シードルって何?
シードル(アップルサイダー)はりんごのお酒
シードルは、りんごを発酵させて造られるお酒です。シードルという名前はフランスでの呼び方で、フランス北西部のブルターニュ地方のものがよく知られています。アルコール度数が2~8%とあまり高くなく、りんご独特の甘酸っぱい爽やかな香りが特徴です。りんごのお酒と聞くと「甘いのでは?」というイメージを持つ方もいるかもしれませんが、実際には甘口だけでなく辛口もあります。各地で造られるりんごを使ったお酒
またりんごを使ったお酒としては、アメリカでは「ハードサイダー」、イギリスでは「サイダー」などがあり、ワインに似たものやビールに似たものなどさまざまな種類があります。イギリスと言えば「パブ」が有名ですが、サイダーは多くのパブに置かれています。このように呼び名や味わいは違っても、りんごのお酒は世界各地で楽しまれています。昨今は、日本のりんごの産地である青森県や長野県などでもシードルが作られており、注目が高まっています。
「ノンアルコール」のシードルも美味!
ワインなどと比べてアルコール度数がもともと低いシードルですが、市販品には「ノンアルコール」のタイプもあります。妊娠中・授乳中の方やお酒を控えている方も安心して飲むことができます。自家製シードルの作り方
本場のシードルの作り方
シードルの原材料として、本場ではシードル向けのりんごの品種を中心に、いろいろな種類のりんごをブレンドして使っています。作り方は、収穫したりんごを外気にあてて熟成させた後、果汁を絞り、タンクで発酵させます。りんごの糖分が炭酸ガスとアルコールに変化し、しゅわしゅわと泡の立つシードルになります。この一連の過程は、少なくても3カ月以上に及ぶそうです。自家製シードルの作り方|りんごジュースとドライイーストで簡単にできる!
私もこの方法で何度か作ってみましたが、発酵していく様子を眺めるのは面白く、手作りならではの味わいが楽しめます。ただし知っておきたいこととして、日本では酒税法により「酒造免許を持たない者が、アルコール度1%以上のお酒を造ることは禁止」とされています。他人への譲渡はしないことと、あくまでも「趣味の範囲」で楽しむようにしてください。
〈材料〉作りやすい分量
・りんごジュース(ストレート)500㏄
・ドライイースト 3~4g
・ぬるま湯(30℃前後)小さじ1
作り方
1.ドライイーストは発酵しやすいように、ぬるま湯に混ぜて10分程度置いておく。2.煮沸消毒などをした清潔な保存瓶に、りんごジュースと1を入れて混ぜ合わせて、軽くふたをする。
3.数時間経って小さな泡が出てきたら、発酵が始まったサイン。
4.1日1回はかき混ぜて、好みの味になったらできあがり。早めに飲み切るようにする。
ポイント
・発酵が始まると瓶のなかにガスが充満します。中身があふれてしまうのを防ぐため、作る分量に対して大きめの瓶を用意することと、ふたをしっかり締め過ぎないように気を付けてください。・市販のりんごジュースには、大きく分けて「濃縮還元」と「ストレート」の2種類のタイプがあります。ストレートというのは、果実を搾って瓶やパックなどにそのまま詰めたもののことです。濃縮還元のものに比べて香りや風味がしっかりと味わえることから、今回のシードルのレシピではストレートタイプを使っています。
・もしも異臭がするなど不具合がある場合には、飲むのを控え、処分してください。
シードルの飲み方
バーなどでは、シードルにミントを加えた「シードルモヒート」や、カットした果物と組み合わせた「フルーツカクテル」などもあるようです。シードルの爽やかな味わいは、香りのよいハーブ類やほかの果物との相性も良いので、自由な発想でアレンジを楽しんでみてはいかがでしょうか。
シードルと一緒に楽しめる料理
シードルとガレットは、フランスでも古くから愛されている組み合わせです。私自身がシードルに初めて出会ったのもガレット専門店でしたが、その相性はやはり抜群だと感じました。
ガレットのほかにも、シードルは魚介類やきのこ類、芋類、果物など、素材の持ち味を生かしたヘルシーな料理によく合います。
ちらし寿司
きのこと長芋のマリネ
果物のコンポート
シードルが余った時の活用法
シードルで香り豊かな食事を楽しもう
シードルは、普段の食事はもちろん祝いの席を彩るのにもおすすめの飲み物です。また、少しだけ残った場合には煮込み料理など調味料として使うことができ、余すところなく活用できます。ぜひシードルと一緒に、香りのよい食卓を演出してみてはいかがでしょうか。