目次
そもそも噴霧器(噴霧機)ってどんなもの?
噴霧器(噴霧機)とは、野菜や草花、樹木などに水や薬剤などを散布するための道具です。例えば液体肥料を散布するとき、ジョウロでは散布にムラも出やすく時間もかかりますよね。噴霧器があれば、液体が細かい霧状になるため、効率よく、かつムラなく散布ができるのです。葉っぱの裏に薬剤を散布するのも簡単に!噴霧器の用途と特徴とは?
噴霧器の用途
噴霧器は、主に消毒や除草剤の散布に使用します。消毒液を霧状にして植物体に均一に散布したり、除草剤を泡状に散布してしっかり効かせたりすることができます。また、本体に長いノズルを装着すれば、手の届きにくい高い場所や遠い場所への散布も手軽に行える優れもの。一台持っているだけでいろいろな使い方ができます。意外な使い方
まずは種まき後の水やりに。レタスなどの好光性種子は覆土を薄くするため、噴霧器を使うと土の表面が凸凹にならず、丁寧に水やりができますよ。さらに、古くなり使わなくなった噴霧器にオイルと灯油を入れて、トラクターや耕うん機のロータリーカバーの内側など錆びやすい場所に散布すれば、錆予防に効果的。噴霧器の選び方のポイント
噴霧器の種類は、タンクの容量や散布時の動力などさまざま。「使用場所」と「使用面積」を考慮して選ぶのが良いでしょう。容量で選ぶ
ベランダ菜園や洋ランへの霧吹きなど、少量を散布するのであれば、0.5~1L程度の手軽に使える容量の噴霧器がおススメです。市民農園くらいの規模なら、取り回しがしやすく、ある程度容量がある2.5~4L程度のものをチョイス。本格的な農業で使用するなら、15~50L程度の大容量のものが、補充回数が少なく済むため効率的です。動力で選ぶ
なるべく低予算で使いたい場合は、手動式が一番。ただし、手動式は力が要ります。女性の方やご年配の方には、電池式や充電池式の噴霧器が楽に散布できるのでおすすめです。庭など電源がとれる場所で使うのであれば、電気式の噴霧器が活躍します。農業用ならば、パワフルに散布できるエンジン式を選べば間違いありません。メーカーで選ぶ
噴霧器メーカーの中には、電気工具類も生産販売しバッテリーなどが共通仕様となっている場合があります。たとえばマキタ製の充電式噴霧器のバッテリーは、ドライバドリルなどと共通で使用できますので、マキタの工具をお持ちの方は選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。用途で分ける
大事な注意点としては、薬剤散布と除草剤散布の噴霧器は、必ず別々のものを使用すること。どんなに綺麗に洗浄しても、ノズルやパイプ、ポンプなどに除草剤が残ってしまう場合があります。野菜や花、樹木にダメージを与えるリスクを回避しましょう。噴霧器にはどんな種類がある?
ここからは、噴霧器の種類を詳しくみていきます。各タイプおすすめの製品もご紹介。手軽に使えるハンドスプレー
ガーデニングやベランダ菜園に適した軽量タイプの噴霧器です。0.5L程度の容量で手軽に散布できるため、液体肥料の散布や鉢植えへの散布などに適しています。専業農家の筆者は、スポット的な消毒や、トマトのホルモン処理で使用しています。手ごろな価格も魅力的ですね。フルプラ ダイヤスプレー スウィング LN500
ノズルが長く、あらゆる角度から液体を噴霧できます。透明ボトルのため残量も確認しやすく、しかも無駄なく噴霧できます。押しても引いても散布します!往復式噴霧器
ポンプを押したときはもちろん、引いたときも噴霧ができる噴霧器です。メリットは噴霧距離が長く、背の高い樹木などへの散布に適しています。なかには、自宅のバケツをタンクの代用に使えるタイプもあり、準備や後片付けも簡単に行うことができます。フルプラ 往復式噴霧器 ツーウェイ No.590
霧の角度調節や約7mもの直射が可能な噴霧器で、押したとき引いたとき両方とも噴霧ができます。ノズルはステンレス製で軽くて丈夫です。定番の噴霧器、蓄圧式噴霧器
液剤を本体タンクに入れ数十回圧を加えたのち霧状に散布する噴霧器で、背負うものや肩かけタイプなどが主流。タンク容量も2.5~7L程度と幅広くありますが、4L程度のものが重さと容量からバランスが取れて使いやすいです。工進 ミスターオート 蓄圧式噴霧器 4L HS-401E
工進 ミスターオート HS-707W
ダブルピストンにより、最初は太いピストンで圧を加えていき、終盤は細いピストンで軽い力で最後までしっかり圧を加えることができます。ピストンの切り替えは、ダイヤルを回すだけの簡単操作。またタンク本体に加圧計や安全弁が付いているため、どの程度加圧されているか一目瞭然で安全に使用することができます。電気の力で楽々散布!電動(電気式)噴霧器
電源が取れる場所であれば使える、広範囲に散布することが可能な噴霧器です。生垣や広い庭のご家庭に最適です。セフティー3 電動噴霧器 SSA-10
細かい霧で効果的な噴霧作業が可能です。また噴口は、1頭、2頭の切り替えが可能で、用途に合った噴霧ができます。手元バルブ内蔵のため噴霧・噴射のスタート、ストップが手元でできます。音が静かで電源がとれない場所でも活躍!電池式噴霧器
電源が取れない畑や田んぼなどで電池により使用できる噴霧器です。排気ガスもなく環境にも優しい機器で、しかも振動なども比較的少ないため女性やご年配の方にもおすすめです。工進 ガーデンマスター GT-5S
タンク底が傾斜しているため残液も少なく、透明タンクのため残量も一目瞭然。1mのロングノズルのため、手の届きにくい場所への散布も簡単です。電池が繰り返し使えて経済的!充電式噴霧器
充電池のため、何回も使用でき経済的な噴霧器です。他の工具と共通したバッテリーで使用することもできるため、同じメーカーの電動工具をお持ちの方は検討してみては?マキタ 充電式噴霧器 MUS103DSH
モーター式のため騒音が少なく、早朝でも使用することができます。またスイッチ一つで簡単にスタートできるため、女性やご年配の方にも簡単です。リチウムイオンバッテリーを採用し、継ぎ足し充電も可能です。パワフルで長時間使えるエンジン式噴霧器
2サイクルもしくは4サイクルエンジンを搭載した、比較的長時間の散布が可能な噴霧器です。背負いタイプやキャリータイプがあります。エンジンを積んでいるためやや重量がありますので、体力に自信がある方に最適です。工進 エンジン式 噴霧器 ES-10C
筆者のこぐま農場でも使用している背負い式噴霧器です。軽量カップやフィルター、ノズルも2種類(縦型2頭口噴口、泡状除草噴口)付属するなどコストパフォーマンスに優れています。移動が楽になる別売の専用キャリーもおすすめ。農作業やガーデニングまで幅広く!おすすめ噴霧器ランキング(Amazon編)
1位:工進 ミスターオート HS-401BT【蓄圧式】
タンク容量4Lのたっぷりサイズなのに、本体重量約1.6kgの軽量仕様の噴霧器です。散布面積の目安は約14~18坪と、家庭菜園に最適!延長パイプが付属していますので、最長75cmまで伸ばせます。きゅうりやカボチャ、スイカなどうどんこ病にお悩みの方にイチオシ!延長パイプを使えば、ツルを踏まずに広範囲な薬剤散布が可能です。2位:工進 ミスターオート HS-401E【蓄圧式】
消毒液や園芸用マシン油などに幅広く使える蓄圧式噴霧器です。タンク容量は使いやすく運びやすい4L使用で、本体重量も約1kgと軽量。38cmのノズルは取り回ししやすく別売延長パイプを使うと75cmまで延長可能です。3位:ゼノア 動力噴霧器 NSD103【乾電池式】
耐久性に優れたダイヤフラムポンプを採用した噴霧器です。単一乾電池4本で約5時間稼働。手動ポンプで苦労している方や、年間10回までの用途に最適です。圧力スイッチ方式レバーで思い通りの作業が可能です。4位:フルプラ ニューシースルー No.4130【蓄圧式】
本体重量約500gと軽量で、約1Lの薬剤を散布可能な噴霧器です。液量が見えるシースルータンクで残量確認も簡単!ポンプを外すだけで簡単に注入できます。ステンレス製のノズルは耐久性も高く、おすすめの一品です。5位:セフティー3 電気式噴霧器 SSA-10【電気式】
100V電源を使用する電気式噴霧器。噴霧圧が高く、きめ細かい霧で噴霧作業ができます。ノズル部交換により除草用噴口(別売)が取付可能。 1頭・2頭の切替が可能なため、用途に応じて最適な噴霧ができます。目詰まり防止フィルター付きでメンテナンスも簡単!6位:高儀 ハンディ散粒器
種や肥料はもちろん、除草剤まで散布可能な散粒器です。たっぷり入る2Lサイズなのに本体重量は約180gと軽量。キャップを回転させるだけで、簡単に散粒量が調整できます。コストパフォーマンスを追求するならこれ!プロ仕様の大容量タイプに注目!おすすめ噴霧器ランキング(楽天編)
1位:工進 エンジン式噴霧器 MSV-E2R50TH85【エンジン式】
広域消毒が効率よく行えるサイズの噴霧器です。吐き出しホースは直径8.5mm×50mの大量噴霧タイプ。広範囲はもちろん、高い木の噴霧も可能。女性でもエンジンスタートがしやすい構造です。2位:丸山製作所 元気印 動力散布機 GKD4001-15【エンジン式】
除草剤や肥料散布に最適の、コストパフォーマンスに優れた背負い式噴霧器です。容量はたっぷりの15Lで、「新流し多口噴頭」を採用。除草剤の飛距離と肥料の均一散布を兼ね備えた仕様となっています。汎用性が高く、家庭菜園から農業まで幅広く活躍します。3位:ハイガー産業 動力噴霧機 HG-768【エンジン式】
タンクが25Lの大容量タイプの背負式エンジン噴霧器です。パワーもあるので用途はさまざま。ピストンポンプ式エンジンで、約150坪の広い面積でも散布可能です。お求めやすい価格も魅力的。4位:フォグマスタ・ジュニア1L 533010【電動式】
本体重量約1.5kgの軽量タイプの電気式噴霧器です。家庭菜園はもちろん、ホテル、レストラン、美容院などの小さい室内からレンタカー、タクシー内の除菌剤・消臭剤噴霧にも使えます。5位:フルプラ 高圧蒸気滅菌器耐用スプレー No.885(12個)【ハンドスプレー】
耐圧性があり、長期間の使用に耐えうる経済的なスプレー。各シール部も高価な耐熱性のあるパッキングを使用。ホースが稼働するので、どんな角度でも液をほとんど残さずに噴霧できます。霧の角度の調節はノズルで。必ずやりたい!噴霧器の使用前/使用後チェックポイント
噴霧器を使用する前に
水を入れてテストする
タンクやキャップ、ホースなどから液漏れがないかチェックします。フィルターがある噴霧器は、必ずフィルターをとおして液体をタンクに入れてください。砂やゴミが入ると機械の故障につながります。ノズルのゴミを取り除く
テスト噴霧をした際、液剤の噴霧が悪い場合はノズルにゴミが詰まっている可能性があります。取扱説明書の手順に従って、丁寧にノズルを洗浄しましょう。このとき、パッキンなどを紛失しないよう注意してくださいね。使用後のチェック
内部の清掃
水道水を使って、タンクを3回以上きれいに洗浄してください。余った薬剤は保存せず、決められた方法に従って処理しましょう。凍結対策を行う
エンジン式噴霧器の場合、凍結でポンプが破損する場合がありますので、必ず水抜き栓を外して水抜きします。さらに、吐き出しホースも上下に振って、中の水を抜くようにします。散布用薬剤の作り方
薬剤には、そのまま散布できるものもありますが、乳剤や水和剤、水溶剤、フロアブルなどは水で希釈して使用します。保存がきかないため、必要量を調べてからラベルや説明書に記載されている使用濃度を守って作りましょう。水和剤は特に注意が必要です。水を入れたタンクにいきなり水和剤を入れる方がいますが、溶けていない水和剤を吸い込むため抵抗がかかり、ポンプが破損します。絶対にやめてくださいね。
噴霧器を使うときは安全保護具を着用しよう
農薬の製品ラベルには、マスク、保護メガネ、手袋、長靴、防除衣等具体的な保護具の記載が書かれていますので、その内容に従った服装で散布しましょう。もし記載がなくても、農薬を散布する場合には農薬用マスク、長袖長ズボンの作業着、手袋を必ず着用するようにしましょう。マスク
安価なマスクもありますが、おすすめは国家検定を合格したマスク。価格はやや高めですが、フィットチェッカー機能を備えたモデルもあり、安全性が高くなっています。興研 農薬散布用マスク 1010A-RA型
すばやくフィットチェックができる「フィットチェッカー」内蔵の防じんマスク。約80gの軽量タイプで、装着していることさえ忘れる軽さです。筆者も使用しています。