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- AGRI PICK 編集部
AGRI PICKの運営・編集スタッフ。農業者や家庭菜園・ガーデニングを楽しむ方に向けて、栽培のコツや便利な農作業グッズなどのお役立ち情報を配信しています。これから農業を始めたい・学びたい方に向けた、栽培の基礎知識や、農業の求人・就農に関する情報も。…続きを読む
そんな青パパイヤですが、なんと関東圏で栽培されているという情報を入手!早速スタッフが取材にうかがい、果実の収穫も体験させてもらいました。農家の方に、青パパイヤの魅力やおすすめレシピも聞きましたよ♪
青パパイヤの収穫体験をしたのはこちら!
Hola Sol Hacienda(オラ ソル アシエンダ)
世界の珍しい野菜を栽培
「旅する野菜」をテーマに海外の野菜を30種類以上栽培。今回取材した青パパイヤのほか、ビーツやズッキーニ、アーティチョーク、モリンガなど、日本では珍しい野菜を手掛けています。ちなみに「Hola Sol Hacienda(オラ ソル アシエンダ)」は、スペイン語で「Hola=こんにちは」「Sol=太陽」「Hacienda=大農園」を意味します。「いつの日か大農園を」という夢が込められた、すてきな名前なのです!
収穫体験やワークショップも
「Hola Sol Hacienda(オラ ソル アシエンダ)」では、野菜の生産以外にも、収穫の体験イベントや青パパイヤの花を使ったバスボム作りなどのワークショップも定期的に開催しています。また、農園のある古河市の魅力を知ることができる、町ぐるみのツアーも好評です!Hola Sol Hacienda(オラ ソル アシエンダ)関連サイト
HP:http://holasol2016.xsrv.jp/wp/
facebook:https://www.facebook.com/holasolhacienda/
Instagram:https://www.instagram.com/holasolhacienda/
YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCFVboEaZzjF6Jhuok6l7GbQ/videos
青パパイヤは通販サイトで入手可能!
「Hola Sol Hacienda(オラ ソル アシエンダ)」の野菜は、古河市の道の駅などのほか、通販サイト「食べチョク」でも購入することができます。阿部 直人・美穂ご夫妻
直人さんが、長年勤めていた会社を辞めて脱サラし、2017年に「農地がない、農機具がない、技術もない」ところから、農園をスタートさせました。
青パパイヤの栽培は、直人さんがとある農家にあったパパイヤの木に、ひと目ぼれしたことがきっかけ。見た目の美しさだけでなく、実もたくさん収穫できると聞き「これだ!」と直感したそう。その後すぐに苗探しを始め、師匠に農業のノウハウを学びながら試行錯誤を繰り返し、ここまでの農園を造り上げました。
青パパイヤの収穫を体験!
靴カバーを装着!
青パパイヤはどのようになっている?
パパイヤの実は、幹の中間くらいの高さに鈴なりになっており、下の方から徐々に大きくなっていきます。収穫できる個数は個体差がありますが、1株で大体30個ほど収穫できるそうです。
パパイヤの株には種類がある!
雄株と雌株は花が咲いても実がならないのですが、両性株はつぼみの時点ですでに実ができており、開花したものは必ず収穫することが可能。そのため、両性株を育てたいところですが、パパイヤの株の種類は子株の時点では見分けがつかないのだそう。阿部さんご夫妻は、毎年株を多めに植えることで対策しています。
青パパイヤの収穫時期
青パパイヤの収穫は、9月の初旬から、霜が降りる11月の中旬頃まで続きます。パパイヤは暑さにとても強いのですが、寒さには弱く、雪が降ったら一発でダメになってしまうそう。青パパイヤの収穫の目安
青パパイヤは、好みの大きさに育ったらいつでも収穫可能です。サイズによって食味の違いはありません。「Hola Sol Hacienda(オラ ソル アシエンダ)」では一般家庭向けに、レモンよりやや大きめのサイズで収穫しています。これは、家庭で使いきれるサイズを想定してとのこと。飲食店などの業務用には、1個1kgほどの大きなサイズが重宝されるようです。
青パパイヤの収穫方法
ちなみに、パパイヤは完熟すると自然に落下しますが、未熟の状態では木にしっかりとついているため、台風などの強風を受けても落ちることはないのだそう。こんなに軽い力で採れるのに、何だか不思議です。
あふれ出る酵素!
おいしい青パパイヤの見分け方とは?
また、果実についたヘタも鮮度を見分けるチェックポイント。収穫から時間が経つと、ヘタが傷んで茶色くなってくるためです。ヘタの断面が白いものは、フレッシュな青パパイヤといえます。
「Hola Sol Hacienda(オラ ソル アシエンダ)」の青パパイヤは、つるりとしたなめらかな果皮で、色合いもムラのない緑色をしています。ゴツゴツしていたり、果皮の色が黒ずんでいたりする海外産の青パパイヤと異なり、とても大切に育てられていることが伝わってきました。
青パパイヤとは|味の特徴と栄養素
フルーツのパパイヤと青パパイヤの違いとは?
ちなみに、木になったパパイヤの実が熟すまでは、約6カ月もの時間がかかります。また、パパイヤは収穫した時点で熟成が止まるため、バナナのように追熟することはできません。
青パパイヤの味の特徴
また、青パパイヤには酸味や苦味などのクセがないため、サラダはもちろん、煮物や炒め物、天ぷら、漬け物など幅広い料理に使え、味付けも自在!あまり知られていませんが、じつは青パパイヤは調理方法を選ばない万能野菜なのです。
阿部さんご夫妻のおすすめのレシピは、後ほど紹介します!
青パパイヤの栄養素と効能
豊富な酵素類
パパイヤには、タンパクを分解するパパイン酵素を始め、デンプンを分解する酵素のアミラーゼ、脂肪分解酵素のリパーゼなど、体に良い酵素類が非常に豊富!そのため、脂っこい肉などと一緒に食べることにより、胃の中で脂肪分が分解されやすくなり、消化を助けてくれます。また、これらの酵素類は肉を柔らかくする効果もあるため、調理前に肉をパパイヤと一緒に漬け込むのもおすすめです。繊維質の固い肉や骨つき肉も、ほろほろに!
ビタミン類やポリフェノールも!
さらにパパイヤには、ビタミン類などの栄養成分もバランス良く含まれています。特に含有量が多いのは、抗酸化・アンチエイジング効果で注目されるポリフェノール。なんと、赤ワインの7.5倍も含まれています。青パパイヤの酵素量は完熟パパイヤの10倍!
上記のように、酵素類や栄養素たっぷりのパパイヤですが、実が熟す過程でこれらの栄養成分は消費されてしまいます。そのため、栄養価を比べると、未熟の青パパイヤの方が高くなるのです。酵素類に至っては、完熟したものより10倍もの量が含まれています。パパイヤに含まれる注目成分!
成分 | 効能 |
パパイン酵素 | タンパク質を分解 |
カタラーゼ(酵素) | 活性酸素を除去し、アルコールの分解を促進 |
アミラーゼ(酵素) | デンプンを分解 |
リパーゼ(酵素) | 脂肪を分解 |
プロテアーゼ(酵素) | タンパク質を分解 |
トレハラーゼ(酵素) | 体内のインターフェロン(抗ウイルス作用)を高め、免疫力アップ |
ポリフェノール | 抗酸化作用 |
イソチオシアネート | 抗酸化作用、肝臓の解毒作用の促進 |
ベンジルグルコシノレート | 成長ホルモンの分泌を促進 |
農家直伝!青パパイヤのおいしい食べ方&レシピ
栄養たっぷりの青パパイヤ、ぜひ食べてみたいですよね!
そこでここからは、阿部さんご夫妻に聞いた青パパイヤのおすすめレシピを紹介します。青パパイヤの下ごしらえと切り方についても教えてもらいましたよ♪
青パパイヤのおすすめレシピ
青パパイヤのサラダ
タイ料理では定番の料理「ソムタム(青パパイヤのサラダ)」。ソムタムのピリ辛の味わいが食欲をそそります。市販の「ソムタムの素」を使えば、あえるだけで本場の味に!青パパイヤの漬物
cookpad「青パパイヤと塩昆布の浅漬け」
青パパイヤの天ぷら
cookpad「青パパイヤの天ぷら☆」
青パパイヤの肉巻き
cookpad「青パパイヤの肉巻き」
青パパイヤの味噌汁
cookpad「青パパイヤとワカメの味噌汁」
青パパイヤのペペロンチーノ
cookpad「青パパイヤのペペロンチーノ」
青パパイヤのマスタード炒め
cookpad「青パパイヤのマスタード炒め」
青パパイヤの「もうりゃう」
cookpad「青パパイヤの鶏汁」
青パパイヤの下ごしらえ&切り方
Step1. 下ごしらえ
青パパイヤは皮も利用できるため、切る前に丸ごと水洗いしておきましょう。カットした青パパイヤの実は、水にさらすなどの下ごしらえはしなくても大丈夫です。水にさらすと、せっかくのパパイヤ酵素が流れてしまいます。
Step2. 皮をむく
Step3. 半分にカットする
Step4. 種を取る
Step5. 料理に合わせた大きさ・薄さに切る
煮物にする場合は、食べやすい大きさにぶつ切りに。すぐに調理しないのであれば、切り分けてから冷凍保存しておきましょう。冷凍することで青パパイヤの繊維が破壊され、煮込みなどの調理時間が短縮できます。
天ぷらやフライにする場合は、火が通りやすいように2~3mmの厚さに切りましょう。
青パパイヤは皮も活用できる!
すぐに使わない場合は、ビニール袋に入れて冷凍庫に保存しておきましょう。
青パパイヤの保存方法
おいしい青パパイヤができるまで|栽培の苦労とやりがいとは?
まさに手探りで始めた青パパイヤ栽培。どのような苦労ややりがいがあるのでしょうか?ご夫妻にお話しをうかがいました。
青パパイヤ栽培の苦労
さらに阿部さんご夫妻が困ったのは、パパイヤに関する情報量の少なさだったそう。日本ではパパイヤ農家はまだまだ珍しく、木が病気にかかったときなどに相談できる相手がいないのです。そのためお2人は、栽培方法から食べ方に至るまで自分達で調べ、工夫を重ねてきたそうです。
青パパイヤ栽培のやりがい
同農園では海外の珍しい野菜を栽培しているので、近くの住民にも「これは何の野菜?」と聞かれるそうです。取材の日も、よく農園を通りかかるフィリピン人のお客さんが、青パパイヤとモリンガの葉を求めに来ていました。
直人さんと共に青パパイヤを育てている美穂さんは、収穫体験で訪れたお客さんの反応を見るのが楽しみなのだそう。初めてパパイヤの木を見た人が感激する姿を見るのは、とてもうれしいのだとか!
今後の展望など
今後は、「食べる・飲む・遊ぶ」をテーマとした、青パパイヤと古河市の魅力を伝えるイベントも開催予定とのこと。農園で青パパイヤを収穫し、古い蔵を改装したレストランで青パパイヤ料理を食べ、古河市の地酒を楽しむという、とても魅力的な内容なんですよ!
青パパイヤの収穫を体験してみて
みなさんもぜひ、今度の休日には「Hola Sol Hacienda(オラ ソル アシエンダ)」で青パパイヤの収穫体験を!