。
デジマ(出島)|ホクホク食感と育てやすさが魅力
特徴
- 秋じゃがの定番品種
- 長崎県で誕生したデジマは、春と秋の二期作に対応できるのが特長です。
- 高温多湿に強く、秋植えにもぴったり。
- 皮がつるんとして調理しやすく、家庭菜園でも安定した収穫が見込めます。
味・食感
ホクホクとしっとりの中間で、煮崩れしにくいおすすめ料理
じゃがバター、サラダ、煮物など万能ポイント
暑さに強く、芽が浅くて皮むきも簡単。青枯病には注意ニシユタカ(西豊)|しっとり系で煮崩れしにくい
特徴
- ニシユタカは出島の改良品種として誕生し、収量が多いのが特長です。
- 皮と果肉は淡い黄色で、見た目も上品。
- 作りやすくて、収穫後の品質にもムラが出にくい品種です。
味・食感
粘質でなめらか、煮崩れしにくいおすすめ料理
おでん、肉じゃが、カレーポイント
出島の改良品種で収穫量が多い。アンデスレッド|甘みと色味が楽しい赤皮品種
特徴
- 南米アンデス原産の血を引くアンデスレッドは、家庭菜園でも育てやすく、収量も安定しやすい品種です。
- 発芽が早く、生育初期の立ち上がりもスムーズ。
- さらに収穫後にしばらく寝かせておくと甘みがいっそう引き立ち、風味豊かに楽しめます。
味・食感
粉質で甘みが強くホクホクおすすめ料理
ポテトサラダ、コロッケ、グリル料理ポイント
赤い皮と黄色い果肉が特徴的秋じゃがの準備はここから!植え付け前にやること
土の状態を整えておくことで、病気や生育不良のリスクも減らせます。ここでは、畑づくりと植え付けの基本についてご紹介します。
畑の下準備|じゃがいもがよく育つ土をつくる
畑の土をふかふかにして、栄養バランスの取れた状態に整えておきましょう。下準備のポイント
- 栽培場所は日当たりが良く、排水性の良い場所を選ぶ
- 連作は避ける(同じ場所での栽培は2~3年空ける)
- 秋じゃがの場合は石灰は控えめに(1㎡あたり50g程度)
- 堆肥や米ぬかをよく混ぜ込んで、柔らかく肥えた土に
- 畝は幅60〜70cmで整え、風通しと作業性も確保する
正しい植え付け方法|深さ・向き・間隔をチェック
植え付け時のポイント
- 芽の向きは上向きに配置
- 深さは10〜15cm、株間25〜30cm、畝間60〜70cm
- 肥料は種イモに直接触れないように配置(化成肥料・米ぬか・ぼかし肥など)
- 「深植え+マルチ」で地温上昇を抑える
マルチの活用が効果的
とくに秋は、暑さによる傷みを防ぐために深めの植え付けやマルチの活用が効果的です。通販で買える種イモ&じゃがいも植え付け便利グッズ
ジャガイモの肥料
まとめ
重要なポイント
- 適切な植え付け時期を見極める
- 腐りにくい小ぶりな種イモを用意する
- 秋作に向く品種を選ぶ
春に比べて、秋じゃがは植え付けられる期間が短く、気温も高め。
そのため、植え付け前の準備を丁寧に進めることが、うまく育てるポイントです。
秋ならではの家庭菜園、ぜひ楽しんでみてくださいね。