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- AGRI PICK 編集部
AGRI PICKの運営・編集スタッフ。農業者や家庭菜園・ガーデニングを楽しむ方に向けて、栽培のコツや便利な農作業グッズなどのお役立ち情報を配信しています。これから農業を始めたい・学びたい方に向けた、栽培の基礎知識や、農業の求人・就農に関する情報も。…続きを読む
そこで今回AGRI PICK編集部が、パッションフルーツ農園にお邪魔して、栽培方法から収穫の仕方、食べ方までリサーチ!実際に収穫体験もさせてもらいました!!
パッションフルーツの収穫体験をしたのはこちら!
国内のパッションフルーツの産地としては、伊豆諸島・小笠原諸島を含む東京都は、沖縄と鹿児島につぐ第3位!八王子では、浜中園を含む13の農園が「八王子パッションフルーツ生産組合」を結成し、パッションフルーツの普及に努めています。
「八王子パッションフルーツ生産組合」
浜中園
パッションフルーツの果樹は、全部で約400本。遠方からも、パッションフルーツを求めに来園する人もいるそうです。浜中園のホームページとオンラインストア「ポケットマルシェ」でも、収穫期に採れたてのパッションフルーツを販売しています!
浜中園
ポケットマルシェ「パッションフルーツ八王子南国気分気分」
浜中俊夫さん
十数年前よりパッションフルーツの栽培を始め、現在では「八王子パッションフルーツ生産組合」の一員として、日々パッションフルーツ栽培の研究を重ねています。
パッションフルーツってどんな果物?味は??
パッションフルーツの種類
パッションフルーツは、果皮の色によって「紫玉」と「黄色玉」に種類が分かれます。紫玉は、黄色玉よりサイズが大きく、甘味が強いのが特徴。現在日本で栽培されているパッションフルーツは、ほとんどが紫玉になります。
パッションフルーツの果実
パッションフルーツの味
爽やかな酸味と甘味が、バランス良く味わえるパッションフルーツ。ひと口食べると、芳醇な香りと甘酸っぱい味が口の中に広がります。とても余韻の残る味わいで、クセになりそう!パッションフルーツの収穫を体験しました!
パッションフルーツはこんな風になっている
パッションフルーツの収穫方法とは?
パッションフルーツの果実は、まだ緑色で熟していない状態でも落下することがありますが、その場合は果皮が紫色になるまで追熟させています。
パッションフルーツの花
花は授粉後、雌しべの付け根部分が大きく膨らみ、果実になります。そのため、花が大きいと果実も大きくなる可能性があるのだそう。
おいしい果実ができるまで|パッションフルーツの育て方
苗木の定植
パッションフルーツの栽培は、ゴールデンウィークを迎えるころに、苗木を植えることからスタートします。沖縄や伊豆七島などの暖かい地域では、もっと早い時期に定植ができますが、八王子では春先はまだ霜が降りてしまうことがあるため、4月下旬以降が適期とのこと。浜中さんは、野菜苗や花苗を生産している「八王子パッションフルーツ生産組合」のメンバーから苗木を仕入れているそうです。
人工授粉
人工授粉の方法は、雄しべを手でちぎり取り、花粉を雌しべの先(3つの柱頭)につけていきます。一つひとつの花に、手作業で人工授粉するのは、とても大変な作業です。最盛期には、浜中さんご夫婦で、毎日500~1,000輪もの花に授粉作業を行うそう!
剪定・摘芯作業
剪定
脇枝は、授粉作業が終わるとさらに多く発生するので、剪定の作業量も増えていきます。
摘芯
パッションフルーツの増やし方は?
パッションフルーツの生長期である8~9月に、枝の先端を切り取り、挿し木にして増やします。挿し木から水分が蒸散してしまうのを防ぐため、葉は数枚だけ残して土に挿すのがポイント。挿し木は、翌年の1~2月ごろまでほとんど伸びませんが、気温が上がって暖かくなると生長を始めます。パッションフルーツは種まきでも増やすことは可能ですが、実がなりにくい傾向があります。果実の収穫目的ではなく、グリーンカーテンにしたいというのであれば種から育てるのもアリです。
パッションフルーツの収穫時期は?
11月に入ると収穫も終わり、パッションフルーツの栽培は完了。株は全て畑から抜き取って、支柱も取り払います。
食べ頃のパッションフルーツの見分け方
果皮の色と香りで見分ける!
しわしわになると甘味が増す
上の画像は、スタッフがいただいたパッションフルーツを自宅で追熟させたもの。常温の室内で6日ほど置いていたら、見事にしわしわになりました。食べてみたところ、確かに酸味が少なくなり、まろやかな味わいになった気がします。果汁は減っておらず、ジューシーなままでした!
農家直伝!パッションフルーツのおいしい食べ方と保存方法
果実を切ってスプーンで食べる
王道なのは、果実を切って、中の果肉を種ごとスプーンですくって食べる方法です。パッションフルーツの風味がダイレクトに味わえるので、初めて食べるという人には特におすすめ!浜中さんに3パターンの切り方を教えてもらいました。1. 横半分に切る
2. 上部を切る
3. 縦に3等分に切る
バニラアイスにかけて食べる
ピザのトッピングにして食べる
パッションフルーツの保存方法
パッションフルーツの保存は常温でOK。できるだけ風通しの良い日陰で管理し、果皮にシワが寄ってきたら冷蔵庫で冷やして食べましょう!パッションフルーツ栽培の苦労とやりがいとは?
パッションフルーツの栽培を始めたきっかけ
浜中さんとパッションフルーツとの最初の出会いは、今から十数年前。浜中さんの母親が、もらってきたパッションフルーツの苗木を育て、実った果実を食べさせてくれたそうです。その苗木はつるばかり伸びる品種だったので、「育てるのは大変そうだな」と思っていたそう。しかし、その数年後には浜中さんもパッションフルーツ栽培を始めることになります。きっかけは、小笠原諸島を訪れた知り合いの農家が、パッションフルーツに興味を持ち、一緒に栽培する仲間を募ったこと。新しい作物を模索していた浜中さんも、すぐに仲間入り!それから約10年、今では13人の若手農家が、八王子でパッションフルーツを栽培しています。
八王子のパッションフルーツ栽培の特徴とは?
実は、パッションフルーツの栽培に適している八王子の気候。パッションフルーツは、沖縄と鹿児島でも栽培されていますが、温暖な気候のため、栽培の開始も早く、収穫時期は4~7月ごろになります。八王子でパッションフルーツが採れるのは、8~10月。収穫時期がずれているのも、八王子でパッションフルーツを栽培するメリットとなっています。パッションフルーツ栽培の苦労
パッションフルーツの栽培で最も苦労するのは、人工授粉と剪定作業です。浜中園では、約400本ものパッションフルーツを小人数で育てているので、一つひとつ手で行う授粉と剪定は、とても手間のかかる作業になります。しかもほぼ7月に集中するため、毎年大忙しだそう!パッションフルーツ栽培のやりがい
浜中さんが、パッションフルーツを栽培する上でやりがいを感じるのは、「お客さんの声」を聞いたとき。浜中園のパッションフルーツを購入した人が、食べた感想をメールで寄せてくれるのはとても励みになるそうです。また、浜中園は「ポケットマルシェ」というオンラインストアでもパッションフルーツを販売しています。これを利用したお客さんが、パッションフルーツの新しい食べ方や感想を、写真と共に投稿してくれるのも楽しみだとか。
ポケットマルシェ「パッションフルーツ八王子南国気分気分」
今後の展望など
最後に浜中さんは、「パッションフルーツを食べたことのない人にもぜひ食べてもらい、そのおいしさをもっと多くの人々に知ってもらいたい!」と、熱く語ってくれました。
意外と身近な存在だったパッションフルーツ!
また、浜中さんのご厚意で贅沢に試食をさせてもらいましたが、愛情込めて育てられたパッションフルーツは感動的なおいしさでした!八王子育ちのパッションフルーツ、おすすめです!!