
出典:Pixabay
いつも見慣れているけれど、顕微鏡を通せばそこは見たこともない異次元の世界!例えば、葉っぱの上の露を顕微鏡で見ると息をのむほど美しいんです。そんなミクロワールドを知る驚きと楽しさをお子さんと一緒に体験してみませんか?それに野菜の成長の過程を顕微鏡で観察したりしているうちに、病気を早期発見できることも…。
ここでは、大人も一緒に楽しめる顕微鏡の選び方と、価格別のおすすめ顕微鏡をセレクトしてのご紹介、さらに簡単な使い方をまとめています。
顕微鏡観察には3つの効果あり!

花粉って聞くだけで拒絶反応を示す人も多い現代。でも、ちょっとだけ顕微鏡で見た花粉の美しさを紹介させてください。
上記画像はデイジーなどの花粉。顕微鏡で観察してみると、たくさんのトゲで覆われていることがわかります。
植物は花粉を昆虫たちに運んでもらっています。運んでもらわなければ受粉されないし子孫を増やすこともできません。だから、運び役をしてくれる昆虫の体にくっつきやすいように花粉表面にトゲをつけているのです。人間にとっては見ているだけでくしゃみが出てきそうなのですが、顕微鏡を通して見ることで自然は素晴らしい叡智に満ちていることがわかります。
1. 近場でワクワク体験ができる
新しい世界を体験するために、わざわざ遠くまで出かける必要はありません。散歩がてら、菜園や近所の公園に携帯顕微鏡を持って行きましょう!顕微鏡を通してみた世界は未知の世界です。美しい一瞬は写真やビデオに撮って記録に残しておきましょう!
2. 研究者気分で自由研究がすすむ

出典:写真AC
子どもは毎日新しい発見をすることが大好き!教育の一環としても、植物や小さな虫たちが一生懸命に生きていることをミクロのレベルで知ることは重要なことです。また、顕微鏡を覗き込む自分のスタイルがまるで研究者のように思えて嬉しくなり、自由研究にも拍車がかかるでしょう。
3. 病害虫の早期発見もできる
今まで何気なくに見過ごしていたのに、顕微鏡を使うことでハッと気がつくことも多いものです。
例えば植物の成長の様子を写真に撮るとき、一歩踏み込んで細胞の成長過程などを顕微鏡で記録してみましょう。思わぬ病害虫やカビなどを発見することもでき、植物の病気の予防・対策にも役立つんです♪
自分にぴったりの顕微鏡を選ぼう
でも、いざ顕微鏡を買おうとしてもいろんな種類があるので迷ってしまいますよね。
顕微鏡を選ぶポイントは、観察する対象物や倍率、観察方法や画像保存の仕方、そして予算です。それぞれについて解説します。
観察したい対象で選ぶ

顕微鏡には実体顕微鏡と生物顕微鏡があります。
例えば小さな虫などをそのままの形で拡大して見たい場合と、植物などを薄くスライスして内部を観察したい場合では顕微鏡の種類も違ってきます。実体顕微鏡と生物顕微鏡の違いを下記にまとめました。
| 実体顕微鏡 | 生物顕微鏡 |
方法 | そのままの状態で立体的に拡大して観察する | 薄くスライスしてプレパラートに乗せて観察する |
利点 | 動植物を傷つけずに観察できる | 細胞などの内部を観察できる |
倍率 | 低い | 高い |
倍率で選ぶ

出典:写真AC
顕微鏡には倍率が表示してあります。でも「倍率100倍」と商品説明されていても一体100倍で何が見えるのかがわかりませんよね。そこで、各倍率で見ることができるものをピックアップしてみました。
倍率 | 見える物 |
40倍 | 細胞(点の状態)、小動物の内臓、トンボなどの複眼 |
100倍 | ミジンコ、プランクトン |
400倍 | 細胞(形状が判別できる状態) |
1000倍 | 染色体、細胞内構造 |
観察・記録の仕方で選ぶ

せっかく見つけたミクロの世界。顕微鏡だけではなくパソコンやスマホ画像で見たいですよね。
それなら、例えばデジタル顕微鏡が便利。USBケーブルでパソコンと繋いで観察・保存することができます。またプロジェクターに繋いでスクリーン投影も可能なので、学習発表やプレゼンテーションにも役立ちそうですね♪

その他、撮影機能を搭載し、ipadとWifi接続して画面を確認できるタイプなどももあります。
金額で選ぶ
一般的な実体顕微鏡の価格は千円台から40万円台まで、生物顕微鏡は1万円台から30万円台までとさまざま。研究用であれば、もっと高性能で高額なものもあります。
ここでは比較的手に入れやすいおすすめの顕微鏡を価格帯別にピックアップしました。具体的にどんな値段でどんなタイプの顕微鏡がご自分にぴったりなのかを検討してくださいね。
5,000円以下のおすすめ顕微鏡
1. この価格でLEDライト付き!
Kenko 顕微鏡 Do・Nature STV-120M
ポケットに入れて、いつでもどこでもミクロの世界を観察!対物レンズ部近くのLEDライトで暗いところの対象物もしっかり見えます。フォーカスリングで緻密なピント合わせも可能。ストレスなくクリアなミクロの世界を楽しんでください。
・倍率:60~120倍
・重量 81.6g
2. 驚異の1000倍率
YINAMA ワイヤレスデジタル顕微鏡
静止画のキャッチ可能なので、美しいミクロの世界をパソコンに保存しておける顕微鏡。ワイヤレスデジタル顕微鏡カメラが内蔵しており、WIFIで直接Android、iosシステムのスマートフォンに接続可能です。女子にはお肌のチェック、お父さんは頭皮、子どもさんは植物や昆虫観察などに使ってみてはいかがでしょうか?
・倍率:50~1000倍
・接続方法:Wifi
・対応機種:Windows、Android、IOS、OS X
3. スマートフォンをお手軽顕微鏡に
スマートフォン 顕微鏡 Leye エルアイ TB-140122MLP
スマホやタブレットのフロントカメラに取り付けるだけで、いつものスマホが顕微鏡に早変わり。拡大率は30倍から100倍!普段は見逃していた小さな世界を操作に慣れたスマホで確認できます。
・レンズ構成:直径3ボールレンズ(BK7)F=2.2mm
・倍率:30~100倍
・重量:45.4g
・付属品:Leye(顕微鏡本体)×1、Leyeプレート(試料版)×2、予備の固定ラバー(半透明×2、黒×1、専用ケース×1、取扱説明書×1
4. いつまでも見飽きないシャープなデザイン
500倍ズーム デジタルマイクロスコープ
ミクロの世界が鮮明にクッキリ見える!驚愕の500倍ズームを搭載したマイクロスコープです。
・倍率:10~500倍
・対応機種:Windows、Mac
・接続方法:USB接続
・重量:325g
5. 即観察開始できる乾燥休眠卵入り!小学生の自由研究にも
顕微鏡セット
100倍、300倍、600倍の高性能レンズが付いています。集光レンズと乾電池(別売り)を使ったライトが付いてるので夜間、室内などでも明るく観察する事が出来ます。
・倍率:10~600倍
5,000円~10,000円のおすすめ顕微鏡
6. スマホアダプター付きで観察に便利
自由研究用付属品付き顕微鏡セット
簡単顕微鏡なのに、倍率は最大900倍と高性能。ミクロの世界の研究発表も好きになるプロジェクター付きです。生きた微生物を観察するのに役立つマイクロフィルムプレパラートやピンセットなどの用具や撮影に便利なスマホアダプターも付いてお得♪
・倍率:100倍、450倍、900倍
・サイズ:24×8.5×36cm
・発送重量:544g
7. プロも満足する高性能
マイクロスコープ PC-230
パソコン画面で観察できる顕微鏡です。付属のCD-ROMでインストール、USB接続で観察・静止画撮影はもちろん、動画撮影もできます。17インチのモニターで接写の際に、60倍と230倍で焦点が合います。
・倍率:1~230倍連続倍率
・対応機種:Windows、Macosx
・型番:PC-230
・重量:210g
10,000円~20,000円台のおすすめ顕微鏡
8. 拡大率変更はダイヤル式で操作が便利
Dino-Lite Premier E DINOAM3103
Dino-Liteシリーズの普及モデル「計測機能付き」の電子顕微鏡です。静止画や動画の撮影もワンタッチ。拡大率変更はダイヤルを回すだけで手間いらず♪直線や円周の長さまでも測定可能です。お肌のチェックから自由研究、工場での検品、検査まで幅広く使えます。
・倍率:10~230倍
・解像度:VGA 640×480、約30万画素
・対応機種:Windows、Mac
・接続方法:USB
・サイズ:3.2×10.3×3.2cm
・重量:98g
9. 操作は片手でOK
デジタル顕微鏡 400-CAM025
光学倍率ズームが300倍のデジタル顕微鏡。液晶モニターを開けば自動的にon!ミクロの世界のシャッターチャンスを逃しません。片手でピントや倍率の操作ができるだけではなく、スタンドを使えば手ブレのない撮影もできるので、細かい機器の確認にも重宝します。
・倍率:300倍
・解像度:500万画素
・対応機種:Windows
・型番:400-CAM025
・サイズ:13×10.3×2.9cm
・重量:200g
10. 生物顕微鏡と実体顕微鏡が一つになった!
2WAY スマホ撮影セット付き学習用顕微鏡 40X-800X
接眼レンズに広視野レンズを採用し、LEDライトも付属した高性能な学習用顕微鏡。小学生・中学生の顕微鏡観察に最適です。スマホ撮影用アダプター付き
・倍率:40倍、80倍、100倍、200倍、400倍、800倍
・対象年齢:10歳以上
・サイズ:30×16.7×12cm
・発送重量:1.4kg
11. アウトドアのミクロワールド観察に最適
Nikon ネイチャースコープ ファーブルミニ NSFM
軽量さがフィールドワークにぴったり!防滴仕様がなされているので水辺での使用もOK。トルク調整機能付きでピントズレも防げます。子どもさんと一緒に公園などへ出かけ、立体的なミクロの世界を楽しめば自然への興味が高まります。
・倍率:20倍
・サイズ:15.6~20.2×8.9×9cm
・重量:395g
顕微鏡の各部分の名称と一般的な使い方
実際に顕微鏡を手にして、最初はどうやって使っていいものかと誰でも悩むものです。ここでは生物顕微鏡を例にとって、各部分の名称と使い方、プレパラートの準備の仕方を簡単にご紹介していきます。
各部分の名称

接眼レンズ
観察したい物体や標本を見るときに目を近づけるレンズです。実像をさらに拡大して見るためのものです。
対物レンズ
回転させることで倍率を切り替えることができるレンズです。
ステージ
プレパラートを載せる台のことです。ステージ微動つまみでステージを上下に動かしてピントを合わせることができます。
しぼり
大小の穴が空いている円盤の穴の大きさを変えて、光の明るさを調節します。
反射鏡・ライト
鏡で光を反射させて光を送る鏡のこと。光源から発される光を正しくレンズに送り込み、標本を明るくして見やすくします。
顕微鏡の使い方

出典:写真AC
初めて顕微鏡を使うときの手順を簡単にご説明します。
Step1. 接眼レンズの取り付け
顕微鏡は明るく水平な場所において、顕微鏡の上部に接眼レンズを取り付けます。
Step2. 対物レンズの取り付け
次に対物レンズを取り付けます。
Step3. 反射鏡の調整
反射鏡を調整します。暗いときは反射鏡の向きを変えて見ましょう。ライト付きの場合はライトを点灯し、最初は一番小さな穴に合わせて絞りを最小から初めて明るさを調節しましょう。
Step4. プレパラートをセット

出典:PIXTA
プレパラートをステージに乗せて、ステージ微動つまみを回しながらステージを対物レンズに近づけます。このとき、レンズがプレパラートに当たらないように注意しましょう。
Step5. ピント合わせ
今度は、接眼レンズを覗きながらプレパラートと対物レンズを遠ざけつつピントを合わせます。
Step6. 対物レンズの倍率調整
対物レンズの倍率を低倍率から高倍率に変えてピントを調節します。
詳しくはこちらの動画をご参照ください。
ガラスプレパラートの作り方

出典:Pixabay
ここではムラサキツユクサを使ったガラスプレパラートの作り方をご紹介します。タマネギでも応用できます。
Step1. 葉を剥がす
ムラサキツユクサの葉の表面を手ではがして、5mm四方にカットします。タマネギの場合はカミソリの歯で縦横に切り傷をつけて、ピンセットで表皮をはがします。
福島県教育センター
「小学校理科教材指導のてびき」Step2. 水をかけてカバーガラスをかける
スライドガラスの上に置いて、スポイトを用いて水を一滴たらして、針先を利用しながら静かにカバーガラスをかけます。このときカバーガラスの周りに余分な水がにじみでたらろ紙で拭き取っておきましょう。
詳しくはこちらの動画をご参照ください。
簡単!写真で顕微鏡の記録を残してみよう

顕微鏡で観察したら、次は記録を残しておきたくなるもの。植物や微生物の細胞は時間が経つにつれてだんだんと干からびてしまうから、今の瞬間は今保存しておかないともう見れないのです。でも、私の顕微鏡はカメラが付いていないし…なんて心配していませんか?使い慣れているスマホで簡単に撮影ができるんです。
スマホを使った撮影方法で一番簡単な方法は、接眼レンズを覗く位置にスマホのカメラレンズをくっつけて撮影する方法です。でも、問題は隙間から入ってくる光なんです…。それをクリアする方法をご紹介しますね♪
Step1. 余分な光を遮断するアダプターの用意
顕微鏡とスマホをつなぐアダプターを用意します。このときアダプターはカメラレンズに入ってくる余分な光を遮断するものであればいいので、DIYできる方はフィルムケースなどで手作りされても良いでしょう。詳しい方法は下記のサイトをご参照ください。
携帯電話のカメラで顕微鏡写真を簡単に撮る方法Step2. 手ぶれに注意して撮影
顕微鏡の視野は暗いのでシャッタースピードが遅くなりがち。スマホを手で持って撮影する場合は手ブレに注意しましょう。
以上がスマホで顕微鏡撮影する場合のポイントですが、実はアダプターの有無で仕上がりが違ってきます。最近ではスマホ用顕微鏡アダプタが市販されているので、そちらを利用すれば簡単に撮影できます。
AOPWELL 顕微鏡 スマホアダプター
表面に20の吸盤で効果的に電話を固定することができるアダプタです。
・サイズ:15.2×8.6×6.4cm
・重量:18.1g
顕微鏡で不思議の世界を観察!

出典:Pixabay
雨上がりに公園にでかけてみませんか?いつもは見慣れた雨に濡れた葉っぱも、顕微鏡で見ると不思議の世界になっています。もちろんわざわざでかけなくても、キッチンにある粉や調味料などを観察してもOK。同じように見えても顕微鏡を通せば、粒の形がそれぞれ違っていることなどもわかります。顕微鏡は世界の見方を変えたり広げたりしてくれるツール。手元に一台は置いておきたいものです。