目次
今回は代表取締役の宮本貴夫さんに、どんな人材を求めているのか、会社概要や職場の雰囲気、そして気になる社名の由来!? についても伺いました。
農園名/所在地 | 株式会社れんこん三兄弟/茨城県稲敷市 |
栽培品目 | レンコン |
販路 | 卸売市場、スーパー、レストラン、直売所、加工品向け |
従業員数 | 役員3名、社員4名、アルバイト14名、実習生3名 |
圃場面積 | 19.8ha |
売上 | 1億2,500万円 |
兄弟3人が力を合わせて立ち上げた「れんこん三兄弟」
宮本さんの実家は、レンコン、米、バラなどを生産している農家。宮本さん自身は、大学卒業後、学校の先生として働いていました。宮本貴夫さん
農業は身近でしたが、「農業は労働時間が長くて大変なのにもうからない」と聞いたり、農業をしている人が「農業をするな」と言っていたりして、それはなぜなんだろうという疑問がありました。でも両親は農業を営んで、私たち兄弟を学校に行かせてくれましたし、私たちが置かれている農業ができる環境というのは恵まれているうえに、農業が嫌いではないし、工夫していけばちゃんと農業で生活をしていけるのではないかという思いはありました。
ちょうど兄弟三人が転職を考えている時期が重なり、開かれたのが兄弟会議。この会議で三人は、近隣の農家で高齢化が進みこれからも農地を確保して事業規模を拡大していける見込みがあること、食べる人はいるのだからきちんとやれば生活していけることなどを予測し、兄弟で農業を営むのがベストだろうとの結論を出しました。そのときにこだわったのが、経営体として農業をやるということでした。
宮本貴夫さん
農業は天気というコントロールできないものを相手にしているので、どうしても予定がつきにくいという面があります。何人かでやっていれば、例えば、家族の事情で都合が悪いときにほかの人が働くということができます。経営的にも、農家は出荷物があるときに畑から離れられないので営業にいけないことがありますが、現場で働く人がいて、別の人が営業に行ければ強くなれると思いました。このような体制なら、安定的な供給が必要な契約栽培などにも対応が可能になります。
レンコン栽培をしたことがなかった宮本さんは、まずは実家で働いてレンコン栽培の技術を学び、実家に戻ってから10年後、レンコン部門だけを独立させて「株式会社れんこん三兄弟」として法人化しました。
宮本貴夫さん
レンコンは地元の特産ですし、マーケットとしては小さいけれど、どこでも作れる作物ではないことと、特徴的な食べ物なので、おいしさを伝えていくことで販路が広がっていくと考えました。
「れんこん三兄弟」は、もともと取引先の社長が、宮本さんたち兄弟に対して呼んでいた名前。名刺交換をしたときにすぐに覚えてもらえるように、会社の名前にすることにしました。
レンコン農家はのびしろ十分!販路も拡大中
れんこん三兄弟は、まだまだ成長拡大中。農地を広げる予定や既存の出荷場がいっぱいなので、新築する計画があります。販路も着実に拡大しており、全国各地のレストランと取引があります。宮本貴夫さん
シェフの口コミや商談会で出会って取引先が増えています。メディアの取材は断らないようにしていますし、これからは、Instagramも活用しながら計画的に広報をしていこうと思っています。
また、六次産業化も推進中。レンコンを素揚げして味付けした「れんこんチップ」を販売しています。ピンクソルト味、しょうゆ味、青のり味があり、地元のスーパーや直売所、セレクトショップなどで買うことができます。
宮本貴夫さん
レンコンはまだまだマイナー作物なので、手軽に手にとってもらうポジションにないと思っています。もっと手軽に食べてもらいたくて開発しました。
レンコンは名前は知っていても、日常的に購入する人は少ない作物なだけに食べなれていない人が多いので、まだまだ食べる人を増やせるし販路も開拓できる、安定した生産技術と販路を持っていれば引退した農家から信用してもらって土地を預けてもらうことができる。会社が伸びる可能性を感じている宮本さんは、農地、販路、六次産業化と多角的に規模を拡大させ、会社の成長につなげています。
レンコン栽培の魅力|試行錯誤があるからこそおもしろい
レンコンは栽培できる場所が限られているので栽培している農家が少なく、まだ栽培方法が確立されていないのだそうです。宮本さんは、そこにレンコン栽培の魅力と難しさがあると言います。宮本貴夫さん
これをやっておけば大丈夫という方法がないので、仮説を立てて試行錯誤できるのは面白いですね。その難しさがモチベーションになっています。
試行錯誤の一つに、施肥があります。生育ステージに合わせてどのような養分をいつ与えるか、という点に工夫が重ねられています。
宮本貴夫さん
植え付けの初期は人間に例えると赤ちゃんです。赤ちゃんのときにステーキは食べませんよね。だからおかゆ状のもので、量もそんなにいらない。もう少し生長してくると、子孫を残すために違う養分が必要になってきて、冬が終わるころには、体を作るためにまた別の養分が必要になります。
また、レンコンが育つのは泥の中。生長していく過程が目に見えないので、葉を見て地下を想像しなくてはなりません。
農業がしたい、でも農地や資金がない!という人が働ける場所に
れんこん三兄弟では従業員を募集中。採用予定人数は1~2名。今後も3~4年ごとに1人ずつ雇用していきたいと考えているそうです。宮本貴夫さん
農業をしたくてもできる環境がない人が、農業に取り組める会社でありたいと思っています。個性あるメンバーに集まってもらいたいです。そして、雇用の拡大に応じて事業規模を拡大していく必要があるとも思っています。
仕事に関する知識は入社してから覚えられるので未経験でも大丈夫、性別も問いません。切磋琢磨しながら、会社と共に成長していける人材を求めています。
こんな人に来てもらいたい!
コミュニケーションがとれること
新しい人材を採用するにあたり、次のことを重視しています。組織で運営をしているので、意思疎通やコミュニケーションができることは重要な採用基準です。宮本貴夫さん
報・連・相(報告・連絡・相談)をしっかりするのはもちろんですが、考えや状況を伝えられることが大切です。農業を志望する人の中には、もくもくと作業していればいいからという人がいます。個人で農業をしているのならそれでもいいのですが、会社ではチームでやっているので、コミュニケーションは重要です。
変化に前向きに対応できること
現在、会社は着実に成長中。規模が拡大していくにつれて、会社の形も変わっていきます。そのため、その変化を前向きに捉え、対応できることも重視するポイントになっています。宮本貴夫さん
日々の変化に前向きに対応できる人、そして変化に対して工夫できる人がいいですね。
意外?! レンコン栽培に向いているのはこんな人!
レンコン栽培に向いている人はいるのでしょうか?宮本貴夫さん
収穫に特化して言うと、目に見えないものを収穫するので、空間把握能力があるといいと思います。算数で出てくる立方体の展開図をイメージできるような能力です。また、時間の見通しが立てられることも大切です。一つの仕事を任されたときに、工程と人数を考えてこの仕事を何時に終わらせて次の仕事に取りかかれるか、見通しをイメージできるような能力があるといいですね。
今回募集をしている従業員には、ゆくゆくはマネジメントしていく立場になってもらうことも考えていると宮本さん。いろいろなことを想像でき、見通しを立てられる人材を求めています。ただ、マネジメントが苦手な人には、別の役職を用意するなど、適性を見ながら判断していく予定です。
会社と従業員が同じ方向を見て進む
れんこん三兄弟では、従業員とコミュニケーションを深めて、快適な職場環境を整えるために対話の機会を大切にしています。社員とは面談を行い、本人が会社に何を求めているのか、何を楽しみに仕事をしているのか聞いて、会社が求める仕事とのすり合わせを行います。また、年に1度経営指針発表会をして、会社が目指す方向とスピードを共有しています。このようなきめ細やかな取り組みが社員の結束を強くしています。宮本貴夫さん
天気という読めないものを相手にしているので、その対応方法を決めるときには、特に気持ちを一つにする必要があります。明日台風がくるから今日この作業をやろうというときの団結力はありますね。
職場の雰囲気や環境は?居心地の良さを作り出すもの
働きやすい環境で、プライベートも充実
従業員は、20~80代までと幅広い年齢層の人がいます。アルバイト勤務は午前中で終了することが多いのですが、午後も働く社員の方たちのために、会社での昼食は宮本さんのお母さんがまかないを作ってくれます。また、休みの日には、社員それぞれが充実したプライベートを満喫しています。宮本貴夫さん
社員の中には、サバイバルゲームが好きな人がいて、ほかの社員や実習生も一緒にフィールドに出かけて行ってやったり、海や湖が近いので釣りに行って釣った魚をさばいて食べさせてくれる人がいたりします。例えば、遠方から就職したとしても鹿島アントラーズのスタジアムも近いし、サーフィンもできるし、楽しめると思いますよ。
年間休日は100日以上!夏や年末年始には長期休暇も
レンコン栽培の作業に合わせて、勤務形態は季節によって変わりますが、休日など福利厚生も充実していて、長く働ける環境も整っています。宮本貴夫さん
春(4~6月)は出荷物がないので、管理業務が主となりシフト制です。7月から収穫が始まると物流に合わせて定休になります。12月からは貯蔵しながら販売となり、シフト制になります。有給休暇もありますし、夏と年末年始は1週間の休みを取ってもらっています。有給休暇を使って、年間の休みが100日~105日ぐらいになります。
経営拡大を目指す企業で、共に成長しよう!
入社する人とのミスマッチを防ぐために、これだけは知っておいてほしいことはありますか?と伺うと、「基本的には入社前に1週間ほど体験してもらうので、ミスマッチは防げると思っています」と宮本さん。言葉では表せないことは体験してもらうのが一番だと考えています。でも冷たい水に入ってする作業は大変ですよね…?宮本貴夫さん
だいたい水回りで仕事をしているので、畑に比べるとほこりっぽさはないんですよ。ウェブサイトの写真を見ると胸まで水につかって作業をしているように見えますが、実はあれは座っているので、そんなに水が深いところにいるわけではないんです。土の中を歩くのも半年もやれば慣れます。
それよりも入社する人に知っておいてほしいことは、これからも成長を目指す企業ならではの答えでした。
宮本貴夫さん
未完成な経営体なので、先月言っていたことが変わることはあります。季節によって作業は変わるし、いつも同じことをしているような安定した職場ではありません。経営体が大きくなればポジションも責任も変わってくると思います。
これからも会社を成長させていく、その変化を面白がって一緒に楽しみながら成長できる人に来てほしいという宮本さんの気持ちが感じられる一言でした。
応募を考えている人にメッセージ
宮本貴夫さん
野菜の中ではマニアックで珍しい作物ですが、だからこそ面白さもあります。好奇心を持って一緒にハス田に飛び込みましょう!
宮本さんのお話はとても丁寧でわかりやすく、レンコンを育て、人材を育て、会社を育てている真っ最中ということが伝わってきました。新しく会社に入る人は、自分の成長と会社の成長の両方を実感できるのではないでしょうか。
応募についての詳細は
応募についての詳細は、農家のお仕事ナビに掲載されています。ぜひご応募ください!農家のお仕事ナビ「株式会社れんこん三兄弟」