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- AGRI PICK 編集部
AGRI PICKの運営・編集スタッフ。農業者や家庭菜園・ガーデニングを楽しむ方に向けて、栽培のコツや便利な農作業グッズなどのお役立ち情報を配信しています。これから農業を始めたい・学びたい方に向けた、栽培の基礎知識や、農業の求人・就農に関する情報も。…続きを読む
今回はマルチシートの種類や効果、選び方をご紹介します。
マルチシートの目的や効果は?
1. 雑草の抑制・防除
雑草の成長に必要な光をシートで遮断することで雑草を防除します。2. 水分環境の調整
表土からの蒸散を防ぐことで、極端な土壌の乾燥を防止し、水分環境を整えることができます。逆に大雨のときでも、土壌が水でぐちゃぐちゃになるようなことはありません。3. 地温の上昇
シートで表土を覆うことで、地温を上昇させます。イメージとしては、ふとんを一枚かぶせていると思えばわかりやすいですよね。シートの色や素材によって、その効果は大きく異なります。4. 用土や肥料の流出を防ぐ
表土に直接雨があたることがないため、用土や肥料の流出を最小限に抑えることができます。5. 雨で泥が作物に跳ね返るのを防ぐ
雨が直接表土にあたらないため、作物への泥はねを防ぎます。病害虫の予防にもつながります。また、土壌からの病原体の感染を防ぐこともできます。6. 土壌が固くなるのを防ぐ
土は雨に濡れて乾燥すると、固くなってしまいます。マルチリングにより極度の乾燥が抑えられ、土壌が固くなりすぎるのを防ぎます。マルチシートの種類を知ろう
色によって異なるマルチシートの効果
黒
黒色マルチの特徴は、光を吸収・遮光すること。黒色が太陽光を吸収するために、地表の温度を上げる効果が高いです。また、黒色は遮光効果もあるので、作物の周囲に雑草が生えてきにくくなります。黒色マルチは最も一般的なもので、安価で手に入るのが魅力です。透明
シルバー
アブラムシやアザミウマといった害虫除けにはシルバーマルチがおすすめ!畝全体に光の乱反射が起き、それを嫌うアブラムシなどの害虫に対する忌避効果を発揮します。果実の着色促進効果も期待できます。反射した光が果実の裏側にも当たるため、果実をまんべんなく色づけすることができます。さらに、光をほとんど反射するので、夏場に畑の地温が急上昇するのを抑えます。
白黒
白黒のリバーシブルタイプは、両面どちらでも使えます。暑い時期には白の面、寒い時期には黒の面を表面にすることで、年間を通じて使えるのが魅力です。白マルチは、黒マルチとは逆で日光を反射するために、日中の地表面の温度上昇を抑制することができるので、暑い時期など、あまり土壌の温度を上げたくないときに使うのがおすすめ。
→反射がきつい白マルチの畑ではサングラスを!スポーツサングラスならずれにくい!
シートのサイズ
サイズもさまざまなタイプのものがあります。シートの厚さは基本的には0.02mmで変わりありませんが、シートの長さと幅にいくつかの種類があります。家庭菜園用のおすすめマルチシート
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穴の有無・位置・大きさ
条数
一畝(うね)あたりの野菜を植える列数です。キャベツやさつまいもは1条、ニンジンやタマネギは5条で栽培することが多いです。条間
野菜の列と列の間の距離を指します。大きな野菜ほど、条間が大きくなります。株間
同じ列の中で野菜と野菜の間隔のことを指します。条間と同様、大きな野菜ほど株間が大きくなります。穴の大きさ
植える穴の大きさには40mm・60mmなどのタイプがあります。自然にかえる素材も!注目の生分解性マルチ
マルチシートの素材は一般的にはポリエチレンですが、土に分解されるタイプのものもあります。はがして捨てる手間がかからないこと、環境にやさしいことから注目されています。張り方のポイント
張り方のポイントはたゆまないように、ピッタリ張るのを意識すること!次の2点を守れば、比較的弛みが少なくシートを張ることができますよ。1. 底辺を固定し、サイドを土または専用のピンで止める
2. 片側だけを止めていくのではなく、常に両サイドを止める
→マルチシートの張り方はこちら。
マルチを張った畑の管理方法
水やりは必要?
マルチを張った場合では、通常の露地栽培と比較して土壌水分を保つことができるため、基本的に水やりは不要です。屋外で栽培する場合には必ずしも水やりをする必要はありませんが、屋外や屋根下で栽培している場合には、穴の隙間からたっぷり水やりをしてあげましょう。追肥したいときは?
シートの使用中に追肥する際には、シートをめくりあげる方法と、追肥をする穴を別に作る方法があります。なお、マルチシートの使用有無に関わらず、基本的には株元に直接追肥することは稀です。シートをめくり上げる方法
一度固定しているシートの片面を解除し、めくり上げてから追肥をします。この方法は、追肥する場所の深さや大きさを自由に調整できる利点がありますが、追肥後に再度シートを固定しなければならないので手間がかかります。追肥する穴を別につくる方法
シートを剥がす必要がないので、ある程度手間なく追肥をすることができます。野菜の根の先端部分に位置する距離に、移植ゴテで10 センチ大の穴をあけて追肥をします。ただし、シートを傷つけることになるので、そこから雑草が生えたり、シートがぼろぼろになったりする可能性もあります。穴の位置は、育てる野菜によって異なります。1株抜いて根を観察してみれば、どのくらいの位置に穴を開ければいいのかわかりますよ!もったいないと思うかもしれませんが、勉強もかねて抜いてみましょう。
シート以外のマルチ素材も
野菜にあったシートを選ぼう!
いかがでしたでしょうか。マルチシートを利用することで、野菜の栽培にもっとも大敵な雑草や病害虫対策を中心に、手作業よりも効率よく管理することが期待できます。シートの種類も豊富にあるので、それぞれの野菜にあったシートを探してみましょう!【AGRI PICKチャンネル】
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