目次
植物と魚を一緒に育てるアクアポニックスがおもしろい!
「アクアポニックス」という名前、聞いたことはありますか?植物と魚を一緒に育てる方法で、エコで効率的な新しい農業として最近注目を集めています。このアクアポニックスですが、実は家庭でもできちゃうんです。アクアポニックスとは何か?という基本から、ご家庭でも簡単にできるキット、自分で作る方法、そして育てられる魚や植物の種類などを紹介します。
アクアポニックスとは?
アクアポニックスとは、魚の養殖と植物の水耕栽培を掛けあわせた栽培の方法。魚が汚した水を微生物がキレイにし、植物の栄養に変えてくれるという、自然の循環を真似したシステムです。循環させることで、必要な水の量を減らしたり、水換えの手間を減らしたりと、効率的に育てることができます。
システム
魚
魚は食用のものも、鑑賞用のものも飼うことができます。通常のアクアリウムは定期的な水換えが必要ですが、微生物と植物の働きにより水がキレイになるので、水替えの回数は少なくて済みます。微生物
魚の食べ残しやフンを分解し、植物の栄養になる形に変えてくれます。植物
水耕栽培で、水に溶けた栄養分を吸収して育ちます。微生物が作った栄養から育つので、基本的に肥料をやる必要はありません。インテリアとしてもオシャレ!
アクアポニックスは農業としてだけではなく、インテリアとしても注目を集めています。ホテルやお店にあるキレイなアクアリウム、素敵ですよね。熱帯魚や金魚を育てるついでに、ハーブやレタスなどを一緒に育てるのはどうでしょうか?魚の水替えの手間も、植物の水やりの手間も減らせ、その上育てた植物が収穫できる一石三鳥。また、アクアポニックスの循環は、自然の生態系の縮図。ダイニングで楽しく育てながらお子さんの勉強に一役かうかも。
アクアポニックスキット5選
初めてのアクアポニックスなら簡単に始められるキットがオススメ。インテリアに最適なオシャレなものもあります。どれくらいの魚を育てたいか、どのくらいのスペースを使えるかなど、あなたの目的と環境にあわせて最適なキットを選びましょう!1. 安心して育てられる
アクアスプラウト
アクアポニックスの学校も行っている「おうち菜園」が出しているアクアポニックスキット。無料の電話・メールサポートがついていて買ってからも安心です。2. インテリアにぴったりのオシャレなデザイン
brio35
カナダのデザイナーのこだわりのデザインはインテリアとしての存在感が抜群。付属のLEDライトが植物の成長を促すとともに、観賞魚と植物を美しく見せてくれます。3. コンパクトでお手軽
コトブキ工芸 アクアポニックス ラウンドポット
コンパクトサイズでお手頃なお値段。たくさん魚は飼わなくていい、でもアクアポニックスを試してみたい、という人にオススメです。4. 癒しの和風インテリア
スクエアポット
選べる癒しの小さな和風インテリア。買ったその日に簡単にセットできます。5. ハーブを寄せ植え
Water garden
コンパクトながら、ハーブの寄せ植えができるキット。キッチンに置いて、バジルやパセリ、パクチーなどを育ててみてはいかがでしょうか?アクアポニックスを自作しよう!必要なものと作り方
今ある水槽を活用したい!という人や、置く場所に合わせてサイズや構造をカスタマイズしたい!という人は自作をしてみるのはいかがでしょうか?アクアポニックスにはいくつかのタイプのシステムがありますが、ここでは最も簡単なタイプの作り方を紹介します。
必要なもの
- 水槽
- 植物用コンテナ(オーバーフロー水槽の場合は不要)
- 水槽用レール
- 水中ポンプ
- エアレーション
- ハイドロボール
- 配管パイプまたはチューブ
- 配管継ぎ手
- ライト
- 育てるもの(魚・植物)
Step1. 植物用コンテナの準備
植物用のコンテナはプラスチックなど防水のものであれば利用できます。コンテナに排水用の穴を開け、塩ビパイプをつなぎ、水槽内に水が落ちるようにします。パイプはパイプ用の接着剤で固定し、コンテナとのつなぎ部分はシーリング剤でシーリングしておきます。オーバーフロー水槽を使うと1槽をそのまま植物用コンテナとして使うことができ、配管の手間がないので簡単です。Step2. 配管・ポンプ
植物用コンテナを水槽の上、または棚の上段に設置します。水槽の上に設置する場合には、水槽用のレールを利用します。水を入れた植物用コンテナを重くなるので、専用品を利用することをおススメします。設置をしたら、水槽にポンプを固定し、水の出口が植物用コンテナの上にくるように配管をつなぎます。Step4. エアレーション・ライトのセッティング
魚の水槽にエアレーションをセットし、植物用コンテナの上にライトをセットします。ライトは植物育成用のものが好ましいですが、白熱灯や室内照明用LED、ハロゲンライトでも代用できます。白熱灯・ハロゲンランプなどの場合には熱くなるため、植物用コンテナに近づけ過ぎないように注意しましょう。植物育成LEDライトはこの記事でも紹介しています。
Step5. 植物用コンテナのセッティング
植物用コンテナの穴の部分にハイドロボールが流れ出ないようにネットをかませます。そして、ハイドロボールを軽く洗い、植物用コンテナに敷き詰めます。ハイドロボールには細かい穴がたくさんあり、その穴が微生物の巣となります。また、野菜が根を張り倒れないようにする役割もあります。大きさは目のつまりにくい中粒〜大粒がオススメです。魚を入れる準備ができたら、コンテナに直接種を蒔くか苗を植えます。苗を植える場合は土をよく洗い流してから植えましょう。Step5. 魚のセッティング(完成!)
水を入れ、ポンプを回して1ヶ月程度待ちます。これは微生物が増え、魚を入れても大丈夫な状態になるまでに時間がかかるためです。もっとはやくはじめたい人は市販のバクテリア剤を利用することで、この期間を短くすることができます。水質が安定したら(待機期間が終わったら)、最後に魚を入れて完成です。栽培のコツ
立ち上げてからしばらくはシステムが不安定です。そのため、魚の数や餌やりは少なめにしましょう。できれば水質を定期的にチェックしてやり、それにあわせて魚や植物の量を調節したり、水替えをするすることでうまくいきやすくなります。水質チェックには簡単に使える熱帯魚用の試験紙がオススメです。育てられる魚と野菜
せっかく始めたのに、植物が育たなかったりしたら残念です。まずは育てやすいものからはじめてみてはどうでしょうか?アクアポニックスで育てるにはどんな魚、どんな植物が向いているのかを紹介します。育てられる魚
基本的に淡水魚であることが前提となります。アクアポニックスで育てた魚を食べたい、という場合には、育つのが比較的速く、水質の変化に強く、美味しい魚が選ばれます。スタンダードなのはコイ、ティラピア、アメリカナマズなどです。鑑賞がメインの場合には、水質の変化に強い魚を選びましょう。金魚やテトラなどが初心者向けです。熱帯魚によってはヒーターで水温を高く保つことが必要であり、その水温が育てたい植物に適さない場合があるので注意しましょう。また、魚を入れすぎると循環のバランスが崩れやすくなります。少ない数から始めるのがオススメです。育てられる野菜
水耕栽培が可能な植物であれば育てることができます。ただし、実や根っこを食べる植物は多くの栄養が必要で、循環のバランスを取るのが難しいため、まずは葉物の野菜やハーブを育てるのがオススメです。特に水気を好む植物が向いています。クレソンやルッコラ、リーフレタス、バジル、ミントなどは初心者向けです。他にもナスやトマト、トウモロコシ、イチゴ、メロンなどが育てられている例があります。慣れてきたら色々な野菜に挑戦してみましょう!水耕栽培向きの野菜はこの記事でチェックしてください!