- AGRI PICK 編集部
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園芸に使う用土の種類
園芸用土は基本用土と補助用土に分けられ、さらにこの2つを配合した培養土があります。基本用土とは
基本用土は園芸の基本となる土で、全体の半分以上を占める土台となる用土のことをいいます。もともと畑や庭にある土も含まれます。補助用土とは
基本用土にブレンドして通気性、保肥性、保水性などをもたせる土のことを補助用土といいます。庭や畑の土が育てたい植物に適していない場合、補助用土を混ぜて土壌改良をする必要があります。培養土とは
培養土とは基本用土と補助用土、肥料などを混ぜ合わせ、植物に合わせて通気性や保肥性、保水性などを調整した状態の土です。培養土は自分で配合するだけではなく、事前にブレンドされたものも販売されています。園芸初心者は市販の培養土を使うことで土づくりの手間が省け、失敗も少なくなるのでおすすめです。
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代表的な基本用土
赤玉土
赤玉土は関東平野の火山灰が積もってできた関東ローム層の赤土から作られたものです。腐葉土と違い無機質なため、雑菌が増えにくく挿し木などに重宝します。
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黒土
黒土は赤土と同じく関東ローム層から採取された土です。有機物を多く含んだやわらかい土で、園芸用土としては腐葉土などを混ぜて使われています。
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荒木田土(田土)
田んぼの土として知られる荒木田土(あらきだつち)。腐植質や微生物などが含まれ、保水性や保肥性が高く粘性があり、乾くと硬く固まるので相撲の土俵などにも使われています。
鹿沼土
鹿沼土は栃木県鹿沼地帯で採取される火山灰の一種です。スポンジのような形状で、保水性や通気性に優れています。鹿沼土について詳しくはこちら
桐生砂
鹿沼土のさらに下層から採取される火山灰の一種で、群馬県桐生地帯で多く産出される桐生砂。通気性や水はけが良いのが特徴で、多肉植物、盆栽などに使われます。
その他の基本用土
基本用土にはそのほか、日向土、山砂(まさ土)、ケト土、川砂などがあります。日向土
山砂
まさ土
ケト土
川砂
代表的な補助用土
補助用土にもたくさんの種類があり、それぞれ用途も異なります。腐葉土
腐葉土は枯れた木の葉や枝が長い期間を経てバクテリアやミミズなどに分解されて、土状になったものです。畑に混ぜることで通気性を良くし、根が張りやすくなり、保水性や保肥性も高めます。
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堆肥
堆肥は動物のふんや落ち葉などの有機物を微生物が分解し発酵することで作られます。肥料のように直接植物に栄養を与える効果はありませんが、混ぜ込むことで土がふかふかになり、水や肥料の吸収が良くなります。
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くん炭
くん炭はお米を精米したときに出るもみ殻を炭にして作られる補助用土です。保水性、通気性にすぐれ、乾燥した土壌を改良する目的で使われます。また、アルカリ性のくん炭は、酸性が多い日本の土壌にまくことで中性にする特徴もあります。
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バーミキュライト
バーミキュライトはケイ酸塩鉱物の「苦土蛭石(くどひるいし)」からできた鉱物で、用土に混ぜれば保水性と保肥性、通気性を高めます。また、断熱、保温効果もあり、夏の暑さから植物を守ってくれる補助用土です。バーミキュライトについて詳しくはこちら
パーライト
パーライトは黒曜石や真珠岩などの火山岩が原料です。パーライトを混ぜることで排水性が優れた土壌を作ることができます。
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ピートモス
ピートモスとは、苔(コケ)類などが蓄積してできた泥炭(ピート)を乾燥させた土材です。酸性のため、ブルーベリーなど酸性の土を好む植物を育てるときに有効です。また保水性、保肥性、通気性が良く、軽くて扱いやすいなどのメリットもあります。
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その他の補助用土
ゼオライト
ヤシガラ(ベラボン)
【用途別】配分は?培養土の作り方
育てる植物や用途によって、適した配合で培養土を作る必要があります。種まき用
種まきには無菌で粒が細かい用土が適しています。赤玉土 | ピートモス | バーミキュライト |
5 | 2~3 | 2~3 |
挿し木用
挿し木にはバーミキュライトを使うと、挿し木が乾燥しにくくなり発根を促す効果があります。赤玉土、、バーミキュライトを次の割合で混ぜると土がふかふかになって効果的です。
赤玉土 | 腐葉土 | バーミキュライト |
3 | 1 | 1 |
用土について気になるQ&A
再生できる?用土の処分や再利用方法は?
作物を育て終わった土は栄養が抜けていたり、病原菌が増えていたりする可能性があるため、基本的に新しいものと取り替えるようにしましょう。使用済みの土はゴミに出したり、自治体や園芸店に引き取ってもらったりするなどの方法があります。また、土を乾燥させ、育てていた植物の根を取り除き、新たに肥料を追加して再利用するのもいいでしょう。
土の再生方法について詳しくはこちら
土壌消毒ってどうやるの?
同じ土壌で作物を育てていると生育が悪くなる現象を「連作障害」といいます。連作障害を防ぐには太陽熱消毒や、フスマや米ぬかなどを土壌に投入する土壌還元消毒や消毒剤による消毒などで病原菌を死滅させることが大切です。土壌消毒について詳しくはこちら
土の正しい保管方法は?
土は食べ物のように消費期限はありませんが、一度封を開け、空気にさらした土はしっかりと閉じて保管することが大切です。できるだけ風通しが良く、雨や直射日光が当たらない場所で保管しておきましょう。
適した用土を使えば植物がますます元気に!
土には基本用土と補助用土があり、それぞれ特徴が違います。水はけを良くしたいのか、保温性や通気性を高めたいのか、土のpHを変えたいのかなど、状況に応じて基本用土と補助用土を配合し適切な培養土を作ることが必要です。植物をいきいきとした状態に導くために、適切な土選び・土づくりを行いましょう。