ジャンボタニシの駆除・対策あれこれ。天敵や農薬など

ジャンボタニシの生態や駆除方法について解説。天敵を使った対策や、卵を防ぐ忌避剤、時期別の農薬など、被害を防ぐための様々な方法を紹介します。


ジャンボタニシとは?

ジャンボタニシ 出典:Flickr(photo-by:harum.koh)
ジャンボタニシはスクミリンゴガイという貝のこと。1980年代に輸入されたもので、もともと日本にいるタニシとは違う種類です。ジャンボタニシは「有機物なら何でも食う」「段ボールが餌になる」と言われるほど食欲が旺盛。移動も速く、水田に移植後の柔らかい稲を食べてしまい、米作りにダメージを与えます。そのため現在では有害生物に指定されています。

もともとは食用目的で輸入

原産は南米のアルゼンチン。繁殖力が高いことから、食用目的で日本に輸入されました。日本各地で養殖されましたが、肝心の食べる方での普及が進まず、養殖水田が放置されたことから野生化しました。

生息地は西側

寒さに弱いため、日本においては南(西)の地域に生息しています。関東でも発見されたことがありますが、主には中部地方から沖縄まで生息していて、特に九州地方での被害が多発。ただし、中部以西であっても、日本海側の鳥取、島根、福井などでは発生がほとんどないようです。

水田におけるけるスクミリンゴガイの発生率:2012年

ジャンボタニシの見分け方

ジャンボタニシの卵 出典:写真AC

形・大きさ

ジャンボタニシは日本のタニシとくらべて全体的にまるっぽく、特に一番下の層が広いのが特徴。2~3cmの大きさで生体になり、その後も成長を続けます。環境によって大きさはまちまちですが、5cmほどになることも。これまでに見つかった一番大きなジャンボタニシは、高さ8cmと手のひらいっぱいのサイズです。

ピンクの卵

ピンク色の粒粒が一塊になった卵を産み、水上の植物の茎や側溝の壁などに産み付けます。在来のタニシは卵を産まないので、ピンクの卵を見つけたらジャンボタニシがいるということです。

卵は有毒

卵の内部には神経毒が含まれています。卵が目立つ色をしているのは、捕食者に毒を盛った卵であることを知らせるためと言われており、実際ジャンボタニシの卵を食べる生き物はほぼいません。

防除・駆除、様々なジャンボタニシ対策

天敵で駆除 すっぽんや合鴨など

九州沖縄農業研究センターによれば、小さな貝はギンブナやヤゴ、サリガニなど多くの生物が捕食するとのこと。2cm以上の貝も、すっぽんや鯉、合鴨、クサガメなどは餌にします。実際東南アジアではアヒルを駆除に使っているそうです。

農薬などの薬剤を使う方法

1.石灰窒素

収穫後の温かい時期に「石灰窒素」を利用して駆除する方法です。水深3〜4cmに水を溜め、数日置くと貝が活動を始めます。その後、石灰窒素を20~30kg/10a散布し、3~4日湛水させましょう。また、石灰窒素には魚毒性もあるので、散布したら水田から流れ出ないように注意してください。

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ペルカ 粒状 石灰窒素 20kg
・内容:20kg
・参考価格:4,423円前後
土壌消毒や土壌改良に使ってます。
使用時はガスが発生するので、マスクやゴム手袋を使い注意してます。
1.土の中の線虫やコガネムシの幼虫など駆除が出来ます。
2.使い方は土に混ぜるだけで土壌がホワホワになりました。
3.チッソと石灰が含んでいるのでリン酸とカリの肥料は別に加えます。
4.石灰窒素を入れた後は1ヶ月程度畑を休眠させます。
5.重量があるので通販が最適です。 出典:楽天市場

2.駆除剤(殺貝剤)

貝を駆除する農薬を利用することで、発生してしまった貝の被害を抑えることはできます。メタルアルデヒドを利用したタイプの「スクミノン」や「メタレックス」、カルタップ粒剤の「パダン粒剤4」などが代表的です。発生時期により有効なものが違うので注意しましょう。下記は駆除剤の例です。
スクミノン 収穫 60 日前まで/2回以内
1~4kg/10a
スクミンベイト3 発生時
2~4kg/10a
スクミハンター 収穫 45日前まで/3回以内
1~2kg/10a
キタジンP粒剤 本田初期/2回以内
3~5kg/10a
パダン粒剤4 収穫 30日前まで/6回以内 4kg/10a
メタレックスRG粒剤 移植後、但し収穫90日前まで 0.7~1.4kg/10a
参考:千葉県・( 一社 )千葉県植物防疫協会・千葉県農業共済組合連合会 広報資料
日農メタレックスRG粒剤 1.4kg
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日農メタレックスRG粒剤 1.4kg
メタルアルデヒドを利用。ジャンボタニシに食べさせることで麻痺や異常行動を起こし、食害を予防する。

・内容:1.4kg
・参考価格:2,960円前後

3.忌避剤

銅粉を利用した忌避剤を水路の壁に塗ることで産卵を抑える方法や、食品添加物を原料にして作られた忌避剤を畑にまくといった方法もあります。

 

4.椿油粕

 椿油粕はジャンボタニシなどに毒として聞きますが、水田から流れる水により魚が汚染されるなどの問題があります。害虫駆除用の農薬としての利用は法律で禁じられているため、ジャンボタニシ対策としては利用しないようにしましょう。

物理的に駆除・予防する

貝は見つけ次第捕まえて殺し、卵も見つけたら水中に落とすかつぶしましょう。1~3cmの貝は土中で越冬するため、厳寒期に耕うんし、砕いたり寒さに充てることで駆除します。

また、水路や取水口から用水とともに侵入します。水田の取水口に目合い5~10mm のネットを設置する、畦畔(けいはん)を高くするなどの方法で外からの侵襲を防ぎましょう。

ジャンボタニシで除草!ジャンボタニシと共生する農法とは

出典:Pixabay
被害がある一方で、ジャンボタニシの生態をうまく利用することで稲の被害を抑えつつ、ジャンボタニシを利用して除草するという農法も存在します。

ジャンボタニシ共生農法の原理とポイント

ジャンボタニシは、「やわらかい葉を好んで食べる」「水深が浅いと動きが鈍くなる、水がなくなると休眠する」という性質があります。そのため、水深を調整することで、稲を先に育て、雑草を優先的に食べるように仕向けることで、除草をします。

1. 苗はできるだけ大きく育てたものを使います。箱苗よりもポット苗のほうが向いています。

2. 田植え直後には水張りをゼロにし、ジャンボタニシを眠らせます。

3. その後、1日1mmずつ水深を上げ、雑草の芽を食べさせます。

4. 10日からは5cmの深さにします。株元が固くなった稲よりも生えてくる雑草を好んで食べるため、除草されます。

5. ジャンボタニシの食べる量が雑草の映える量より多くなった時には、水深を2cm以下にすることで動きを鈍らせて調整します。

水質浄化

タニシ類には水質浄化の能力があり、ジャンボタニシも同様に水質浄化役立つといわれています。共生農法を取ることで、田んぼの水質改善に役立つかもしれません。

ジャンボタニシの生態を知って稲を守ろう

出典:Pixabay
発生したジャンボタニシを拾って殺す、大変な作業とはおさらばしたい。そんなときは、農薬を使うのが有力な手段です。その際は適切な量や時期に注意してくださいね。また、農薬のほかにも、ジャンボタニシの生態を知ることで物理的な駆除や農法を試していきましょう!

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