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なんとなくカサカサする肌、逆に脂っぽい肌。体質だとあきらめている方もいるのではないでしょうか。
もしかしたら自分の肌にあった石鹸で解決するかもしれません!
オイルの配合はもちろんハーブや野菜など、自分の肌にあわせて肌にいいものを詰め込んだ手作り石鹸を作ってみませんか?ご自身が肌が弱いことから手作り石鹸を始め、10年あまり石鹸づくりをしているという湯本さんに、手作り石鹸の作り方を教えていただきました。
実はいろいろ、石鹸の作り方の種類
手作り石鹸と一口に言っても、実はいろいろな作り方があります。それぞれできる石鹸や作る難しさが違うので、まずはどんな作り方があるのか知っておきましょう。苛性ソーダを使った石鹸づくり
石鹸づくりで一番メジャーなのがこの作り方。油に苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)を混ぜて、「鹸化」という反応をさせて作ります。苛性ソーダは劇薬に指定されているため、扱いに注意が必要な一方、こだわった品質の良い石鹸を作ることができます。今回は基本となるこの石鹸の作り方を紹介します。重曹を使った石鹸づくり
苛性ソーダの代わりに重曹を使う方法です。タンパク質を分解し角質や角栓を洗い落とす高い洗浄力が期待できる一方、重曹自体の粒子が荒いため、摩擦で肌を傷つけやすい、泡立ちが悪い等のデメリットも聞かれます。とはいえ、手に入りやすい材料で、苛性ソーダに比べると安全に作ることができます。
グリセリンソープを使った石鹸づくり
グリセリンソープという石鹸を溶かしたり、混ぜ物をして作ります。特徴はなんといってもその透き通った見た目。溶かして固め直すだけなので簡単で、色や形など、見た目で遊ぶのに適した作り方です。石鹸素地を使った作り方
石鹸のもとである粉末状の「石鹸素地」にアロマなどを混ぜ、固める方法です。石鹸素地は苛性ソーダと油を反応させたものです。いわば苛性ソーダを使った石鹸づくりの途中からやるような形。とても簡単なので小学生でも簡単にできます。苛性ソーダを買うには?材料の揃え方
石鹸づくりに使う苛性ソーダは劇物と指定された、危険な薬品です。別名:水酸化ナトリウム。理科の実験で使った思い出はないでしょうか?タンパク質を溶かすので、目に入ると視力低下や失明の恐れがあり、誤って飲んでしまうと、胃やのどの粘膜を溶かし、最悪死に至ることもあります。そんな取り扱いに注意が必要なものなので、売っていない薬局も多いです。また、購入するときに印鑑が必要で、身分証明書が必要なことも。敷居が高く感じますが、取り扱いがあれば書類に一枚に記入さえすれば買えます。電話では断られるケースもあるそう。まずはお近くの薬局に直接行き、苛性ソーダの取り扱いがあるか聞いてみましょう。
手作り石鹸の作り方
苛性ソーダで作る手作り石鹸の作り方を紹介します。フランスの伝統的な無添加石鹸、マルセイユ石鹸を元にしたお肌に優しいレシピです。
材料
オイル
オリーブオイルをベースに、泡立ちを良くするココナツオイル、石鹸を固くするパームオイルを使います。好みでスイートアーモンドオイルやホホバオイルを使っても。牛乳パック一本分の石鹸を作るのに、総量で約630g使います。苛性ソーダ
苛性ソーダのフレークまたは粉末。牛乳パック一本分の石鹸を作るのに83g使います。精製水
ミネラルなどが含まれていない純粋な水です。薬局などで買うことができます。牛乳パック一本分の石鹸に250g使います。その他
香りづけのエッセンシャルオイルや、ハーブ。また、色付け・汚れ落としとしてクレイ、保湿用のはちみつ、牛乳やハーブティーなど。道具
温度計・はかり、泡だて器、ボウル、湯せん用鍋、ステンレスの混ぜ棒、瓶、型(牛乳パックと紐)、ヘラ、ビニール手袋作り方
大きめのボールに、パームオイル、ココナツオイル、オリーブオイルを計量して入れていきます。パーム油は64g、ココナツオイルは112g、オリーブオイルは458gです。
Step2. 油を湯せんする
油を湯せんし、泡だて器で混ぜて溶かします。溶けたら湯せんから出し、温度計で38~40℃に下がるまで置いておきます。
Step3. 苛性ソーダに水を加える
苛性ソーダ83gを瓶に入れ、水250gを加えます。ステンレスの混ぜ棒で攪拌します。アルミなどは腐食するので注意。化学反応により熱くなってきます。水で冷やしながら混ぜ、38~40℃になるまで温度を下げます。苛性ソーダは危ないため、ビニール手袋をし、窓を開け、シンクなどで作業を行いましょう。
Step4. オイルに苛性ソーダを加える
オイルと苛性ソーダ水の温度が同じくらいになったら、二つを混ぜます。オイルを混ぜながら、苛性ソーダ水をゆっくり入れていきます。この時、苛性ソーダ水は瓶の蓋に穴を開けたものを使って注ぎ込むと、一定量で入れることができ便利です。
Step5. 20分間かき混ぜる
20分間泡だて器でかき混ぜます。苛性ソーダと油が反応し、「鹸化」という反応が起き、少し白濁した色に変化し、もったりした感触になってきます。泡が立たないように注意。
Step5. 24時間寝かせる
ラップをして常温で24時間寝かせます。この間も「鹸化」が進み、より白くもったりしてきます。泡だて器で持ち上げた時に跡が残るくらいまで固まったら次のステップに進みます。固まり方が足りなければ固くなるまでかき混ぜるか、もうすこし寝かせます。Step6. エッセンシャルオイルなどを加える
ドライフラワーやエッセンシャルオイルなどでアレンジしたい場合は、この段階で加えてさらに混ぜます。エッセンシャルオイルの目安は150滴ほどです。今回は紅花のドライフラワー、ラベンダー80滴とローズウッド70滴のエッセンシャルオイルを加えました。クレイや牛乳、はちみつなどを含めたい場合もこの時に加えます。
Step7. 型入れ
型に流し込みます。牛乳パックを使う場合、2つの牛乳パックの一辺と上の部分を切り取り、互い違いになるように重ねます。真ん中が石鹸での重みで膨らんでしまうので、タコ糸で縛れるようにタコ糸を切って置いておき、石鹸を流し込んでから結びます。
Step8. 寝かせる
保温のため発泡スチロールの箱に入れて蓋をし、24時間寝かせます。スチロール箱から取り出し2~3日乾かします。湿度が高いときは固まりにくいため、寝かせる時間を長くします。
Step9. 型から外し、切る
型から外し、包丁で真上から八等分します。その後1カ月以上寝かせて出来上がり。強アルカリの苛性ソーダを、1カ月かけてオイルと反応させて弱アルカリにします。
完成した石鹸は、1年以内に使い切るのが望ましいです。溶けやすいので、水に触れないところで保管しましょう。
アレンジレシピでもっと楽しく!
手作り石鹸は無限にアレンジできるのが魅力!保湿などの機能を求めてもいいですし、香りや見た目にこだわってもいいですね。手作り石鹸をより楽しくするアレンジを紹介します。
オイルにこだわる
使用感を変えたいならオイルにこだわって。オリーブオイルを多くすればしっとりとした肌の質感に。スイートアーモンドオイルは柔らかく、ホホバオイルは保湿力と浸透性が高いなど、ベースにする油によってさまざまな石鹸が出来上がります。牛乳や野菜ペースト、ハーブティーなど肌に優しい素材を足して
牛乳やハーブ、野菜など、肌に優しい効能を持った素材や、良い香りの素材を好みに合わせて使ってみましょう。ドライハーブや牛乳、野菜を入れる場合は上の作り方のStep6.で加えます。野菜は水と一緒にフードプロセッサーでペースト状にし、コーヒーフィルターで濾して使います。ハーブを煮出したハーブティーを加える場合には、Step3.の精製水を加えるタイミングで加えます。牛乳やハーブティーなど水分が多い素材の場合は、その量の分だけ精製水の量を減らして作ります。
色付けや模様をつけてかわいく
手作り石鹸の楽しみの一つはかわいい見た目。色を付けるには、色とりどりのクレイを使います。Step6.の時点で加えてよく混ぜます。マーブルにしたい場合には、石鹸生地を二つに分け、一方だけにクレイを入れて混ぜ、その後あわせます。スタンプでメッセージや絵を入れて
石鹸にメッセージやちょっとした絵などを入れるスタンプ。固まりかけの時に押せば、とってもかわいく!プレゼントにもおすすめです。売り物にできるの?販売許可が必要です。
手作り石鹸を作ったら、フリーマーケットやネットで売りたいという気持ちが湧いてきます。でも、ちょっと待って。石鹸は売り方により認可が必要だったり、表示法が定められていたりします。化粧石鹸を売りたい?販売資格について知ろう
肌に使う化粧石鹸として販売するためには、化粧品製造販売許可というものが必要で、さらに成分などの医薬品医療機器等法に基づく内容の表示が必要です。認可には品質管理や安全管理体制が求められ、個人で許可を取れる体制を作るのはなかなか難しく、化粧品として手作り石鹸を売るのは難しいというのが現状です。化粧品ではない石鹸を販売したい場合
台所用石鹸や洗濯用石鹸として売る場合、認可はいりませんが、肌への使用はできませんし、もちろん肌への効能などをうたうこともできません。また、脂肪酸ナトリウムの含有量や表示者名、住所などの連絡先の表記が必要です。または、見た目や香りを楽しむ「雑貨」として販売するには特に認可はいりません。ただし、「石鹸」という表示はできませんし、肌への効能や使い心地などの表記はできません。手作り石鹸の道具やキット
いざやろう!と思ったときに、まずしないといけないのが道具や材料を揃えること。簡単に始められる道具のセットや材料、石鹸づくりをさらに楽しくする道具などを紹介します。キット
手作り石鹸 道具 スターターセット
・耐熱ガラスボウル 2.2L
・温度計×2本
・メガネ(スカッシースマート2)
・メガネカラー:ブラック、レッド、グレー
・シリコン製ゴムベラ
・スピード泡だて器
・デザートスプーン
・耐熱プラスチックボトル×2個
・使い捨てゴム手袋
・使い捨てマスク
・手作り石鹸小冊子
【参考価格】
5,500円前後
私は、今回、子どもと初めての石けん作りでした。バラバラと揃えるのもあちこちのお店を回って大変だし、便利なセットがあったので、こちらで注文!
必要なものがきちんとセットされていて、とても良かったです。特に、苛性ソーダ水を作るのに必要なプラ容器や撹拌器、温度計、ゴーグルは役に立ちました。
あと、柄の長いステンレススプーンも苛性ソーダを混ぜるとき、便利でした。
また、石鹸作りのやり方も載せた案内が入っており、私のように、初めて作る方には、ピッタリのセットでオススメです。 出典:楽天市場
オイル
オイルミックス
・オイルミックス…1本
・作り方のレシピ…1枚
【上記以外に必要な材料】
・精製水…175g
・苛性ソーダ(純度100%)…66g(鹸化率90%)
【詳細】
・原材料:オリーブ油360g/ココナッツ油100g/パーム油40g
・内容量:500g
※一本で約74gのマルセイユ石けんが10個できます。
型出し直後)
・型入れまでの時間:12~24時間(気温・撹拌状態等により異なります)
・保存方法:冷暗所にて、高温、直射日光は避けて下さい。
【参考価格】
1,100~1,600円前後
小豆パウダーを入れて手作り石鹸上手に出来ました。1ヶ月熟成するのを待って使ってます。サッパリ洗い上がって でも、洗い上がりは肌のツッパリもなく気持ち良いです。小豆パウダーを入れたので見た目はきんつば 見たいです。 出典:楽天市場
ココナッツオイル
・内容:425g
・原材料:有機ココナッツ
・栄養成分表示:100g当り
エネルギー:899kcal、たんぱく質:0g、脂質:99.9g、炭水化物:0g、ナトリウム:0mg、飽和脂肪酸:89.7g、トランス脂肪酸:0g、コレステロール:0mg、カプロン酸:0.7g、カプリル酸:8.0g、カプリン酸:5.8g、ラウリン酸:47g
・参考価格:1,900円前後
いろいろなメーカーからココナッツオイルが出ていますが、このメーカーさんのが一番クセが無く、使いやすかったです。一度だけ他のメーカーのものを使ったら、吹き出物が出てしまい、慌てて毎回使用のこのぶんに変えました。 出典:楽天市場
パームオイル
型・スタンプ
手作り石鹸用アクリルモールド ミルクタイプセット
オイル総量500gで作った場合、約70×195×55ミリの石けんが1本出来ます。(※オイル総量500g+水分量(35%)+苛性ソーダで計算した場合の型出し直後の大きさ)
20~22ミリの厚みでカットすると、1個80g前後の石けんが9個出来上がります。
(※レシピにより重量は変わります。)
Kicode イエローレジンソープスタンプ
・シリコーン金型色:黄色
・シリコンモールドサイズ:約5x4x1.5cm
・完成した石鹸の重量(約):38g
・参考価格:440円前後
ドライハーブ
ハーブティー用ドライハーブ サフラワー(紅花)
もっといろいろな種類のドライフラワーを見たい方はこちらの記事で
ラッピング
Fuwari ラッピング
もっと石鹸づくりを知りたいなら。おすすめの本や教室など
もっといろいろなレシピを知りたい!もっと詳しく作り方を知りたい!という方もいらっしゃるのでは?素敵なレシピがたくさん載った、おすすめの本を紹介します。また、本ではなく人に教わりたいという人は教室に行くという手もありますよ。素敵なレシピいっぱい!手作り石鹸のおすすめ書籍
『オリーブ石けん、マルセイユ石けんを作る―「お風呂の愉しみ」 テキストブック』
『石鹸のレシピ絵本』
教室
やってみたいけど自分だけで作るのは不安……ちゃんと習いたい、という人には教室に行くという手も。お近くの教室を探すのに便利なサイトを紹介します。asoview
全国の手作り石鹸教室を検索できるサイト。HP『アソビュー(asoview!)東京都の手作り石鹸』
https://www.asoview.com/leisure/act0207/location/prf130000/
orange flower 手作り石鹸・化粧品のお教室情報
手作り石鹸の材料などを売っているサイト内にある、教室紹介ページ。全国30ほどの教室が掲載されています。HP『オレンジフラワー(Orangeflower)子供のアトピーの不安から手作り石鹸へ』
http://www.orangeflower.jp/2hajimen.html
小学生の自由研究にはNG!!
苛性ソーダは劇物。苛性ソーダを使う石鹸づくりは自由研究には不向きです。小さい子どもやペットのいないところで作り、手の届かないところで保管するなど、扱いには十分注意しましょう。自分の肌にあわせたわがまま石鹸!手作り石鹸の奥は深い!
今回の石鹸の手作り、だんだんと変化していく様子がおもしろく、引き込まれました。なにより「かわいいしいい香りだし、自分のレシピで作りたい!」と、お菓子作りにワクワクするような気持ちが湧く、楽しい体験でした。そしてご自身の作られた石鹸を使っているという湯本さんの肌が、きれい!石鹸にこだわるのって大事なんだなと実感。みなさまもぜひ手作り石鹸に挑戦してみてください!
紹介されたアイテム
ローズクレイ 20g
¥254 税込
手作り石鹸 道具 スターターセット
¥5,500 税込
カフェ・ド・サボン マルセイユ石けん オイルミックス
¥1,080 税込
ブラウンシュガーファースト 有機エキストラヴァージンココナッツオイル 425g
¥1,922 税込
オーガニック・トランスファットフリー100%パームオイル・ショートニング
¥1,264 税込
手作り石鹸用アクリルモールド ミルクタイプセット[押出板付き]
¥2,460 税込
Kicode イエローレジンソープスタンプ
ハーブティー用ドライハーブ サフラワー(紅花)
¥270 税込
Fuwari 包装袋
オリーブ石けん、マルセイユ石けんを作る
¥1,944 税込
石けんのレシピ絵本
¥933 税込