ここでは、新しい栽培方法にチャレンジする農業経営者の注目を集めている、浸種用機能水器「苗清水(TM)(なえしみず)」(三菱ケミカルアグリドリーム株式会社)をご紹介します。
米づくりは「育苗」が鍵を握っている
浸種の温度管理と作業量
米づくりは、苗作りからのスタートダッシュが秋の収穫量を左右するといわれています。浸種段階においては、水温の管理が重要で、種籾(たねもみ)の場合、発芽に必要な積算温度は100℃といわれており、水温が15℃であれば7日間必要になります。水温が高いほど発芽が早くなる計算ですが、種籾に短時間で吸水させるため発芽ムラができやすくなります。水温を低くすると発芽ムラは少なくなりますが、水替えなどの作業量は増えます。倒伏しない根張りの良い苗を作るために
倒伏しにくい稲を作るためには、育苗段階から根張りをよくするためのさまざまな工夫が必要です。戦後開発された苗づくりの技術で「畑苗(はたなえ)」というものがありました。早く稲を大きく育てることを目的に、苗を畑で育て保温するというものですが、小さくてもがっちりとした苗になり根付きも良く、窒素やデンプンもたくさん蓄えていました。これは、畑で水分不足に追い込まれたイネが、秘めている能力を開花させたことによるものと考えられています。「苗清水(TM)」のメカニズムを解説|「苗清水(TM)」で浸種すると苗の生育が向上
「苗清水(TM)」を使うとなぜ苗が良く育つのか?
「苗清水(TM)」の技術は、機能水による非生物的ストレスを与え、植物が本来もっている能力を十分に発揮させることを期待したものです。種子に穏やかなストレスを与えることで、より根を伸ばすなどの生育促進につながっていると考えられています。「苗清水(TM)」の処理水は早く浸透
「苗清水(TM)」の処理水は水に含まれているミネラル成分を取り除いているので、浸透圧差が大きく、種籾の細部まで早く浸み込みます。種籾内のデンプンを溶かす酵素の働きも早まり発芽がアップすると期待されます。発芽抑制成分を効率的に除去
「苗清水(TM)」の処理水には、発芽抑制物質など、より多くの成分が種籾から溶け出します。ミネラル不足で生じたストレスが根の生長を促進
本来生育に必要なミネラルが不足した環境で休眠から目覚めるため、植物生理が活性化します。水に栄養がないため、イネはとんでもなくやせた土地に生まれてしまったと勘違い。そこで、より栄養を得られるように、根をたくさん伸ばして強くて丈夫な苗になろうとしていると考えられます。生育の各段階における「苗清水(TM)」の効果
発芽が早い!
根が多い!
葉が旺盛に育つ!
穂数が多い!
「苗清水(TM)」で育てた米の特徴
「苗清水(TM)」で育てた米(山田錦)を外部機関に一度調べてもらったところ、それ以外の米に比べて、籾すり後ふるいにかけて選別した精玄米(2.0mm 以上)の割合が最大で3.9%高いことがわかりました。また、以下のような特長も見出され、酒米としての性質のよさが期待されます。・破砕率が低かった…精米加工がしやすく、歩留まりが高まる
・Brix(糖度屈折計示度)、アミノ酸度がやや低かった…口当たりが良い淡麗な清酒になりやすい
・カリウムが多かった…麹菌(こうじきん)や酒母における酵母が増殖しやすい
・タンパク質が少なかった…蒸米の消化性が良く、雑味の少ない清酒になりやすい
「苗清水(TM)」は給水口につなぐだけ!電源や水道工事も不要
「苗清水(TM)」の水は、浸種のみに使用します。飲用や養魚水には利用しないでください。
試験農家に聞く!「苗清水(TM)」を導入した感想や効果
宮城県大崎市|農事組合法人大地・畑山敏昭さん
「農事組合法人大地」代表理事
12haの圃場(ほじょう)で「ひとめぼれ」と「金のいぶき」を栽培
宮城県大崎市で「ひとめぼれ」と「金のいぶき」を生産する農事組合法人大地の畑山敏昭さんにお話を伺いました。2014年に法人を設立し、経費をかけない、より多く収穫する、消費者の方に支持される、という3つの基本を大切に、経営を安定させ発展させることを目標にしています。畑山さん自身は、好きな農業を力いっぱいやっておいしいものを作り、お客様においしいと言ってもらいたいと思っているそうです。
従来の栽培方法で課題に感じていたことはありますか?
「苗清水(TM)」の設置や利用に難しい点はありましたか?
「苗清水(TM)」で浸種した印象はどうでしたか?
種は生きて呼吸をしているので水が濁り、臭いも発生します。今までは水道水を利用していて、水の交換を頻繁に行わなければなりませんでした。しかし、「苗清水(TM)」を使ってみると、濁りが少なく臭いがきつくないことがわかりました。
発芽した後の状態はいかがでしたか?
今後も「苗清水(TM)」を利用しますか?
一般社団法人 未来のタネ研究所代表理事兼所長|永野邦明先生
「苗清水(TM)」の実証試験の印象をお聞かせください。
「苗清水(TM)」を使用すると確実に初期生育が向上することは、明らかになりました。しかし、そのあとの天候次第で結果が見えにくくなってしまうことがあります。ずっと悪い天候が続けば、「苗清水(TM)」区と未処理区の差が開くと思うのですが、良い天気が続けば最終的な効果がわかりにくくなってしまいます。「金のいぶき」のように、明らかに苗づくりが難しいなどの課題がある場合にピンポイントで導入するのがよいのではないでしょうか。また、SDGsが注目される中で、化学農薬ではなく、生理的な活性を高めて生育をよくするというのは時代にあっていると思います。
北海道北斗市|中川農園・中川明さん
中川 明さんプロフィール
昭和59年 北斗市(旧大野町)生まれ
作付け:水稲17ha、ながねぎ70a、トマト40a
家族構成:両親、奥さん、子ども2人
従来の栽培方法で課題に感じていたことはありますか?
「苗清水(TM)」の利用に難しい点はありましたか?
「苗清水(TM)」の使用時、もともとの水の水質や温度でかかる時間が変わります。中川農園の場合、「苗清水(TM)」を利用して1Lのためるのに4~5分必要でした。「苗清水(TM)」では、カルシウムやマグネシウムがカートリッジ内の物質に作用するのですが、流速が早いと作用しきれないことがあります。また、水温が低いとイオン分が作用するのが遅くなるので、寒い地方は時間がかかる傾向にあります。「苗清水(TM)」を利用している農家は、水が必要になる半日前に準備したり、カートリッジを2本使うなどの工夫をしていることがあります。
栽培の様子はどうでしたか?
収穫の感触はいかがでしたか?
登熟が遅れたのは、籾数が増えたためだと考えられます。1株にたくさんの籾があると、そこに栄養を巡らせるのに時間が必要になります。気温が低いことや籾数が多い場合には、追肥をすることでより収穫を増やせる可能性があります。今回、中川さんの圃場では、発芽がよくなりすぎて軟弱徒長ぎみになり、追肥すると稲が倒伏する恐れがあると判断し、追肥はしませんでした。
今後も「苗清水(TM)」を利用しますか?
機能水の力で植物本来の力を目覚めさせ強靭な苗を育てる
「苗清水(TM)」への問い合わせについて|直播モニターも募集中
「苗清水(TM)」は地域によってはパートナー企業からも購入できます。まずは、三菱ケミカルアグリドリーム株式会社にお問い合わせください。また、今後はさらに検証数を増やし、生育データの収集を行う予定です。現在、直播モニターも募集中です。
Sponsored by 三菱ケミカルアグリドリーム株式会社