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小屋に泊まって野菜づくりやガーデニング!クラインガルテンの魅力【Garden Story連携企画】


クラインガルテンという言葉を知っていますか?クラインガルテンとは滞在型の市民農園のこと。つまり、“宿泊できる”畑です。クラインガルテンの発祥、特徴、利用料などについてご案内。また、クラインガルテンを実際に利用した筆者が学んだウドンコ病にならない無農薬キュウリ栽培の方法もお伝えしますよ。

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GardenStory

花・緑・庭がある暮らし方を提案するウェブマガジン。専門家とガーデニングに精通した編集者が、さまざまな視点から記事を発信。ガーデンで過ごすライフスタイル、自然に寄り添う暮らし方、植物の育て方などの情報を毎月新たに約60コンテンツという多彩な内容でお届けしています。…続きを読む

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庭の風景

出典:Garden Story
ガーデニング・植物の魅力や、花・緑にまつわる暮らしの楽しみを紹介している「Garden Story」。植物を取り入れたライフスタイルの発信とDIYや料理レシピなどの豊富なコンテンツが魅力的なサイトです。今回は「Garden Story」との初の連携企画として、最近話題のクラインガルテンについてご紹介します。

Garden Storyロゴ

1993年、日本で最初にできた「坊主山クラインガルテン」に20年以上通いながら畑づくりを楽しんでいる岡崎英生さんとそのご家族のクラインガルテンレポートをお届けします!

日本各地に68のクラインガルテン

コスモスの咲く道
出典:Garden Story
クラインガルテンという言葉を初めて聞く方も多いのではないでしょうか。でも実は、日本に最初にできたのは26年前の1993年。日本には現在、全国に68のクラインガルテンがあります。普通の市民農園との大きな違いは、「ラウべ」と呼ばれる泊まれる宿泊小屋が畑一区画ごと一軒ずつ建っている点です。一区画はおよそ250㎡で、その中に畑と小屋があり、そうした区画が施設によって10〜60区画ほど集合しています。

もともとの発祥はドイツで、クラインガルテンという言葉は「クライン=小さな」「ガルテン=庭」というドイツ語です。19世紀後半のドイツは労働環境が非常に悪く、健康被害が多く出た工場労働者と彼らの貧しい家族のために、食物の自給や健康回復、子ども達が自然に触れられる場所としてドイツ各地に広まりました。実は似たような目的で発生した農園システムは世界各国にあり、ロシアでは「ダーチャ」、デンマークでは「コロニーヘーヴ」、イギリスでは「アロットメントガーデン」などと呼ばれる小屋付きの市民農園があります。市民農園とは言えども、作物や果樹だけでなく可愛らしい花や樹木も育てられていて、今では都会で暮らす人の緑のオアシスのような役割も果たしています。

クラインガルテンの年間利用は平均40万円

出典:Garden Story
このシステムを日本で最初に導入したのは、長野県松本市の坊主山クラインガルテン。当時、四賀村(現松本市)という村の村長であった中島学さんが村ぐるみで無農薬有機農業に取り組む「エコ・ヴィレッジ四賀」計画をスタートさせ、クラインガルテン事業もその一環として始められました。坊主山クラインガルテンの場合、小屋はキッチンとユニットバス、ロフト付きのワンルームが基本形で、電気・ガス・水道の光熱費は個々の別払いで年間利用料は36万円。全国平均の40万と比較するとややリーズナブルですが、この小屋は基本的に夏の滞在向けにできており、真冬に過ごすにはそれぞれに防寒対策が必要です。契約・入園すると一区画と小屋、小屋の鍵が与えられます。

ですから、いつでも好きな時に通えるため、自宅から離れた場所にあっても週末や休暇などを利用して滞在しながら畑作りやガーデニングが楽しめます。プチ別荘的な側面もありますが、あくまでも市民農園なので作物や植物を一つも育てていなかったり、区画が荒れ放題だったりするとペナルティーが課せられ、一年毎の契約更新時に更新できなくなります。

坊主山クラインガルテンのルールは無農薬有機栽培

庭の風景
出典:Garden Story
どこのクラインガルテンにも一定のルールがあり、坊主山クラインガルテンでは基本的に無農薬有機栽培での畑や庭づくりがルールです。新入りガルテナー(クラインガルテン入園者)にはそのための講習会が開かれ、土づくりから無農薬での野菜づくり、害虫への対処などが教えてもらえます。私たちも1997年に入園するとすぐ、こう教わりました。

「みなさんは、草1本、枯葉1枚、決して無駄にしてはいけません。」

オオバコ、ハコベ、スベリヒユ、カヤツリグサ、ホトケノザなど、雪解けと同時に畑に生い茂る草は20種類以上になりますが、これらはせっせと引き抜いて、畑の隅に積み重ねておき、堆肥化します。庭の入り口に植えたコブシの木から舞う大量の落ち葉も、収穫した野菜の残渣も、キッチンから出る生ゴミも、全て捨てることなく畑の堆肥として、大事にするよう教わりました。実際、これらがミミズやダンゴムシ、目には見えない微生物たちの活躍によって、黒々とした土に変わったのを見た時には感動しました。こうした自家製堆肥や村で作られている完熟堆肥を畑に入れながら、数年かけて粘土質で乾くとガチガチになる固い土とふかふかの畑の土へと変えていきました。

坊主山クラインガルテンで教わった、無農薬キュウリ栽培

タライに入った野菜
出典:Garden Story
土づくりは冬の間に行うので、また別の機会にお話しするとして、初夏の無農薬野菜づくりとして教わり、我が家の定番になっているキュウリのコツをお話しします。キュウリは夏の家庭菜園の定番野菜ですが、ウドンコ病が大敵です。ウドンコ病というのは、葉がうどん粉をふりまいたように葉や茎が白くなって枯れてしまう病気で、キュウリによく発生する病気です。実際、住宅街の一角にある別の市民農園でキュウリを栽培したときには、ウドンコ病で真っ白になりちっとも収穫ができませんでした。キュウリにウドンコ病はつきものなのですが、これに薬剤を使わず対処する方法を教えてもらいました。

出典:Garden Story
それが「タネ」を「直播き」にすること。トマトやナスなどの野菜のタネをまくときは、通常、タネまき専用ポットにまいて、ある程度大きくなったら一つずつ小さなポットに植え替え、さらに大きくなったら畑に定植します。ですが、ウドンコ病に強い丈夫なキュウリを育てるには、畑に直にタネをまいて育てるとよいとのこと。それには‘さつきみどり’という品種が適しているということでした。実際その通りで、この方法で‘さつきみどり’キュウリを育てて以来、ウドンコ病になったことは一度もありません。とてもジューシーで甘く感じられ、子ども達は夏は喉が乾くと水代わりに畑からキュウリをもいで食べています。キュウリには夏に火照った身体の体温を下げる効果があると言いますが、夏バテで食欲がないときなども、このキュウリを細かく刻んで、山形県の郷土料理として知られる「ダシ昆布」と混ぜていただくと、ご飯が食べられます。ぜひ自家製キュウリを育てて試してみてください。

文:岡崎英生(文筆家・園芸家)
早稲田大学文学部フランス文学科卒業。編集者から漫画の原作者、文筆家へ。1996年より長野県松本市内四賀地区にあるクラインガルテン(滞在型市民農園)に通い、この地域に古くから伝わる有機栽培法を学びながら畑づくりを楽しむ。ラベンダーにも造詣が深く、著書に『芳香の大地 ラベンダーと北海道』(ラベンダークラブ刊)、訳書に『ラベンダーとラバンジン』(クリスティアーヌ・ムニエ著、フレグランスジャーナル社刊)など。

心ときめく幸せな人生は花・緑・庭にある

クラインガルテンは、魅力的な施設ですね!また、坊主山クラインガルテンの畑や庭づくりの取り組みは参考になりますね。「Garden Story」には、クラインガルテンに関するストーリーや、日々を彩る花や植物の育て方、初心者から通まで楽しめるガーデニング情報がたくさん掲載されています。是非そちらもチェックしてみてくださいね。

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「Garden Story」https://gardenstory.jp

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