冬の間の植物の生育過程や好みの環境などを知ってから植物を選んで植え付けると、管理もしやすい寄せ植えを作ることができます。
冬の寄せ植え〜植物選び
季節の草花を使った寄せ植えは、日々の暮らしに四季折々の趣を与えてくれます。季節の寄せ植えで植物を選ぶときに大切なこと
選ぶ前に植物の性質を知ることから始めます。1. 生育環境が似ている植物
水分
必要な水分量が近いものを植えることで、水やりのムラをなくします。
生育環境
同じ鉢に植え付けるので性質が似ているもの。日向が好きな植物と日陰の好きな植物を混在しないように選びます。
2. 生長過程をイメージ
生長過程
横に伸びていくのか、縦に伸びていくのか、生長の過程を知って、草丈の低いものは手前に、高く育つものは真ん中や奥の方に植え付けると鉢全体がバランス良く育ちます。
開花期
どこか一カ所に偏らないように、鉢全体に花が咲くように、花の咲く時期を知っておきましょう。
生育期間
花や実が終わっても生育は続くのか、葉は茂っているのかなどを知ることが大切です。
植物分類
一年草は枯れたら抜き取ってしまいますが、多年草は翌年以降も楽しめます。
冬の寄せ植えの植物選びのポイント
冬の寄せ植えに適した植物を選びましょう。1. 寒さに強い植物
冬は耐寒性の強い、春まで長く楽しめる植物を選びます。2. 季節感のある植物
クリスマスや年越し、お正月などイベントが盛り沢山。イベント要素を盛り込んだ寄せ植えがおすすめです。クリスマス
クリスマスツリーに見立てるコニファー類やヒイラギを植え付けて、サンタクロースの飾りを添えるとクリスマスの雰囲気がグッと盛り上がります。
お正月
おめでたい縁起木のセンリョウや紅白の植物の寄せ植えを作ってお正月を演出しましょう。
3. 球根
冬の花が終わり、春に芽吹く球根を植えて、冬から春にかけて長い間楽しめる球根も冬の寄せ植えの楽しみの一つです。冬の寄せ植えのおすすめ植物
寒さに強い冬のおすすめ植物を紹介します。水やりの頻度も、好む日当たりも似ているものを集めました。
【低木】コニファー
育て方のポイント
日当たりや風通しの良い場所を好みますが、寒風が直接当たるような場所は避けます。
多湿が苦手なので水やりは土の表面が乾いてから与えます。
樹高
品種により樹高が5mほどまで大きくなるものもあるので、適宜剪定をして管理します。
【低木】センリョウ
育て方のポイント
冬の間は寒風の当たらない場所で、暖かい季節には直射日光を避けた場所で管理します。
樹高
0.7〜1m位
【低木】チェッカーベリー
6〜7月に白くて小さな鐘のような花を咲かせます。
育て方のポイント
日陰でも育ち、耐寒性が強い植物です。夏の間は直射日光を避けた日陰で管理します。
樹高
10〜20cm位
【花】クリスマスローズ(ヘレボルス)
※株の状態や種類によって時期が前後します。
育て方のポイント
耐寒性が強く、半日陰でも育つ多年草の植物です。
夏は直射日光による葉焼けに注意し、一年を通して多湿にならないように管理します。
草丈
10〜120cmほど
【花】シクラメン
育て方のポイント
過湿が苦手なので表面の土が乾いてから水を与えます。
真夏の休眠期には直射日光を避けた場所で管理しましょう。
草丈
10〜50cmほど
【花】パンジー・ビオラ
育て方のポイント
日当たりや風通しの良い場所を好みます。
ナメクジなどの害虫に注意しましょう。
草丈
10〜30cmほど
【花】プリムラ
育て方のポイント
表面の土が乾いたら、水をたっぷりと与えます。
草丈
10〜20cmほど
【リーフ】ハボタン
育て方のポイント
冬の間は日当たり良い場所で、夏の間はできれば葉焼けしないように半日陰で育てると良いです。土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。
草丈
品種により10〜100cmほど
【リーフ】シロタエギク
常緑の多年草で、6〜7月に黄色い花を咲かせます。
育て方のポイント
日当たりの良い場所を好みますが、日陰でも育ちます。
多湿にならないように管理をして、表面の土が乾いたら水をたっぷりと与えます。
草丈
10〜60cmほど
【リーフ】ヒューケラ
育て方のポイント
耐寒性が強く、日陰でも育ちます。
表面が乾いたら水を与えます。
草丈
20cmほど
【リーフ】ラムズイヤー
育て方のポイント
日当たりの良い場所を好みますが、真夏の直射日光が当たるような場所は避けます。
多湿にならないように管理をして、表面の土が乾いたら水を与えます。
草丈
30〜80cmほど
【球根】スノードロップ
夏の間は休眠して葉をなくし、冬に再び芽吹く多年草です。
育て方のポイント
秋から春の間は日当たり良い場所に、夏の間は日陰になる場所で管理します。
水やりは表面の土が乾いてから与え、多湿にならないように管理します。
草丈
5〜30cmほど
【球根】ムスカリ
3〜5月に花を咲かせます。花色は青の他にも紫や白、黄色やピンクなどが栽培されています。
育て方のポイント
日当たりの良い場所を好みます。表面の土が乾いたら水を与えます。
草丈
10〜15cmほど
【球根】クロッカス
育て方のポイント
耐寒性が強く植えっぱなしでも育てられます。
表面の土が乾いたら、水を与えます。
草丈
10〜15cmほど
寄せ植えの方法
準備するもの
寄せ植えでは土入れがあると作業がしやすくて便利です。
鉢(プランター)の大きさ
植え付けたい植物の数や大きさに応じた鉢を用意します。
寄せ植えの位置をずらしたいときや、花が終わってからの片付けなどを考えて、作業しやすい大きさの鉢を用意しましょう。
3〜4株植え付けるなら6.5号鉢くらい、8株ほど植えるなら9号鉢くらいを目安に選んでみてください。
苗の配置決め
植え付け
※ウォータースペース…水を与えたときに鉢から溢れないようにするためのスペース。
最後に鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと水を与えます。
球根を植え付ける場合
飾りを添える
植え付け後の管理
植え付け後の適切な管理を行い、寄せ植えを長く楽しみましょう。冬の水やり
冬の間の水やりは土中の温度が下がり、根を傷める原因になってしまうので、暖かい日中に行うようにします。寄せ植えの水やりのポイント
鉢底から流れるくらい水をたっぷり与えることは、水分補給以外にも良いことがあります。
それは土中の空気の入れ替えです。
土の中にも酸素が存在しています。私たちの部屋でも時々空気の入れ替えが必要なように、植物も空気の入れ替えが必要です。
鉢底から流れてくるくらい水をたっぷりあげることで、土中の水分とともに空気を入れ替え土中の状態を良く保てます。
冬の肥料
冬の間は、植物が肥料を吸収するペースがゆっくりなので、基本的には緩効性肥料の場合は月に1度、液体肥料の場合は月に2〜3回与える程度にします(植物の生育適温によって差があります)。花がら摘み
病気を防ぐためにも、花の付け根から摘み取って苗の健康を保ちます。
冬の寄せ植えを楽しもう
寄せ植えでお庭や玄関先に彩りを添えられたら、暗くなりがちな冬の景色も明るくなります。
冬の寄せ植えは、生育環境が似ている植物を選び、生長を見越した植物の配置をすることで、早春まで楽しく花を眺めることができます。クリスマスやお正月など冬のイベントに合わせた寄せ植えを育てて、気分を盛り上げてみませんか。