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キクラゲってどうやって作るの?菌床栽培の基礎知識
乾燥されたものや細かく刻まれたものはよくスーパーでも販売されていますが、育てている過程や収穫されたばかりのキクラゲを見る機会は少ないですよね。キクラゲはどのように栽培、収穫するものなのでしょうか。まずは、自宅でできるキクラゲの菌床栽培について詳しく解説します。キクラゲの菌床栽培に適した環境
キクラゲを菌床栽培する場合、“湿度が高いこと”が絶対条件です。最適とされる気温20~25℃、湿度70%以上の環境で栽培するようにしましょう。直射日光もNGなので、強い日差しが当たらず、適度な風通しの空間で栽培するのがベストです。日差しを避け、湿気を多く含む環境で育てる点は、野菜や果物栽培と大きく違うポイントですね。
キクラゲ栽培の管理方法
難しいイメージのあるキクラゲ栽培ですが、管理方法はいたってシンプル。最適な気温・湿度の維持、日々のこまめな水やりだけです。キクラゲにとっての最適な湿度は70%以上なので、自宅で栽培する場合には、ビニール袋を被せて菌床が乾燥しないように注意しましょう。栽培時期によって異なる、キクラゲ収穫までの期間
菌床栽培は、育てる時期によって収穫までの期間は異なります。住んでいる地域や栽培環境によっても多少変化しますが、4~10月は2週間程度で収穫、11~3月は2~4週間程度。気温の高い時期は最短1週間で収穫できる場合もあります。キクラゲの表面に丸みが出て、大きさが5cmほどになったころが収穫のタイミングです。キクラゲの菌床栽培と原木栽培の違いって?
キクラゲを栽培する場合、ほかのきのこと同様に二通りの栽培方法から選べます。初心者の場合は、簡単に栽培できる「菌床栽培」がおすすめです。キクラゲの菌床栽培|手軽にできて管理も簡単!
オガクズや木材チップ、米ぬかなどの栄養をブロック状にして、そこに種菌を植える「菌床栽培」。湿度や気温、衛生環境が整っていれば収穫するまでの期間は数週間ほど。原則自然環境下で育てる原木栽培と異なり、室内でも育てられるので収穫までの期間や育て方も家庭菜園向きです。キクラゲ栽培デビューにも最適!キクラゲの原木栽培|屋外で本格的に育てたいなら
サクラ、クワ、シデ、クルミなどの雑木を細断したホダ木を使って、栽培する「原木栽培」。ホダ木に穴をあけて、キクラゲの種菌を植えて育てていきます。本格的な味わいのキクラゲが収穫できますが、屋外に栽培に適した環境がないといけない&管理が大変な面も。栽培キットでキクラゲを育ててみました!自宅での生長の様子をレポート
環境管理と水やりだけで収穫できる、キクラゲの菌床栽培はおうち栽培にぴったりなので、菌床栽培キットを注文してさっそく栽培してみることに。実際に育てた様子をレポートします!注文したのは、緑公房さんの「おうちでかんたん きくらげさいばいキット」。はたして収穫はできたのか…!?
緑工房 おうちでかんたん!純国産きくらげ栽培キット
簡単に純国産のきくらげが栽培できるキット。栽培スタートから約2週間で収穫できます。
専門スタッフがLINEで質問に答えてくれたり、万が一栽培に失敗したときには無償で新しい栽培キットを送ってくれるなど、アフターフォローも万全!
専門スタッフがLINEで質問に答えてくれたり、万が一栽培に失敗したときには無償で新しい栽培キットを送ってくれるなど、アフターフォローも万全!
Step1. キクラゲ栽培用の菌床キット到着&開封
菌床の入った箱には「すぐに開封してください!菌床はいきています」の文字が!あわてて箱から取り出すと、ビニールに包まれた状態の菌床が登場しました。“あかちゃん芽”とおぼしき、小さなきくらげも生えています。Step2. 最適な栽培場所を探す
温湿度計を片手に家中を歩きまわって、キクラゲの菌床栽培に適した湿度70%以上、気温20~25℃の場所を探します。我が家はお風呂場で栽培することに!ちなみに、直射日光が当たらず、程良く風通しがある場所は、屋外であれば木陰・小屋の中・ベランダ、室内ではキッチン・玄関・浴室・リビングの隅がおすすめです。Step3. たっぷりの水をかける
外側のビニールは外さないまま、菌床全体にたっぷり水をかけていきます。目安は菌床の全体が軽く湿るくらい。あかちゃん芽の出ている切れ目を中心に、全体にたっぷり水をかけていきます。もちろん水道水でOKです!Step4. ビニールを被せて、水はけを良くする
説明書を見ると、保温環境を守るためにビニール袋を被せた方が良いとのこと。大きめのビニール袋を上からもう1枚被せました。お風呂場のように湿気が高くなりやすい場所の場合は、直置きだと底面に水が溜まってしまう可能性も…。風通しを良くするために受け皿に割りばしを乗せ、その上に菌床をセットしました。
Step5. 1日2〜3回の水やり&観察
1日2~3回の水やりをして、常に菌床全体が濡れている状態を維持します。4日目:赤ちゃん芽が大きくなってきた!
4日目には少しずつ、赤ちゃん芽が大きくなってきました。にょきにょきと生えてくる新芽もあり、がぜんキクラゲ栽培の楽しさもアップ♪定期的にお風呂場をのぞいては、キクラゲの状態を見守ります。7日目:ほかの切れ目からもキクラゲの芽が!
一週間で丸みも出て、ずいぶんとキクラゲらしさが出てきました。ほかの切れ目からも続々とキクラゲが…!しかし、大きさはまだ4cm程度。5cm以上が収穫の目安なので、食べたい気持ちをグッと我慢します。菌床の濡れ具合を確認しながら、しっかり1日2~3回の水やりを続けます。
10日目:大きく波打つキクラゲに生長!
キクラゲの表面が波打ち、5cmを大きく超えて10cm近くまで生長しました。予想以上にぶりんぶりんと大振りなキクラゲになり、感動です!Step6. いよいよキクラゲを収穫!
待ちに待った収穫です!キクラゲを菌床から採るには、カッターやはさみを使って根元をゆっくり切り落としていきます。キクラゲを優しく手で引っ張ると、キクラゲの根元が見えやすくなりますよ。2回目以降も収穫したい場合
根元を2~3mm程度残して収穫するのがポイント!上手に根元が残れば、また同じところから新しい赤ちゃん芽が生えてくるそうです。もちろん、次の収穫もしたいので根元を残してカットしました。温度・湿度・虫に要注意!キクラゲ栽培の管理のコツと失敗例
順調そうに思えたはじめてのキクラゲ栽培ですが、栽培中に思わぬアクシデントが発生。実際に起きたアクシデントと、失敗を防ぐ管理のコツを紹介します。思わぬアクシデント発生!栽培キットの周りにいたのは…
キクラゲ栽培をはじめて4日目、いつも通り菌床に水やりにいくと異変が!ビニール袋の中にキノコバエが大量発生していたのです。菌床を育てている以上多少の虫は仕方ないですが、あまりに大量だったので対策することに。「湿度の高さが原因では?」と考え、一旦外側に被せたビニール袋のみ外して様子をみることにしました。外側のビニール袋を外した後
ビニールを外した2日後、キノコバエが菌床内で死んでいるのを確認。周囲で大量発生している様子もなく、キノコバエ問題は無事に落ち着きました。キノコバエが発生する条件を調べてみると、「湿度が高く、薄暗い場所」とのこと。ただでさえ湿度の高いお風呂場で、ビニール袋を二重にしたことによる高湿度&光が入りづらい位置にあったことより、キノコバエが大量発生したのかもしれません。こんなキクラゲには要注意!栽培、収穫を中止すべき失敗キクラゲ
簡単に栽培できるキクラゲですが、ときに栽培や収穫をただちに中止すべきケースもあります。誤って食べてしまわないように、失敗したキクラゲの特徴と原因をチェックしましょう。黄色いツブツブや粘つきがある
「粘菌」と呼ばれる、きのこ種にまれに発生してしまう菌が付いた状態です。食べられないので、切り取って捨てましょう。丸く育たず、変な形になっている
酸素が足りない状態で大きく育ったものは、丸みや形状に異変が起きます。食べられないので、収穫の時に切り落として捨てましょう。菌床がブヨブヨで、キクラゲがゼリー状になっている
水のやり過ぎによって、菌床自体が腐敗してしまうことが原因です。キクラゲを切り取っても二次収穫は見込めないので、残念ですが菌床の廃棄をおすすめします。管理のコツ|湿度・温度・光に細心の注意を払おう!
キクラゲの栽培環境の湿度があまりに高くなってしまうと、今回のような虫の大量発生や、食べられない有害な菌が発生してしまうケースも…。キクラゲ栽培の失敗を防ぐためにも、湿度や温度は毎日計測した方が安心です。また、虫が好む薄暗い環境を避けるのも効果的です。キットで栽培した自家製キクラゲの味は?
大きく育った自家製キクラゲを実食!作ったのは、おつまみにぴったりの中華だし&ごま油を和えるだけの「やみつきキクラゲ」と、白だしで作る「キクラゲと卵の中華スープ」です。食べてみると、コリコリ食感と独特の香りがしっかり出ています。「自宅でも本当においしいキクラゲができるかな?」と心配していましたが、予想を上回るおいしさに感激しました!
緑工房さんのキクラゲ栽培キット説明書には、キクラゲレシピ集を見られる専用QRコードがプリントされています。はじめてキクラゲを収穫した人でも調理しやすいのは、うれしいポイントです。
今回使ったキクラゲ栽培キット
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